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Think About 2030コミュのVol.7 『クーラーが暑くした街』

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私は「水の町」として知られた郡上八幡(岐阜県)の生まれです。
街の真ん中に大きな川が流れ、街中には生活用水の水路が縦横無尽に流れています。
子供の頃は、私の家の前にも幅1mほどの水路が道の両側に流れていました。
この水路は実に重宝したものです。籠に入れて野菜や果物を冷やしたり、モノを洗ったり。
暑い日には何回も道路に水をまきます。
皆が水をまくので、道路からは夏でも涼風が吹いてきたことを覚えています。

我が家の隣は大きな旅館でした。
私が中学生の頃だったか、その旅館が町で初のクーラーを設置し、
部屋の涼しさが町中の話題になりました。
ところが、その年の夏から我が家は突然、高熱化していったのです。
クーラーの屋外機からの熱風が我が家の裏に毎日吹き付けてくるからたまりません。
しかたなく我が家も2、3年後にクーラーを買い、
屋外機を旅館の裏に向けてやりました(笑)。
すると、裏通りの家も暑くなったらしく直ぐにクーラーを設置。
城下町特有の密集した町屋建築です。次はその家の隣、また隣・・・。

折りしも時代は高度経済成長の真っ盛り。
クーラー、カラーTV、カーは3Cと呼ばれ、消費社会の花でした。
こうして、クーラーは急速に町中に普及していったというわけです。
そして車の交通量も急増しました。
夏は「郡上踊り」で数十万人が訪れる観光地。
道路が狭いので、やむなく町は次々と水路に蓋をして道を広げます。
これでもう家の前の水路も使えなくなりました。
水がまけないのと、車の排気熱で道路は南国の街のよう。
部屋の中はシベリア並みの涼しさ、外はバンコックの熱風。
母はいわゆるクーラー病で体調をくずし、夏の電気代はハネ上がりました。
外はひっきりなしに車が走るので、子供は外で遊べなくなり、
お年寄りも一日中、家の中で過ごすようになったのです。

・・・いったい誰が得をし、誰が損をしているのでしょうか?

しかし皆さん、誤解しないでくださいね。
郡上八幡は今も素晴らしい街です。水が豊かで情緒にあふれた町並み。
住民がその気になれば「水道のいらない町」にもなれるのです。

もっとその気になれば、街の外れに大きな駐車場を造り、
中心部は車の乗り入れを禁止にできます。
そして、豊富な川の水力で電気をおこし街中に周回式のトロッコ電車を走らせます。
車が通らなくなるので、水路を復活します。
水路の傍に柳などの樹木をたくさん植えれば、風情ある家並みが一層引き立ちます。
子供たちも交通事故の危険がなくなり自由に外で遊べる。
お年寄りも散歩が愉しみになるはずです。
暑い日には道に水をまきます。
クーラーを使わなければもっと涼しくなります。第一、夏の電気代が半減。
こんな街は珍しいでしょうから、観光客も増えます。
車の通らない商店街は観光客でいっぱい。
道路は公園と同じ状態になるので、近隣で採れた農産物の一大朝市を開きます。
ついでに「スーパーのいらない町」を目指せば・・・、
なんて戦略的夢想をしてしまうのですが・・・。

ヨーロッパには街の中心部を車の乗り入れ禁止にしている都市がたくさんあります。
以前訪れたドイツのオーバーストドルフ市は郡上八幡と同じ規模の観光地ですが、
市街地はほぼ全面的に乗り入れ禁止。
その街の緑の多かったこと。美しかったこと。人々が豊かそうだったこと・・・。


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そう思う、そうは思わない、わからない
その理由や自由なご意見・ご感想をお待ちしてます!

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