労働者：正規非正規の区別の禁止

今の日本では、明治維新以降に構築してきた基本的な制度や思想がグローバル化の時代に合わなくなってきました。
その結果、既にご存知の通り、多くの問題が噴出し解決出来ないで喘いでいます。
解決出来ない理由は簡単で、基本的な部分の制度疲労が原因なのに、小手先の政策で対応しているからです。
おかげで失われた２０年が過ぎても国の借金は異常増大し、１１００兆円を超え、まだまだ増えそうです。
消費低迷、止まらない少子化、年金制度の崩壊、一向に減らない若者の自殺などなど、何も問題が解決しません。
このままでは失われた３０年と言われるようになるでしょう。
いえ、その前に日本は破綻します。
皆さん、座して死を待っていてはいけません。

どうすれば日本が発展するのかを真剣に考えましょう。

私の提案は、労働者を正規・非正規に区別することの禁止です。

非正規労働者は、いくら頑張っても正社員にはなれないので適当にやろう。
ちょっとでも正社員の機嫌を損ねればクビになるから萎縮する。
賞与もなければ退職金も無い、昇給すら無い。モチベーションは最悪。
福利厚生も無いし、派遣に至っては交通費すら出ないで派遣会社に搾取されている。
それでいて、いつでも簡単にクビにされてしまう。
こんな不安定で絶望的な環境では、やる気が全く起きない。
よって、家庭も持てず消費も出来ないので少子化は進むし内需にも悪影響が大です。
目先の利益と正社員の待遇維持しか考えない経営者と労組によって、今、このような非正規労働者が急増しています。

また一度、正社員になったから、もう安泰だ、のんびりやろう。
失敗すると出世に影響するから冒険しないで、可もなく不可も無くでいこう。
上記のような雰囲気では、正社員が全力で働かなくなります。

正規・非正規の区別を止める代わりに、何度でも敗者復活が可能な社会にすればトップから末端社員まで前向きの社員は全力で働くようになります。

逆に言えば、全社員が同じ土俵に乗る訳ですから、既得権に安住することが出来なくなり常に厳しい競争にさらされることになります。
したがって常に努力をしなければ、すぐに蹴落とされてしまいます。
正に戦国乱世の下克上の競争原理です。
しかし、これが本当の公平で誰もが納得出来る競争システムなのです。

社内競争が激しくなれば結果としてトップから末端社員まで必死に努力するようになりますので、企業自体も発展し、強い企業が国内に増えれば日本はグローバル競争でも勝者になれます。
今のように横並び一斉一括の新卒採用が意味をなさなくなり、学生は本当の実力をつけてから卒業するようになります。
大学が就職予備校化するという馬鹿げたことも無くなりますし、就職のために敢えて留年するという就職留年などという非常に愚かな行為が無くなります。
現状のような幼児期からのお受験対策も無くなります。
違う意味の学歴のためではない、生き残るための教育は逆に過熱するかもしれません。
でもそれは、いい意味の過熱です。
昔の貴族が試験対策とは関係なく、自身の子供に高度な教育を与えようとしたのと同じです。

民間で、このような厳しいけど公平な競争システムが出来れば公務員や独占企業だけ甘い汁を吸い続けることは不可能になります。
公平な競争をやってる多数の国民が許しませんから。
現在の多数を占める正社員は自分たちが既得権側に入ってしまったために他の公務員や独占企業のようなバリバリ既得権側の人達を声を大にして批判できなくなってしまいました。

かくして日本は既得権を排除するような大改革が出来ない国になってしまいました。
今にして思えば、よく日本人が明治維新を実現出来たと思います。
まあ、日本が欧米列強の植民地にされるという危機感があったからでしょう。

公平な社会とは、公正な競争が行われる社会です。
そして社会を発展させるためには敗者復活を可能にしてセーフティネットを構築した上で、下剋上の競争社会にすることです。
これが日本復活の唯一の処方箋です。

多くの皆さんが声を上げれば実現できるのです。

忘れていませんか？
私たちの未来は私たちで決められるのです。
偉い人やお金持ち（既得権を持つ人達）が決めるのではありません。
多くの国民が声を挙げれば、社会の転換は可能なのです。