茄子ときゅうりに割りばしをさし、牛と馬をつくる。果物をお供えした隣にほおずきをいくつか添える。それから玄関を出て、おがらに火をつけた。しゅるしゅると煙が立ちのぼり、勢いよく燃えはじめる。炎は風に押し倒れそうになるも、なんとかそこに踏みとど
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だんだんと子どもが眉根にしわを寄せる筋肉をつけてきた。そこにはすでに5円玉を挟みこめるくらいの圧がしっかりとある。これを少しのあいだ持続させることだってできる。ぼくの知らないうちに彼女は鬱陶しさを表現するための筋肉をこしらえていたらしい。
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