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映画・ドラマの演出コミュのスティング

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これは、
二人の男が仲間達と共に非道な組織と対決するっていう、
痛快娯楽作品(っていう説明でいいのか?)。

一般的には「名作」の範疇に入るんでしょうか。

数少ない例外を除き、
私はあんまし名作の類いは好きではないのですが、
でもこれはホントに面白かったですねぇ。

細かくて丁寧な演出も素晴らしかったと思います。

コメント(1)

つーことで、仕事で今とっても忙しいんで、
他のコミュに書いたやつを
一部改訂抜粋して載っけさせていただきます。


んで、私的にはこの作品を見て、
まずは音楽の使い方が上手いなぁと思いました。

この作品では余計な場面にはいっさい音楽を使ってない。
逆に言うと、必要な部分、ここぞといった場面にのみ
音楽を使っているということであります。

邦画・洋画を問わず、最近の映画を見て私が思うのは
音楽を使い過ぎる、ってことです。

ある場面に音楽を流すと、映像やセリフがなくても
そのシーンの雰囲気等を容易に伝えることが出来ますが、
しかしそれは逆に言うと、
話の展開における「意外性」といったものを
排除してしまうことになり、
実はその分面白さがなくなったしまう可能性が高い
と個人的には思うんですよね。

もちろん、最初から音楽を付けた方が
効果的な場合もありますよね。

例えば怖い場面の音楽。
こういう場合は、ドキドキする音楽を付けることによって
余計に恐怖感を煽り、さらに怖がらせることが出来ますもんね。
「相乗効果」ってやつですか
(こういう場合、あえて幽霊とか化物かと思わせておいて
実はネコだった、ということにして一旦ホっとさせ、その直後に
本物が出てきてよりビックリ!って手法がよく使われますね)。

でも、感動や笑いや緊迫感を表す場面で音楽が先行してしまうと
展開が読めてしまい、その分意外性が薄れて
面白さが半減してしまうことってありますよね。
それに最近の映画やドラマみたく、のべつ幕なしに
音楽を付けてると、「ここぞ!」といった場面とのギャップが
ほとんどないので、あまり劇的にならないんですよね
(先日まで放映されてた『1リットルの涙』なんか
音楽でそうとう損してる感じがしました。もったいない)。

以前、何かのインタビューでアニメ監督の宮崎サンが
「作画で影を付けるのは簡単だが、全部に付けると
いざという場面との差が出ないんで、
必要な部分だけ強い影を付けるようにしている」
的なことを言ってましたが、ホントにその通りだと思いました
(『天空の城ラピュタ』では、例えば洞窟を出た主人公たちが
丘の上で「ラピュタはホントにあるんだ!」と言い、
冒険を決意するシーンで、照明を活かした象徴的な影が
付けられてますよね。
陰影の強い影が付けられてるおかげで
このシーンは主人公の強い気持ちがよく表れていると思います。

でも、その宮崎監督も、最近の作品では不必要に音楽を
垂れ流してるようで、私的には今一つだと感じてます。
特に『千と千尋の神隠し』なんか)。

それを踏まえた上で『スティング』を見てみると、
実に効果的に音楽を付けてんですよね。
これは最初にあのほのぼのとして有名なテーマ曲が流れるわけですが、
そのあとはここぞ、という場面のみに音楽が付けられていますよね。

その中でも私が特にいいと思ったのは途中の、
主人公と刑事の追いかけっこのシーン。

ここは、刑事に見つかった主人公があわてて逃げ、それを
刑事が追い掛けるわけですが、ここではしばらく音楽は
流れないんですよね。
犯人と刑事がお互い必死に追いかけっこしてる場面に
音楽が付けられていないということはどうことかというと、
「どちらが有利なのか判断がつかない」ってことですよね。
つまりドキュメンタリータッチってことですね。

だから観客はこのあとの展開が判らないから
ただただ見守るしかない。

そして、主人公が駅に逃げ込むあたりでようやく音楽が
流れ始めるわけですが、ここではサスペンスタッチの
煽るような音楽が付けられています。

この場合、仮に主人公が刑事の場合だったら
「逃がしてしまうかも」と思ってしまいますが、
この場合は追われる側が主人公です。
だから観客は彼に対して感情移入してるので
煽るような音楽が流れると、主人公が危ないような感じがして
急にハラハラしてしまうんですよね。

と思ってたら次は一転してコミカルな音楽に変わる。
そうすると、今までは必死で走ってた主人公が
今度は華麗に走って活躍してるような感じがして、
追いかける刑事が間抜けに見える。
しかもここはその前にドキドキハラハラした音楽が付けられているので
その前とのギャップで余計にそういうことが強く感じられるわけですね。

もしこのシーンで音楽が一切使われてなかったら、
もしくはチェイスシーンの冒頭から音楽が付けられていたら、
果たして上記のようにハラハラして、そののち
「してやったり!」っていうような気持ちに成りえたでしょうか。


そして、この映画の最後。
ここでは当然のごとく再びテーマ曲が流れてくるわけですが、
ここで流れるテーマ曲は、最後だからといって
別段感動するようにアレンジされてるわけではありませんでした。
オープングと同じように実にサラっとしてのんびりした感じです。
が、途中の音楽の付け方が絶妙で効果的なため、
最後にテーマが曲が流れると、
ものスゴく感動出来る音楽に聴こえてしまうんですよね。

普通の映画と同じようにダラダラと音楽を垂れ流ししてたら
とてものこと、こんなに感動することはなかったでしょう。
そういう意味ではこの映画の制作者の才能には頭が下がる思いです
(ちなみに、私はテレビ版の『エヴァンゲリオン』を見て
「映画的だなぁ」と思ってたんですが、
編集のタイミングや画面構成の他に、
ムダに音楽を付けないって理由もあるかもな、と思いました)。


でもってこの作品は映像の部分の演出も素晴らしい。
余計なカメラワークが殆どありませんでした。
最近の邦画やドラマの多くでは、
意味不明にカメラだけを動かすっていう
ワケの分からんカメラワークが多く、
また、ハリウッド映画では何台ものカメラで何カットも撮り、
その中のハデなカットだけをパッパッ!とつなげて
迫力を出してるようですが、でもそれだと
「誰がどこでどこに対して何をした」
っていう、一連の流れがよく分からないんですよね
(最近『トゥームレイダー』という映画を見ましたが、これも同様。

ハデにドンパチやってるけど、
それぞれの位置関係とかが全然説明されてないんで状況が判らない。
「敵は車の向こう側にいる!」と言われても、
その車自体が主人公からどの方向のどの位置にあるのか判らないから
危ないのか安全なのかさっぱり把握出来ない。
主人公や敵がハデに銃を撃っても、それがちゃんと相手に対して
向けられているのか分からないから実感出来ない。
分かるのは弾が当たって相手がブっとばされるカットのみ。
これは最近の『007』シリーズでも言えることですね。
一見ハデだけど、状況がちゃんと把握出来ない)。

でも、この映画ではそういう部分がちゃんと描かれていました。
最近の映画だったらカットを割って見せるところも、
この作品ではカメラを効果的に動かして
必要なものを必要なだけ見せてますよね。

例えばFBIの偉いサンが部下に書類を渡すと
その彼が歩くのに沿ってカメラが動いていくと
その動きに合わせて今まで見えなかったドアが見えて
そこから主要人物が入ってくる、っていうようなカットとか。

これは途中の、
主人公が歩くのに合わせてカメラも横にス〜っと動き、
そして車の中の黒手袋が中央にきたときにピタっと止まって
その手袋をした人物を強く印象付けるカット、
も同様ですね。

他にちょっと良かったな、って思ったとこでは、
例えば列車の中、敵のボスがいる部屋に主人公が入ろうとすると
後ろにガタイのイイ用心棒が後ろに立ちますよね。
で、主人公はその用心棒の方を振り返るわけですが、
ここでは用心棒の肩越しに主人公の目から上がちゃんと見えてる。
だから彼の状況と心情が分かる。

他には、敵のボスが車で主人公を家まで送ったあと去っていくカット。
ここは夜のシーンだから、本来は車内の様子が見辛いし、
向こう側の座席に座ってるボスの表情も分かりづらくなるもんだけど、
この作品ではボスの目の部分にちゃんと明るい照明が当てられてるから
去って行きながらも、彼が鋭い眼光を放ってるってのが
よく分かるんですよね。

そんな感じで、全体的に細かく丁寧に作ってありました。

面白い話に素晴らしい演出。
こういう映画をたくさん見たいですね〜。

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