呑み・食うコミュのお酒と水の適温

今回はお酒と水の温度についての話です。

私の場合、お酒（清酒）を呑むときは、シーズンに関らず基本的にお燗、
冷酒と言えば常温、ウイスキーならストレート（ロックじゃなくて）と
言うパターンで楽しんでます。最近日常的に親しんでいるのはヴォッカ
の氷結ライム割り、まぁなんでも呑んでわけですね。

飲料に適温があるって言うのは、まぁ一般的な話ですが、その適温って
のは意外と怪しいと言うか、そういう提供のされ方がされてはいないと
言うのが現実のようです。そういう流通や保管のシステムが現実には、
存在しないってのが理由なのでしょうね。ワインカーヴは保管の為には
適温でも、けっして飲み頃の温度を示しているわけではないのですね。

水とお酒で印象に残る経験があります。確か「すぐそこ」のコンビニで
買った外国産（産地・ブランド不明）のミネラルウオーターです。喉を
潤した後、車のボトルホルダーに置いておきました。

30分後くらいかな？冷えていたボトルは、ほぼ常温に近い感触になって
いました。これを飲んだのです。劇的に味が変わっているのですね。
冷えた状態では感じられなかった、かすかな甘みと微妙な口当たり
（説明出来れば"味”なんだけど表現力がないのが残念）で、ちょっと
感激しました。

この天然水を本来飲んでる人たちは、このティストに惚れて売り出した
ﾝじゃぁないかと、突然思いました。ま、冷やしたものは味全般に渡り
薄くなると言うか、感度が下がるわけで仕様が無いのですが、なんか
もったいない気がしました。

で、もう一件はお酒。私がお酒と言ったら清酒のことです。私はお酒を
呑むばあい、本醸造か純米酒しか呑みません。吟醸酒が嫌いなのです。
あの吟醸香に必ずまつわりつく”糠臭さ”が嫌いなのです。どうも
糠と言うのは間違いで”麹”に由来する匂いと言うのが正解の様です。
ある酒蔵の主に教わりました。

これは感じない人は全く感じないそうで、100人に一人とかそんな割合
でいるそうです。要するにその人が持つ米の記憶に由来する、そんな
もののようです。僕は雑味・雑香と信じていますが......

で、話はあの万寿です。僕が黒龍酒造の「石田屋」と並んで、あの
嫌いな香りの無い、唯ニの大吟醸です。暮れのお歳暮に貰いました。
で、冬の玄関ホールに置いておいたのです。これがバカウマだった
のです。多分13-15度くらいだったのでしょう、低めの常温で嗜んだ
わけです。感激しました。自分にも楽しめる大吟醸がある事が判り。

で、あるとき街の居酒屋の冷蔵ケースの中に、その「万寿」を見つけ
頼んだところ、がっかりでした。まったく風合いが違うのです。
「え〜〜ぇ、これ万寿かい？」思わずお店の人に聞きましたね。
まぁ、それは確かに万寿、あの雑香もないし、上品な吟醸酒......

これって、温度の差なのですね。冷やしすぎ、なのです。万寿好きな
人もいますよね、きっと。一度試してみて下さい、13-15度くらいで。
まったく違う飲み物になります。多分他のお酒も適温がある筈なの
です、きっと。

流行るかどうか、採算に合うかも判りませんが、液体の持ち味が
生きる最良の温度帯を調べて、提供してくれる店があったら楽しい
のにと思います。ま、本来そんなことは出荷するメーカーが調べて
説明すべき話ですが、残念なことにそんなメーカーはありませんね。