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Essay [Cocktail Short Story]コミュのアレキサンダー

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「アレキサンダー」

ブランデー/カカオリキュール/生クリーム
最後にナツメグを少々

19世紀、イギリス王ジェームズ7世が結婚相手の
デンマーク王女アレキサンドリアに捧げたカクテル

ロイヤルウェディングに捧げられた一杯

女性名詞アレキサンドリアがいつの間にか
男性名詞アレキサンダーに変わったもの
この名前が定着した

「食後酒の女王」として愛される


仕事に疲れ、BARのドアを敲く
カウンターの椅子に腰掛けると、静かなJAZZが聴こえてくる。

いつこのカクテルを覚えたのだろうか。

何年来の友人でも出会った時のことはお互い覚えていない
ようなもので、何だか不思議な気分だ。

私がこのカクテルを頼む時は必ずこんな言い訳をする。

「普段は甘い酒は飲まないんだけど、本当に疲れた時だけ
 飲むんだよ。」

訳知り顔でシェーカーを振るマスター。

ショートグラスに顔を近づけるとナツメグがほのかに香る。

口をつけるとチョコレートの甘みが広がり、
疲れも癒されてしまう。

愛する女性に捧げられたカクテルだが、
以外とブランデーが効いている。

なるほど男性名詞を冠しているだけはあって、
お酒の苦手な女性には少々きついかもしれない。

随分前にマスターに言われたのは

「仕事が忙しいから疲れるなんて言わないほうがいい。
 嘘でもいいから、遊びすぎて疲れていると言うんだ。
 仕事で疲れているのは誰でも同じなんだから、
 男は見栄を張るもんだよ。」

BARのカウンターで飲むうちに随分と色々なことを教えられた
と思う。

大人の酒の飲み方
大人の付き合い方
大人の見栄の張り方・・・

疲れ顔を眺めながらニヤニヤ顔のマスター。

「何だよ」とばかりに無言で見返す自分。

ドアの向こうからは雨音が聴こえ、
今日も静かに夜が更けていく。

コメント(4)

トムさん>
はじめまして、ミズシーです。
ご参加有難うございます。
こんな感じのショートストーリーを不定期更新で
掲載していきます。
よろしくお願い致します。
先日のbarのアレキサンダーは絶品でしたねぴかぴか(新しい)
今までアレキサンダーは頼んだことがありませんでしたが、今度ちゃんと飲んでみたいと思いますわーい(嬉しい顔)

書き込み有難うございます。
アレキサンダーはお店によって、個性がはっきり出るような気がします。
先日のアレキサンダーはこれまででベストの味でした。

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