居酒屋エロス

お偉いさんの施工検査を無事通過して、3週間に及ぶ目黒の仕事が今日で終了した。
だが、やっと終わった安心感より明日からの仕事が無いという不安感が強かったりする・・・
この3週間は昼休みに居酒屋で昼食をとっていた。
何故ならこの居酒屋は昼時はランチサービスで惣菜のバイキングを行っていたからだ。
880円で一品料理を注文すると、ご飯、味噌汁、惣菜、ドリンク、デザートと食べ放題になり、非常に貧乏人の強い味方だ。
ほぼ毎日顔を出していると店員さんに覚えてもらいフレンドリーな関係になる。
中でもバイトの女の子（命名、居酒屋だけに酒子）がとても優しくしてくれた。
デザートのぜんざいを食べようとしたら器が空になってたので、器が交換されるのを待っていると酒子が「お持ちしますよ」と言ってランチ時の忙しい中、わざわざ我輩の席にまでぜんざいをよそって持って来てくれた。
うーむ、有難い。
普通、バイキングでそこまでしてくれるか？
酒子は俺様に惚れてるな。と私は鼻息を荒くした。

本日、最後のバイキング。
一人現場だったので昼食は孤独に最後のバイキングを味わう。
鱸の西京焼きを食べ終えデザートに杏仁豆腐を取ってきた。
さて杏仁豆腐を頂こうとしたところ、酒子がトコトコやって来た。

「最後の一つだから食べて下さい」

とプリンを私に差し出した。



「うあー、俺、今日で最後の現場なんだよ。ありがとう！」　｡･ﾟﾟ･(T◇T)･ﾟﾟ･｡

「えー、そうなんですか？」

「うむ、お世話になりました」

普通、バイキングでそこまでしてくれるか？
酒子は完全に俺様に惚れてるな。と私は鼻息を荒くした。
レジを済ませようと席を立つとレジは酒子がしていた。
今までお世話になったお礼を言い最後に「プリンありがとう、今度は私服で食いに来るよ」とさりげない再会を期待する言葉を投げかけた。
今度、給料貰ったら居酒屋なんだから酒でも飲みに目黒にでも行くとするか。