小泉義之コミュの祝『「負け組」の哲学』　人文書院

帯　「私はようやく最近になって、この愚劣な状況を作り出しているものの正体が見えかけてきた。また、それを追い払うための道も見えかけてきた。だから、以前にもまして、リレーする人、伴走する人、先行する人が、もっと多くなることを期待している」（はいっ、がんばりまっす！＠筆者の誓い）

　　　　　無力なものに（代わって）訴える

1の八月のテーゼは、皆様方は既読の方も多々おられるでしょうが、ちょっとだけご紹介いたします。過去あちこちに掲載された文章を再編集されてますが、ファンには堪らない一冊に。未読のご論文もありましたが、それで1600円はお得。

「とはいえ、公事のマシな担い手がいてもいいだろう。したがって、議員・官僚・自衛隊員・警察官・企業家で非公然の党組織を早急に組織すべきである。すでに存在することを願うが。コアに百人程度いれば十分である。もちろん命がけである必要があるし、命懸けにならざるをえない。

なお、われわれにはその類の組織は不要である。マルチチュードの潜勢力なとどいった寝惚けたスローガンは無効である。必要なのは現実化された実力だけである。一滴も血を流さずに一撃で片をつけることだ。

地獄への道が善意で敷き詰められているなら、悪意で敷き詰めないと天国への道は開かれないかもしれない。しかしこの世界は、天国でも地獄でもない。煉獄である。この世界では、地獄への道と天国への道は反転可能になっている。この世界は、悪を活用して善に天下できるようになっている。最善ではなく次善を選ぶのは市民のやり方だ。最悪ではなく次悪を選ばせ、最善に転ずるのがわれわれ左翼のやり方である。」