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2010年01月03日09:42

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『龍馬伝』

 『篤姫』と『天地人』を見送ったので、『龍馬伝』は見ないとおさまらんかなあと思っていたのですが、『坂の上の雲』を見たらわりと飢餓感みたいなものはなくなってしまったので、かえってどうするか悩んでいるところだったりします。いえ、どちらにせよ悩むようなことではないのですが。
 しかし、『坂の上の雲』の「次回の放送は2010年10月の予定です」ってのは、テレビとは思えないほどの気の長さで脱力しました。となると、『龍馬伝』も10月までってことですかね。それはまあ、いいですか。1年はたしかに長すぎる気もするので。
 あと、『坂の上の雲』の3年目にはもうアナログ放送はないってことですな。それもどうでもいいっちゃいい話ですが。

 『龍馬伝』は岩崎弥太郎から見た坂本龍馬ということだそうですけど、実業家としての龍馬は構想力と交渉力はあったかもしれないけど、結果はほとんど残せてないんじゃないかなと思います。斬新なビジネスモデルを立ち上げたけど、果実は既存の大資本にすべて食われたベンチャー企業の創業者みたいなといいますか。いまいちパッとしません。

 新たな龍馬像を創造するといいますけど、『竜馬がゆく』が後世に及ぼした影響はあまり強すぎて、あれを前提とせずに龍馬を描いて視聴者の合意をとりつけるのはほぼ無理じゃないかなと思います。そういえば、司馬遼太郎も種馬じみた扱いを受ける源義経を書いて読者に受け入れられず、どこかで愚痴ってましたけど、それを読んで「やっぱりそれは通らないよな」としか思えませんでした。

 新たな龍馬像の創造に成功したとしても、移った先がどこかという話もあります。最近は特に女性向けの傾向が強い大河ですが、元来が「みなさんのNHK」ですから、別に昔から男性向けと決まった枠ではありません。私が記憶している最も古い大河ドラマ『女太閤記』がまずそうでして、他にも『いのち』や『春日局』とか橋田壽賀子脚本ものは視聴率もよかったようです。近年では、いわゆるイケメンを多数起用しながらも実は舞台畑の人が多かったり、三谷幸喜の脚本がマニアックであまりそういう印象のない『新撰組!』も、企画段階ではかなり女性視聴者を意識していたのではないでしょうか。
 というわけで、今回もかなりマイルドな大河に仕上がるんじゃないかと思います。そこらへんはもう滔々たる時代の流れであって、実はNHKのプロデューサーですら抗えないのかもしれません。

 そもそも主演が福山雅治の時点でってのもありますが、それについてはいいんじゃないかと思います。
「だったら、武田鉄矢の方が良かったのかよ!」
 と逆ギレされると(誰に?)土下座して謝罪せざるをえないので。
 相変わらずキャスティングはぜいたくでして、それだけでも見てみる気分にさせられます。岩崎弥太郎が香川照之、武市半平太が『ハゲタカ』の大森南朋。なにかとエキセントリックな造形になる刺客の岡田以蔵は『仮面ライダー電王』の佐藤健でして、かなりイメージが違うので、どう演じるのかちょっと興味があります。
 それから、高知なんだからって広末涼子。いやもう高知とか関係なしでキャスティングされても異論はないですけど。
 広末涼子については『義経』のヒロイン静御前に内定していたのに、当時のごたごたのせいで急に石原さとみになったという話があって、そうかもなあと思っています。どういうわけか『義経』は石原さとみだけえらい違和感がありました。
 広末涼子は『義経』の前の『武蔵』に鉄砲鍛冶の娘役でゲスト出演してまして、ラストで花火を打ち上げてました。うがった見方をすれば、それも『義経』ヒロインへの伏線だったわけですが。

 話は飛びますが(いつものことですが)、『武蔵』のヒロインお通が米倉涼子だったということが、今にして思えば悪い冗談みたいです。話の途中、関所抜けのために山の中を踏破して街に戻ってくるシーンがあります。髪はぼさぼさ衣服は擦り切れて顔には泥が飛び、なんだか山姥みたいで大変なんですが、不思議とやつれたとか苦労したという感じはありません。あの違和感がずっと気になってましたが、振り返ってみると「あ、野生に還った」がもっとも近いでしょうか。街の暮らしに馴染めず山に戻ったけど、やり残したことを思い出してまた下りてきた。でも、それが終わればまた山に帰って今度はずっとそこでたくましく暮らしていくのだろうと思わせる風体です。
 『武蔵』の後、彼女は『黒革の手帳』でしたたかな夜の女としてブレイクします。お通の役は誰に何の利益も及ぼさなかったなあとの感慨がひとしきりです。

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