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9月9日から釧路沖で始まった秋の沿岸調査捕鯨は、10月末までの調査期間にミンククジラを捕獲頭数の上限の60頭を捕獲したら終了することになっていた。
今年はシケの日が多くなかなか出漁できなかったこともあり、上限の60頭まで獲れないまま終わるんじゃないかと心配していた。
ところが、設定期間ぎりぎりの10月30日に60頭目が獲れ、これをもって秋の調査捕鯨を終了したとの発表が昨日あった。
とりあえずは順調に消化できてめでたい。
そして、最後の60頭目の鯨肉が出回っている内に食べておかねば来年の捕鯨シーズンまで生クジラは食えないから、昨日は仕事を終えてから最後の生クジラで一杯やりに釧路の街に出た。
居酒屋「佐良」で、釧路の地酒「福司」をちびちびやりながら、まずは何はなくともくじらの刺身だ。
1度も冷凍されていない生クジラは新鮮で、ドリップも出ておらず臭みもまったくない。
そこそこサシも入っており、脂乗りも悪くない。
さあ、次もクジラだ。
くじらカツを注文。
刺身で食えるクジラをフライにしてしまうんだから贅沢である。
衣はサクサクで、中の鯨肉は繊維をタテに噛んでも簡単に噛み切れるほど柔らかで、クセもなく旨い。
1切れずつ交互にソースと醤油でいただいた。
そして、宴会客が入っていててんてこ舞いしていた厨房の手が空くまで1時間ぐらいひたすら待って、貯まっていた注文が途切れた瞬間を見計らって「佐良」のマスターオリジナルの裏メニュー、「生くじらの黄身よごし」も作ってもらう。
ユッケのようだがユッケよりつゆが多く、卵黄のコクとごま油の風味が臭みのない生鯨によく合い、白ごまの食感も心地良く絶品である。
黄身よごしを食べた後のつゆとごまがもったいない。
ここにご飯を入れてもらう。
よくかきまぜていただく。
クジラは全部食べた後のつゆだからもはやクジラの味はしないが、卵黄のコクのあるほんのり甘いご飯になる。
そして、とどめにくじらの竜田揚げも注文。
ミディアムレアくらいの揚げ加減で、刺身用のクジラだから柔らかく、簡単に噛み切れ臭みもなくおいしい。
冷酒1本だけで粘ったが、会計すると3940円と4000円も掛からなかった。
今年はこれが最後の生鯨になるかも知れないが、おいしかったな。
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