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紅い竜と四天王女コミュの目覚める赤き竜11

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「うおぉぉぉー」
 大身槍を振るいシャラント兵を串刺しにしていく。
 掠っても傷口が大きい。
 屍が彼の周りに集り、彼の強さを物語っていた。
「どけどけどけー! 俺に楯突くとこの槍で串刺しにして殺すぞー!」
 スティードは荒れ狂い止められる者はいなかった。
 ルドミラたちはその暴れ姿をまだ見れていなかった。
「申し上げます。優勢だった我が軍が崩れ始めました」
「スティードが現れたのか?」
 ルドミラは伝令の戦況を訊いて、すぐに戦況の傾きたる原因を作った者の名前を言った。
「はい。スティードが自ら兵を引き連れ現れました。それに続き、ザルム軍も意気を盛り返し猛襲してきました。お味方の被害が大きくなるばかりです」
 戦況を苦々しく早口に伝える伝令兵。
「分った。私が食い止める。ユリア様、ここをお願いします」
「任せて、必ず守ってみせるよ。ルドミラも気を付けて。ルドミラは強いと分かっているけど、心配だからさ」
「勿体無きお言葉です。必ず彼を倒してきます。ユリア様もご武運を」
「お前たち、行くぞー!」
 ルドミラはスティードの暴走を止めるべく突撃した。
 彼女もザルム兵を戦斧で斬り倒し先駆した。
 シャラント軍は数で敗けているため劣勢になっており、囲まれつつあった。
(エレン様たちが出てこない。まさか、伏兵がばれたのか? そうだとしたら、ここはもたない)
 敵を屠りながらも、頭では挟撃策が失敗したのかと不安に満ちていた。
「やっと出て来たか。俺の名はスティード・ブレイスだ。ザルム軍最強の将だ」
スティードはルドミラと対峙するや、自身の名を飾って高らかに名乗った。
「私はルドミラ・シャティオン。アルシアス・シャティオンの従姉だ」
 ルドミラは自身の苗字を偽り名乗った。
 彼女の家は有名貴族の家柄であり、その名を名乗ると色々厄介な事が起きる。
 この場は偽る事に彼女は徹した。
 幸い、ザルム軍のフェリス、ルイス、一度、ルドミラと共闘したことはあったが顔は覚えられていなかった。
 スティードとは初対面。
 互いに覇気を出している。
「では、先にあの世でアルシアスを待っていろ。すぐに、腰抜けのアルシアスもあの世に向かわすからな!」
 ルドミラはあからさまな怒りを示さなかったものの、心の中では憤りがあった。
 彼女はその憤りを抑えた。
「やれるものならやってみろ! お前みたいな猪武者など弱い者はいない」
 ルドミラは逆にスティードを挑発した。
「お前、殺すぞー 誰が猪だ! フェリス様の命令で生け捕りと言われているが、俺を愚弄した者は消す!」
 ルドミラは完全にスティードを激怒させた。
「怒ったか。短気な奴だな。やはり、猪その物だ」
「この女ーーーーー。絶対に殺してやる!」
 馬の腹を蹴り突進して来るスティードに、ルドミラも馬を走らせた。
 両者、相手の眼から視線を逸らさず、鋭い眼光を効かせていた。
 槍を構えて戦斧を構えて隙を狙おうとする二人。
 ―キィィィン
 刃が交わった音が響き、二人は激突した。
 反転させ、また両者が刃を交えたが、互いに獲物を仕留められない。
 三度目の激突でルドミラの戦斧とスティードの槍が競り合った。
「なかなか強いな。猪のわりには」
「お前、絶対にこの槍で串刺しにしてやる! このクソ女が!」
 力で勝るスティードがルドミラの戦斧を弾き返した。
(これは、ユリア様の所には戻れそうにないな。思った以上に強いぞ)
 スティードの強さに苦戦を強いられているルドミラ。
 槍が飛んで来るが、彼女は戦場で培った動体視力と反射神経で躱す。

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