ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

哲学者−ヒュームコミュのカール・ポバーはヒュームの懐疑を乗り越えているという勘違い

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ポバー自身が云うには、科学に帰納はないらしい。科学的発見は創造的なインスピレーションであり、決してそれは実験や観測などからの帰納によるものではないというのだ。実験は単にその理論を検証する手立てであり帰納の源などではない。むしろ理論の側からの要請で実験方法は決定される。確かにそう言われればそういう気がする。おそらくそれは科学者の実感にも沿うものなのだろう。ほとんどの科学者がポバーに賛同するのも理解できる。その上で科学理論は絶対的なものではなくあくまで仮説であると付け加えて置けば、ヒュームの懐疑に対する備えは万全であるということなのだろう。

 しかし、科学理論は単なる数学理論ではない。その法則を現実に適用するわけであるから現実的な信頼性が必要である。たかだか可算回数の実験をしたとしても、それを実際に適用するにはある程度の信頼性が必要である。その信頼性というのは暫定的真理とされる仮説理論に対する信頼性というよりも、自然の秩序の安定性そのものへの信頼性である。自然の斉一性というのもがなければ、どうして実験室で確かめた法則が宇宙ロケットにおいても適用できると考えられるだろうか。

 ポバーは云う。「どのような科学理論も仮説であり、いずれ新たな科学理論によって乗り越えられる運命にある」と。ある科学理論に反する決定的な事象が発見された時、ポバーは決して自然の斉一性が破れたなどとは考えない。新たに見つかった事象をも含めて説明できるようなより高次の仮説を模索すべきであると考えるはずだ。そういう意味でポバーこそ紛れもない自然の斉一性の信仰者であると言える。ポバーの言う「反証可能性」は自然の斉一性の破れを想定したものではなく、あらゆる検証ケースを網羅することの不可能性に基づいているのである。

 自然の斉一性への信頼性の根拠は何か? どこを探しても論理的な根拠は見つからない。それこそがヒュームが提起した問題であったはず。科学哲学に対するポバーの貢献は決して無視できるものではないが、ヒュームを乗り越えているというのは言い過ぎというより誤解であろう。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

哲学者−ヒューム 更新情報

哲学者−ヒュームのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング