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日記一覧

聖母文庫 聖母の騎士社刊 たしか、御復活祭から三、四日後だと思います。私から、その後の報告が行かないので、しびれをお斬らせになった神父様が、ご自分で様子を聞きにおいでになりました。私が寝込んでいるので、その足で「蟻の街」へ直接お出むきになっ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊お二人が、なおも鋭く質問しかけた時に、院長様を先頭に、二十人余りの修道女方が、賑やかに談笑しつつ入っておいでになりました。「みなさん、御復活祭おめでとう」「どう、御馳走おいしいですか」「今朝は、何をして遊びましたか」

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 丁度そこへ、一人のマードレと、外人の神父様が入っておいでになりました。お二人は、教壇の上から、子供たちの騒ぎをしばらく見ておいでになりましたが、やがて「北原さん、ちょっと・・・」と、私をお呼びになります。「はい」私

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 だからこそ、この一週間、夜の目も眠らぬ思いをして、子供たちに劇の猛練習をさせてきたのです。心なしか、朝の集合の時でも、道々の電車の乗り降りの態度でも、三ヵ月前の「蟻の街」を知っているものには、おそらく想像もつかない

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 勿論、私ごとき微力な人間が、唯一人で、三つの集落の子供たちを指導するなどと夢見ることは狂気の沙汰にすぎないのですから、私の方からお願いしても、そうして頂きたかったのですが、それにしても、私が最初に関係した三集落だけ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 話は、みんなが蝶々さんになり、一人の女の子が、天の使いとなって、空から舞い降りて、それぞれの蝶々さんに春の訪れを知らすのです。眠りの暗い生活から、明るい希望に満ちた生活を恵まれた蝶々さんたちの喜び、天主様ありがとう

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 その晩のことでした。今まで、夜の勉強組の中に加わったことのない久ちゃんが、殊勝にも年下の子供たちと一緒にやって来たと思ったら、「先生、昼間のつづきの勝負をしようよ」 と言ってきかないのです。 こちらは、連戦連勝のあ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 その中でも、私は久ちゃんという一番年上の子と特に仲よくなりました。その頃、久ちゃんは、よくお父さんや、お母さんに対する不平不満を、私に訴えることがありました。自分だけ働かせるとか、弟ばかり可愛がって、自分のことは可

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 その中でも、最初のゆきがかり上、「蟻の街」の子供に主力がそそがれていたことは言うまでもありません。午前中は私の方から「蟻の街」へ行って小さな子供たちと遊びましたが、午後には、大きな子供たちが、みんな私の家へ来て、勉

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