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☯映画解放区コミュの澤井信一郎 (1938〜 )

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〔略歴〕
1938年8月16日 静岡県浜名郡雄踏町(現、浜松市)に生まれる。
           父・幸雄、母・志か。六男一女の五男。本名:信治。
1945〜51年   雄踏小学校。野球少年だった。
1951〜54年   雄踏中学校。ハーモニカクラブに所属。全国大会・独奏の部で優勝。
1954〜57年   県立浜松北高等学校。『みずうみ』(テオドール・シュトルム)を読み、独語専攻を決意。
           愛読書…『チボー家の人々』(ロジェ・マルタン・デュ・ガール)。
           好きだった女優…杉葉子、青山京子。
1957〜61年   東京外国語大学ドイツ科。自治会の執行委員を経験。社会主義学生同盟に参加。
           愛読作家…中野重治、花田清輝、吉本隆明、武井昭夫、平野謙、井上光晴、
                  金達寿、長谷川四郎、小村勝など。
           好きだった映画…『宿命』(ジュールス・ダッシン、1957年/仏)、
                     『灰とダイヤモンド』(アンジェイ・ワイダ、1957年/ポーランド)、
                     『鶴は翔んでゆく』(ミハイル・カラトーゾフ、1957年/ソ連)。
           好きだった監督…増村保造、中平康、沢島忠、大島渚、村山新治など。
           卒論のテーマ…“ヴォルフガング・ボルヒェルト”。
1961年     東映東京撮影所(大泉)に助監督(第十期)として入社。
           “浅草東映”にて二ヶ月半の実習。
          『ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども』で初助監督(フォース)。
1964年 9月〜 一年間、組合の専従役員(副委員長)を務める。
1965年      『任侠男一匹』で、師匠マキノ雅弘に初めて付く(サード)。
1967年      『侠骨一代』で、セカンド助監督に。
1969年      『日本侠客伝 花と龍』で、チーフ助監督に。
1981年      『野菊の墓』で、監督デビュー。
2006年 春    紫綬褒章受章。


〔映画作品〕
 1981年 『野菊の墓 』  (原作=伊藤左千夫/脚本=宮内婦貴子)
 1984年 『Wの悲劇 』  (原作=夏樹静子/脚本=荒井晴彦+澤井信一郎)
 1985年 『早春物語 』  (原作=赤川次郎/脚本=那須真知子)
 1986年 『めぞん一刻 』  (原作=高橋留美子/脚本=田中陽造)
 1987年 『恋人たちの時刻 』  (原作=寺久保友哉/脚本=荒井晴彦)
 1988年 『ラブ・ストーリーを君に 』  (原作=ディディエ・ドゥコワン/脚本=丸山昇一)
 1991年 『福沢諭吉 』  (脚本=笠原和夫+桂千穂)
 1993年 『わが愛の譜 滝廉太郎物語 』  (脚本=宮崎晃+伊藤亮爾+澤井信一郎)
 1995年 『日本一短い「母」への手紙 』  (脚本=伊藤亮二+澤井信一郎)
 1998年 『時雨の記 』  (原作=中里恒子/脚本=伊藤亮二+澤井信一郎)
 2002年 『仔犬ダンの物語 』  (脚本=東多江子)
 2003年 『17才 旅立ちのふたり 』  (脚本=東多江子)
 2007年 『蒼き狼 地果て海尽きるまで 』  (原作=森村誠一/脚本=中島丈博+丸山昇一)


〔テレビ作品〕
 1972年 『火曜日の女/ “黒いオパール” 〜第1・3・5話 』 (日本テレビ)*
 1982年 『Gメン’75 〜第344話 “真夜中の眼” 』 (TBS)*
       『月曜ワイド劇場/ “かりそめの妻” 』 (テレビ朝日)**
 1983年 『月曜ワイド劇場/ “ホームタウンの事件簿” 』 (〃)
 1984年 『宇宙刑事シャイダー 〜第1話 “不思議界” 』 (〃)
       『宇宙刑事シャイダー 〜第2話 “踊れペトペト!” 』 (〃)
       『宇宙刑事シャイダー 〜第38話“魔少女シンデレラ” 』 (〃)
       『宇宙刑事シャイダー 〜第39話“仮面が踊る聖歌隊” 』 (〃)
 1995年 『重甲ビーファイター 〜第1話 “昆虫戦士だ!!” 』 (〃)
       『重甲ビーファイター 〜第2話 “踊る人間狩り!!” 』 (〃)
 1996年 『将軍の隠密!影十八 〜第1話 “闇裁き 花嫁化粧を待つ女” 』 (〃)
       『将軍の隠密!影十八 〜第2話 “張込み 哀しき女の薄化粧” 』 (〃)
       『将軍の隠密!影十八 〜第6話 “つぐない 過去を消した女” 』 (〃)
       『将軍の隠密!影十八 〜第15話“ワル 親のない子と子のない母と” 』 (〃)
       『将軍の隠密!影十八 〜第19話“女の意地 ワイロのからくり、闇裁き” 』 (〃)
       『刑事追う!〜第15話 “第一容疑者” 』 (テレビ東京)
       『ドラマ特別企画/ “女優X 伊藤蘭奢の生涯” 』 (TBS) 
 1998年 『蒲生邸事件 』 (NHK) 

        * …脚本を担当。  ** …監督と脚本の両方を担当。


〔脚本作品〕
 1970年 『捨て身のならず者 』 (石松愛弘との共同脚本)*
 1971年 『ごろつき無宿 』 (伊藤俊也との共同脚本)
 1975年 『トラック野郎 御意見無用 』 (鈴木則文との共同脚本)
       『トラック野郎 爆走一番星 』 (鈴木則文との共同脚本)*
 1976年 『トラック野郎 望郷一番星 』 (野上龍雄との共同脚本)*
 1977年 『トラック野郎 度胸一番星 』 (野上龍雄との共同脚本)*
 1984年 『麻雀放浪記 』 (和田誠との共同脚本)
       『Wの悲劇 』 (荒井晴彦との共同脚本)**
 1993年 『わが愛の譜 滝廉太郎物語 』 (宮崎晃、伊藤亮爾との共同脚本)**
 1995年 『日本一短い「母」への手紙 』 (伊藤亮二との共同脚本)**
 1998年 『時雨の記 』 (伊藤亮二との共同脚本)**

       * …助監督も兼ねる。  ** …監督も兼ねる。


〔助監督作品〕
 1961年 『ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども 』 (小沢茂弘 ?)
       『石松社長は男でござる 』 (飯塚増一)
 1962年 『新婚シリーズ 月給日は嫌い 』 (日高繁明 ?)
       『新婚シリーズ 初心が肝心 』 (日高繁明 ?)
       『べらんめえ藝者と大阪娘 』 (渡辺邦男 ?)
       『愉快な仲間 』 (渡辺邦男 ?)
       『太平洋のGメン 』 (石井輝男 ?)
       『東京・丸の内 』 (小西通雄)
       『東京アンタッチャブル 』 (村山新治 ?)
       『裏切者は地獄だぜ 』 (小沢茂弘 ?)
 1963年 『海道一の鬼紳士 』 (渡辺祐介 ?)
       『陸軍残虐物語 』 (佐藤純彌 ?)
       『続王将 』 (佐藤純彌 ?)
 1964年 『ならず者 』 (石井輝男 ?)
       『竜虎一代 』 (小林恒夫)
 1965年 『任侠男一匹 』 (マキノ雅弘 ?)
 1966年 『昭和残侠伝 唐獅子牡丹 』 (佐伯清 ?)
       『愛欲 』 (佐藤純彌 ?)
       『地獄の野良犬 』 (鷹森立一 ?)
       『太陽に突っ走れ 』 (鷹森立一 ?)
       『侠客三国志 佐渡ヶ島の決斗 』 (佐伯清 ?)
       『ボスは俺の拳銃で 』 (村山新治 ?)
 1967年 『続浪曲子守唄 』 (鷹森立一 ?)
       『男なんてなにさ 』 (渡辺祐介 ?)
       『昭和残侠伝 血染の唐獅子 』 (マキノ雅弘 ?)
       『出世子守唄 』 (鷹森立一 ?)
       『侠骨一代 』 (マキノ雅弘 ?)
       『網走番外地 吹雪の斗争 』 (石井輝男 ?)
       『雪夫人絵図 』 (成沢昌茂)
 1968年 『荒野の渡世人 / The Drifting Avenger 』 (佐藤純彌 ?)
       『秘・トルコ風呂 』 (村山新治 ?)
       『ごろつき 』 (マキノ雅弘 ?)
       『新網走番外地 』 (マキノ雅弘 ?)
 1969年 『昭和残侠伝 唐獅子仁義 』 (マキノ雅弘 ?)
       『日本侠客伝 花と龍 』 (マキノ雅弘 ?)
       『昭和残侠伝 人斬り唐獅子 』 (山下耕作)
 1970年 『捨て身のならず者 』 (降旗康男 ?)*
       『夜遊びの帝王 』 (斎藤武市 ?)
       『昭和残侠伝 死んで貰います 』 (マキノ雅弘 ?)
       『新網走番外地 吹雪のはぐれ狼 』 (降旗康男 ?)
 1971年 『昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 』 (佐伯清 ?)
 1972年 『ポルノの帝王 失神トルコ風呂 』 (内藤誠)
       『人斬り与太 狂犬三兄弟 』 (深作欣二)
 1973年 『夜の歌謡シリーズ なみだ恋 』 (斎藤武市 ?)
       『色魔狼 』 (降旗康男 ?)
 1974年 『0課の女 赤い手錠(ワッパ) 』 (野田幸男 ?)
       『従軍慰安婦 』 (鷹森立一 ?)
 1975年 『怪猫トルコ風呂 』 (山口和彦)
       『青春トルコ日記 処女すべり 』 (野田幸男 ?)
       『華麗なる追跡 』 (鈴木則文 ?)
       『トラック野郎 爆走一番星 』 (鈴木則文 ?)*
 1976年 『トラック野郎 望郷一番星 』 (鈴木則文 ?)*
       『トラック野郎 天下御免 』 (鈴木則文 ?)
 1977年 『トラック野郎 度胸一番星 』 (鈴木則文 ?)*
       『トラック野郎 男一匹母桃次郎 』 (鈴木則文 ?)
 1978年 『トラック野郎 一番星北へ帰る 』 (鈴木則文 ?)
 1979年 『がんばれ!ベアーズ 大旋風 /The Bad News Bears Go to Japan 』 (ジョン・ベリー)
 1980年 『動乱 』 (森谷司郎 ?)

       * …脚本も兼ねる。  ?〜? …付いた回数。

       ・マキノ雅弘 ・・・8回。
       ・鈴木則文 ・・・・7回。
       ・鷹森立一 ・・・・5回。
       ・佐藤純彌 ・・・・4回。
       ・石井輝男 ・・・・3回。  ・飯塚増一 ・・・1回。
       ・村山新治 ・・・・3回。  ・小西通雄 ・・・1回。
       ・佐伯清 ・・・・・・3回。  ・小林恒夫 ・・・1回。
       ・降旗康男 ・・・・3回。  ・成沢昌茂 ・・・1回。
       ・小沢茂弘 ・・・・2回。  ・山下耕作 ・・・1回。
       ・日高繁明 ・・・・2回。  ・内藤誠 ・・・・・1回。
       ・渡辺邦男 ・・・・2回。  ・深作欣二 ・・・1回。
       ・渡辺祐介 ・・・・2回。  ・山口和彦 ・・・1回。
       ・斎藤武市 ・・・・2回。  ・J・ベリー・・・・1回。
       ・野田幸男 ・・・・2回。  ・森谷司郎 ・・・1回。  以上、24人の監督と58本の作品。


〔著書〕
 2006年 「映画の呼吸 澤井信一郎の監督作法」 (澤井信一郎+鈴木一誌/ワイズ出版)


〔資料:Webサイト〕
●わが映画人生 マキノ雅裕監督編 (1988年10月27日)
  〜インタビュアー:澤井信一郎
http://www.dgj.or.jp/my_cineast_life/article/000215.html
●澤井流演出術−美は諧調にあり (2005年2月2日)
  〜対談:澤井信一郎、井土紀州
http://spiritualmovies.lomo.jp/dialogue_sawai.html

コメント(3)

 『早春物語』の依頼は、『Wの悲劇』の制作発表の当日。記者会見の場で、突然、角川春樹さんから告げられたそうです。同席していたプロデューサーの黒澤満さんの勧めもあって、お引き受けはしたものの、角川さんとは、まだ『Wの悲劇』で初めてご一緒する関係でしかなかったので、大変に驚いたと言います。(「映画の呼吸」p240より)

 シナリオ作りは、『Wの悲劇』の完成と同時に慌しく始まったそうで、原作は赤川次郎さんの同名小説ですが、どうやら川端康成の「母の初恋」が下地になっているようです。プロデューサーの伊藤亮爾さんを中心に、シナリオライターの那須真知子さんと3人で練り上げた模様です。(p241,p242より)
 中年エリート商社マンの役は、シナリオ作りの段階から林隆三さんのイメージがあったそうで、かなり早い段階から出演の交渉をして貰っていたようです。(p250より)

 本編で、境内を歩く原田知世さんが振り返り様、空を見上げる大俯瞰のショットは、鎌倉の来迎寺(※如意輪観音は女性の守り本尊)で撮影され、撮影用の足場(イントレ)を何台も組み上げては、風の中を、命懸けで行なったそうです。澤井監督曰く、「皆、若かったんですね。時々、理屈を越えた理不尽なサイズを強烈に撮りたくなるんですよ…」。(p253,254より)
 憧れの人が、遠い昔に母親を捨てた男と知り、心ざわめく感じや、亡き母を一瞬感じたようにも思える印象的なショットでした。

 ラストの、原田知世さんが空港内を颯爽と歩く、バスト、ミディアムフル、フルショットの、サイズを替えたモンタージュは、『噂の二人』(1961年/ウィリアム・ワイラー監督)から思い付いたものとの事です。(p252より)
 惜別の見送りで恋を告げられた後、交錯する様々な思いが3ショットの“無表情の豊かな表情”で捉えられており、それ故か、空港を出てからの統一された表情が、少女から女へと変貌を遂げた様子に映ります。

 画面作りの一端が垣間見えるようなお話を、そっくりそのまま載せておきます。映画ならではの時間と空間の作り方についてです。
 「知世が、心中した友達の焼香を終えて隆三さんに会う長いワンシーン・ワンカット。お見送りを待つ弔問客を見切るように塀の角を曲がった所で、二人だけで話していると、オフで、喪主の“本日はありがとうございました”の挨拶が聞こえてくるので、知世が塀の角から元の道に戻る。カメラがつけてパンすると、さっきバラバラだった弔問客が整然と並んでいる。カメラを知世と隆三さんに向けている間に、エキストラは予め小石を置いて目印を付けた場所に、足音をさせないように移動する手筈にした。それを見計らって、知世が元の道に引き返すのにつけて、パンしていたカメラを戻すとワンカットの中でバラバラだった弔問客が整列している、という綱渡りなんですが、その時、整列した弔問客のずっと奥で子供を遊ばせ、静止した画面に小さな動きをさせて、奥行きを感じさせるようにしている。」(p275より)
 『早春物語』は、瞳(原田知世)が定着液の容器を洗浄する描写から始まり、「それぞれの春」と題する一枚の写真で終わっています。勿論、瞳が写真部の設定なので、極々自然な起結とも思えるのですが、前者が3学期の“終業式”で、後者が新しい学年の“始業式”であった点を考慮すると、ただならぬ様相が浮かび上がって来る事が分かります。仮に、その“終わり”から“始まり”までの間を、《滞った空白》と呼ぶ事に致しましょうか。単なる“春休み”と言ってしまえばそれ迄の事なのですが、ちょうど彼岸の時期でもあり、瞳の亡き母の命日とも重ねて描いていることからも、なかなか素通りは出来ません。この《滞った空白》は、写真を作成する過程に於いても存在するものです。シャッター音と同時にフィルムが感光し、それまで光の中で躍動していた被写体が、一瞬にして闇の中へと封じ込められます。言わば、被写体の死(終わり)です。現像液によって闇から再び放たれた後、定着液によって印画紙へ留まるに至り、漸く、新たな息吹(始まり)が吹き込まれます。この作品が、“定着液”に始まり“一枚の写真”で終わっている点からも、《滞った空白》からの《蘇生》を積極的に描こうという意図が嗅ぎ取れます。では、《滞った空白》とは具体的に何を指していたのか…。端的に言ってしまえば、瞳の《心の空白》です。母親を喪った痛手から立ち直れないままの《心の空白》です。つまり、17才のちょっと大人びた恋愛を通して、少女から大人へと成長していくドラマの裏側では、《滞った空白》から蘇生しようともがくもう一人の瞳が描かれていた訳です。最後、写真のショットへ入る「過去を持つ女になった…」という瞳のセリフが、単に梶川(林隆三)との恋だけではなく、母の死をも含むのもであったことは見逃せないところです。
 最後の写真は、「それぞれの春」というフォトアートでありながら、写っていない梶川との思い出を想起させるものとして存在していました。写っていない物を想起させるという点は、たいへん示唆に富んでいたと思います。

 梶川の職場を訪ねた瞳が、夕方まで時間を潰すシーンがあります。シーンといってもダイジェストなのですが、その中に、《歩道橋を降りて来る瞳》⇒《歩道橋下でたたずむ瞳》の2カットがありました。この歩道橋は、「表参道 神宮前四丁目」と表示のある、『Wの悲劇』でも使用されていた歩道橋です。静香(薬師丸ひろ子)に呼び出された五代(三田村邦彦)が、この歩道橋を小走りで降りて来るほぼ同様のカットがあり、たたずむ瞳の背後には、静香と五代が待ち合わせたオープンテラスも、きっちり納められていました。この《歩道橋を降りてくる瞳》⇒《歩道橋下でたたずむ瞳》の2カットにより、まるで『Wの悲劇』と『早春物語』の世界が、同時空間上に存在しているかのような、ちょっとした錯覚を生み出しています。
 角川春樹さんは当初、角川三人娘(薬師丸ひろ子、原田知世…)の最後の一人、渡辺典子さん主演で、夏樹静子さん原作の推理小説「Mの悲劇」を映画化したい意向があったようです。ところが、既に脚本への参加が決定していた荒井晴彦さんの方から、「Mの悲劇」の映画化が難しいというお話で、代わりに寺久保友哉さんの「恋人たちの時刻」が荒井さんの手によって持ち込まれたと言います。角川さんも、あらためて「恋人たちの時刻」を角川文庫から出版することで映画化へと踏み切ったそうで、当時の角川商法が垣間見えるエピソードです。仮に、『Mの悲劇』なる作品が製作されていたならば、さぞかし大変な話題作になっていた事でしょう…。
 ご覧になった方はご存知でしょうが、全裸のシーンやハードなベッドシーンがあった為、結果的に予定されていた主演の渡辺典子さんは降板。それによって恋人役の野村宏伸さんが主演となりました。軸となる人物を女優から男優へと移行させる事が出来た点には、如何にも映画らしい筆遣いの面白さを感じます…。河合美智子さんが演じた村上マリ子役には、実は他に決まり掛けていた女優さんいたそうです。カメラテストや簡単なセリフの指導も行われていたようですが、どうしてもセリフの口跡が悪く、結局は降りて頂いたそうです。 (「映画の呼吸」p278〜279より)

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