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2010年05月01日08:43

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ライムスター宇多丸の『ウィークエンド・シャッフル』

2010.05.10 「世界の亀山システム」ではなくて「世界の亀山モデル」なので、当該箇所を修正しました。

 近所の映画館が駐車場になって以来、映画とは縁のない生活を送っています。
 そんな私ですが、TBSラジオで土曜の午後9時半から放送している『ウィークエンド・シャッフル』のなかの『ザ・シネマハスラー』はよく聴きます。これは毎週6つの候補のなかからサイコロを振って観にいく映画を決め、次週にはその映画をとりあげて25分ぐらい語るコーナーです。映画の選択にランダムの要素を組みこんでいるのがミソだと思います。
 パーソナリティが明らかに観たがっていない映画が選ばれることがあって、そうして本当につまらなかった場合はかなりストレートに批判します。ポッドキャストで過去の放送も聴けるので、私は初回の分から聴いているのですが、『カンフーくん』『少林少女』『アマルフィ 女神の報酬』『ハンサム★スーツ』『ROOKIES-卒業-』あたりが槍玉に上がっていました。
 だいたいテレビ局が主導して製作し、テレビで圧倒的に宣伝しつつ公開している映画はなで斬りにされる傾向があります。ちなみに、「世界の亀山モデル」という言葉を作って広めたのはこのパーソナリティの人だそうです。

 私が映画のことをよく知らないのでなんとも判断しがたいのですが、『映画秘宝』がらみの話題が出ることが多いので映画マニア内のポジショニングでいえばややB級よりのところに位置しているのであろうと思われます。
 映画マニアの映画評は面倒くさいことになりがちというか、どのジャンルでもマニアが自分の分野について語ると収拾がつかなくなるものですが、印象批評に陥ることなく、自分なりの映画の見方みたいなものもふくめて解説しているので、門外漢の私が聴いてもおもしろいし納得がいきます。

 聴いていてひとつ思うのは、映画マニアというのは映画を観にいく人のなかでは実はマイノリティなのだということです。これは本当はどのジャンルでもいえることで、全体の動向を決定づけるライト層に対し、コアな層はだいたい冷淡だったり敵視しているのですが、映画をしばらく観ていなかったせいで、そんなことも忘れていました。
 映画についていえば、テレビ局による映画には批判的ながら、実際の興行収入はそちらの方が大きいわけで、それは映画が一部の好事家のものだけではないということでありながら、テレビの影響力が映画へ如実に反映されるというのは、好ましいことではありません。決して「よそ者がのさばってやがる」という感情的な反発ではなく、テレビドラマと映画はやはり別のスタイルをもっていて、テレビ局の映画には映画にふさわしくないテレビドラマのスタイルを持ちこんでいることが多いという指摘は具体的な説明もあってなるほどと思えます。

 あわせて思うのは、ドメスティックな映画とそうでない映画があるということです。ドメスティックな映画というのは、ライト層の好むような、現在の日本においてはテレビ局による映画です。これはマニアの評価は低く、海外に持っていけるものではありませんが、国内ではよく稼いでくれます。
 この手の映画コーナーだと海外の映画ばかりやたらと高評価(韓国映画もかなり高く評価されています)で、自国の映画が腐されることが多く、なんだか自分がひどい映画後進国にいるような気分になってきますが、海外のドメスティック映画は海を渡ってこないのに対して、迎え撃つのはもっぱらこちらのドメスティック映画ですから、どうしても邦画への評価が渋くなりがちです。
 最初から世界セールスを前提に映画を作っているハリウッドとは異なり、現在の邦画業界ではドメスティック映画に予算が投入される傾向がありますから、非ドメスティック映画はそれと比較するとおおむね小品になります。『ザ・シネマハスラー』で評価の高かった邦画は、『愛のむきだし』や『おろち』などでした。

 もちろん、洋画もけっこうざっくり斬られます。そういうわけでこのコーナーを聴いているとだいたい半分ぐらいは見ない方がいい映画だということになるのですが、ひたすら「泣かせる」や「感動」を連呼する映画の宣伝より、なんとなく映画館に行きたくなる気持ちになります。

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