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日記一覧

電通過労自殺について
2016年12月30日14:52

このことがらの報じられかたについて、私は世間とはちょっと違う認識を持っている。それを書いておこう。その私の認識のポイントは、3つだ。最初の第一は、仕事というものの持つ、ある独特の性格だ。それは、そこにある、是非や善悪を超えたある「絶対性」と

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門松と忘年会
2016年12月28日12:07

先週土曜日の24日に、オフィスが入居している築地のマンションに、門松が立てられた。22年間入っていた銀座裏のビルからでて入居したのが今年春の4月1日なので、ここで門松を見るのは初だ。鳶の職人が立てたそれを見て、そのでかさに驚いた。私の背丈よ

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今朝の訃報
2016年12月27日13:47

今日の朝日や日経の朝刊の紙面で、マイミクのフランコさんのお父上の訃報を知った。98歳。謹んでお悔やみ申し上げる。追悼ミサが、17年1月16日の9時半から、麹町のイグナチオ教会であるとのことだ。酒井新二さんは、敗戦後に共同通信にはいり、政治部

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『淵に立つ』を観る
2016年12月26日17:05

すこし広げて考えれば、舞踊や美術もそうだが、虚構である物語をなぜ人は作るのか、なぜそれを人は求めるのかには、尽きない謎がある。だが簡単にいえばその最深の理由は、現実に与えられている人生や毎日の日常に人は飽き足らぬものを感じ、なぜかは分からぬ

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大晦日の弦楽四重奏曲
2016年12月26日10:56

午後3時開始で終演が9時半になる恒例のその演奏会のチケットが届けられた。今年で11回めになるそれをうちは数回めくらいに知って、以来、ほぼ毎年行っている。当初は私が半分強引に引っ張っていったのだが、最近では、むしろカミさんのほうが、熱心になっ

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イブの日の外出先は
2016年12月25日12:09

朝起きて快晴であると知って、すぐに行先を決めた。それは、高円寺の名曲喫茶のネルケンだ。店の開店が昭和30年。ともに立ち上げたご主人が間もなく早逝してしまい、以来今日までの61年間、ずっとおひとりで店をやってこられた、80代と思われる上品なマ

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世界大火史の研究
2016年12月23日10:41

学生時代に、戦前探偵小説の古典的名作の小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』を読んだとき、名探偵・法水麟太郎の趣味が「世界大火史の研究」と記されているのを見て、おお、なかなかペダンティックでカッコイイな、と思った。それでは法水のその記録には、シェン

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先月の25日、上野の文化会館小ホールに、吉原すみれのパーカッションのリサイタルに行った。プログラムは、すべて現代音楽ばかりだ。数十年まえからずっとその生演奏を聴きたかった吉原なので、大いに期待していたのだが、その期待は完全に裏切られた。同じ

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島根女子大生殺し
2016年12月21日10:45

7年も何の手がかりもつかめなかったこの事件は、じつは09年11月6日の遺体発見の僅か2日後に、犯人が交通事故死していたのだという。警察は昨日、島根県警と広島県警合同で、33歳の会社員の矢野富栄(よしはる)を、犯人死亡のまま、殺人と死体遺棄・

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対米開戦通告遅れの真相
2016年12月20日08:01

この22日で山本五十六も通った銀座で最古参のバーが閉店し取り壊されると書いたこともあり、08年にここに書いたこともあるその問題を、もう一度書いておく。日本人はみんな、それは在米大使館のあり得ない不手際が原因と思い込まされているが、そこには、

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美術館でおこなわれたそういうものに、昨日の日曜日に、ふたりで行ってきた。世田谷美術館は開館30年経つが、呼び物の収蔵絵画が農村風景で知られる向井潤吉ということもあってあまり食指をそそられず、ちょっと遠いそこまで、わざわざ足を運ぶ気にならなか

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昨日、伊丹からの帰路のフライトで真冬の蒼穹に富士が聳え立っているのを見たとき、そうだ、羽田から品川に足を延ばし、このまま原美術館に向かおうと決めた。あのモダニズム建築と日本人女性ヌードの眺めは、背後の冬の空が快晴の日でなければならないと考え

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怒涛の三日連続の忘年会
2016年12月15日08:36

第一日めは、今夜。今日これから午前のフライトで、一泊で大阪に出張に行ってくる。市内に百年以上前から存続している江戸期の金融業が創業の旧財閥化学企業の研究所にまず向かう。環状線の西九条駅から、JRゆめ咲線とかいう奇天烈な名の路線に乗り換えて行く

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山本五十六の宵の城が
2016年12月14日08:27

銀座でもっとも古いバーが、今月の22日に看板を下すそうだ。その日は奇しくも私の誕生日だ。その店は昭和2年開店の銀座八丁目のボルドー。先日ここで、渋谷の老舗名曲喫茶のライオンが昭和元年生れと書いたばかり。その翌年生まれの、古い古い東京の店が、

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原美術館が快楽の館に
2016年12月13日08:10

戦前の38年竣工の西洋式現代建築の原美術館で、ちょっと意表を衝く展示をやっている。篠山紀信が33人のモデルの女性を、すべてその現場の原美術館でこの展示のために撮り下ろした「快楽の館」という女性ヌードと現代建築展だ。これは面白い。http://www.a

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YOUは何しに日本へ?
2016年12月12日09:01

ご存じのかたがおられるだろうか。本日月曜日、夜6:55からの、テレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」という番組が、抜群に愉しい。この番組の内容は、成田空港にレポーターが行き、海外から到着した旅行客に、「YOUは何しに日本へ?と訊ね、もしオッケーが

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週末の夜は、このふたり。至高のジャズ・ヴォーカルだ。このふたりの声と、赤葡萄酒の夜こそ、週末にふさわしい。エイプリル・イン・パリス。エラの声。サッチモの声。裏ぶれたバーに鳴るぶっきらぼうなピアノの音と、ペットの響き。懐かしさ。温かさ。胸を締

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それは、2月22日である。ぜひ観たいが、その時期の仕事の予定が分からない。このオレリー・デュポンはオペラ座の最高位のエトワールを長く務めた逸材だ。記録映画のあのフレデリック・ワイズマンがそのパリ・オペラ座のモダン・ダンスの訓練の一日だけを、

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私が会社を立ち上げたのは94年だが、「失われた20年」に突入したばかりのその不況の時期は、うちのような新興ベンチャーには、本来ならソニーやドコモを志望したような新卒が履歴書を送って来るような例が、幸い多かったのだ。私は面接で、最後の試験で2

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大分の2歳女児
2016年12月07日11:32

母親がちょっと目を離したあいだに家族と離れ、行方不明になってしまった女児が翌午前に山のなかで見つけられて、本当に良かった。はぐれ、山中でしだいに暗くなり、どんなに心細かったろう。だが私はこう思う。この子がまだ2歳ということがよかったのではな

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又吉直樹の言葉
2016年12月06日14:02

芸人としての長い下積みの時代の、うだつの上がらない日々、都市の塵のような自分の存在を、「邪魔になっている」と感じたり、ああ、今日はまだ一度も声をだしていないと気づいたりする。東京は果てしなく残酷で、時折楽しく、稀に優しい。ただその稀な優しさ

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そういう加害者や事件が、あとを絶たない。その種の事件での加害者たちに対し、施設に隔離し、矯正の教育を加えるべきだとの意見が新聞の投書に載っていた。そして未成年への教育は親と家庭の責任範囲なので、その隔離と矯正教育に要する費用は親に負わせるべ

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安倍・トランプ会談
2016年12月05日10:55

日本の新聞記者の記事はありきたりの内容ばかりで鼻白むが、例のトランプ会談の評価について書いた雑誌記事は、論説ではないものの、ひさしぶりに書き手の力倆を感じさせるものだった。「初対面で一時間半。話の中味は非公表だが、それでも勝負の立ち合いに似

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中絶の長編小説
2016年12月04日11:20

戦争期の学徒動員の旧制中学時代を背景としたものでは、恐怖の短編『くだんのはは』、また戦後の家族をつれた平和な郊外へのピクニックのなかで、突然、あの戦争がまだ終わっていず、自分は本土決戦に従事し汗と泥に塗れた少年ゲリラとして山中を放浪している

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五味康祐は、西洋古典音楽好きだった貧しい無名時代に、街角のレコード店から流れてくるドビュッシーの前奏曲集のなかの『西風の見たもの』に霊感を得て、『喪神』という短篇小説を書き、それが翌53年の芥川賞をとった。その3年後、日本の戦後社会に週刊誌

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私は以前から、原発ジプシーや新宿の三流芸能社、そこに流れてくる底抜けに明るい下層の人間たちなどをずっと描いてきた森崎東が好きだ。私の嫌いなインテリ特有の庶民コンプレックスが臭い山田洋次の“寅さん”ものでも、唯一、その森崎がつくった〚フ

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共通の死生観より前に
2016年12月01日09:17

ちょっと重い問題を、書く。角栄論をここで書くについて、外国人学者から「世界史でもほかに例を見ない特異なものだ」との指摘のあった「戦後日本人全体の、共通の死生観の欠落」を背景に論じてみた。それは鋭く、また同時に痛みも伴う認識だなと思った私は、

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