尾崎翠が筆を擱く直前に執筆した、最後の短編3作品「歩行」「こほろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」を併せて映画化します。監督は『第七官界彷徨・尾崎翠を探して』(98年)の浜野佐知。前作では、謎とされていた尾崎翠の後半生と、代表作「第七官界彷徨」をモザイク風に描きましたが、今回は尾崎翠の作品世界のエッセンスを映像化します。
「歩行」と「地下室アントンの一夜」は、登場人物も重なり、あきらかな連作ですが、「こほろぎ嬢」は独立した短編です。しかし、わたしたちは「こほろぎ嬢」を、小野町子の成人後と解し、少女時代の町子と、詩人となった後の「こほろぎ嬢」を、合わせ鏡のように描きたいと企図しました。
前回は、鳥取県内でもほとんど尾崎翠の存在が知られていませんでしたが、今回は鳥取県が製作費の一部を助成しての映画化です。資金面では非常に苦しい自主映画ですが、県下の各市町村のロケ協力も熱意にあふれるもので、浜野監督も大きな手応えを感じています。
原作の3作品を多くの人に知ってもらうために、鳥取県倉吉市の洋画家で、尾崎翠研究家でもある渡辺法子さんが、まんが版を制作されました(定価:千円)。売り上げは製作資金にカンパされますが、下記の旦々舎でも扱っています。HPを通じてお申し込みください。
●製作=株式会社旦々舎
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