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生活保護者の集いコミュのコロナ禍で「貧困」「困窮」「生活苦」のテレビ報道が急増!だが生活保護は…?

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https://blogos.com/article/529240/

図やっグラフは、リンク先参照


コロナ禍で飛躍的に増えた「貧困」「困窮」「生活苦」についてのテレビ放送
図1を見てほしい。

地上波テレビの放送内容を調査会社エム・データがテキスト化した「TVメタデータ」で抽出した「貧困」「困窮」「生活苦」についての放送時間で、一番上の行が昨年、2020年の総放送時間をグラフ化したものだ。

51時間26分52秒。
大半を占めるのがニュース番組や情報番組、ドキュメンタリーなどだ。

これらの言葉での放送時間が多かったのは最近では2009年で21時間41分24秒。

前年秋のリーマンショックの影響で製造業を中心に日本国内でも大きな打撃を受けて、その余波がまだ社会全体を覆っていた時期だ。その頃に放送時間が一番多かった年と比べても昨年は2倍以上テレビがこの言葉をキーワードして放送していたことがわかる。

コロナ禍による「貧困」「困窮」「生活苦」。それは現在も続いている社会問題だ。2021年もテレビの放送は同様だが、「TVメタデータ」が示すテレビの「貧困報道」の特徴を大きくまとめてみたい。

「リーマン期」に匹敵する失業、倒産などの報道

図2)エム・データのTVメタデータから「失業」「失職」「廃業」「倒産」「破産」の放送時間を抽出したグラフ(筆者作成)

図2を見てほしい。

「失業」「失職」「廃業」「倒産」「破産」というキーワードでのテレビ放送を集計したものだ。

一番上の行の2020年は157時間29分50秒。「リーマン期」でリーマンショック翌年の2009年の168時間12分37秒には及ばないが、これは2020年に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発出や営業の自粛などで「失業」や「倒産」などが目に見える形で現れてから報道されるまでに数ヶ月かかったタイムラグによるものだと思われる。

2008年から2009年にかけてもこうした傾向が見られる。おそらく2021年も年間データが揃えばこれらの言葉による報道はかつてない放送時間に増加するものと推定される。そうであれば、仕事を失った人たちの生活支援などの報道が十分に行われているのかという点が注目すべき点として浮上してくる。

「貧困報道」をなぜ調査研究するのか?
筆者はかつてテレビ局で報道分野の記者や制作者として長く働いてきた。そのなかでの主な関心事は「貧困」で、この分野でドキュメンタリー番組を制作したり、ニュース報道を行ってきたりした。

日本では「一億総中流」の意識が長く続いたこともあって「貧困」は存在せず、アフリカなど発展途上国の出来事だと国民の多くが考えてきた。高度成長が終わって低成長の時代になっても「貧困」と日本国民はしばらく結びつかないものだった。

その節目が大きく変化したのが、2006年から10年頃にかけてだ。テレビ報道がきっかけになって日本国内でも深刻な「貧困」が進行している実態を多くの人々が共有するようになった。NHKが「ワーキングプア」、日本テレビが「ネットカフェ難民」とドキュメンタリー番組を軸にしたキャンペーン報道を展開。継続的に報道したことでテレビは日本社会に深刻な「貧困」が横たわっていることを知らせる推進力になった。

2008年秋、米国発の「リーマンショック」が製造業を中心に襲い、「派遣切り」が横行して非正規で働く人々を直撃した。この年の年末に東京・日比谷公園で労組やホームレス支援団体などが行った年越し派遣村は年始年始のトップニュースとなり、食料配布に並ぶ元派遣労働者らの長蛇の列の現状は貧困問題の深刻な現状と支援の必要性を国中に知らしめるものになった。

そうしたテレビ報道の流れには筆者も放送する側の人間としてかかわった。

「生活保護」という公的な扶助の制度があるにもかかわらず、申請しようとしても行政側が事実上対応せず支給に至らない“水際作戦”などの問題。

さらに事実上は家を失っているホームレスなのにそうは見えない“ネットカフェ難民”の存在などに注目し、筆者もテレビでニュースやドキュメンタリーを通じて発信してきた。

その後、大学に軸足を移し、研究者になった現在もテレビが「貧困」についてどのように扱っているのかは筆者にとって大きな関心事である。

2020年、新型コロナウイルスが世界中を襲い、様々な産業や仕事を直撃している。再び、「貧困」の問題にテレビが大きく注目するようになっている。

リーマンショックの頃の「貧困」に関するテレビ放送と現在の新型コロナウイルスによる「貧困」に関するテレビ放送。それは同じ質のものなのか。

もし違うとすればどのように違うのか。

そのことを検証することは日本におけるテレビ報道の役割や意義を検証することにつながるはずだ。

今回、株式会社エム・データがテレビの放送内容をテキスト化した「TVメタデータ」を提供していただくことができた。

これを材料にしてリーマンショックによる不況の時期と新型コロナウイルスによる現在の不況の時期において、テレビ放送がどのように変化しているのか、明るみに出そうというのが研究の目的だ。

図3を見てほしい。

「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」など、2006-8年頃にメディアがキャンペーン報道でキーワードとして強調していた言葉がテレビで放送のテーマになっているのかに着目して年ごとに集計した結果だ。驚くことに2020年にこれらの言葉が再び放送で使用されていることがわかる。

その詳細を細かく調べてみるとほとんどが「ネットカフェ難民」あるいはそれを短縮した「ネカフェ難民」だった。「ネットカフェ難民」は日本テレビがテレビドキュメンタリーのタイトルのために作った「造語」だが、それが「新型コロナ不況」でいわば“復権”したことになる。

他方で、今回の不況にあたっては今のところ注目するような新しい言葉などは見当たらない。この点はくわしい検証が必要だと考えるが、「リーマン期」には存在したメディア側が「この問題を解決すべき」というような一種の熱気のようなものが今回は乏しいことが背景にあるのかもしれない。

“公助”の核「生活保護」の報道は少ない! バッシングが背景? 
他方で、生活が困窮したときに、「最後のセーフティーネット(安全網)」として位置付けられ、「リーマン期」には生活困窮者の支援の有力な方法として、支援団体などが活用したのが生活保護だ。


図4)エム・データのTVメタデータから「生活保護」についての放送時間を抽出したグラフ(筆者作成)

図4を見てほしい。

2008年末の年越し派遣村では支援団体などが年明けに福祉事務所に弁護士らが同行して困窮者の生活保護申請をサポートする活動を行なうなどした。

こうしたことから2009年は生活保護の報道は35時間を超える放送時間になっている。

一方で新型コロナウイルスに直撃された2020年は生活保護をキーワードとした放送は10時間にも満たない。

これは「リーマン期」やその後を通しても際立って低い水準で注目に値する。

これほど失業や倒産などが増えて、困窮や貧困にあえぐ人々が飛躍的に増加し続けるなかで代表的な「公助」である生活保護について報道が行われないことは、困窮者が増えるなかでの報道機関としてのあるべき姿として疑問に思う。

くわしいことはこれから丁寧に検証していく必要があるが、今のところ考えられる要因は以下の点だ。

まずは2012年にお笑い芸人の母親の生活保護受給をめぐって起きた「生活保護バッシング」の影響だ。

筆者のこの時期のテレビ放送を細かくチェックしていたが、民放の情報番組で厳密に言えば「不正受給」だと言えないケースまで「不正受給」として断定的に報じるなど番組制作者や出演者らの無理解な放送が相次いだ。

図4では2012年に生活保護についての放送時間が近年で最大の50時間を超えるものになっていることがわかる。その後、登場した第二次安倍政権で生活保護給付額の引き下げなどを進めた2013 年も生活保護に関する放送時間の量は多い。2012年、2013 年の2年間は生活保護についてネガティブな放送があふれた時期だった。

「生活保護バッシング」以降、ネガティブなイメージが強まってしまった生活保護について、受給の条件などの制度が複雑なこともあってテレビ局が生活保護をテーマにすること自体を控えて消極的になっている可能性がある。

安倍首相の後継の菅義偉首相がことあるごとに「自助」を強調することも影響している可能性もある。

いずれにしてもデータで見る限り、2020年はテレビ局が「生活保護」をキーワードにする放送をあまりしていないという事実が浮かび上がる。

生活保護は権利なのだが…
新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が苦しい人が増えている現状について、生活困窮者の支援に取り組むNPOなどが要請し厚生労働省は生活に困った状況にある人が生活保護を受けることは「権利」だとしてホームページに改めて掲載し、各自治体にも通知するようになった。

このように政府が生活保護をいざというときの「権利」として強調しているのに、テレビ局がそれに呼応して生活保護制度について積極的に報道しているとは言えない現状がある。

筆者が確認した限りでは、NHKの一部のニュース番組やテレビ朝日「報道ステーション」などごくわずかの番組でこうした点について触れる程度の現状になっている。

困窮した人の「命」に直結することだけに、テレビがどこまでこうした制度の理解を啓発する放送にかかわるのかは大切なことだと思う。放送と通信(ネット)との融合の時代にあって、曲がり角にあるテレビというメディアの「公共性」を考える際にも重要なポイントでもある。

筆者も今後もっと精緻な形で分析を進めていくつもりだ。

テレビ局もかつてない不況の時代にあって困窮者が増えている現状のなかで「公共性」を意識して「生活保護」などの報道をより積極的に進めていくことを期待したい。

なお、今回、貴重な「TVメタデータ」を提供していただいた株式会社エム・データには改めて感謝を申し上げたい。

※Yahoo!ニュースからの転載

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