橋川文三を考えるコミュの「橋川文三論」をめぐる討論

　『序説』トピも飽和状態なのでこのトピをたてました。
　執筆禁止のトピをたてた、せめてもの償いです（笑）。
　橋川文三論（追悼文も含）を討論しましょう。
　ただし、『序説』トピは終了していません。今私が準備中なので今後の書込もありますことを申し添えます。
　にひさん、パトリさんのおかげで以下のリストができました。にひさん、パトリさん、ありがとうございました。
　かまいちによる加筆もあります。
　これをベースに討論しましょう。
　それぞれ任意のものを読んで、読んだ人が内容を紹介－討論に移る、という形式にしましょう。
　先ずはにひさんが気にされてる、松本健一「言葉が人を殺すと謂ふこと－保田与重郎と橋川文三」からいきましょう。ただ、本日はトピたてに忙しく、内容の紹介はしばし待たれよ。

＜リスト＞
○長沢雅春
「橋川文三試論－中学時代の橋川文三」
http://swjc.saga-wjc.ac.jp/~nagasawa/profile/works/nagasawaworks-hashikawa1.htm

「一高時代の橋川文三－郷土喪失感情とロマン派体験」
http://swjc.saga-wjc.ac.jp/~nagasawa/profile/works/nagasawaworks-hashikawa2.htm

○磯田光一著作集４
下記の３論文を所収
「橋川文三論序説」「橋川文三の位置」「西欧派としての橋川文三」

○平野敬和
「ロマン派体験の思想史－橋川文三『日本浪曼派批判序説』を手掛かりに」（甲南女子大学研究紀要）

○松本健一
「言葉が人を殺すと謂ふこと－保田与重郎と橋川文三－」（新潮1984.3）

○福田和也
「保田与重郎と昭和の御代」（文芸春秋）･･･に橋川批判が書いてある模様

○宮嶋繁明「三島由紀夫と橋川文三」弦書房

○松本健一『戦後の精神』（1985年、作品社）上記、「言葉が人を殺すと謂うことー保田與重郎と橋川文三」が収録されています。それには橋川論として次の論も掲載されています。「<歴史>を見つめる人」（1984年）

○「思想の科学」（１９８４年６月臨時増刊）「橋川文三研究」

○「橋川文三著作集」（1985～　）全10巻各号の「月報」

○姜尚中「橋川文三覚え書－ナショナリズムの「心」をめぐって」『現代思想』2001－12

○舩戸修一「日本ナショナリズム研究の問題点－橋川文三と「国民主義」を手がかりに－」
　　庄司興吉編著『共生社会の文化戦略』８章　梓出版社

○浅羽通明「隠岐コミューンに始まる－郷土のナショナリズム　橋川文三『ナショナリズム』」
　　同「ナショナリズム－名著でたどる日本思想入門」２章　ちくま新書

○原武史「橋川文三『昭和ナショナリズムの諸相』」
　　大澤真幸編『ナショナリズム論の名著５０』平凡社 175-185

○安丸良夫「天皇制批判の展開－講座派・丸山学派・戦後歴史学」
　　網野他編著「岩波講座天皇と王権を考える１　人類社会の中の天皇と王権」

以下は追悼文
○桶谷秀昭「読書人」1984.1.2号
○尾崎秀樹「読書人」1984.2.20、2.27号
○綱沢満昭「日本読書新聞」1984.2.27号
○神島二郎「ちくま」1984.2月号
○吉本隆明「ちくま」同上
○鶴見俊輔「思想の科学」1984.2月号
○野口武彦「思想の科学」1984.2月号
○井上光晴「文藝春秋」1984.3月号
○井上光晴「海」1984.3月号
○安田武「群像」1984.3月号
○松本健一「新潮」1984.3月号－上記でも紹介
○磯田光一「海」1984.3月号
○後藤総一郎「児童心理」1984.3月号
○近藤渉「思想の科学」1984.3月号
○中村雄二郎「明治大学史紀要」第4号、1984.3月刊
○藤原弘達他「橋川文三先生追悼号」『資料センターニュース』（明治大学政経学部）1984.10月刊(?)

その他、講談社学芸文庫版『日本浪曼派批判序説』P.323-324「参考文献──橋川文三『日本浪曼派批判序説』に、雑誌『同時代』に当該論文連載中の紹介、及び刊行後の書評一覧あり。要参照。

コメント(86)

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[47] mixiユーザー 01月16日 21:11

…出て来てしまいました…内藤湖南『先哲の学問』(昭和２１年初版、内藤虎次郎著となっています。やはりガレキの本部屋です、もはや脈絡も何もない…だって左隣りに三宅雪嶺『大学今昔譚』、右側にはラスウェル『権力と人間』、…ヤバイです)…かなり先生ご自身による線引きが入ってますね…。しかし、これへの言及は来週までご容赦を。というのも今週末、「真ん中試験」があって、一応色々と忙しかったりするわけです。大体、「歴史意識の問題」にもまたにひさん言を読んで当たりたいと思っていましたし、「柳田国男」も途中ストップの状態…この中に花袋の『妻』が出て来ますので、それをやっと日曜に再読したばかり。そして前に言いましたように小林、にまだ行かず、今はこれまた学生時代に読んだ中野重治『歌のわかれ』を読み返しているところです…たぶんこの後、「柳田国男」と同時並行で中野の『斎藤茂吉ノート』へ行くでしょう…。ですから、４６のにひさん言に対してうかつなことは言えませんので、今しばらくのお時間をいただきたい次第です。…しかし、テレビという妻にとってはこよなく愛する嗜好品である置物の上に本が今現在(『先哲の学問』を含め)、…５１冊乗ってしまった状態…。夕べ「ずいぶん本が乗っちゃったねー」と別に皮肉でもなく、ニコニコしつつその下のブラウン管でスマップ番組を観ている妻…すみません、その分ミクシィにて勉強します、ってな感じな今日この頃です。…にひさんの「２段階的」という言葉、気にかかっています。

[48] mixiユーザー 01月16日 22:17

バカコメントでごめん。「古代」について。虚心坦懐に考えると我々には「記紀・万葉」の知識がないということではないでしょうか。確かに高校古文程度の知識しかありませんなあ。宣長や篤胤は読んでも、記紀・万葉を通して読んだことはないものなあ。保田『万葉集の精神』に衝撃を受けた、と橋川さんも言ってるしね。
そうでないとしたら、カツラブさんの言ってた吉本の「小冊子」ていうのは『僧としての良寛』ではないのかな。神保町「大塚書店」で入手したよな。
でもなかったら、吉本の「南島論」じゃあないか。あのころ吉本の「アジア的ということ」とか「南島論」が煮詰まってたからねえ。

[49] mixiユーザー 01月16日 22:39

混乱訂正。今ざっと『先哲の学問』所収「大阪の町人学者富永仲基」を読み返してみました。…どうやら記憶が混同しいたようです。この書の中に、「山片蟠桃に就いて」というのが入っていて、そちらと「無神論」のことと、どうも混同していたふしが自分にあります。また巻頭エッセイでの「山崎闇斎の学問と其の発展」などとも混乱いたしました。「富永仲基」については、「無神論」というより「仏教批判」(これが自分の中の「無神論」と誤解の意識のままでした(…が、先生のお言葉のニュアンスとしては、…いやこれも今混乱して来ました)、すみません)の『加上の原則』のことが大きく取り上げられています。そして…今は余裕ないのですが、これはここにその大分を紹介しますと、けっこう物議をかもしそうな内容です。もちろん、「橋川文三」あるいは「批判序説」その他について…。湖南は学問の方法論に関して言っています、特に「歴史的研究」に深く。

「昔は何でも歴史的学術的に研究すると叱られた」…これは日本でも西洋でも限らない。

「私共はさういふ富永の研究の結果で出来た所の、その結論に威服するのではございませぬ。此人の考へた研究法に我々感服したのであります…仁斎でも徂徠でも皆相当えらい人でありますが、日本人が学問を研究するに、論理的基礎の上に『研究の方法を組み立てるといふことをしたのは、富永仲基』一人と言つても宜しい位であります。」

「仏教といふものは余程をかしなものであります。…それは実際、哲学的の面白い考へもあるに違いありませぬが、併しさういふもので全体成立って居る思想は、思想として考へる時は何でもありませぬけれども、それを歴史的に考へる時には非常に困る。」

「…併し記録がない、話で伝はつて居ります時代のことは、どうしても極めにくいです。さういふ事は、いつそのこと思ひ切つて極めない方が『よいんですが、それをどうも』皆んな極めたがるのです。『その極めにくいといふこと』は、『大変私はえらい』と思います。」

カギ括弧部分は橋川先生の線引き部分、まだこれらの他けっこう色んな箇所にも線引き等ありますが、まずは上のことが今のところ気になりましたのでお知らせに及ぶ次第であります。漢字は現代的に直して引用。とりあえず、ご参考まで。

さらに、この湖南の書の件の頃、安藤徳器という人の『西園寺公と湖南先生』という本を先生からご紹介いただいたことを改めて思い出しました…。未読です…情けなし。

[50] mixiユーザー 01月16日 22:42

かまいちさん。僕の言う吉本本て、確かえび茶色っぽい薄めの冊子だったものだと思います。こちらは、見つからないんです、今のところ。何ていう本だったっけかな…。

[51] mixiユーザー 01月16日 22:44

「南島論」ではないですね、確か…『僧としての良寛』…？だったかな？？？…なかなか思い出せません。

[52] mixiユーザー 01月16日 22:57

＞確かえび茶色っぽい薄めの冊子だったものだと思います。こちらは、見つからないんです

それは間違いなく『僧としての良寛』です。でも、この本凄い本だけど「古代」と何が関係あるのでしょう？記憶がないのでごめん。

[53] mixiユーザー 01月16日 23:05

このコミュもとうとう内藤湖南まで来ちゃったかあ。
湖南全集実家にあります。あれを読むのは…。定年後ですな。
思えば網野さんが湖南と全然関係ないところで、日本人の断絶を「室町後期」に求めていたよな。あれも1980年代には凄い問題提起であった思わざるを得ないのですが、どうでしょう？

[54] mixiユーザー 01月16日 23:08

いや、かまいちさん、だとしたら絶対「橋川先生の古代」と関係しているはずですよ。だって、これは案外確かな記憶なんですが、この本を先生が「古代」を知らなくてはいかん、の脈絡で吉本のこの本などはそれが「書かれている」良い例です、みたいな感じで紹介されたのを覚えていますもの。

[55] mixiユーザー 01月16日 23:21

うわっ…今度は網野善彦…困り過ぎる。…鶴見俊輔との『歴史の話』で網野さん「『聖徳太子といわれた人は日本が存在していない時期の人、倭人だから、日本人ではないのだ。』と私が言うと」という発想(特に「私が」言ってしまうところかな、先の湖南の引用と合わせて)…歴史学者をはじめかなり反発される、と言ってますが…これは内藤湖南の発想法とも橋川先生のそれとも、違うなぁって感じが今ボヤけた頭の中でするのですけれども…。

[56] mixiユーザー 01月17日 04:42

４９の湖南引用文に関しての補足。橋川先生の線引き部分はカギ括弧内の『二重括弧』でした。あしからず。

[57] mixiユーザー 01月17日 06:32

吉本本探していたら…『新潮　小林秀雄追悼記念号』なんていうのが…見つかってしまいました…しかも、この出がけに。…井上陽水の曲みたいです…探し物は何ですか…。今週は胸騒ぎは出来るだけ避けたいのに…。で、改めて小林が８３年の３月１日に、同年１２月１７日に先生が亡くなっている、ということを確認してしまった次第…。

[58] mixiユーザー 01月19日 20:19

４８．「記紀・万葉」の知識がないということではないでしょうか

かつらぶさん、これについてはいかが？

[61] mixiユーザー 01月21日 19:51

橋川先生の言われる「古代」とは、その具体的な研究という感じのものでは全然なさそうな気がします。あえて喩えてみると、ルソー…その『人間不平等起源論』なんかを思い返させるような…そんな、ニュアンスがあったのではないか？みたいな。

いや、それではわかりにくいですから、…具体例として言えば、以下の啄木の文章でいう「近代」「近代生活」の裏返しとしての意味合いのもとに「古代」というタームを、戦後の僕らの時でも先生の中で濃厚に問題化を継続され、そう言われたのではないか？という感じが今しているんです。問題の吉本本はまだ見つかりませんが…、やや長いですが啄木の『巻煙草』からの引用です。

「果して我々には、実にそうするより外に真正に生きる途が無いのであろうか。我々の理性は、この近代生活の病処を研究し、解剖し、分析し、而してその病源をたずねて、まず我々人間が抱いて来たところのあらゆる謬想を捨て、次でその謬想の誘因となり、結果となったところの我々の社会生活上のあらゆる欠陥と矛盾と背理とを洗除し、而して、少くとも比較的満足を与えるところの新しい時代を作るため、生活改善の努力を起さしめるだけの用をなし得ぬものであろうか。」「浪漫主義は恐らくは我々の心の底に永久に生きるものであろう。それは私も認める。しかし私は、どう考えても、この身体、この心を全く盲目的に感情の命令の下に投げ出して了う事は出来ない。人間の生活を司配して来たものは人間そり自身である。近代の我々の生活にして我々に不幸なるものであるとすれば、その不幸は人間自らの謬想と不用意の招いた当然の結果でなければならぬ。既に然りとすれば、我々の損失を償う者はやはり我々自身の外に無い。即ち、我々は我々の自己を徹底し、統一し、そこに我々の行くべき正当なる途を発見し来って生活を改善せんがために、まず何よりも先に自己および自己の生活を反省せねばならぬではないか。」

ここで啄木が批判しているのは、自然主義作家をはじめとする何でもかでもの「新しい試み」と、それに浸る彼らの夢展望みたいなプライド及び現実・事実認識の欠如とでもいうもの、…「弱者！自らの弱者たることを認容するを怖れて、一切の事実と道理とを拒否する自堕落な弱者！私は、希くは再びそういう弱者になりたくない。」…とまで啄木は言う…。

実は先生の『歴史意識の問題』を読み返している時、上の啄木言を２度想起したのです。１つ目は先生による註の６に引かれた「敗北にたいする抵抗と、同時に、敗北を認めないこと、あるいは、敗北を忘れることにたいする抵抗とである。理性にたいする抵抗と、同時に理性の勝利を認めないことにたいする抵抗とである。」という竹内好『現代中国論』からの引用文を読んだ時。２つ目はその本文の「反歴史的思想ー小林秀雄を中心に」の中で、小林のマルクス「主義者そのもの」への不満の箇所で、『現代文学の不安』からの引用文が引かれてありますが、「何故に自分を疑うことから始めないのか、何故に若年にして而も自ら労せず人生一般に関する明瞭な確信が欲しいのか」という小林の言葉等に触れた時。この２箇所で思い出しました。特に後者の小林の方に関するものの時など、「…実際それは滅びかかったいのちを取りとめようとしてもがいている老人の断末魔よりも悲しいことである。何故ならばそれらの人々の多くはまだ年若い人々であるからである。」という啄木(『巻煙草』)の言を逆に思い返してしまうほど、痛烈に聞こえました。

先生の言われる「古代」は、おそらく上記の意味で「記紀」等とは異なった部分での問いかけ、ではなかったのかな、と思う次第です。

[64] mixiユーザー 01月22日 20:47

にひさん、まちがいありません。橋川さんは講義でも「一般意志」という言葉を頻繁に使われてました。
いつもカッシラー『ジャン・ジャック・ルソー問題』をすすめていました。それが妻の枕元にあるのです。怖い…。

[66] mixiユーザー 01月23日 18:38

にひさん、詳細なレス有難うこざいました。で、僕の思う方の橋川先生の「古代」は、６１に記しましたように、「素朴」な「当時」の「ニュアンス」として「起源論」の方の「自然状態＝『理想』」を想いますが…。これが、にひさんおっしゃるように「ロマン派的」と、先生の中でどう関連するのか…？「批判序説」につながる問題かもしれません。で、自分で自分を相対化するのも変ですが、にひさんのコメントを読ませていただき、「批判序説」への暮れのコメント、その迫り方(方法論といってよいと思います)が僕と角度がずいぶん違うなあ、と改めて思った次第。…中野重治『歌のわかれ』をやっと読み返したばかり…前に言いました、にひさんとは違う角度からの「批判序説」、あるいは「保田」の姿への言及はまだまだ先になりそうで恐縮です。しかし…あの「批判序説」トピ読んで来て思うに、じっくり地道にやらないと意味ない、と改めて僕自身にとっては思う今日この頃です。

[67] mixiユーザー 01月23日 20:22

いや、それでも私は「記紀・万葉」にこだわりたいのです。
というのは例の「古代」発言のとき、確かに「聖徳太子の政治思想」ということを橋川さんおっしゃったのです。上記ルソー的な文脈ではなかった。
それと、橋川さんの読書遍歴は、保田とと出会うまでは「西洋派」だったと書いてますし、保田を通じて日本の古典に開眼させられたともいってます。不幸な開眼だとも感じますが…。
「俺の内的な体験を知りたいのなら、おまえらが記紀・万葉をどのように咀嚼するのか、それが問題だよ」、とも聞こえるのですよ。いま、「序説」に精読がまだ続いてるので、そう思ったわけですが…根拠はありません。
『万葉集の精神』いま図書館に予約中ですので、入手したらまた報告できると思います。

[68] mixiユーザー 01月23日 21:12

かまいちさんがこだわりたいのと、先生の脈絡は完全に違ってますよ。あと、定年後じゃなくて、早めに湖南全集に目を向けた方がいい。そうしたら、色々と啓けたかまいちさんからアドバイスもいただける可能性もないとは言えないし。先生の講義、…というか昔から今でもかまいちさんて自分にひきつけてモノを考えてしまうところがあると思わざるを得ない。「聖徳太子の政治思想」、という言葉にとらわれるのがその１つ。その後、先生は何て言われたっけ？
「日本各地に聖徳太子の伝説ないしは素朴な言い伝えが残っている」その「思想」と言われたはずだけど…。その脈絡でこそ、先生が僕が先にノートした大学４年次のテキスト(富永仲基や西村天囚『日本宋学史』等…実際は実現できませんでしたが)と符合するのだと思いますがね。ただ「記紀・万葉」は「批判序説」の方で、かまいちさんの「爆弾」がある云々のことにつき関連するのかもしれませんが。……全然、これにはルソーは確かに関係ないですね…。

[69] mixiユーザー 01月23日 21:30

かまいちさん…念のためにお聞きしますが、「聖徳太子の政治思想」ということを「確かに」「橋川さんおっしゃったのです」ってどこでですか？

６８で僕が言った内容は、橋川先生は「それこそ確かに」おっしゃいました。僕と隣で兆民さんは聞いていました。しかし、それは平常と違った場所でした…まあ、教室ですし、ゼミ員以外の方もおられたれっきとした４年第１回目のご講義の際だった…。その「場所」が違えば、かまいちさの言ってることは「違う」ことになる…。これは、そんなの忘れてしまったよ、ではすまない問題。少なくとも、僕と兆民さんが聞いた「場所」では、６８に記した脈絡の先生言だったはずです。

かまいちさん…一体「どこ」で聞かれたのですか？

[70] mixiユーザー 01月23日 21:40

最初に言ったように、カツラブさんらが学部４年次（1982？）のゼミ冒頭で、大学院橋川研究室ではなかったと思います。ごめん、記録がない。でも異様なコメントとして記憶に残ってるんですよ。「古代」って。ああ、兆民さんが参加してくれればなあ。はっきりするかもしれないのに…。

[71] mixiユーザー 01月23日 22:27

「大学院橋川研究室」ですか…。では違いますね。でも「カツラブさんらが学部４年次…のゼミ冒頭」ってしてありますね…違いますね、本ゼミ４年１回目は先生は、水戸学から立原翠軒～藤田幽谷・長久保赤水のこと(翠軒と立原道造との関係にも言及)。さらにソライ学から「その内部発展」として、医学・天文学・民俗学・洋学・地理学(「洋学」は先生は特に○印で囲んで記されました)。また「国体論」では吉田松陰と山県太華との件が出され、「この種の論争は現在にまで生きている」とされ、その他西村文則『藤田東湖』に言及されていることが「講義録」にあります。「古代」のことは、４年第１回目の「日本政治思想史の講義」でやはりしっかり先の文献を挙げられるとともに、６８の文脈で語られたはずでした…。「聖徳太子の政治思想」という単にそれだけの言葉は、どこにもありません。…思えばこの１回目の講義の時、かまいちさんいたのではないでしょうか？それで何かと混同している…ちょっと今イライラしてます…。思い出しませんか？…あの年の１回目は…「文学部」の校舎で行われたのだということを。

[72] mixiユーザー 01月24日 00:03

>「大学院橋川研究室」ですか…。では違います.
そうではないです。四年時「ゼミ」開始時だと申してるのです。それが私が大学四年の時か、「五年」の時か記憶が定かでないのです。四年の時なら君たちはいないし、五年のときになら君たちは四年だし。「聖徳太子」の話は確かに「唐突に」聞いたんです。私は、とっさに梅原猛『隠された十字架』ですかと的はずれのことをいい橋川さんに哄笑されたのを覚えています。でもおれには記録がないからまったくいえない。

ここまでかいたら妻から驚愕の証言が…、
妻に確認したら「大学院時の橋川先生の発言は、ノートに全部とってある」いう驚愕すべき証言をえました。見せてくれと言ったら、「見せない」といわれました（笑）。「私の老後の楽しみ～」とのたまってました。聖徳太子云々は１９８３年大学院の春のゼミ時の物だそうです。梅原猛云々も…。妻は１９８２年入室。どうもそこらあたりかと。曖昧な記憶でご免。

[74] mixiユーザー 01月24日 21:50

かまいちさん、別に「ご免」はいいんですが、８２年よりも以前に先生はおっしゃっていますよ、やはり。それは僕もかまいちさんも共通にお聞きした、はず。４１で書きましたが、時期としてはその頃から先生はすでにおっしゃられていましたね。だって、それがナゾで研究室に質問に行った時に、これを読んでごらん、と湖南の『先哲の学問』をいただいたのは確かなのですから。あの４１の講義の際に教室へ実際に先生が持参された書は、日本の名著『聖徳太子』と西村天囚『日本宋学史』、あともう１冊ほどあった記憶がありますが、それは湖南ではなかったと思います。湖南であれば、研究室でハッと驚いたはずがない。あの時の感覚は、にひさん言の「橋川氏が『丸山のように』それ(＝聖徳太子、１７条憲法等)を自分でもやる」といった感じでは全然なかった。…今日、小林秀雄の『無常という事』を読み返しましたが、「批判序説」の中での討論でもこもごもありましたが、あれだけ保田とともに「反歴史主義」のあの時期の小林を批判はされますが、先生の「方法」が、湖南の「方法」ではなく「存在」に(僕の中で)近づくにつれて、小林の歴史その他への「無常」という「思想」が、どこか晩年の湖南に、そして天心に近づかれた先生に折り重なるように思われてもくるのです。それは…「古代への方法論的な『想像力』」(にひさん言)かもしれません…。

戦後民主主義の中で、なぜ小林は生き残ったのか？といったにひさんの問(若干違う言葉であったかもしれません、すみません、これってここで書き出すと前に戻すと書き込みが消えてしまうので…)と同時に僕自身の問でもありましたが、この辺から、戦後においてもなおという小林、が見えて気はしますまいか？…独り言ながら。

[76] mixiユーザー 01月25日 07:25

にひさん、小林に関して、かまいちさん言もあったのでしょうが、、あの暮れに書き込まれました「『序説』再読・バージョン３」の中の、「３.歴史による相対化ー近代政治学の保留」で指摘された中にある言葉、その特に１の「責任意識という点では、決断主義的な小林秀雄のほうが自覚的で評価が上になる、という理屈のはずだが、それは本当か。(一見すると決断主義的で責任意識のある小林は、戦後民主主義という政治的世界では生き残った。だが、それは本当に妥当な評価なのか？)」等以下の箇所が、僕にとって印象強く残されていて小林の文章を時間の合間に拾い読みしていて…。夕べの段階で、確かににひさんが言ってたよなあ？、とは思いつつここに記されていたものと気づかず申し訳なしです。…やはり「索引」が欲しいぐらいです、このコミュ(笑)。

[79] mixiユーザー 02月04日 12:19

納戸、押入れを整理していたら、日記は出てくるは、ノートは出てくるはでそれらの解読におおわらわです。そのなかで橋川氏葬儀の際の吉本隆明氏の弔辞がでてきたのでUPします。『ちくま』1984年２月号に掲載されたものです。同じ号に神島二郎氏のものも収録されていますが、これも後日UPします。
この吉本の弔辞、私は数メートルほどのところで聞き、腰をぬかしてしまうほどの衝撃をうけました。傍らには丸山真男が座ってました。

告別のことば　　　　　　　　　　　　　　　　　　吉本隆明

　橋川さん。
　ここ数年ご無沙汰しているあいだに、こんなふうに自分で自分に語りかける形で橋川さんに語りかける破目になってしまい、ほんとに相済まない気がします。
　けれどこれはありふれた欠礼の挨拶をしているのではありません。ほんとは、ここ数年のあいだにあなたを訪れていた精神上の到達点に、じかに触れないままに、あなたを失ってしまったことを後悔しているのです。あなたは最後の本でそれを、「戦中派」廃棄の心理に近いといってみたり、「アジアでもなく、ヨーロッパでもない。いってしまえば宇宙（注－「宇宙」に傍点あり）に近いが、要するに地上にさかえる何ものでもない、とある（注－「とある」に傍点あり）実在」を信ずる心だというように書いておられました。
　しかしながら橋川さん
　われわれがどこで出会い、なぜ親しみを加えていったかははっきりしていました。それは我々が共通にもっていた「思想と文学」のあいだの空間でした。橋川さんは、より多く思想の側に身体の重味をかけて歩んでいました。われわれは文学の側に身体の重味をかけて歩んでいました。けれどその違いはわずかなものに過ぎませんでした。
　われわれの歩んだ「思想と文学」のあいだの空間には一方の側に国家・民族という断崖のようなものが、他方の側には階級・大衆という断崖のようなものが、嶮しく切り立っていて、われわれはこの二つを受け容れ、またおびやかされ、確執をかもし、これを処理しようとして悪戦するところの世代に属していたとおもいます。
　わたしのみるところ橋川さんは、国家・民族という断崖と、階級・大衆という断崖を、強いて対峙させようとせずに、冷静にこのふたつを中性化し、正確に明哲に解剖する方法によって、のり超えてゆく道を獲得しているかにおもわれました。この方法が鋭利で透徹した明晰なあなたの文体を実現したと思います。あなたの内部にある冷静な白熱があふれるような言葉を実現するのを、われわれは見ることができました。
　橋川さん
　われわれの世代が、別かれ、それぞれの道を遠去かってゆく理由もまた、出会い、親愛の情を抱き、ひとつの根拠地に集まった理由とまったく同じものでありました。それはおおく国家・民族という断崖と、階級・大衆という断崖とをどう処理し、どう超えてゆくかの方途によって、それぞれの道をたどったのでした。私たちの世代に立ち塞がっているものは、いずれもこの世紀に最大の正義であり、宗教であり、また謎でもあり、迷蒙でもでもありますから、どの方途を択んでも困難が軽くなるということは、かんがえられそうもなかったのでした。
　わたしはいまもじぶんを、おおきな否定とのり超えの途上に歩むものとかんがえています。こういう私の眼からは、橋川さんは、すでに歴史の方法をわがものにした完成の人と映り、羨ましさに耐えませんでした。
　橋川さん
　会えなかった最後の数年のあいだに、あなたが獲得し、薄明のように語っていかれた「とある（注－『とある』に傍点あり）実在」への信に、じかに触れ得なかったのは、かえすがえす残念でありますが、それをわれわれにのこされた謎のような宿題とおもって、ひとまずお別れ致したいとおもいます。橋川さん、さようなら。

昭和五十八年十二月二十日
吉本リュウメイ

[80] mixiユーザー 02月04日 21:58

大川周明の『安楽の門』はおそらく橋川先生の「愛読書」…という言い方も変かもしれないけれど…のような書だったかもしれない。

「…然るに今日の日本には、是く考へることに反対する人々が多い。其等の人々は言ふ「吾々は先づ第一に人間であらねばならぬ。人間たる根本が立つて初めて国民たることも出来る。それ故に日本国又は日本人といふことに固執するのは、決して本当の人間となる所以でない。」(九　人間を人間たらしめる三つの感情)

まさに、宗左近書に見た戦中の白井健三郎的な、ところを変えた「戦後民主主義的見地」。大川はこれに対して、どこに梅・桜・牡丹でない「花」があるか、梅や桜等の特殊な花として咲くことによって「花」は初めて「実在」する、況や人間も、という見地から反論。

あるいはまた大川は、「…人間の実践的生活は、宗教・道徳・政治の三方面を有つて居る。西欧では此等の三者が次第に分化して、その一々が独自の発達を遂げ、各自の分野を律する規範を求めるやうになつたが、東洋では其等の三者を分化させることなく、飽迄も人生を渾然たる一体として把握し、三者を抱容する精神生活全体の規範を求めて来たからである。それ故に東洋には人生全体の規範を示す言葉、従つて西洋には適切に之に相当するものがない言葉がある。それは日本のミチ、中国の道、印度のダルマ…」

上記を受けて出て来るのが聖徳太子。→「…千古に秀でた偉人聖徳太子が、神道を政治の根本主義とし、国民の道徳生活を儒教によつて向上させ、仏教によつて宗教的生活を醇化させるといふ確乎不抜の方針の下に、日本の当面した重大問題に、実に水際立つて鮮やかな解決を与へたので、新来の仏教も日本の精神生活を根柢から動揺させることなしに済んだ。」というのは、これはまさに先生の示唆された「古代」に近いものなのでは？とも思う次第。

また、『安楽の門』に描かれる八代六郎は戴季陶(天仇)の『日本論』(社会思想社　市川宏訳　竹内好解説)に語られる秋山真之の「神秘」の生活姿(大川的言えば、その「人間」＝「偉大」＝「宗教」的々ということになるか…)に酷似している気がした。この戴の『日本論』は先生のエッセイから触発されて読んだものだが、それが先生の何のエッセイに出て来たのであるか、今突発的な思いで思い出せない次第。この『日本論』もかなり面白い。先生がそれに対して触れた内容を見たいが…こういう時になかなか出て来ない…しかし、先生のエッセイ？から触発されて読んだことは確かなのだが…。

[81] mixiユーザー 02月04日 22:33

これは「北一輝」トピに投稿すべきですが…。
かつらぶさん。君の文体ちょっと後期橋川入りすぎ。全部喩じゃないか。もうわかったよ。大川のこと北一輝のトピに書くよ。でもちょっとまってね。
『安楽の門』そんなに信用しちゃだめだよ。あれは「戦後にに書かれた」「精神的自伝」だからね。またあなたを挑発しちゃうけど「３月事件」に大川がなにをやったかしってるでしょう。大川ははその時点では「騒動師」にほかならない。その詳細はまた報告しますが、これは方法論において「ボルシェビキ」の戦略だよ。ぼくの理解では昭和６・７年の時点で、大川は「右翼」じゃなくて明らかに「左翼」なんだよ。これを論証するのに大学院時に失敗したのだけれど、いまはそう確信しています。また、『日本2600年史』、簑田胸喜の攻撃で改訂を余儀なくされたのも、「日本は単一民族ではない」という言説で、アイヌや、沖縄のひとびにまで大川は言及しているのです。天皇の子孫がそれを征服したと。
これをちゃんと実証したのは松本さんです。明日以降ちゃんと自分の「大川周明研究ノート」に依拠して報告できると思います。

[82] mixiユーザー 02月05日 19:58

▲カツラブさん。
　私が吉本「告別のことば」を引用したのは単なる資料提供です。ここは「橋川文三論」のトピですから、議論の素材にしたかっただけです。この一文も吉本のどこかの著作を探せば見つかるのでしょうが、彼の著作は膨大で、このコミュ以上に戦線を拡大できないという能力上の限界もあり、皆様にも是非読んで頂きたい一文と思い紹介したまでです。
　私の吉本への想い？　そりゃあ一晩中かかっても語りつくせないものがありますよ。もっとも影響を受けた思想家ですからね。この「告別のことば」からも計り知れない示唆を受けました。
　ここで、戦後の思想と文学の空間には「国家・民族という断崖のようなもの」もう一方に「階級・大衆という断崖のようなもの」がそびえ立っているということば、こういった戦後思想に対しての概観を吉本が示したのは初めてではないのでしょうか？　そして「正義－迷妄－宗教」とくる。よくもまあこんな短文で要をつくしているなあとあたまが下がります。
　しかるに現在、若い論者が「ぼけ老人吉本」「単にばななのオヤジ」「1980年代以降急速に影響力を失った」みたいに述べるのを、私はなすすべもなく見ているのです。
　確かに現在全盲に近い、執筆は口述筆記というハンデを抱えた「老思想家」です。『夏目漱石を読む』もなんでこれが小林秀雄（！）賞を受賞したのかわからないような本です。どこかのトピでこれが小林賞なら『共同幻想論』はノーベル文学賞だといったことがあります。若い論者の吉本評もわかるんですが、後発世代の研究というのは文献探索にしてもなんにしても恵まれすぎててなんだかそれだけで違和感をかんじてしまうのです。かれらは切実に思想のコトバをよんだ経験または体験がない、かわいそうな世代なんじゃないか。そんなことを感じますね。
　はなしはかわりますが、上記「告別文」やはり『歴史と人間』の「あとがき」を引用していますが、吉本は「謎のような宿題」といっている、「とある実在」に対する「信」とは何だったんだろうとかんがえると、何かいまでも涙が出てくるのを止めることが出来ません。この件これ以上書けません。同級生カツラブさんなら、なぜこれ以上書けないかおわかりでしょう…。

[83] mixiユーザー 11月15日 00:52

　全く目を通したことがないので、ここに挙げるべきものであるのかどうかはわかりませんが、２００９年度？毎日出版文化賞（人文・社会部門）を受けた田中純さんの『政治の美学』（東京大学出版会）という本があります。
　http://mainichi.jp/enta/art/archive/news/2009/11/20091110dde018040035000c.html

　著者自身が、「詳細目次のほか、映像と音声による解説をアップします。」とｂｌｏｇで書いています。
　http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2009/01/video-and-audio-about-tanaka-j/#anchor_more

（目次から抜粋）
Ｉ　一九七〇年代のナチ・テロル・ロック ――時代論
　　（略）

II　権力の身体 ――政体論
　　（略）

　　４「英霊」の政治神学 ――橋川文三と「半存在」の原理
二つの生命　幽顕思想と祖霊信仰　天皇制政治神学の教理問答　「死のメタフィジク」と「死に損い」――橋川文三の思想的根拠（一）　「超越者としての戦争」――橋川文三の思想的根拠（二）　「美」に抗する「歴史」――橋川文三の思想的根拠（三）
第II部・結び──芸術家という「王」たち

III　男たちの秘密 ――結社論
　　序　男性結社のエロス ――三島由紀夫と結社論の諸問題
恋する結社　ドイツにおける男性結社論の系譜　脆弱な男性性　稚児と幼童天皇　絶対者との契り
　　（略）　
第III部・結び──保田與重郎『萬葉集の精神』とカントロヴィッチ「秘密のドイツ」

IV　建築と政体 ――表象論
　（略）　
（目次抜粋終わり）

　「橋川」、「三島」、「保田」の名前が出てくれば、読んでみたいものですが、私が片手間に読めるような内容のものではないようですので、せめて図書館で目にするだけでもと思っても堺市立図書館には在りません。

　某市立図書館には置いていることを確認しました。
　その図書館の内容紹介と、著者紹介は次のとおりでした。

内容紹介(NS)：政治的暴力が美化される情動の論理を、芸術や学問と政治が交差する領域に
おいて探求する表象文化論のスリリングな実践。政治的情動と官能的な美が
共犯関係を結ぶ過程を、テクスト分析・イメージ分析によって探る。
著者紹介(NS)：１９６０年仙台市生まれ。９１年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修
了。現在、東京大学総合文化研究科准教授。「アビ・ヴァールブルク記憶の
迷宮」で第２４回サントリー学芸賞、「都市の詩学－場所の記憶と徴候」で
第５８回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
　

[84] mixiユーザー 12月03日 20:51

こんなトピもあったんですね。あげときます。面白い！

[85] mixiユーザー 12月20日 23:01

>>[83]
昨夜、本屋で田中純『政治の美学』を手に取りました。同じ著者の別の本と一緒にしたのか、なぜだか理工学書フロアの建築コーナーにありました。税別５０００円もするので買ってはいませんが。

千ページ近い『民主と愛国』を書いた小熊英二は、あとがきで、書きたいから、書かずにいられないから書いた、というようなことを言ってましたが、この田中氏もそうなのでしょう…。

[86] mixiユーザー 12月21日 04:25

>>[85]

　先の記載から4年経ってしまいましたが、堺市立図書館の蔵書には、残念ながら今もこの『政治の美学』はありません。　これから、リクエストしますが、2009年には図書館にリクエストして購入させるということに思いつかなかったことが悔やまれます。
　堺市立図書館には、この田中純の『建築のエロティシズム　世紀転換期ウィーンにおける装飾の運命』（平凡社新書、2011年）があります。
　また、ウィキペディアによると、田中純は、「都市」、「建築」をテーマにした著作が数件あるとのことですので、本屋の建築コーナーに置かれていたのでしょうね。

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