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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのTransair810便 不時着水事故

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2021年7月2日、Transair810便(B737-200型機)は、米国Hawaii州Honolulu空港から州内のKahalni空港に向けて、貨物を輸送するため1:33amにRwy 08Rを離陸した。同機は旅客機を貨物機へ改修した老朽機であった。Henry Okai機長16,000時間を超える飛行経験があるベテランで、Gregory Ryan副操縦士は普段法律の仕事に従事しているパートタイムの操縦士であった。
副操縦士がP/Fで、離陸後数秒してバンッという音がしてエンジン出力が低下。機体は地上高300Ftで右へ傾き始めた。機長が操縦を交代し、機体を水平に立て直し、Honolulu管制塔へ異常事態を通報した。管制官は同機を空港へ引き返させるため”Rose Express 810, fly heading 200”を指示。機体が太平洋上2,200Ftまで上昇した時点で220°を指示した。一方同便は”Rosie 810, emergency stand-by”と緊急事態は宣言しなかった。管制官は”Rosie 810, Runway 4-Right landing OK”と緊急着陸に備えた。
副操縦士は”Number one engine's gone”と報告した後、右側の2番エンジンの排気温度が異常に上昇していることに気付いた。機長は”Airport not in sight”とコールして、必死に探していた。排気温度は600〜700℃に達しており、高度は徐々に低下していたため、Ditchingを覚悟してFlapを1段展開。海面から340Ftまで低下した時点で管制塔から”Rosie 810, abule to climb?”と問いかけながら、沿岸警備隊へ出動要請をかけた。Honolulu空港の南西にはKanloa空港があり近かったが、高度が全く足りなかった。機長は”We're on the water!”と送信しながら、Heading 310°のままKanloa空港から南東2NMの太平洋上に着水した。Ditchingで機体は破断したが、機長は尾翼に、副操縦士はカーゴ・パレットに掴まっていて、Coast Guardに救出された。
NTSBはBill Bramble、Sathya Silva、Loren da Ward調査官らを派遣しし、事故調査を開始した。まず管制官と面談し、事故発生当時の運航は正常であったことと確認。次いで機長に事故発生時の状況を聴き取った。離陸後400Ft上昇までは正常で、異音の後2,000Ftまで上昇して水平飛行にしたが、1番エンジンのEPR低下ばかりか2番エンジンも推力低下して不時着水となったと証言した。調査チームは2つのエンジンがほぼ同時に不作動に陥った可能性を考え、海底350Ftに沈んだ機体をサルベージ会社へ引き上げを要請した。ジェット燃料にContaminationがなかったを確認するため、空港の燃料タンクからサンプルを採取し、米海軍へ送付して分析した。燃料成分は標準的で異物の混入は否定的であった。Hawaii島の火山から噴出した火山灰をエンジンが吸い込んた可能性も検討されたが、事故発生当日に火山噴火の報告はなく、視界は良好であった。
事故機の整備記録を見ると、左エンジンは32,000時間、右は70,000時間超運用され、左エンジンについては事故の25年前に2,000Ft上空を飛行中に異常を起こした記録が残っていた。しかし事故の前日の整備記録ではエンジン・チェックで異常は認められなかった。
しかし同社のパイロットからはエンジンのOver Heatingが複数回報告されていて、調査チームはBackboxと共に海底から引き上げられたエンジンを検証することとした。右エンジンをBore Scopeで覗くと、Bladeが2枚破断していたが、左エンジンには異常は認められなかった。FDRを解析すると、離陸してGear-upした直後に右エンジン出力が低下しており、CVRでバーンと破裂音がした後17秒後にEngine Surgeが発生していた。操縦士らの証言と考え合わすと、故障したエンジンを左右取り違えて操作した可能性が浮上した。
CVRとFDRを経時的に解析すると、破裂音の後で副操縦士が右エンジンの不調をコール。その4秒後に機長が”Left engine looks like failure...EGT overheated”とコールしていた。二人は不調のエンジンが左右どちらかについて、Cross-checkしていなかった。調査官はこの点を機長にZOOM Interviewで尋問すると、機長は””Greg never mistakes...”と返答した。FDRの記録によれば、着水時の左右エンジン出力は左1.08、右1.12で、ほぼ両方ともIdle状態であった。副操縦士は右エンジンが不調と誤判断した上に、機長が左エンジンの過熱を指摘したので、両方のエンジン出力を落としたため、高度を維持できなくなってDitchingに至ったと結論した。
NTSBはCrew Coordinationの重要性を指摘するとともに、Transair社の訓練体制を強化することを提言。その後FAAは、同社の運航中止を命じた。

コメント(2)

Transairという航空会社名を聞くと、台湾のTrans Asia航空が起こした同様な事故を思い起こします。故障したエンジンの左右の取り違えは、生身の人間である以上ゼロには出来ませんから、CRM訓練によって二人で間違いなく対処できるよう備えるべきでした。左エンジンがオーバーヒートしていても、推力を少し残していれば、何とかHonoluluかKanloa空港まで辿り着けた可能性はあったかも知れません。米国ではパートで飛んでいる法律家のパイロットがいるというのは素晴らしいと思いますが、有償でヒトとモノを運んでいる以上、日々の訓練と研修は欠かせないということが、この事故からの教訓です。
Okai機長役Malik McCall、Ryan副操縦士役のLaryer Partnimeは、その経歴を感じさせる配役で良かった。爆発音がしてから、二人とも相手任せに対処していた様子が大げさな感じなく演じられていた。

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