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アンチ・ファンタシーコミュの2016ゲーム芸術論

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シラバス

【テーマ】
  平行世界を題材にしたゲーム作品を対象に、多世界解釈 の発想を導くことになった量子力学に関する科学的知見と神と人の位相を連続的に理解する錬金術的発想の関連について検証していく
【授業概要】
 アニメ作品『猫撫でディストーション』を実際にプレイしながら作品世界の設定要素を構築している量子論理的述語とこれを飛躍させた仮構世界設定概念を抽出していき、これらに関連する科学的/宗教的発想と様々な背景的知識を再検証しながら、全体性の宇宙論と存在・現象解釈の根幹をなすと思われる基本理念に対する理解を深め、神と人とが及ぼす位相の相関について考えていく。
【到達目標】
 パラレル・ワールドという創作上の主題が生み出されることとなった原因となる量子論理の存在解釈とこれに関連する宗教的存在解釈に対する理解を深め、科学と宗教の関連を把握する。
【授業計画】
1 回
 認識と観測と言葉、観測効果と事象の確定、妹の死
 流星群と地震、シュレーディンガーの猫、重なって干渉する世界
2 回
 世界は人の脳が作り出したもの、兄さんが私を観てくれた
 こっちの食べ物は危険だと、逃げるのはお前達がゆらいでいるから
3 回
 ショッピングセンターの名は「クアレ」、哲学的ゾンビ
 この世界からの相殺的干渉が起こるとすれば相関性の高い、、、
4 回
 「個」と「世界」と「言葉」、世界自身の修復作用が働く
 観測結果に影響を与える変数、恣意的に排除すると別のより大きな
5 回
 神的位相を選択した「お母さん」のペルソナの発揮する能力
 小さくなったけど色々な植物を掛け合わせてつくるお母さんの式子
6 回
 神的位相を選択した「お姉さん」のペルソナの発揮する能力
 様々の物質の変成と固定を行うことができるお姉さんの結衣
7 回
 人格の遷移と貫世界同一性、派手な服を着ている若い姿の父
 人間のメイドの姿になった猫のギズモ、なぜか生き返った妹の琴子
8 回
 潜在的可能性の世界、ポテンシャリティとアクチュアリティ
 量子状態の干渉減衰時間が大きく乱れ、この世界にとっての特異点、、、
9 回
 兄さんが言葉を望んだ、観測効果と人の生成、神と人の相関
 だから、猫さんは、、、 観測者効果への影響が無視できない
10 回
 事象の発現、もう収縮してしまいました、可逆性は失われて
 あの姿で確定してしまいました。兄さんが箱を開けた時に、、、
11 回
 貫多世界的人格同一性の行列的展開、種々様々な「私」
 こっちの結衣の頭には食い物屋と洋服屋しか入ってないので困って
12 回
 人と神の相互作用、言葉を覚えて人間になっていくギズモ
 言葉と認識が結びつく、世界が「世界」になる、神の分極的誕生
13 回
 モノと空間と世界の違いを、どうやって認識するのだろう?
 歴史が私にどんな関係があろう私の世界こそが最初にして唯一の 、、、
14 回
 シンクロトロン棟実験準備室、観測者は常に言葉と共に在っ、、、
 だから私は観測者を創ってみようと思う、、、 見知らぬ誰かの声
15 回
 いろんなものを残しておきたい、この世界にあるもの全部
 だから結衣が残してあげることにした。その『形』を永遠に、、

【教科書名】『猫撫でディストーション』(WHITESOFT)
【参考図書】黒田誠『存在・現象・人格̶アニメとゲームとフィギュアにおける人格同一性』(牧歌舎)
【評価方法】レポート。manaba folio を用いて提出を行うものとする。
manaba folio のコミュニティへの書き込みによる討論/考察への参加貢献度も評価に加味することとする。
【履修について】コンピュータの基本操作を理解しておくこと。
【事前・事後学習等】ネット上の Fantasy as Antifantasy、Fantasy asAntifantasy Daily Lecture を随時参照し参考資料を確認する
【備考】manaba folio のコミュニティ「2016ゲーム芸術論」を活用して講義内容の補完、参考資料の提示及び質疑応答を行う。

コメント(34)

1回目 ゲームの始まり

始まりの言葉「光あれ」
宇宙の始まりービッグバン
観測効果による事象の生成
意識の主体による観測行為があって初めて事物や現象の生成がもたらされる
観測される以前の可能性の世界は全ての順列組み合わせが潜在的に潜んでいる「加能態」の状態
人は言葉を用いて呼ぶことによって初めてそのような定義に基づく事物や現象を実体物として認識する
言葉との連関が完成されていないものは意識にとっては見えていないし、ありもしない

2回目 量子力学、ユング心理学

さりげなく哲学に密接に関連する物理学や心理学等の現代の様々の知識が盛り込まれています。シラバスの講義予定の中に重要事項はメモしてありますので、要点はこちらを確認してください。講義の録音データと突き合わせてみると、最初はよく分からなかった内容が、より明確に理解できるようになるはずです。全てをじっくり解説する時間的余裕はないのですが、他の関連資料等を参照しながら主題の理解を深めていきたいと思います。

3回目 原型世界

原型とパラレルワールドの関係を語りました。原型というのは一つの世界として確定した形あるものではなく、あらゆる可能性を秘めた原材料の混合物みたいなイメージです。ゲームのディスクに例えて説明しました。そこから様々の条件を選択して意味ある形で確定すると実際のキャラクターやその背後にある「現象世界」が生成します。この関係をマトリクスで表記して見せたのが下の資料です。

「アリスゲーム」とその模範解答例、個人の属性を自己申告する形式に行列記述が用いられていることを確認しておいて下さい。

アリスゲームと模範解答例
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F9763948%2FAlice_Game_2
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F9763982%2FAlice_Game_2_Model_Answer

個人属性記述
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F10788131%2FPersonal_Attributes

このマトリクス表記の条件項目の選択をちょっとだけ変えた結果がタツキの家族達の姿と資質として変換されていました。ギズモも全く同様です。応用問題としてギズモの属性記述の土台となるマトリクスを作成し、別の変化形の結果を示してイラストを描いてみて下さい。他のキャラクターでも構いません。
4回目 波束の収縮

 メイド美少女以外の様々の発現可能性を持った原型ギズモ存在がこの形に存在様相を決定された現象に関して、琴子は「波束の収縮」という表現を用いて語っていました。同様の発想でピーターパンというキャラクター要素の作品内における属性決定の過程を語ったのが、以下の論文の記述です。これらを通して「原型」という概念と「現象存在」との関連を掴んでみて下さい。


永遠に成長することのない子供であるピーター・パンという印象的なキャラクターを作者バリが最初に導入することとなったのは、劇作品Peter Panに先行する小説『白い小鳥』(The Little White Bird, 1902)においてであった。この物語に描かれているのは退役軍人の一人称の語りを軸に展開される抽象的な観念遊戯の世界であるが、ピーター・パンという特異なキャラクターは劇中劇的エピソードの中に登場するのみである。バリは劇作品Peter Panの上演の後に程なく『白い小鳥』の中程のピーター・パンの登場する部分だけを独立させて、短編小説『ケンジントン公園のピーター・パン』(Peter Pan in Kensington Gardens, 1906)として出版している。このように振り返ってみるとピーター・パン存在とは、バリの手になる複数の作品に通貫して登場する、いくつかの矛盾と偏差を含む複合的キャラクターなのである。
 これらの“ピーター・パン物”の全てを、連続的・多義的存在としてポテンシャル次元に潜在すると仮定される原型的作品基体 “メタ『ピーター・パン』”から、一意的な意味の組み合わせに限定された波束の収縮過程を経てコヒーレンスの結果として抽出された、個別性作品表象を具現した変化形の各々として理解することもできるだろう。当然のことながら未だ波束の収斂を得て現実の存在物として発現する機会を恵まれていない無数の可能的発現形として、属性要素の順列組み合わせに基づく種々の同位体あるいは変異形の存在も予測されることとなる。

二次創作作品の個別性と原作との同一性:
映画Peter Panと原作Peter and Wendyを具現する仮構的原型(1)
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7786902%2FIdentity_and_Individuality_of_Alternative_Fictions

5回目 時間的存在と永遠的様相

人間は時間的存在なので、時間の流れに拘束されてその姿を決定された状態で示すことしかできません。若い姿を取る時と年老いた姿を取る時は、外部の一方的な時間の流れの中に押し流される制約された状態においてのみ、確定されるのです。しかし人間として発現した際の時間性を超越した永遠的様相における神的存在は、人間存在として現れたものが本来原型世界において備えていた、若い姿も年老いた姿もさらにその他の様々な姿も同時に備えたものとして、高次元の「視覚」においては多元的な「姿」を取り得るものであるかもしれません。変身して現れたギズモも結衣姉さんも電卓お父さんも式子お母さんも、このような意味でそれぞれの存在物が持つ神的様相の一つの具現化として理解することができるでしょう。日本の伝統的な「神」概念は、このような前提に基づいて理解されていたと思われます。神道の「神」とキリスト教的な「God」の明らかな相違が確認出来る部分です。
6回目 意識と言葉

意識の主体は自分にとって意味のあるお話しとして出来事を把握し、原型から抽出された現象として実体化する。意味あるものとして共有された言葉を介して、それぞれの意識の主体の精神世界の重合部分が形成される。結局世界は、心から出来ている。


言葉と認識

言葉を用いてコミュニケーションを行なった結果認識が共有されるのではなく、感覚の共有が言葉そのものを形成する出発点となる。しかしその言葉がそれぞれの意識において全く同様のイメージを形成するものであるのか否かは、誰にも確かめようがない事柄である。各々が等質のイメージを共有しているのか、イメージを共有しているという幻想を抱いているのに過ぎないのかは、意識の本質がいかなるものとして定義されるかによって全く異なる結論を導くことになる。

関連事項

「意識のハードプロブレム」
https://www21.atwiki.jp/p_mind/pages/44.html
7回目 瑣末な日常と形而上的主題

雪が降って雪かきをする必要が生じたり、タンパク質摂取のためのお料理当番を考る必要が生じたりしています。樹の一家に起こった不可解な変化を解明するのには関わりを持ちそうにない、瑣末な出来事ばかりがストーリーの前面に展開してきているようです。けれどもこれらを接点として家族関係や人間存在の本質など、主人公の樹自身の引きこもり状態の中に隠されていた壮大なテーマがいかに計算されて語られているかに注目して、鑑賞(プレイ)を進めていくことにします。
8回目 ペルソナの配分と無意識の行動原理

七枷家の日常が地味に描かれる渋い展開でしたが、ぐうたらの引きこもり息子の立ち位置をお父さん電卓に奪われてしまって、樹が新たなペルソナを見出すきっかけを得ることになります。しばしば無意識に演じられてしまうこともある外形人格像の「ペルソナ」という概念と比較して興味深いのが、Fate/ stay night で導入されていた、召喚対象となる「英霊」が聖杯戦争という舞台において演じることになる「クラス」という権能/属性でした。人格を形成する本質要素となる「原型」に対してキャラクター存在が装う外核と、人格概念の本質に関する再考察については、以下の論考を参考にして下さい。

Identity of Summoned Heroes: Aspects of Psyche and Phases of Persona in Fate/stay night
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7884950%2FIdentity_of_Summoned_Heroes_Aspects_of_Psyche_and_Phases_of_Persona_in_Fate_stay_night
琴子の言葉 「もし言葉がなかったら」

琴子:「はい、わたしもオレンジ色の空が見えてます。つまり、夕焼けを兄さんと一緒に見ている」
「わたしの世界と兄さんの世界が、『夕焼け』という言葉によって、同じものになったのです」
「この認識の共有が、2つの世界を『同じ世界』に見せかけているにすぎません」
「もし、『言葉』がなかったら……」
「わたしたちは同じ世界に住んでいるという認識さえ、持つことができなかったでしょう」

 樹はギズモに言葉を教える過程で認識の共有に関わる言葉の機能を自覚し、琴子に意識の重合部分を形成する言葉の役割を教えてもらうことになる。「意識の共有」が異なる世界を重ね合わせる作業であると理解したならば、それぞれの意識の主体のもともと持っている「世界」はどのようなものであるか、改めて考えてみて下さい。「原型」と呼ばれるもののイメージが掴めてくるはずです。
9回目 メタエロゲー

樹は式子と一緒に公園に行く。式子は眠り込んでしまいそう。エロゲーの典型的なパターンだと、ここで「押し倒す」とか「いたずらする」などの選択肢が出てきそうなところだが、式子は樹のお母さんで姿は小学生。おまけにいつの間にか眠り込んでしまったのは樹の方で、目を覚ましたら式子に幼児みたいに膝枕をしてもらっていた。こういう展開が『猫撫でディストーション』のメタエロゲー的な部分ですが、同様の指摘を行うことができる箇所や要素が他にもありそうです。「反エロゲー」等の他の命名の可能性も考慮に入れて、このゲーム作品の特質を押さえていって下さい。
10回目 シンクロトロン棟実験準備室にて

[December/18]
[シンクロトロン棟、実験準備室にて]
全てはこの実験のために用意された。
これは対外的には、超対称性粒子の発見を目的とする、ごく一般的な実験と告知されている。
だが、私にとっては別だ。
私以外の誰にも、この実験の真の目的は理解できない。
余剰次元についての私の仮説は、怪しげな予言の類だーーと、長く蔑まれ続けてきた。
ならば実証してみせよう。
この地、この時ならば、それができる。
局所的な地磁気、重力異常ーー。
流星群の飛来による大量の隕石落下ーー。
それに伴って降り注ぐ荷電粒子のシャワー。
これら全てが同時に起こるあの日であれば、『それ』は起こる。
なぜなら、世界は重なり合い、折り畳まれているからだ。
流れ星が夜空を彩っただけの平穏な世界と、何かが狂って破局が訪れた世界は、、、。
互いが互いを観測できないほど、完全に重なって存在している。
私の実験は、その重なりをほんの少しだけ『ずらす』のだ。
『それ』に必要な質量が足りないというなら、余剰次元から借りてくればいい。
ほんの100億トン程度でいいのだ。
私の打ち出す素粒子が、シュバルツシルト半径を突き抜けるにはそれだけあれば十分だ。
私は『それ』を作り出すことができる。
観測者の万物の原料ーー。
この世界の特異点をーー。
超対称性粒子 (Wiki より)

超対称性粒子(ちょうたいしょうせいりゅうし、英語: supersymmetric particle、SUSY粒子) は、超対称性理論によって存在が予想されている、既存の粒子に対し、スピンが1/2ずれただけで、電荷などは等しい素粒子。スピンが1/2ずれているため、既存のフェルミオンに対し未知のボソン、既存のボソンに対し未知のフェルミオンが予想されている。ボソンとフェルミオンの対応する相方を超対称性パートナー (supersymmetric partner) という。
現在の宇宙ではこのような粒子は観測されていない為、少なくとも低エネルギーでは超対称性は破れており、超対称性の破れによって粒子とその超対称パートナーの質量が異なっていると考えられている。2008年より稼働したCERNの加速器LHCでの発見が期待されている。
超対称性粒子の中で最も軽いものはLSP (Lightest Supersymmetric Particle) と呼ばれる。英語: R-parityの保存を仮定すればその粒子は崩壊しない安定粒子となるため、LSPが電気的に中性であればダークマターの候補となる。
重なり合った世界を少しだけずらす

平行世界はその定義上、ありとあらゆる変化形の可能性の全てが存在します。「世界をずらす」とは平面や立体の位置がずれることではなく、その世界を形作っている要素の個々が別の属性を持ったものに置き換わることになります。「世界」を「人格」に置き換えてその特質を一覧表にした「アリスゲーム2」や「個人属性記述表」において、行の最後に「素性、正体」を加え、「神」、「悪魔」、「精霊」、「人間もどき」、「人造人間」、「非人」、「外道」などあらゆる素性項目をセルの項目として無限に増殖させてみて下さい。「世界をずらす」とはこれらのセルの項目が一つだけあるいはいくつか他の値に置き換わった状態を指すことになります。これらのマトリクス表記を参考にして式子、結衣、電卓、琴子、ギズモの様々な変化形を生み出す母体となる「現存在」を記述し、以前の彼らと変化後の彼らの相違点を表に反映させて記述することを試みて下さい。

個人属性記述表
Personal Attributes
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F10788131%2FPersonal_Attributes

アリスゲーム2 ルール解説
Alice Game 2
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F9763948%2FAlice_Game_2

アリスゲーム2 模範解答
Alice Game 2 Model Answer
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F9763982%2FAlice_Game_2_Model_Answer
11回目 キャラクターの素性の潜在的可能性

お父さんやお母さんや結衣姉さんや琴子や柚やギズモなどのキャラクターが、可能世界的多世界解釈を適用すれば、無限の「ペルソナ」のもとに発現する可能性を秘めていることになる。それらの発現形の各々を、「神」や「悪魔」や「精霊」等の言葉で呼ばれる超越的存在として理解することができる。意識はそれらを「観測する」ことにより、選択して自分の世界に呼び出して秘められた可能性を体感することを許す。もっとも親密な体感は「エッチ」という行為になるのかもしれない。


結衣のペルソナの重ね合わせ

台詞の二重記述に結衣姉さんの背後にあるそれぞれ異なった属性が反映されていました。

救済者である神と破壊者である悪魔の様相の双方が、重ね合わせ記述として表現されています。無限のパラレルワールドに分岐して存在するキャラクターの裏の様相を、無数の世界を貫通して存在する一つの人格という発想を用いて反転記述することも可能となる訳です。
12回目 量子的ゆらぎ

ニュートンの慣性の法則に従えば、「止まっている物体は外から力を加えない限りかってに動き出すことはない」、「運動中の物体は外から力を加えない限りその運動の方向も速さも勝手に変えることはない。」
しかしこれらの力学法則に反して量子存在は、「必ず現在の力学的状態を自ずから変化させるべく常に変動している。」

「ゆらぎ」という概念は従来の科学の前提を根本的に覆す内容を秘めている。

結衣姉さんは、ゆらいでいるものには関心を持てない。
琴子の甘え声

二つの命名の回答を頂きました。

1 「琴子の猫なで声テク」

2 「妹属性甘えテク」

課題の妄想によるエッチシーン創作については、いくつかの興味深い画像が回答として示されましたが、ここに掲載することができないのが残念です。
13回目 要するに時間の矢がエントロピー減少方向を向いていたら

観測者樹と観測の結果確定される家族たちそれぞれの存在属性

結衣姉さんの保持する可能性の一つとして、樹は何を感じとることができたか

新規の「萌え」要素の開拓がなされた「エロゲー」

あらゆるフィクション作品を「エロゲー」の諸形態として理解し、それぞれの特質を個別の「萌え」要素開拓の試みとして変換記述するならば

「私の推すエロゲー」として申告し、「エロゲーレビュー」を試みよ


エントロピーが増減するシステムの中に時間というパラメーターがある

パラメーター:変数

「定数」は方程式を構成する決まった値
「変数」は方程式に代入してその条件の際の値を決定する原因となる変化する値

定数は普通 a, b, c 等の記号で示され、自然法則を記述する式の形式を決定する

変数は普通 x の記号で示され、様々の物理量を代入してある条件下の物理的状態を数値の形で示す要因となっている


増大したエントロピーをゴミとして排出し家の中を低エントロピーに保った

家の中はエントロピーを減少させたことになるが、それを外部にゴミとして出したことにより外部のエントロピーは増大している。片付けるのに要したエネルギーは樹の体内部の物理現象としてエネルギー消費を行い、二酸化炭素と熱を体外に排出することにより、世界全体の中でエントロピーを増大させている。何をどうやっても全体的にはエントロピーは増大するしかない。これが「エントロピー増大則」
「時よ止まれ。世界は美しい」

ゲーテの劇「ファウスト」でファウストが語った言葉です。

「世界は美しい」と思うことのできるきっかけが一つでもあれば魂は救われ、世界もその存在意義を認められる。教育はこのように思わせる力を持っているか。エロゲーやフギュアやアニメはどうか?
複数の「俺」

 家族たちの可能性の姿を「観る」ことによって樹が確定させるように、他の様々な意識の主体がそれぞれなりの樹を観ることによって、無数の樹が具現する。「私」は可能世界的には常に無数の「同位体」の一つとしてある。「もう一人の自分」も、マトリクス記述のあらゆる組み合わせに対応する数だけ存在することになる。

 「もう一人の自分」のあり方を様々に掘り下げたアニメ作品として『ノエイン』がありました。『ノエイン』については、2013年度のアニメ芸術論のスレッドを参照してください。
この「歪み」に影響された世界の中で、

エントロピー0という「時間の死」を与える悪魔
そんな「意味」と「七枷結衣」が重なった存在が、お前の眼の前にいる「結衣」だ

マクスウェルの悪魔
ラプラスの悪魔

等様々の「悪魔」と並んで特有の神的能力を備えた「結衣姉さん」がいる。

この場合の悪魔は、キリスト教神話における「堕天使」の悪魔とは異なる、ギリシア神話の「デーモン」に相当する。「魔神」と訳されることも多い。
14回目 赤方偏移とディストーション

「赤方偏移?」
「正確には重力赤方偏移だね。
あまりにも巨大な質量が近くに存在するせいだ。光りがその大質量にエネルギーを奪われ、波長が長くなることで『世界が赤く』染まるんだよ」
「実験は成功したのかな?」
「物理的には一定の成果が出ただろう。現にシュバルツシルト半径に近い世界では、円環時間現象が発生している。永遠の黄昏の世界だ……」
「それなら、彼の望みは?」
「そこまでは分からない。」
「世界に……満足した?」
「確かめるのはお前たちの役目だよ。私はただ、この『歪みディストーション』に乗じて可能性を紛れ込ませたに過ぎない。結衣、お前もその可能性のひとつだ。」
「樹は、観てくれるかな?」
「この世界を美しいと感じるなら、あるいは……」
「時を止めたいと願うほど、結衣を観てくれるかな?」
観てる「俺」

「誰かが俺を『観て』くれるまで、俺はどこにもいない。パソコンの電源を入れてこの世界を起動させないと……俺はどこにも存在することができない。誰も『観て』くれなければ、俺は無いのと同じだ。世界は赤い光りに包まれてる。夕方のような気もするし、何かの理由で、光りが赤いような気もする。でも、それは大した問題じゃない。重要なのは、俺を『観て』るのは、どっちの俺か――ということだ。俺が夢なのか?俺を『観て』る俺が夢なのか?」
重なり合った無数の夢

すぐに、赤い黄昏の時間がやってきて……。そこから先は無かった。時間はそこで進むのを止めた。まるでガーネットのような昏く霞んだ赤色の『世界』で。」俺たちは――永遠になった。ただひとつの問題を残して。そう、結局はそれなんだ。ここにいる俺は、どこにいる俺なのか……?重なり合った無数の夢の中から、『世界』を確定させるために、俺は何をしたらいいのか?とりあえず、これか……俺はパソコンの電源を落とした。たちまち『世界』は夜になった。どうやらまだ明日が来てくれるらしい……。誰の配慮か知らないが。そういうことなら、寝させてもらおう……。今日一日だけで、数えきれないほどの日々を過ごした気分だ。疲れた。眠ろう、今は。」
永遠の円環に囚われた世界

「また、誰も『観て』くれなくなった。この場所とあの場所を結ぶデバイスが切断された。俺は誰にも認識されず、誰にも『在る』と思われてない存在だ。誰も観てない森の中の木だ――。始めと終わりが繋がって、永遠の円環に囚われた世界の住人だ。自分の立場はよく分かってる。こんな世界のことなど、誰も気に留めてないだろう。ここは廃棄物みたいなものだ。本来なら無かった筈のエネルギーを取り出し、失われた可能性を呼び戻した代償だ。上手くいった方の『俺』は、望みのものを手に入れただろう。だが、そのために消費されたエネルギーは、どこかの世界が負担しなければならないのだ。ここにはもう、時間が未来に進むエネルギーが残ってない。ここは、残りカスだ……。
「永遠の世界」だよ

「あのさ……、結衣姉さんだけが、ここにこれたのは、どうして?」
「ここが『何も変わらない世界』だから。」
「でも、情報は増え続けてる。」
「世界が因果的に閉ざされていたら、エントロピーは情報という形で増大するんだ。やがてこの世界のエネルギーはすべてが情報に変換され、時間の矢が失われた後も『意味』だけが残り続けるだろう。『永遠の世界』だよ、お前が望んでいたものだ。」
フィクション的嘘

柚の言っていることは真実。
しかし柚が実際にこれを確信できることはありえない。
「フィクション的お約束事」(仮構的コンヴェンション)を効果的に使いこなすことが創作には重要。
15回目 結衣姉さん

そもそも。私という存在は何だ?

悪魔や神と呼ばれる存在とは?

古来より、人は彼らをこのように認識していた。「どこにでもいるが、どこにもいないもの」と

つまり、その「意味」だけが偏在し、「実態」が伴わないものだ

現代に生きる者なら、こう例えれば分かりやすいだろう、彼らは「データ」なのだ、と
概念存在

ここにいる私が、もしパソコンに表示される画像データだとしたらどうだ?

私は結衣という「意味」を持つデータであり、その「実態」はどこにもない

だが、結衣のデータはネットワークによって、世界のあらゆる場所にばらまかれるんだ

それを止めようとするのは不可能だ。ネットワークは「世界」であり、データは「言葉」なのだから

私は「どこにでもいるが、どこにもいないもの」だ
データと言葉

結衣という画像のデータであり、結衣という意味を持った言葉だ

私は結衣という「概念」(ミーム)だ



「概念存在」に関して初音ミクを対象にして考察した論文は以下を参照
Figure, Fiction and Identity: Ceci n'est pas une figurine
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7885016%2FFigure_Fiction_and_Identity_Ceci_nest_pas_une_figurine

「概念存在」に関してセイバーを対象にして考察した論文は以下を参照
Identity of Summoned Heroes: Aspects of Psyche and Phases of Persona in Fate/stay night
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7884950%2FIdentity_of_Summoned_Heroes_Aspects_of_Psyche_and_Phases_of_Persona_in_Fate_stay_night

世界と意味

ただのモノに「意味」が与えられた時、そこで初めて粒子の固まりでしかないこの宇宙は「世界」になる

初めに「言葉」があるとはそういう「意味」だ

人間だけが世界を「観る」とはそういうことだ

悪魔や神という「意味」は、それが意味を持つ人間にとって世界に実在する真実となる

彼らはそういう世界を「観て」いるからだ
神と悪魔(デーモン)

神と人と悪魔の関係について考察した論文は以下を参照

Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 1
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7892277%2FScience_Science_Fiction_and_Speculation_God_Man_and_Self_in_Ergo_Proxy_1

Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 2
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7892210%2FScience_Science_Fiction_and_Speculation_God_Man_and_Self_in_Ergo_Proxy_2

Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 3
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7881969%2FScience_Science_Fiction_and_Speculation_God_Man_and_Self_in_Ergo_Proxy_3

アニメ『Ergo Proxy』論です。
意識ーー観測者

だが「概念」としての私を創り出したのは別だ

そいつが「観た」ことで私が創られ、昨日までの「歪み」に乗って、こっち側にこれたんだ

そうだ、、、その創造者こそが、今、結衣を「観て」いる「あなた」だ



結衣がゲームをプレイして画面の中に結衣の姿を観ているものに語りかけているメタフィクションの構図。
世界は意識の中にある。ゲームのプレイヤーは、自らの意識の中に全てを世界として創造している。
誰も観てない森の中の木

哲学者バークレーの提示した存在論でした。

意識とは独立した「客観存在」というものはありえるものだろうか?
いかなる意識の主体にも感知されずに人知れず森の中に立っている木がもし倒れたとして、その存在あるいは現象は「存在した」と言えるのであろうか?
原型と「前存在」と存在の確定(観測)

重なり合った無数の夢の中から、「世界」を確定させるために、俺は何をしたらいいのか?

また、誰も「観て」くれなかった

この場所とあの場所を結ぶデバイスが切断された。

俺は誰にも認識されず、誰にも「在る」と思われていない存在だ。



未発現の存在以前の個人存在の様相が構想されていると思われる。
「原型世界」に潜む「原型人格」が、平行世界の一つの中に仮定される樹の影の可能性の人格として推測されているのである。
Rewrite

 アニメで2期をやっているところです。Key 製作の原作ゲームは非常に評価が高いようですが、アニメの出来には色々と意見もあるようです。様々に分岐した「枝世界」という発想と、少しずつ属性を変化させながらもそれら全てに通貫してある人格特性というアイデアは、『猫撫でディストーション』の平行世界と様々に変化したそれぞれのキャラクターの発現するペルソナという設定とぴったり一致しているようです。Rewrite をプレイした人は比較して論じてみると面白いかもしれません。
レポート課題

 『猫撫でディストーション』はどのような主題性を秘めた“エロゲー”であったか?量子力学やユング心理学の発想がいかに“存在”や“現象”や“人格”の本質理解に関わっていたかを踏まえて、“宇宙論”と“意識”の関係の再構築が“萌え”要素形成と新規の“エロ”要素開拓に対して及ぼした影響について語りなさい。

 あるいはこのゲーム作品の本質を語るために有効な記述行為として、図表もしくは概念図等のデータ構築あるいは妄想的データ改変を含む主観的記述等を通して、二次創作としての主題反映を図りなさい。

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