芸術の日本　美術・評論を中心にコミュの円山応挙　革新者から巨匠へ／三井記念美術館

円山応挙といえば円山四条派(円山派)の祖として近代日本画の基本的画法を確立した絵師と位置づけられています
サブタイトルの「革新者から巨匠へ」の巨匠はこれを意味しています
では、革新者とは？

写真①左上　円山応挙ポスター

円山応挙(1733―95)は、丹波国農家の次男に生まれ10代で狩野派の石田幽汀の門に入り、20代で玩具や人形などを扱う「尾張屋」で働く
「尾張屋」で西洋起源の玩具“眼鏡絵”を制作し、そこで西洋版画に触れ、遠近法、写実を学んでいる

マンネリ化していた官製アカデミズム　“狩野派”　に対して、絵画がもたらすリアルな視覚体験を追求した姿に「革新者」としての円山応挙がある

【参考】

写真①左下

鈴木春信の“眼鏡絵と装置”を描いた浮世絵

展示風景
(一部を除き、撮影禁止のため写真は
ネット画像を借用しています)

写真①右　上中下

虎の毛皮を見て描いた、香川・金毘羅宮の襖絵

重要文化財「遊虎図　円山応挙
1787年

写真②左上

国宝　「雪松図屏風」　円山応挙
江戸時代18世紀

写真②右上

左隻「竹鶏図屏風」伊藤若冲
1790年以前
右隻「梅鯉図屏風」円山応挙
1787年

写真②左下

「江口君図」円山応挙　1794年

写真②右中

「雪柳狗子図」円山応挙　1778年

写真②右下

「鼬(イタチ)図」円山応挙　
江戸時代・18世紀

写真③左上

「幽霊図」円山応挙　江戸時代・18世紀

写真③右上

「青楓瀑布図」円山応挙　1787年

今回一番惹かれた絵は、

写真③右下

「白狐図」円山応挙　1779年

写生とは異なる幻想的な表現
狐の眼を単眼鏡で覗くと“人の眼”のようだ、長すぎる尾からも妖気が漂っている

写生ばかりが強調される応挙だが、岡倉天心によると、奇想の若冲、蕭白からも影響を受けていたようだ

岡倉天心の「白狐」の世界を思わせる作品

【参考】

写真③右下

「白狐」下村観山　大正3年(1914)

下村観山の師岡倉天心のオペラ台本「The White Fox(白狐)」1913年
をオマージュした作品

岡倉天心は、あるいは円山応挙の「白狐」からインスピレーションあるいはレゾナンスを感じていたのではないかと想像すると楽しい
ちなみに、天心は円山応挙を高く評価している

公式ホームページ
↓
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写生が強調される円山応挙だが、
幽霊画や白狐などのイリュージョン
作品に惹かれる

★★★★★

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