先日の、とある休みの日に一気に読んだ。12時間ぐらいかかったかな。俺は読むのが早いほうではないだろう。
面白かった。主人公:悠木和雅;親近感を持った。
17〜18ページ
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以前から薄々勘づいてはいた。悠木は自分を好いてくれる人間しか愛せない。好いてくれているとわかっていても、相手がふっと覗かせる突き放したような表情や態度が許せない。相手に絶対を求め、それが果たされないと知ると絶望的な気分に陥る。だから人と距離を置く。自分に対して好意を覗かせる人間は警戒し、内面に立ち入らせまいとする。傷つきたくないからだ。
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108ページ
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一人で生きていくべきだったと思う。恋愛も結婚もせず、子供も作らず、父を憎み呪いながら一人朽ち果てていけばよかったのだと思う。
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290ページ
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奇麗事を言っていては組織の中を生きられない。わかっていながら、ふつふつと湧き上がる青臭い感情を、悠木はしばらくの間、野放しにしておいた。
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327ページ
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ありがとう。
そのひと言が言えたなら、この先ずっと誇れる自分でいられた。同じ場面を与えられることは二度とない。その一瞬一瞬に、人の生きざまは決まるのだ。
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419ページ
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「加工した投稿が投稿と言えるのか。あんた、それでも記者あがりか」
稲岡は絶句し、虚空を見つめた。
「悠さん」
佐山が悠木の前に立った。
「望月の件が引っ掛かってることはわかります。だけど負い目に感じる必要なんてない。奴は自殺だったんだ。悠さんに責任はない」
「言うな」
悠木は目を閉じて言った。
佐山はやめなかった。以前、自分の父親のことを語ったときの口調に似ていた。
「俺はね、自分の死を他人におっかぶせて苦しめるってやり口が許せないんですよ。最も卑劣な死に方だ」
「もう言うな!」
悠木は目を開いて周囲を見回した。
「俺は『新聞』を作りたいんだ。『新聞紙』を作るのはもう真っ平だ。忙しさに紛れて見えないだけだ。北関は死に掛けてる。上の連中の玩具にされて腐りかけてるんだ。この投稿を握り潰したら、お前ら一生、『新聞紙』を作り続けることになるぞ」
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後藤正治の解説からも引用。
467ページ
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物語に趣と輪郭を与えているのは、主人公・悠木の陰影ある人物像である。出自にかかわる秘密を持ち、かつて部下の記者を死にいたらしめたという思い込み的なトラウマを引きずり、家庭もまた息子との不和を抱えている。悩み多き四十歳の「独り遊軍」。全権デスクにつきつつ、大事故を遠いものとして眺める自分をどうすることもできない。多分に内向的で、一見ネガティブな記者像ではあるが、秘めたる優しさと記者魂をもった第一級のジャーナリストであることがよく伝わってくる。
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俺は三流エンジニアですけどね。
「横山秀夫 クライマーズ・ハイ」でぐぐれ
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