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日記一覧

フランケンシュタイン
2017年12月05日17:59

『フランケンシュタインあるいは現代のプロメテウス』  メアリー・シェリー著 この著作の原作が書かれたのは1818年のことで、当時のヨーロッパ社会の科学と宗教を取り巻く価値観の変遷と哲学的倫理学的問題を提起した作品として(著者のメアリー

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「たんぽぽ」
2017年10月19日23:32

遅れ馳せながらついに未読だったこの作品に手を伸ばしてしまった。誰よりも敬愛する文豪の絶筆と知りながら、今まで敢えて敬遠してきたのは、天才の絶筆なるものが大抵ろくな物ではないことは想像に難くないことだったし、何よりも作品の完成度そのものに失望

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源氏物語
2017年08月06日10:47

遅れ馳せながらと言うか、遂にと言うか、日本人に生まれ、“言葉の芸術”なるものに少なからず興味を持っている以上、「源氏物語」は誰もがいつかは辿り着く“古典中の古典”である事には相違ないだろう。本邦有史以来(文学としての)、数々の名立たる文化人

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カナリア
2017年06月26日18:39

産まれて初めて(乳児の私の)宝物になったのはお宮参りの神社の欄干の擬宝珠であった。(※注1)それから振り子電車の曲面壁のような、複合曲線で出来た筒状の空間や石積や煉瓦積みの古いトンネルのアーチの複合曲線の虜になり、その次に宝物となったがカナ

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19世紀メンデルの法則(優性遺伝、劣性遺伝の仕組)が発見され、20世紀に入りネオダーウィニズム(遺伝の種への集団的影響)がナショナリズムと親和性を築いた時、社会ダーウィニズム=“優生学”という、おぞましい“人種差別の思想”が確立された。そし

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「ゴッホ書簡全集」 
2017年04月28日22:22

「何かをうまく語ることは、何かをうまく描くことと同様に難しくもあり面白いものだ。 線の芸術と色の芸術とがあるように、言葉の芸術だってそれより劣るものじゃない」                                         

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二十世紀の偉大な思想家(構造主義の開祖)であり文化人類学者として知られるクロード・レヴィ=ストロース(2010は没)は私が心から尊敬する知の巨人の一人である。レヴィストロースは無類の日本好きで日本文化に造詣が深かった事が知られているが、古代

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「甘い生活」 
2017年03月01日20:46

「甘い生活」  1959年 伊 フェデリコ・フェリーニ監督F・フェリーニ・・・いわずと知れたイタリアが世界に誇る映画界の巨匠(レジェンド)※注1であるが、寂しい事だが、現代の若者にとって、フェリーニの名前くらいは聞いた事はあったと

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井上靖 著 「天平の甍」を読んで以来(唐招提寺を訪れて以来)、ずうっとこころの中にあり、どうしてもいつか実物を観たかったこの風景画を、今日、あれから四半世紀経って遂に間近で鑑賞することが出来た。“ 唐招提寺御影堂障壁画 ”は東山魁夷がその半生

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学生の頃、運転免許証を返上した祖父に貰ったおんぼろ軽自動車で社寺仏閣見学の貧乏旅行に学友と度々出掛けた。京都では高雄の峠を越えた栂尾にある高山寺の無料駐車場でのテント泊が恒例になっていた(※注1)ので、朝の散歩がてら高山寺境内には幾度もお邪

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