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意味不明小説(ショートショート)コミュのセミリタイア

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セミは大人になるまで、7年間土の中で過ごすと言われています。

幼虫は鮮やかに鳴く大人セミの声を聞き、
いつか空を飛ぶことを夢に見ます。

そして、いよいよ羽化(もしくはセミヌード)を迎え、遂に空を舞います。
幸せの絶頂期を迎えたセミは、鳴くのも忘れて飛び回ります。

羽化して3日後、
桜の樹の下で研修会が開かれ、先輩セミから講義を受けます。

「お前たちは、あと4、5日で死ぬ。俺はもう死ぬ。
 それまでにきちんとたまごをのこすように!」

これからの輝かしい未来に、心ときめかせていたところに、青天の霹靂。

この研修会(セミナー)から帰るとき、初めてセミは鳴き声を発します。
幼虫の頃、かすかに聞いた声は、悲鳴だったのです。

とはいえ、泣いてばかりじゃいられない。
余命短いながらも、生涯の伴侶を見つけねばならない。

セミの男女比率は10:1と言われています。
そのため求婚の儀式は♀一匹に対して♂10匹以上集ます。

♂は♀に対して

「俺に好きって言ってくれ。俺って言ってくれ!」

と強く訴える。この儀式を「セイミー」と言います。
幼虫の頃、かすかに聞いた声は、セックスアピールだったのです。

♂はありとあらゆるアピール
(飛行スピード、美味しい樹液マップ自慢、羽で16連打など)
をしますが、大概は1番羽の長い♂(セミロング)が選ばれます。


「セイミー」にて、恋に破れたセミは、この夏最大の泣き声を発します。
幼虫の頃、かすかに聞いた声は、失恋の慟哭だったのです。


めでたく結ばれたカップルは子作りにはげみ、♀は6日目に産卵します。


そして七日目
既に種としての役割の終えた二人は、死への支度を始める。

まず近所の池にて身を浄める。この池をセミブロと言う。

セミは羽を水に濡らすと、二度と飛ぶことができない。

最後の寝床まで歩いていく。6本の足で必死に歩いていく。
この二人の歩いた道を「セミストリート」と言う。

寝床にたどり着くと、二人は布団の仕度をする。
とはいえ、落ち葉を二枚重ねるだけなので、密着しないと少し寒い。
この寝床をセミダブルと言う。


日が暮れて夜が空けるとともに
二人は息を引き取り天に召される。

地上で七日間しかなかった命が
天国で永遠の愛を約束されるのです。

コメント(32)

いい話なんだけど……いい話なんだけど!

ついついダジャレが面白過ぎて笑ってしまいます。
来年の夏になったら思い出して泣きそうです。
秋にもなってないのに。
セミが逃げるときに掛けていたのはオシッコではなく、
恋に破れたセミの涙だったのですね。
ダジャレも、物語りも、トータルで面白いです。
セ(サ)ミストリートだったんですね。
ちょっと考えました。w
僕も以前蝉の鳴き声についての話を書いたのですが、終始暗い雰囲気のままに終わりました。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=9724086&comm_id=637360
僕も駄洒落をもっと取り入れなきゃいけないと思いました。面白かったです。
セミにまつわる駄洒落を重ねたら涙に転生という、
今世紀最大の奇跡が起こりました。

三鷹ユキさん>
 お名前大好きです。私は上石神井ユキ派です。

みいたむさん>
 涙。ありがとうございます。
 ところで、もう少し早く泣きたい場合、
 2月が真夏であるブラジルに飛ぶという手もあります。
 地球の裏側までセミの観察旅行に行くことを
 観光業界で「背見」と言います。
セミ話は続きます。

はぜさん>
 もちろん恋に破れたセミの涙です。
 人に悲しみのおすそわけ。
 人間にとっちゃ迷惑以外の何者でもない。

もの太郎さん>
 セミストリートのメッカは、四国香川地方です。
 「『さ』ぬき」なだけに。
こんなにセミの生態について研究することは、
今後一切ありません。

Pochiさん(微妙に村野さん)>

 幼虫のまま17年過ごすセミは、
 ユーラシア大陸全域に生息しています。

 セミは幼虫の間、意外と活発であり、
 (村野さんの学説とは真っ向から対立します)
 17年間にパリ〜釜山間を3往復はするそうです。
 結果土の中にセミの通路ができます。
 この通路をまとめたのが「17歳の地図」です。

村野さん>
 村野さんは駄洒落の誘惑に負けず、
 王道を突き進んでいただきたいです。
 私の存在価値がなくなりますゆえ。

夜の校舎窓カラス飛ばしてまわった♪
NO7さん>
 かの有名なバンドがこんな歌

 ♪モーションかけてフェイント
  するなんてちょっと反則だわ〜
 
 好きって言い残して、いなくなるなんてひどい!
こどものかたち。。。かなあ。
おとなではありえません。

昨年、昆虫社会についての研究をまとめた
とってもわかりにくい文書をこちらに掲載いたします。

=========
『節足動物:コンプライアンス 』

映画「完全なる嘘」でも知られるこの生物は
主に香川県地方に棲息する節足動物の一種
小さめのアリに、セミ並の羽を着けてます。

昆虫にも関わらず
コンブら海藻に大量(東京ドーム三個分)の卵を
産み付ける事でも知られています。

もとはアリから進化したためモラルは高く
集団の規律遵守を貴びます。


好物はきんぴらとアンズ
好きなドラクエは4です。
お役にたててうれしいです。

同窓会で発表される際は、くれぐれも、
私の名前は伏せて頂けるよう、よろしくお願いします。
お、おもしろすぎるじゃあないですか。。
セミのこと、とてもよくわかりました、せんせい!!

幼虫の頃、かすかに聞いた声の正体がセミたちに判明していくあたり、心中なんとも想像するに難くありません。。。 
どーもどーも。

セミ先生かぁ。ファーブルに一歩近づきました。
みちのりは、あと千里あるようです。

慟哭の理由は。

・迫り来る死への恐怖
・求婚そして
・失恋

それほど人間と変わりません。
それは思春期を超え、大人にならないと
なかなか理解できないものです。
お返事遅れました。どうも含蓄です。

「セミヌード」、少女が大人になる瞬間。
そしてセミの生涯そのものがセミストリーです。

またひとつダジャレ思いついちゃいました。
ダジャレだらけです。煩悩だらけのほうがましな気がします。
なるほど、こういう作り方もあるんだ。
って思いました。
目から鱗でした。
「起承転結」が一般的な文学界に
「起結昇天」という新風を巻き起こしました。た?

ともかくその鱗を私にください!
おもしろかったです!
情景を思い返すと、セミナーってマジでそこからとってきた言葉の様に思えてきました。

以外と古い作品なんですね!
読まれる理由が分かります!
読んで納得しました!!コメントたくさんついてるわけが♪

すばらしいです。
神憑くさんこっこちゃんありがとうございます!

だいぶ古くなったネタですけども、
私のショートショート人生で一番の自信作なんすよ。
コメントがたくさんついてとてもうれしいです♪
セミの幼虫がまだ土の中にいるとき、
羽化する際に必要なことを学ぶ講習会があります。
これを「セミナール」といいます。
こんばんは足跡からきましたわーい(嬉しい顔) おもしろくてふきだしてしまいましたわーい(嬉しい顔)蝉のことすきになりそうです右斜め上右斜め上
なにしろセミオートマだからね!
(AT限定の私には、この返しが正しいかどうかわかりません)
レモンさん!この夏、セミを愛でに愛でに愛でたらいいと思うよ!!
きっとセミから大量の足跡がとどくよ!!

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