本日、恒例の読書会が行われ、メンバー5人が「おベラ座の怪人」について勝手なことを言い合いました。
評判はよかったような悪かったような。作品が現代小説ではなくて、ゴシックというのか、古典的な読み物ということもあり、現代人の感性では受け入れにくいところがある。
ラウール・ド・シュニー子爵の魅力のなさが攻撃された。この人、ヒロインを助ける王子様的役割の人なんだけどね。
小説的にいうと、悲劇も喜劇も冒険活劇もメロドラマもみんなごった煮状態で入って、まとまりが悪い。でも、面白い。
天才的な怪物、エリックがかわいそう、すてき、性格がはっきりしない
構成が悪い。長く感じる。
等など、いろんな意見がありました。
そんなやこんなで、感想をなんでもカキコして下さい。
評判はよかったような悪かったような。作品が現代小説ではなくて、ゴシックというのか、古典的な読み物ということもあり、現代人の感性では受け入れにくいところがある。
ラウール・ド・シュニー子爵の魅力のなさが攻撃された。この人、ヒロインを助ける王子様的役割の人なんだけどね。
小説的にいうと、悲劇も喜劇も冒険活劇もメロドラマもみんなごった煮状態で入って、まとまりが悪い。でも、面白い。
天才的な怪物、エリックがかわいそう、すてき、性格がはっきりしない
構成が悪い。長く感じる。
等など、いろんな意見がありました。
そんなやこんなで、感想をなんでもカキコして下さい。
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コメント(2)
怪作でしたね・・・。
舞台も映画も観ていないけれど、大まかなストーリーは知っている。そのつもりでいたけれど、読んでみたらびっくり！
「パリ・オペラ座」という迷宮的な建物がこの物語とファントムを誕生させたように思います。
ナポレオン３世の第二帝政時代、パリ市街地の大掛かりな区画整理が行われました。
その際、街のシンボルとしての建造物を建てることが決まり、設計案が公募されます。
一等賞の該当はなく、佳作が６つ。その中から当選したのは３２歳の若き建築家、シャルル・ガルニエ（1825−1898）でした。
オペラ座の建設が始まったのは1862年。
当初は1867年パリ万博に間に合わせる予定でしたが、建設中に地下水を掘り当て、一部屋が水没してしまいます。工事は大幅に遅れ、パリ万博では建物の正面だけしか披露できず。
その後もトラブル続出。普仏戦争、ナポレオン3世の失脚、パリ・コミューンと第三共和政発足などの情勢不安により、建設がストップ！
しかし、12代目のオペラ座が火事で焼失すると、市民のあいだで新しいオペラ座の誕生を願う機運が高まり、建設が再開。ようやく1874年12月に完成し、翌1875年に13代目のオペラ座として落成式を迎えたのでした。
きらびやかな表舞台、その裏側の深い闇。
写真を見ただけで、なんだかゾクッとするものがあります。
「オペラ座には怪人が潜んでいる」
という噂が広まり、そこから着想を得たルルーはこの物語を創り上げ、1909年に『オペラ座の怪人』と題した作品を新聞連載。
恋あり冒険あり、コントあり。
めちゃくちゃなのだけど、きっと時間を超越したかのようなガルニエ宮のかもしだす雰囲気にはぴったりの物語なのでしょう。
解説によれば、フランスでは新聞の連載小説が大衆にとっての娯楽として長年親しまれてきたのですが、それはルルーが作家として活躍した時代までだったそうです。ルルー以降にラジオ、テレビの時代へと移り変わって行ったわけですね。
本書のボリューム感は当時求められた娯楽性がぎっしり詰め込まれているせいもあると思います。
ヒロインのクリスティーヌとラウール子爵の初恋物語にはあまり興味が持てませんでした。ラウールが幼すぎるのかも。
個人的にはペルシャ人ことダロガがお気に入りのキャラクターです。
ダロガを通して見るオペラ座の怪人ことエリックには人間味があります。
ダロガはエリックを恐れているのではなく、彼が邪悪な犯罪に突き進んで破滅することを恐れています。
エリックにとっての唯一の友人と呼んでいいのでしょう。
何が善で、何が悪なのか。
何が愛なのか。
ヴィクトル・ユーゴー著『ノートルダム・ド・パリ』を連想しました。
調べてみると、『ノートルダム・ド・パリ』は1831年出版だった（そういえば、これも内容は知っているけれどちゃんと読んだことがありません）。
エリックについてもっと描いてほしかった。
そうすると、この作品のなんでもありのテイストは変わってしまうのだろうけれど。
何はともあれ、今年最後のVACCOS読書会が盛り上がって嬉しかったです
舞台も映画も観ていないけれど、大まかなストーリーは知っている。そのつもりでいたけれど、読んでみたらびっくり！
「パリ・オペラ座」という迷宮的な建物がこの物語とファントムを誕生させたように思います。
ナポレオン３世の第二帝政時代、パリ市街地の大掛かりな区画整理が行われました。
その際、街のシンボルとしての建造物を建てることが決まり、設計案が公募されます。
一等賞の該当はなく、佳作が６つ。その中から当選したのは３２歳の若き建築家、シャルル・ガルニエ（1825−1898）でした。
オペラ座の建設が始まったのは1862年。
当初は1867年パリ万博に間に合わせる予定でしたが、建設中に地下水を掘り当て、一部屋が水没してしまいます。工事は大幅に遅れ、パリ万博では建物の正面だけしか披露できず。
その後もトラブル続出。普仏戦争、ナポレオン3世の失脚、パリ・コミューンと第三共和政発足などの情勢不安により、建設がストップ！
しかし、12代目のオペラ座が火事で焼失すると、市民のあいだで新しいオペラ座の誕生を願う機運が高まり、建設が再開。ようやく1874年12月に完成し、翌1875年に13代目のオペラ座として落成式を迎えたのでした。
きらびやかな表舞台、その裏側の深い闇。
写真を見ただけで、なんだかゾクッとするものがあります。
「オペラ座には怪人が潜んでいる」
という噂が広まり、そこから着想を得たルルーはこの物語を創り上げ、1909年に『オペラ座の怪人』と題した作品を新聞連載。
恋あり冒険あり、コントあり。
めちゃくちゃなのだけど、きっと時間を超越したかのようなガルニエ宮のかもしだす雰囲気にはぴったりの物語なのでしょう。
解説によれば、フランスでは新聞の連載小説が大衆にとっての娯楽として長年親しまれてきたのですが、それはルルーが作家として活躍した時代までだったそうです。ルルー以降にラジオ、テレビの時代へと移り変わって行ったわけですね。
本書のボリューム感は当時求められた娯楽性がぎっしり詰め込まれているせいもあると思います。
ヒロインのクリスティーヌとラウール子爵の初恋物語にはあまり興味が持てませんでした。ラウールが幼すぎるのかも。
個人的にはペルシャ人ことダロガがお気に入りのキャラクターです。
ダロガを通して見るオペラ座の怪人ことエリックには人間味があります。
ダロガはエリックを恐れているのではなく、彼が邪悪な犯罪に突き進んで破滅することを恐れています。
エリックにとっての唯一の友人と呼んでいいのでしょう。
何が善で、何が悪なのか。
何が愛なのか。
ヴィクトル・ユーゴー著『ノートルダム・ド・パリ』を連想しました。
調べてみると、『ノートルダム・ド・パリ』は1831年出版だった（そういえば、これも内容は知っているけれどちゃんと読んだことがありません）。
エリックについてもっと描いてほしかった。
そうすると、この作品のなんでもありのテイストは変わってしまうのだろうけれど。
何はともあれ、今年最後のVACCOS読書会が盛り上がって嬉しかったです
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