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ドゥルーズ=ガタリコミュの【研究】 レオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホ

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ここでは、ジル・ドゥルーズの文学研究の対象となったレオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホを取り上げます。

◆ジル・ドゥルーズとの繋がり
レオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホは、ジル・ドゥルーズ著『ザッヘル=マゾッホ紹介〜冷淡なるものと残酷なるもの』(邦題:マゾッホとサド)で論じられた文学者である。
クラフト=エビングが、レオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホの文学を基に、マゾヒズムという症例を作り出して以来、精神分析学では、サド=マゾヒズムとして、マゾヒズムはサディズムの正反対として考えられ、サディストの拷問を受ける相手がマゾヒズトであるという誤解が通用してきた。
ジル・ドゥルーズは、レオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホの文学に立ち返り、そこに現れたマゾヒストとその相手との「契約」や、二人の間に介在する第三者としての「ギリシャ人」の主題を照射し、従来のマゾヒズム概念を突き崩してゆく。

◆レオポルド・リッター・フォン・ザッヘル=マゾッホ
(ドイツ語読みでは、ザッハー=マゾッホと発音する。)
1836〜1895
オーストリアの作家。
『密使』『ガリツィア物語集』『コロメアのドン・ジュアン』などの歴史小説として、生前から知名度のあった作家であったが、『毛皮を着たヴィーナス』(1970)を基にクラフト=エビング博士がマゾヒズム概念を作り上げたがゆえに、性的な倒錯のみがクローズ・アップされるようになってしまった。

◆参考 ザッヘル=マゾッホ著作リスト
『マゾッホ選集』全4巻(桃源社)
第一巻『毛皮を着たヴィーナス』(昭和51年、種村季弘訳)→河出文庫、昭和58年・平成16年新装版
第二巻『残酷な女たち 他』(昭和52年、飯吉光夫・福井信雄訳)→河出文庫、平成16年
 「残虐な女たち」…ルボミルスカ侯爵夫人の熊、サイダからきた姉妹、鴉、ハトヴァンの女僭主、公妃ライエフスカ、コサックの妻、サロンの姉妹、指責め
 「風紀委員会」(以上、福井訳)
「醜の美学」(飯吉訳)
第三巻『ガリチア物語』(昭和51年、高本研一訳)
「死者たちは飽きることがない」「収穫祭」「姿を変えた司祭」「旅役者たち」「イエズス会士」「橇の遠乗り」「われらの議員」「盗賊マガス」
第四巻『密使』(昭和52年、種村季弘訳、歴史小説)
 「密使」「コロメアのドン・ジュアン」

『毛皮を着たヴィーナス』の翻訳
『性の受難者』(大正12年、オーストリー・グラアツ大学教授ザッハア・マゾッホ著、青樹繁訳、小西書店) ※巻頭言より、『毛皮のヴヰナス』独語原典からの本邦初訳とわかる。
『毛皮を着たヴィナス』(昭和23年、治州嘉明訳、鴨居堂書房)
『毛皮を着たヴィーナス』(昭和32年、佐藤春夫訳、英訳からの重訳、講談社、雑誌初出「群像」昭和32年7月号)
『毛皮のヴィナス』(昭和43年、伊藤守男訳、仏訳からの重訳、二見書房)

その他の紹介
「夜叉」(明治40年、徳田秋声訳、「文芸倶楽部」第十三巻九号二十周年記念号、博文館に収録) ※原典不明。
『美女美男綺譚〜求愛術』(昭和6年、木村毅訳、「世界猟奇全集」第二巻、平凡社)
「ヴィナスとアドニス」「箍張女袴を着けたネロ」「求愛術」「不機嫌を買ふための努力」「前哨に立つ女」「笞を持つたキュピット」 ※「マシィソン版の英訳」からの重訳。
『カテリーナ二世』(小野武雄訳、「世界セクシー文学全集」第二巻、新流社版) ※翻案に近い。
『黒女皇』(昭和51年、沼昭三著『ある夢想家の手帖』第六巻、潮出版社) ※「公妃の復讐」
「黒女皇」抄訳解説収録。
『ユダヤ人の生活〜マゾッホ短編小説集』中沢英雄訳、柏書房、1994)
『ドラゴミア〜魂を漁る女』(藤川芳朗訳、同学社、1998)→『魂を漁る女』(中公文庫、2005)
『聖母』(藤川芳朗訳、中央公論新社、2005)

原典
Sacher-Masoch:Die Russischen Hofgeschichten.4 Bde Leipzig 1873
Sacher-Masoch:Kaunitz,der Roman eines osterreichischen Staatsmannes. Wiener Verlag
1945
Sacher-Masoch:Eine Galizische Geschichte.1846. Schaffhausen 1858

研究書
種村季弘『ザッヘル=マゾッホの世界』(筑摩書房→平凡社ライブラリー)
R・フォン・クラフトエビング『変態性欲心理学』(河出書房)
R・フォン・クラフトエビング(柳下毅一郎訳)『変態性慾ノ心理』(原書房)
ジークムント・フロイト(懸田・吉村訳)『性欲論三篇』(人文書院『フロイト著作集5』)
ジークムント・フロイト(小此木啓吾訳)『本能とその運命』(人文書院『フロイト著作集6』)
メダルド・ボス『性的倒錯』(みすず書房)
ジル・ドゥルーズ(蓮實重彦訳)『マゾッホとサド』(晶文社)
ブラム・ダイクストラ『倒錯の偶像』(パピルス)
ジョン・K・ノイズ『マゾヒズムの発明』(青土社)

映画
モニカ・トロイト、エルフィ・ミケシュ共同監督作品『誘惑・残酷な女』(1985)(※トロイトの学位論文はサドとマゾッホに関する論文)
映画『作家マゾッホ愛の日々』(原作フィリップ・ペラン、黒主南訳、富士見ロマン文庫。ただし、内容については脚色が多く、マゾッホの実像を知るには不向きである。)

コメント(3)

レオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホ著、種村季弘訳『毛皮を着たヴィーナス』(河出文庫、1983)

※カルパチアの保養地で毛皮の似合う貴婦人と出合った青年は、このヴィーナスに足蹴にされて鞭打たれる悦びを発見する。青年はこの貴婦人の奴隷となる契約を結ぶが、彼女に第三者であるギリシャ人が接近し、新たなる苦悩が始まる。
レオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホ著、池田信雄+飯吉光夫訳『残酷な女たち』(河出文庫、2004)

※「残酷な女たち」「風紀委員会」「醜の美学」を収録。
レオポルド・フォン・ザッハー=マゾッホ著、藤川芳朗訳『魂を漁る女』(中公文庫、2005)

※単行本『ドラゴミア〜魂を漁る女』(同学社、1998)を改題。
青年士官ツェジムは、美しく成長した幼馴染のドラゴミアに再会するが、ドラゴミアは異端信仰に取り憑かれていた。連続する謎の殺人事件。犯行目的は、魂の救済のためか?ツェジムを恋する可憐な少女アニッタも巻き込んで展開する大スペクタル・ロマン。

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