競馬とサラブレッドの歴史?
サラブレッドは生物学上の動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・ウマ目(奇蹄目)・ウマ型亜科・ウマ上科・ウマ科・ウマ属に属するものです。ウマ目ウマ科はウマ・シマウマ・ロバの仲間５亜属９種のみで、狭義の「ウマ」は、このうち特に種としてのウマ Equus caballus(カバルス／家畜馬)のみを指し、家畜馬のサラブレッドという品種です。奇蹄目というのは中指中心に体を支え草木を食べる動物です。家畜馬の中のサラブレッドという種は、あくまでも家畜としての品種であって、ドサンコやポニーとは大きく異なった外観をしていますが同じカバルスという種に所属します。サラブレッドという種はアラブ馬などで改良しながら出来あがった品種ですが、アラブ馬自身も人間によって意図的に作られた馬です。アラブ馬はアフリカのバルブ馬と北方の遊牧民の馬との混血ではないかと言われています。アラブ馬誕生の説は幾つかあり、その内の一つにイスラエルのソロモン王の話があります。ソロモン王は家畜の育成に強い関心を持っていて、遠くから七頭の優れた若馬を取り寄せました。そしてその馬と自分の牡馬を海へ沈めました。ソロモン王の馬はすぐに死んでしまいましたが、７頭の馬は岸にたどり着きました。それらの馬が種牡馬となってアラブ種を生み出したというのです。ソロモン王はあまりにも馬に熱中してしまい、つい神様へのお祈りを忘れてしまいました。深く反省した王は６頭の牝馬を追放し神に許しを乞いました。後のアラブ種に時々出来そこないの馬が出るのはその時の子孫だといわれています。実際にアラブ種を育てたのはシナイ半島出身のベドヴィン族だとされています。サラブレッドの語源は、「Ｔｈｏｒｏｕｇｈ＝徹底的」＋「ｂｒｅｄ＝品種改良されたもの」です。歴史に沿って競馬とサラブレッドを再認識したいと思います。
サラブレッドは生物学上の動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・ウマ目(奇蹄目)・ウマ型亜科・ウマ上科・ウマ科・ウマ属に属するものです。ウマ目ウマ科はウマ・シマウマ・ロバの仲間５亜属９種のみで、狭義の「ウマ」は、このうち特に種としてのウマ Equus caballus(カバルス／家畜馬)のみを指し、家畜馬のサラブレッドという品種です。奇蹄目というのは中指中心に体を支え草木を食べる動物です。家畜馬の中のサラブレッドという種は、あくまでも家畜としての品種であって、ドサンコやポニーとは大きく異なった外観をしていますが同じカバルスという種に所属します。サラブレッドという種はアラブ馬などで改良しながら出来あがった品種ですが、アラブ馬自身も人間によって意図的に作られた馬です。アラブ馬はアフリカのバルブ馬と北方の遊牧民の馬との混血ではないかと言われています。アラブ馬誕生の説は幾つかあり、その内の一つにイスラエルのソロモン王の話があります。ソロモン王は家畜の育成に強い関心を持っていて、遠くから七頭の優れた若馬を取り寄せました。そしてその馬と自分の牡馬を海へ沈めました。ソロモン王の馬はすぐに死んでしまいましたが、７頭の馬は岸にたどり着きました。それらの馬が種牡馬となってアラブ種を生み出したというのです。ソロモン王はあまりにも馬に熱中してしまい、つい神様へのお祈りを忘れてしまいました。深く反省した王は６頭の牝馬を追放し神に許しを乞いました。後のアラブ種に時々出来そこないの馬が出るのはその時の子孫だといわれています。実際にアラブ種を育てたのはシナイ半島出身のベドヴィン族だとされています。サラブレッドの語源は、「Ｔｈｏｒｏｕｇｈ＝徹底的」＋「ｂｒｅｄ＝品種改良されたもの」です。歴史に沿って競馬とサラブレッドを再認識したいと思います。
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コメント(11)
競馬とサラブレッドの歴史?
紀元前１６世紀に第１８エジプト王朝トトメス一世が、「メソポタミヤ遠征の戦利品として持ち帰ったアラビア産の馬を宮廷の広場で競走させた」とパピルスに書き残しています。これが歴史に知られた最初の競馬だといわれています。また、ヘブライ国王ソロモン(紀元前９世紀)は馬を好み、多くの馬を集めて競争させ楽しみました。ギリシャ人が古代オリンピックに競馬(戦車を曳いて速さを競う)を加えたのは第２回目(紀元前６４８年)からのことで、戦車競争はやがてローマに広がって行き、古代文明の娯楽と武技の修練を兼ねたスポーツとして発展していきました。
サラブレッドという名前が初めて使われたのは１８０６年。イギリスのジェームズ・ウェザビーがゼネラルスタッドブックの第１巻を発行したのが１７９３年ですから、サラブレッドという名の発祥から僅々２００年、血統書の中に記載された三大基幹種牡馬まで遡っても約２７０年です。しかし、１８０６年に忽然とサラブレッドが出現したわけではなく、そこに到達するまでには長い成立の過程がありました。
サラブレッドは馬の一品種としてイギリスで作り上げられたもので、現在は世界的な規模で系統繁殖が行われている競争用の馬です。その繁殖馬の選択には競馬という能力検定をベースにした原則が守られてきました。サラブレッドを一つの固定した品種に作り上げたのはイギリスに発達した競馬です。この経緯や事情を理解していただくために、イギリスにおける競馬の発展と競走馬の進歩の概略を記述します。
ローマ皇帝ジュリアス・シーザーが現在のフランス、ガリヤを攻略し、海峡を隔てた海上に浮かぶブリテン島(イギリス)を攻撃したのが紀元前５５年。その当時ブリテン島の東南部には古ゴール人の一派ベルジー族が居住していました。上陸したローマの大軍は思わぬ激しい抵抗を受けて多くの犠牲を支払いながらもブリテン島を占領することができました。思わぬ抵抗とは、ベルジー族が対岸の同族ゴール人から東洋産の血の入った軍馬を譲り受けて機動力のある騎馬隊や戦車隊を作っていたからでした。ローマ人のブリテン占領はそれから紀元４１０年まで４５０年間続きましたが、クラウディウス帝がブリテン全島を掌握するまでにローマ軍は古代文明諸国の全てを勢力範囲に加え、占領した国々の往来も盛んに行われていましたから、軍馬の中には東洋産の馬も数多く混じっていました。在来牝馬と東洋産の馬との混血は、既にローマ人のブリテン占領時から始まっていたと想像できます。ブリテンに駐屯していたローマ軍兵士は、退屈しのぎと武技鍛錬を兼ねてしばしば競馬会を催しました。スコットランド東部に居住するピクト人を攻略するためにブリテンに渡ったセヴェルス皇帝が、ヨークシャー州の首都ヨークに居城を定めて滞在した４年間(２０６年〜２１０年)には、ヨーク郊外のウェザビーで度々大きな競馬会が行われました。そのときの勝利馬はいつもアラビア馬だったといいますが、その頃アラビア馬はまだ砂漠を出ていませんでしたから、おそらくは中近東産のリビア馬(スペインを経てヨーロッパに入ってきたアフリカ北部原産のバルブ場も加えた東洋産の馬をリビア馬と総称した)であったと思われます。そのような背景もあって、当時のブリテンには東洋産のリビア馬がいてイギリス土産馬との交配も行われ、乗用に適した大型馬も生産されていました。７、８世紀頃、イスラム教を信仰するアラビア人は布教のために砂漠を離れ、アフリカからスペイン、ヨーロッパ中部にも出向きました。やがてイスラム教徒が再び砂漠に引き上げた後には多数のアラビア馬がヨーロッパ各地に置き去られて、それらはピレネー馬、スペイン馬、アンダルシア馬などヨーロッパ南部の軽快な乗用馬の源泉となりました。
紀元前１６世紀に第１８エジプト王朝トトメス一世が、「メソポタミヤ遠征の戦利品として持ち帰ったアラビア産の馬を宮廷の広場で競走させた」とパピルスに書き残しています。これが歴史に知られた最初の競馬だといわれています。また、ヘブライ国王ソロモン(紀元前９世紀)は馬を好み、多くの馬を集めて競争させ楽しみました。ギリシャ人が古代オリンピックに競馬(戦車を曳いて速さを競う)を加えたのは第２回目(紀元前６４８年)からのことで、戦車競争はやがてローマに広がって行き、古代文明の娯楽と武技の修練を兼ねたスポーツとして発展していきました。
サラブレッドという名前が初めて使われたのは１８０６年。イギリスのジェームズ・ウェザビーがゼネラルスタッドブックの第１巻を発行したのが１７９３年ですから、サラブレッドという名の発祥から僅々２００年、血統書の中に記載された三大基幹種牡馬まで遡っても約２７０年です。しかし、１８０６年に忽然とサラブレッドが出現したわけではなく、そこに到達するまでには長い成立の過程がありました。
サラブレッドは馬の一品種としてイギリスで作り上げられたもので、現在は世界的な規模で系統繁殖が行われている競争用の馬です。その繁殖馬の選択には競馬という能力検定をベースにした原則が守られてきました。サラブレッドを一つの固定した品種に作り上げたのはイギリスに発達した競馬です。この経緯や事情を理解していただくために、イギリスにおける競馬の発展と競走馬の進歩の概略を記述します。
ローマ皇帝ジュリアス・シーザーが現在のフランス、ガリヤを攻略し、海峡を隔てた海上に浮かぶブリテン島(イギリス)を攻撃したのが紀元前５５年。その当時ブリテン島の東南部には古ゴール人の一派ベルジー族が居住していました。上陸したローマの大軍は思わぬ激しい抵抗を受けて多くの犠牲を支払いながらもブリテン島を占領することができました。思わぬ抵抗とは、ベルジー族が対岸の同族ゴール人から東洋産の血の入った軍馬を譲り受けて機動力のある騎馬隊や戦車隊を作っていたからでした。ローマ人のブリテン占領はそれから紀元４１０年まで４５０年間続きましたが、クラウディウス帝がブリテン全島を掌握するまでにローマ軍は古代文明諸国の全てを勢力範囲に加え、占領した国々の往来も盛んに行われていましたから、軍馬の中には東洋産の馬も数多く混じっていました。在来牝馬と東洋産の馬との混血は、既にローマ人のブリテン占領時から始まっていたと想像できます。ブリテンに駐屯していたローマ軍兵士は、退屈しのぎと武技鍛錬を兼ねてしばしば競馬会を催しました。スコットランド東部に居住するピクト人を攻略するためにブリテンに渡ったセヴェルス皇帝が、ヨークシャー州の首都ヨークに居城を定めて滞在した４年間(２０６年〜２１０年)には、ヨーク郊外のウェザビーで度々大きな競馬会が行われました。そのときの勝利馬はいつもアラビア馬だったといいますが、その頃アラビア馬はまだ砂漠を出ていませんでしたから、おそらくは中近東産のリビア馬(スペインを経てヨーロッパに入ってきたアフリカ北部原産のバルブ場も加えた東洋産の馬をリビア馬と総称した)であったと思われます。そのような背景もあって、当時のブリテンには東洋産のリビア馬がいてイギリス土産馬との交配も行われ、乗用に適した大型馬も生産されていました。７、８世紀頃、イスラム教を信仰するアラビア人は布教のために砂漠を離れ、アフリカからスペイン、ヨーロッパ中部にも出向きました。やがてイスラム教徒が再び砂漠に引き上げた後には多数のアラビア馬がヨーロッパ各地に置き去られて、それらはピレネー馬、スペイン馬、アンダルシア馬などヨーロッパ南部の軽快な乗用馬の源泉となりました。
奇蹄目には３つの指で支えているサイとバクがいますが、１つで蹄を支えているのはウマ科だけです。エオヒップスやメゾヒップス、ネオヒップスとかエクウスなどまで遡ると意味が異なってきますので競馬とサラブレッドの歴史にスポットを当てて話を進めたいと思います。古い話が多いので、不確かなものや「眉唾」ものもありますが引き続きお付き合いください。
競馬とサラブレッドの歴史?
ローマ占領時代の遺産は、やがてブリテン島各地の競馬会、競争専用の乗馬の生産に発展していきました。現代の競馬と競走馬にかかわる事柄としては、ユーグ・カペー(後のフランス王／９３８年頃〜９９６年)はイングランド王アゼルスタンの妹に求婚し、ドイツ産の競走馬を贈りました。これは、競走馬という特殊な用役のための最初の乗馬とも言われています。スコットランド王アレキサンダー(１０７８年〜１１２４年)は教会にアラビア馬を送りました。これがイギリスに渡った最初の真正アラブであったといいます。ジョン王(１１９９年〜１２１６年)はエルサムに種馬所を創設して、スペインから輸入したバルブ馬をはじめ、東洋各地の産馬を繋養して馬術競技も奨励しました。１２、３世紀には、十字軍の東方遠征に加わったイギリス、フランスの騎士たちは、東洋産の馬を凱旋の手土産として本国に持ち帰り、馬上競技が騎士たちの娯楽となりました。シュルースベリー伯は自分の領地ポウィスにバルブ馬を送り、ウェールズ州でこれらの馬と土産馬との交配を行わせ、この地はやがて駿馬の産地として名声を博すことになりました。
競馬とサラブレッドの歴史?
ローマ占領時代の遺産は、やがてブリテン島各地の競馬会、競争専用の乗馬の生産に発展していきました。現代の競馬と競走馬にかかわる事柄としては、ユーグ・カペー(後のフランス王／９３８年頃〜９９６年)はイングランド王アゼルスタンの妹に求婚し、ドイツ産の競走馬を贈りました。これは、競走馬という特殊な用役のための最初の乗馬とも言われています。スコットランド王アレキサンダー(１０７８年〜１１２４年)は教会にアラビア馬を送りました。これがイギリスに渡った最初の真正アラブであったといいます。ジョン王(１１９９年〜１２１６年)はエルサムに種馬所を創設して、スペインから輸入したバルブ馬をはじめ、東洋各地の産馬を繋養して馬術競技も奨励しました。１２、３世紀には、十字軍の東方遠征に加わったイギリス、フランスの騎士たちは、東洋産の馬を凱旋の手土産として本国に持ち帰り、馬上競技が騎士たちの娯楽となりました。シュルースベリー伯は自分の領地ポウィスにバルブ馬を送り、ウェールズ州でこれらの馬と土産馬との交配を行わせ、この地はやがて駿馬の産地として名声を博すことになりました。
英仏の百年戦争(１３３７年〜１４５３年)の間、イギリス兵士は凶暴な大陸の略奪者となり、多くの馬を盗んで飼養しました。当時のイギリス軍の主力武器は弓矢で、優れた射手は戦士に格上げされて甲冑と馬一頭を与えられ、乗馬歩兵軍に編入されて侵攻の先頭に立ちました。この戦争の間にもイギリス本国では競馬会が盛んに開催されました。１３７７年、記録に残る最初の競馬がニューマーケットで、ウェールズ皇太子(リチャード二世)とアルンデル伯との間で争われました。ランカスター家とヨーク家の王位継承戦争(バラ戦争／１４５５年〜１４８５年)のために、王侯貴族が没落して競馬も忘れ去られましたが、ヘンリー七世(１４８５年〜１５０９年)の頃から堀や土手をめぐらした私有地の習慣ができると、馬の飼料を作る畑地や放牧地が設けられ、オランダから牧草の栽培技術を取り入れた草の改良が行われました。ヘンリー王は１４９４年に特別な法律を制定して馬の輸出を禁止して生産と保護に努めました。スポーツ好きのヘンリー八世(１５０９年〜１５４７年)が王位につき、ロンドン郊外のハンプトンコートに王立種馬所を建てて競争用の馬を生産しました。１５１１年、チェスター州の首都チェスターでイギリス最初の定期競馬が行われました。以後、定期競馬開催地としてディー河畔ルーディーが選ばれました。最古の重賞競争ともいうべきチェスター・ベル賞典競争が行われたのはこの競馬場でした。１５１４年、マンチュア候が純血の東洋種数頭をヘンリー王に贈りました。スペイン北東部アラゴン国王のフェルナンドも純血のバルブ馬を献上しました。王立種馬所は大成功を収め、ヘンリー王の生産馬は１５０年の後にババリア、トルコ、アラビア産の馬によって改良されることになる牝馬の基礎となりました。王は、規定の体高に達しない矮小な馬は全て殺処分するという法令(１５３５年)を定め、王立御料地の馬改良を行わせました。馬の輸出禁止令を出して優良馬の防ぐとともに、調教師を雇って競走馬の育成に努めました。また、職業騎手を雇い入れ、所有馬に挑戦した馬の生産者には奨励金を与えました。諸国の略奪に忙しかったエリザベス女王(１５５８年〜１６０３年)も馬の生産には関心を示し、クロイドン、ソールスベリーの競馬場に多数の家臣を従えて観戦し、ロンドン郊外のブラックヒースで持馬の調教を行わせました。王侯貴族の中には馬を所有する者も多く、自ら競馬に出場する者もおりました。１５５２年、スコットランドにハッチングトン競馬創設。１５７６年、リッチモンド競馬創設。１５９０年〜１６０５年、ヨーク、ドンカスター、カーリッスル、テビオットデール競馬などのが次々と創設されました。
悪魔学の研究者としても知られるジェームズ一世(在位／１６０３年〜１６２５年)はニューマーケットの土地柄を好み、ここを狩猟と競馬の地と決め邸宅を構えました。王は諸侯から多くの純血東洋種を贈られましたが、この中のナポリ産競走馬２７頭を飼養しました。トーマス・エドマンス卿は６頭のバルブ馬を王に贈り、馬は全て王立調教場で競走馬として育成されました。また王は、繁殖用の種馬としてマルカム・アラビアンを５００ギニーという大金を支払って手に入れました。ジェームズ王を見習って地方の郷士、紳士も競走馬を飼養し、マンチェスター伯、ハミルトン候、オルモンド伯、ダービー伯など競馬の熱狂的な支持者が生まれ、開催地も各地に広がりました。１６０５年に設立されたニューマーケットを始め、チェスター、クロイドン、ドンカスター、ソールスベリーなどは大いに賑わい、スコットランド各地にも競馬場が相次いで設立されました。１６０７年、ハンチングトン競馬でシェフィールド卿とハディングトン卿の障害飛越競争が行われました。１６１７年、ウッドハム、リンカーン競馬が設立されました。チャールズ一世(１６２５年〜１６４９年)の時代にバッキンガム公がヘルムズリー・タークを輸入しましたが、この馬はバスラーやヴィクセンなどの父として成功を収め、ハットン、ロイヤルコルトを経てエクリプスの祖先となり、種牡馬として成功した最初の輸入馬となりました。チャールズ王は１６２７年にニューマーケットに春秋２回の定期競馬を開催させ、賞典を金銀の鈴から賞杯に変えました。また、１６３５年にはロンドン近郊にハイドパーク競馬を制定しました。東洋産馬の輸入も盛んに行い、ティグビヤニューカッスルなどの種馬飼養所にアラビア産の種馬を繋養させました。
１６４５年にオリバー・クロムウェルが登場し、内乱の後チャールズ王を処刑し政治上の理由からたびたび競馬の一時禁止令を出し、狩猟と競馬を抑圧しました。１６４９年に議会が接収したタットベリー王立牧場には繁殖牝馬３８頭、当歳馬２３頭、１歳馬２２頭、２歳馬１７頭、３歳馬１６頭、４歳馬以上２３頭、合計１３９頭が飼養されており、その多くが競走馬だったといわれています。クロムウェル自身は馬を好み、自らオーナー・ブリーダーとして競走馬を生産し、脚の速い戦闘用軍馬の種馬としてアラビア馬の贈り物を受けました。この中では、種馬所長プレースから贈られたＰＬＡＣＥＳ ＷＨＩＴＥ ＴＵＲＫ(１６５７年)がもっとも有名で、この馬の子孫コンモナー、ウァームスウッドは競馬でたびたび優勝し、マッチェムの父系の祖先として名を残しました。同馬が土産のバルブ馬から得た牝系の子孫からはベイ・ミドルトン、ロード・リョン、ベンドア、ロバート・ザ・デヴィル、ザ・バード、ミンティングなどサラブレッド史を彩る名馬が出ました。１６６０年にチャールズ二世(１６６０年〜１６８５年)が亡命先のオランダから帰国します。王はスポーツを愛好し、自らもニューマーケットの競馬に出場しました。また、競走馬の改良のために御料牧場長ジョン・ヘンウィック卿を海外に派遣し、数十頭の東洋産牝馬を輸入して王立牧場に掲揚させました。これがいわゆるロイヤル・メアですが、王の死後これらの馬は四散して著名な繁殖家の手に渡りました。なかでもダーシー卿は、これらの牝馬の多くを手に入れてセドベリ牧場を創立し、自らもホワイト・ダーシー・ターク、ダーシー・イエロー・タークなどを輸入し、多くの駿馬をイギリス競馬会に送り込みました。また、エクリプスの母スピレッタ、父系のベティ・リーズ、グレイ・ウィルクス、ベイ・ボルトンの血統の中にも影響を残しました。チャールズ王の時代に輸入されたカーウェン・ベイ・バルブ、ドゥルース・バルブは、ともにモロッコ王がフランスのルイ１４世に贈ったものをカンバーランド氏が購入してイギリスに持ち帰ったものです。
１６４５年にオリバー・クロムウェルが登場し、内乱の後チャールズ王を処刑し政治上の理由からたびたび競馬の一時禁止令を出し、狩猟と競馬を抑圧しました。１６４９年に議会が接収したタットベリー王立牧場には繁殖牝馬３８頭、当歳馬２３頭、１歳馬２２頭、２歳馬１７頭、３歳馬１６頭、４歳馬以上２３頭、合計１３９頭が飼養されており、その多くが競走馬だったといわれています。クロムウェル自身は馬を好み、自らオーナー・ブリーダーとして競走馬を生産し、脚の速い戦闘用軍馬の種馬としてアラビア馬の贈り物を受けました。この中では、種馬所長プレースから贈られたＰＬＡＣＥＳ ＷＨＩＴＥ ＴＵＲＫ(１６５７年)がもっとも有名で、この馬の子孫コンモナー、ウァームスウッドは競馬でたびたび優勝し、マッチェムの父系の祖先として名を残しました。同馬が土産のバルブ馬から得た牝系の子孫からはベイ・ミドルトン、ロード・リョン、ベンドア、ロバート・ザ・デヴィル、ザ・バード、ミンティングなどサラブレッド史を彩る名馬が出ました。１６６０年にチャールズ二世(１６６０年〜１６８５年)が亡命先のオランダから帰国します。王はスポーツを愛好し、自らもニューマーケットの競馬に出場しました。また、競走馬の改良のために御料牧場長ジョン・ヘンウィック卿を海外に派遣し、数十頭の東洋産牝馬を輸入して王立牧場に掲揚させました。これがいわゆるロイヤル・メアですが、王の死後これらの馬は四散して著名な繁殖家の手に渡りました。なかでもダーシー卿は、これらの牝馬の多くを手に入れてセドベリ牧場を創立し、自らもホワイト・ダーシー・ターク、ダーシー・イエロー・タークなどを輸入し、多くの駿馬をイギリス競馬会に送り込みました。また、エクリプスの母スピレッタ、父系のベティ・リーズ、グレイ・ウィルクス、ベイ・ボルトンの血統の中にも影響を残しました。チャールズ王の時代に輸入されたカーウェン・ベイ・バルブ、ドゥルース・バルブは、ともにモロッコ王がフランスのルイ１４世に贈ったものをカンバーランド氏が購入してイギリスに持ち帰ったものです。
１６６５年、チャールズ二世がニューマーケットに新設した円形馬場のヒート競争には王室賞典が与えられ、この競争は種馬の能力検定競争となりました。キングズ・プレート、クイーンズ・カップ競争などの始まりです。チャールズ王の崩御は競馬に大きな打撃を与えました。王位を継承したジェームス二世は邪教の狂信者で、まもなく国外に逃亡することになります。しかし、その短い治世の間にストラッドリング(別名リスター・ターク)が輸入され、同馬は１６８６年にバーウィック卿の手に渡りリンカンシャーのリスター氏に売り渡されたものですが、コニスキンス、スネークの祖先となり、エクリプスの血統上最も重要な馬となりました。ウィリアム三世は十年の間大陸戦争(１６８９年〜１６９７年)に巻き込まれましたが、ラ・ハーグの戦いで英国連合艦隊が大勝利をおさめると英国は海洋の支配者となり、イギリス商船は地中海はもとより遠くの東部沿岸まであらゆる港に自由に出入りし、バルブ馬、トルコ馬、アラビア馬などを輸入できるようになりました。ウィリアム王のアイルランド戦役中、バイアリー大尉の乗馬だったバイアリー・タークは後に根幹種牡馬の一頭となるヘロドの祖先となりました。また、王は種馬所長マーシャルに命じて東洋馬の輸入を行わせました。アン王女(１７０２年から７１４年)の治世は英国大繁栄の時代で、諸侯は競走馬牧場を所有し、女王自身もハンプトンコートに種馬飼養所を持ち熱心な競馬の保護者となりました。この頃に輸入された馬の中には真正アナザ・アラブといわれるダーレー・アラビアン(Ｄａｒｌｅｙ Ａｒａｂｉａｎ／１７００年)がいました。この馬はシリア砂漠周辺に住む遊牧民、アラゼー族によって生産された超純血アラブ種で、シリア北西のアレッポで英国領事をしていたトーマス・ダーレーによって所有者シェイク・ミルザから略奪され、４歳の春に英国に連れて来られヨーク地方のバタークランプの牧場主であった兄リチャード・ダーレーに贈ったものですが、盗まれたことを知ったシェイクは管理していた牧場長と牧夫を町の広場で処刑し、さらに英国アン女王あてに「私のかけがいのない、王の身代金よりも高価なアラビア馬がお前の国の何物かによって盗み去られてしまった」との抗議の文書を送付しています。後に、ダーレー家の一員が殺害されるという事件が起きましたが、これはシェイクの報復ではないかとの説もあります。
ダーレー・アラビアンはチルダーズ大尉秘蔵の牝馬ベティリーディス（Ｂｅｔｔｙ Ｌｅｅｄｅｓ）に交配されてフライング・チルダーズ、バートレット・チルダーズが生まれます。フライングチルダーズは１７１５年の生まれ、サラブレッド史上最初の名馬ともいえる存在で、近代競馬草創期のことで記録が少なく戦績は不明な部分が多いものの確認されているものでは７・８歳時に５戦５勝。１マイルを１分で走ったとの驚くべき伝説があります。現代では信じる人はいませんがこういう伝説が生まれるほど桁外れの能力を人々に印象付けていたのでしょう。名前はレオナルド・チルダーズの持ち馬と言うことで最初はチルダーズと呼ばれたましたが、後にデューク・オブ・デヴォンシャーの手に渡りデヴォンシャーチルダーズとも呼ばれるようになりました。また、飛ぶように早いという意味でフライングチルダーズとも呼ばれために現在では通称となっています。エクリプスよりも５０年も前のことです。全弟のバートレットチルダーズはヨークシャーのバートレット氏に購入されましたが、鼻出血のため未出走のまま種牡馬となりました。バートレット・チルダーズからスクワート(Ｓｑｕｉｒｔ／１７３２)を経て、マースク(Ｍａｒｓｋｅ／１７５０)がエクリプス(Ｅｃｌｉｐｓｅ／１７６４年)の父となります。エクリプスの凄さはその戦績とドラマ性、何と言っても後世のサラブレッドへの影響力にあります。現在のサラブレッドの約９割以上は彼の直系ですが、意外なことに彼自身は一度もリーディングサイアーにはなっていません。
アン王女の頃、ヨークシャー州最大の牧場主であったエンゲルベルト・リーディスが輸入したリーディス・アラビアン(ＬｅｅｄｅｓＡｒａｂｉａｎ／１６８５年)の血統は牝系を通じて現在でも残っています。アン王女の時代に輸入された東洋馬はアラブ９頭、バルブ９頭、トルコ馬６頭で、ジェームズ一世以来約１００年間でアラビア馬９０頭、バルブ馬４７頭、トルコ馬３２頭が種馬として輸入されたといわれています。１７３０年にゴドルフィン・アラビアンＧｏｄｏｌｐｈｉｎＡｒａｂｉａｎ／１７２４年)が輸入されます。この馬は、アラビア半島南西端にあるイエメンの有名な純血アラブ種でジルファン系の流れをくみアラビアでも滅多にいない名馬と崇められました。シリア経由で北アフリカのチュニジア総督へ送り届けられ、総督によりフランス国王ルイ１５世に献上されたものです。しかし、気性が荒いうえ、長旅のため痩せこけ見栄えがせず、たてがみが多いという理由で評判が悪く、ルイ１５世はこの馬の価値を認めず安く売り払ってしまいました。牧場を追われパリの散水車を引く雑役馬になっていたところをパリを訪問した英国人エドワード・コークが出会い、その非凡さを見抜いて購入して英国ダービー州ロングフォード・ホールの彼の牧場に移動することになります。コークが１７３３年に死亡すると、セント・ジェームズ・コーヒー店主ロジャー・ウイリアムズに引き取られ、ゴドルフィン伯に贈ったといわれています。
ゴドルフィン・アラビアンはニューマーケット近郊の伯爵所有ゴグマググ牧場で過ごしましたが、当初は伯爵至宝の種牡馬ホブゴフリン(Ｈｏｂｇｏｂｌｉｎ／１７２４年・父アレッポＡｌｅｐｐｏ１７１１年・その父ダーレー・アラビアン)のアテ馬だったと言われています。ホブゴフリンが名牝ロクサーナ(Ｒｏｘａｎａ)との配合を嫌がったため、(格闘で奪ったとの説も)代役で起用されたのが最初の種付けだとされています。この種付けから生まれたラス(Ｌａｔｈ／１７３２年)は大活躍し、フライング・チルダース以来最高の競走馬といわれました。２年後に同じ配合で生まれたケード(Ｃａｄｅ／１７３４年)は種牡馬として１７４８年にマッチェム(Ｍａｔｃｈｅｍ)を送り出しました。マッチェムの競走成績は特筆される程ではありませんでしたが種牡馬として大成し、ゴドルフィン・アラビアンの父系はマッチェム系と呼ばれるようになったことはご存知の通りです。因みに、ゴドルフィン・アラビアンは、ゴドルフィン・バルブと言われることもありますが、これはバルブ種で知られる北アフリカ経由でヨーロッパに渡ったためバルブ種だろうと勘違いした人がいたためと思われます。散水車を引いて云々の話はウージェーヌシューによって書かれた架空の物語が１８３８年にＬａＰｒｅｓｓｅで発表されたものです。数多くのエピソードで知られるゴドルフィン・アラビアンですが辻褄が合わない箇所も多く、伝承のほとんどは後世の創作であるといわれています。「ゴドルフィン・アラビアン」は、「ゴドルフィンが所有していたアラブ馬」ということで実際はこう呼ばれていたわけではなく、血統書を編纂する際に名付けられました。
現代のサラブレッドの父系を遡ると全ての馬が三頭の東洋馬にたどり着きます。牝系の祖先の中にはさらに古い東洋からの輸入馬が出てきます。シーザーのガリヤ侵攻以前にゴール人が東洋馬とヨーロッパ土産馬の交配を行ったという話は別にしても、イギリスの王侯貴族が東洋馬によって馬の改良を始めたのは１５世紀以前であったようです。１７９３年にウェザビーが刊行した「ゼネラルスタッドブック」第１巻第４部にサラブレッド創出に寄与した東洋馬１０２頭の名前がありますが、この中の６５頭はゴドルフィン・アラビアン以降に輸入されています。しかし、現代のサラブレッドに有効な影響を残したものは１頭もおりません。アン王女の治世以来、英国の競馬および競走馬の生産に大切な役割を果たす出来事が次々に起こり、やがて近代競馬へと姿を変えて行きます。年代を追って羅列すると、
１７１１年、アスコット競馬場落成。１７１２年、ヨークで最初の５歳競争キャディス・プレートが行われました。それまでは６歳以上が出走条件でした。これがきっかけとなって競走馬の年齢は次第に引き下げられ、生産に関わる費用が軽減されたために出走頭数の増加につながりました。１７１５年、ハムレトンで最初の４歳馬レースの王室ゴールド・カップが行われました。１７２５年、最初の成績書が刊行され、イングランドとアイルランドにあった１１２の競馬場で行われた競馬の成績を記載、以後毎年発行されることになります。１７５０年、ニューマーケットにジョッキー・クラブが創設されました。１７６５年、ニューマーケットで３歳馬の競走(２マイル)が行われました。１７７３年、ウェザビーの「レーシング・カレンダー」が出版されました。ニューマーケットで２歳以上のレース行われましたが、２歳馬が参加したのは２年後でした。１７７６年、ドンカスターで３歳の２マイル競争スィープ・ステークスが行われ、優勝した牝馬のアラバキュリア(Ａｌｌａｂａｃｕｌｉａ)の所有者であるアンソニー・セントレジャー陸軍中将（Lieutenant General Anthony St. Leger）の栄誉をたたえて１７７８年以降はセントレジャー・ステークスとなりました。世界競馬史上で最古のクラシック競走になります。１７７９年、エプソムで３歳牝馬によるオークスが行われました。１７８０年、エプソムで３歳馬によるダービーが行われました。１７８４年、騎手の服色登録が始まりました。１７８５年、ニューマーケットで年齢別ハンデキャップが行われました。この年から２歳馬のクラシックといわれるジュライ・ステークスが始まりました。１７９１年、ニューマーケットで初めて１歳馬の競走が行われました。１７９３年、「ゼネラルスタッドブック」第１巻が刊行されました。以後４年に１回出版が続いています。１８０６年、スポーティング・マガジン第２８巻にサラブレッド・メアという言葉がハンチング・メア、カントリー・メアに対して用いられました。これは競争用の馬を生産するのに用いる牝馬群を分類した呼び名でしたが、これからサラブレッドという品種名が使われるようになりました。サラブレッドの名称の起源です。１８０７年、アスコットのゴールド・カップが創設されました。１８０９年、ニューマーケットに３歳馬の２０００ギニーが創設されました。１８１３年、ニューマーケットに３歳牝馬の１０００ギニーが創設されました。
１７１１年、アスコット競馬場落成。１７１２年、ヨークで最初の５歳競争キャディス・プレートが行われました。それまでは６歳以上が出走条件でした。これがきっかけとなって競走馬の年齢は次第に引き下げられ、生産に関わる費用が軽減されたために出走頭数の増加につながりました。１７１５年、ハムレトンで最初の４歳馬レースの王室ゴールド・カップが行われました。１７２５年、最初の成績書が刊行され、イングランドとアイルランドにあった１１２の競馬場で行われた競馬の成績を記載、以後毎年発行されることになります。１７５０年、ニューマーケットにジョッキー・クラブが創設されました。１７６５年、ニューマーケットで３歳馬の競走(２マイル)が行われました。１７７３年、ウェザビーの「レーシング・カレンダー」が出版されました。ニューマーケットで２歳以上のレース行われましたが、２歳馬が参加したのは２年後でした。１７７６年、ドンカスターで３歳の２マイル競争スィープ・ステークスが行われ、優勝した牝馬のアラバキュリア(Ａｌｌａｂａｃｕｌｉａ)の所有者であるアンソニー・セントレジャー陸軍中将（Lieutenant General Anthony St. Leger）の栄誉をたたえて１７７８年以降はセントレジャー・ステークスとなりました。世界競馬史上で最古のクラシック競走になります。１７７９年、エプソムで３歳牝馬によるオークスが行われました。１７８０年、エプソムで３歳馬によるダービーが行われました。１７８４年、騎手の服色登録が始まりました。１７８５年、ニューマーケットで年齢別ハンデキャップが行われました。この年から２歳馬のクラシックといわれるジュライ・ステークスが始まりました。１７９１年、ニューマーケットで初めて１歳馬の競走が行われました。１７９３年、「ゼネラルスタッドブック」第１巻が刊行されました。以後４年に１回出版が続いています。１８０６年、スポーティング・マガジン第２８巻にサラブレッド・メアという言葉がハンチング・メア、カントリー・メアに対して用いられました。これは競争用の馬を生産するのに用いる牝馬群を分類した呼び名でしたが、これからサラブレッドという品種名が使われるようになりました。サラブレッドの名称の起源です。１８０７年、アスコットのゴールド・カップが創設されました。１８０９年、ニューマーケットに３歳馬の２０００ギニーが創設されました。１８１３年、ニューマーケットに３歳牝馬の１０００ギニーが創設されました。
この項の結びに代えて
イギリスにおける競走馬の改良で飛躍的な変化が見られたのは、チャールズ二世によるスチュアート朝王政復古(１６６０年)以降です。国王チャールズ二世は競馬を愛し、競走馬の改良にも心血を注ぎました。当時、もっとも優美で運動性に富む馬は中東産のアラブ馬でした。中国における汗血馬、千里馬と呼ばれたものもこのアラブ馬と考えられ、イギリスにこの中東産の馬を多数輸入することから近代サラブレッドの歴史は始まりました。
日本における馬産の歴史は、江戸幕府にオランダから献上された洋種馬の記録などがありますが、日本で洋式競馬がスタートした同じ年の１８６７年(慶応３年)に、時のフランス皇帝・ナポレオン３世から将軍・徳川慶喜に寄贈されたといわれる２６頭のアラブ馬に始まります。戊辰戦争と維新の官制・牧制の改変などのあおりを受けてそのほとんどが行方不明となりましたが、その中で明治１０・１１年に東京内藤新宿試験場から香取種畜場(明治８年創設)に牽入れられた高砂・四ツ谷・老松・巴黎・吾妻・第二四ツ谷などが歴史に足跡を残しました。その中の１頭が日本競馬史上に名をとどめる芦毛の純血アラブ牝馬の高砂(たかさご)です。明治３年に持込の吾妻を産み、その遠い子孫にはは昭和３１年から鳴尾記念を３連覇したセカイオーや、典型的なハンデキャップホースで古いファンの記憶に残るイナボレス、現存している馬では、高知で活躍している歴代最多勝新記録を達成したエスケープハッチなどがそれです。サラブレットの輸入は明治１０年〜１１年にアメリカから大量輸入したのが実質的に初めてと言われ、その中には当時アメリカ競馬種牡馬ランキング第１位であったレキシントンの直系も含まれていました。
サラブレッドに欠かせない大切なものに二つの書物があります。それは「レーシングカレンダー」(１７７３年創刊)と「ゼネラルスタッドブック」(１７９３年創刊)です。前者は成績書であり、後者は家系図でありますが、イギリスはもとより、英国式の競馬を導入していてサラブレッドを生産している全ての国で発行され、現在も巻を重ねています。この二つの記録さえあれば古今東西どのサラブレッドについても、その競争成績および血統を性格に知ることができます。もちろん全世界的な規模でこれだけの周到な記録がとられ続けてきた動物は他に類を見ません。その意味でサラブレッドの歴史は、膨大な労力と資本が投入され続ける、人類による壮大な品種改良のプロジェクトともこなすことができます。
ターフを疾走するサラブレッド。彼らこそまさにその名の通り人間がデザインして作り上げた究極の傑作といえます。
多くの競走馬をモチーフにしたか画家をご紹介します。
名前で画像検索すると素晴らしい絵が見られると存じます。
Ｇｅｏｒｇｅ Ｓｔｕｂｂｓ(1724-1806)
Ｔｈｏｍａｓ Ｒｏｗｌａｎｄｓｏｎ(1757-1827)
Ｊｏｈｎ Ｎｏｓｔ Ｓａｒｔｏｒｉｕｓ(1759-1824)
Ｂｅｎ Ｍａｒｓｈａｌｌ(1768-1835)
Ｆｒａｎｃｉｓ Ｃａｌｃｒａｆｔ Ｔｕｒｎｅｒ(1782-1846)
Ｊｏｈｎ Ｆｅｒｍｅｌｅｙ(1782-1860)
Ｈａｒｒｙ Ｈａｌｌ(1838-1868)
Ｓｉｒ Ａｌｆｒｅｄ Ｍｕｎｎｉｎｇｓ(1878-1959)
イギリスにおける競走馬の改良で飛躍的な変化が見られたのは、チャールズ二世によるスチュアート朝王政復古(１６６０年)以降です。国王チャールズ二世は競馬を愛し、競走馬の改良にも心血を注ぎました。当時、もっとも優美で運動性に富む馬は中東産のアラブ馬でした。中国における汗血馬、千里馬と呼ばれたものもこのアラブ馬と考えられ、イギリスにこの中東産の馬を多数輸入することから近代サラブレッドの歴史は始まりました。
日本における馬産の歴史は、江戸幕府にオランダから献上された洋種馬の記録などがありますが、日本で洋式競馬がスタートした同じ年の１８６７年(慶応３年)に、時のフランス皇帝・ナポレオン３世から将軍・徳川慶喜に寄贈されたといわれる２６頭のアラブ馬に始まります。戊辰戦争と維新の官制・牧制の改変などのあおりを受けてそのほとんどが行方不明となりましたが、その中で明治１０・１１年に東京内藤新宿試験場から香取種畜場(明治８年創設)に牽入れられた高砂・四ツ谷・老松・巴黎・吾妻・第二四ツ谷などが歴史に足跡を残しました。その中の１頭が日本競馬史上に名をとどめる芦毛の純血アラブ牝馬の高砂(たかさご)です。明治３年に持込の吾妻を産み、その遠い子孫にはは昭和３１年から鳴尾記念を３連覇したセカイオーや、典型的なハンデキャップホースで古いファンの記憶に残るイナボレス、現存している馬では、高知で活躍している歴代最多勝新記録を達成したエスケープハッチなどがそれです。サラブレットの輸入は明治１０年〜１１年にアメリカから大量輸入したのが実質的に初めてと言われ、その中には当時アメリカ競馬種牡馬ランキング第１位であったレキシントンの直系も含まれていました。
サラブレッドに欠かせない大切なものに二つの書物があります。それは「レーシングカレンダー」(１７７３年創刊)と「ゼネラルスタッドブック」(１７９３年創刊)です。前者は成績書であり、後者は家系図でありますが、イギリスはもとより、英国式の競馬を導入していてサラブレッドを生産している全ての国で発行され、現在も巻を重ねています。この二つの記録さえあれば古今東西どのサラブレッドについても、その競争成績および血統を性格に知ることができます。もちろん全世界的な規模でこれだけの周到な記録がとられ続けてきた動物は他に類を見ません。その意味でサラブレッドの歴史は、膨大な労力と資本が投入され続ける、人類による壮大な品種改良のプロジェクトともこなすことができます。
ターフを疾走するサラブレッド。彼らこそまさにその名の通り人間がデザインして作り上げた究極の傑作といえます。
多くの競走馬をモチーフにしたか画家をご紹介します。
名前で画像検索すると素晴らしい絵が見られると存じます。
Ｇｅｏｒｇｅ Ｓｔｕｂｂｓ(1724-1806)
Ｔｈｏｍａｓ Ｒｏｗｌａｎｄｓｏｎ(1757-1827)
Ｊｏｈｎ Ｎｏｓｔ Ｓａｒｔｏｒｉｕｓ(1759-1824)
Ｂｅｎ Ｍａｒｓｈａｌｌ(1768-1835)
Ｆｒａｎｃｉｓ Ｃａｌｃｒａｆｔ Ｔｕｒｎｅｒ(1782-1846)
Ｊｏｈｎ Ｆｅｒｍｅｌｅｙ(1782-1860)
Ｈａｒｒｙ Ｈａｌｌ(1838-1868)
Ｓｉｒ Ａｌｆｒｅｄ Ｍｕｎｎｉｎｇｓ(1878-1959)
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