ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

クラシックマジック研究コミュの『SLEIGHT OF HAND』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
1877年に初版発行(Bazaar office)。もともとはアマチュアの為に書かれた本格的マジック入門書。
ホフマン教授の『モダンマジック』(1876年)と並び称される古典的名著。
二版(1885年)、三版(1900年)と版を重ね、ポール・フレミングによる注釈のついた四版(1946年)も出版されている。
エドウィン・サキ氏による名文により、日本で言えば明治時代のヨーロッパのマジックが現代でも読み解く事が出来る。本職はスポーツライターであるだけあってそれぞれの動きなどに対する分類が合理的だ。
後のマジック本に影響を与えた事は間違いないだろう。
現在でも安価に手に入る。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/048623911X/250-7208296-3684224?v=glance&n=52033011&s=english-books

関連トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=8872221&comm_id=236730

コメント(14)

この時代、この本においては、マジックを大きく二つに分けています。
ドローイングルームマジック(Drawing-room Magic)とグランドマジック(Grand Magic)です。
まだクロースアップマジックと云う言葉はなく、ドローイングルームすなわち応接室で行うマジックと云う事でクロースアップと同義語と考えて良いと思います。
グランドマジックは、それに対して派手なマジック、ステージマジックを意味している事でしょう。
まず、ドローイングルームマジック、すなわちクロースアップマジックを以下のような順番で明記しています。

1、パーミング
2、コイントリック
3、日用品を用いたトリック
4、カップ&ボール
5、ハンカチを用いたトリック
6、チャイニーズトリック
7、テーブルマジック
8、カードマジック

特筆すべき点は、チャプター1のパーミングです。
これは、あくまでもコインのパーミングであり、コインマジックがこの本の最初を飾る事でしょう。
チャプター6には、中国マジックがそれだけでカテゴライズされています。
驚くべき事は、このなかに”胡蝶の舞”が含まれる事です。
幕末に日本のマジシャンがパリ万博で胡蝶の舞を披露してからというもの、このマジックがわりとポピュラーととなり、一般向けの書物にまでやり方が記されているのが面白いと思います。
チャプター7においてのテーブルマジックはまさにテーブルがなければ出来ないようなトリックが紹介されています。
第一章の最後を飾るチャプター8のカードマジックは60ページにも及びます。この第一章においては三分の一以上を占めています。カードマジックの重要性を同時にサキは述べています。
クロースアップマジックは、コインに始まりカードに終わる、そういう事を意味しているのでしょうか?
第二部はグランドマジック、またはステージマジックと題されています。
もうこの頃から”ステージマジック”と云う言葉が使われています。

9、一般的な所見(ステージマジックについて)
10、テーブルと衣装について
11、一般的に使用する際の技法と特性について
12、カードトリック
13、ハンカチと手袋のトリック
14、コイントリック
15、その他の種々のトリック
16、cornucopian の帽子
17、時計と生き物(ウサギ、インコなど)のトリック
18、メスメリズムとクレイヤボンス、等々(メンタルマジック)
19、最後に

さて、ステージマジックになると最初を飾るのがカードマジックであるというところがミソだろう。
クロースアップと違い、ステージではカードマジックがポピュラーだったのでしょうか。
チャプター13におけるハンカチマジックには、なんとスライディーニシルク(ノッテッドシルク)が記載されています。
当然、スライディーニが生まれる前ですのでその原形でしょう。
その他、この第二部を読むと”リンキングリング”や”袋玉子”まで書かれています。
チャプター16はまだ良く分かりません。いったい何の帽子なんでしょう?
それにしてもこの本は、当時のプロマジシャンがよく用いていたオートマタ(自動人形)や精巧な機械仕掛けのマジックではなく、本当の意味でのスライハンドマジックが終始一貫して記されているのは本当に素晴らしいと思います。
チャプター19には、そうしたマジックを覚えた上で、どのように演じるべきかも丁寧に書かれています。
まずは表題にある『スライハンド』という言葉。
意外と欧米では日本ほどスライハンドという言葉を聞かないんです。
副題にある『レジャードメイン』、これもあまり耳慣れない言葉です。
つまり、表紙には『マジック』という言葉は使われていないんです。
ホフマン教授に対するライバル心でもあったのでしょうか?

さて、この本を研究していたのが、ポール・フレミング氏(1890〜1976年)です。

経済学の教授でもあるが、マジシャンとしても活躍していたようです。
もともとはマジシャンのカール・ジャーメイン(1878〜1959年)との出会いからマジックをはじめたようです。
その影響か、はたまたそういう人なのか、古典マジックが好きでそうした事を研究していたようです。
このサキの本だけではなく、様々な古典マジックの本を勉強していた方のようです。
ちなみに、このフレミングさんは、『ロイヤルロード〜』の序文を書いています。
ちなみに、さきのジャーメインさん、”胡蝶の舞”の考案者と言われています。どういう事なんでしょう?
年代から考えると日本の”胡蝶の舞”の方が古いんですけど…。
この本では当時の他のマジシャンの事はほとんど書かれていません。
例外としてロベール・ウーダンの名前だけが、本の中に見る事ができます。
ウーダンの名前が近代奇術の父としての伝説を作る上での手助けになった本でもあったのではないでしょうか。
誇り高き英国人のサキ氏がフランス人のウーダンを絶賛している事がウーダンの名声を物語るエピソードの一つでしょう。
エドウィン・サキ氏の名前の読み方についてRYUSEIさんがなんでSachsというのをサキと読むのだろうということをMIXIのどこに書いてあるのかは忘れましたが、
書き込みがあったのを覚えています。ちょっと気になっていていろいろと調べてみました。サキと読めませんというのが私の結論です。
イギリス人とアメリカ人の数人に聞いてみたり、世界の人名録などもみて、これをサキと読める人はいませんでした。イギリス人は、この名前はドイツ人の名前でザックスと読むといっていました。イギリス人、アメリカ人がサキではないといっているので100%ではありませんが多分、日本に最初にカタカナ表示したときに間違ったものがそのままになっているというのが私の結論で、正しくはザックスであろうと思います。(ちなみにイギリス人は全員がサッチスとしか読めないといってました)
>サキと読めませんというのが私の結論です。

やっぱりそうでしたか。

>イギリス人は、この名前はドイツ人の名前でザックスと読むといっていました。

これ、意外と重要な事かもしれませんね。英国人であるサキ?(ザックス)がドイツ系だとするとヨーロッパのマジック文化の中心はもともとドイツにあった、という事を裏付けているのかもしれません。
Sachsは、のんちゃんさんが言われる通りドイツ系の姓ですね。
辞書で調べると、Sachs姓の有名人は…
ネリー・ザックス - ドイツの詩人および作家
ハンス・ザックス - ドイツの劇作家・歌人
ユリウス・フォン・ザックス - ドイツの植物学者
…などと出てきます。
自動車や自転車・オートバイのドイツ系メーカーにも、Sachsという会社があるようです。
ちなみに、ある名前をどう読むかは一般に、どこの言語で読むかによって変わってきます。例えば英語読みマイケルが、ミシェル(仏語)、ミヒャエル(ドイツ語)、ミケーレ(イタリア語)、ミゲル(スペイン語)、ミハイル(ロシア語)、ミカエル(ヘブライ語)などとなります。
また邦訳初期には、今から見ると妙なケースがあります。例えば有名なゲーテが「ギョエテ」と表記されたこともありました。
「サキ」と最初に日本語表記した人の、誤訳の可能性もなきにしもあらずではないでしょうか。
>>例えば有名なゲーテが「ギョエテ」と表記されたこともありました。

現在は「ゲーテ」で統一されているようですが、私は「ゲーテー博物館」
に行くためにフランクフルトに行き近くまで行ったのですがわからなくなり
ドイツ人に何人かにたずねたのですが「ゲーテー」ではまったく通じませんでした。何人目かの人がそれは「ギョーテ」(正確ではありませんが)のことではないのか、と言われました。当時はこんな有名な人を知らないなんて、ひょっとしたらゲーテは誰でも知っているという存在ではないのかと疑ったほどです。goetheと書きますが[gøːtə](oeはöと同義文字です)と発音します
どう発音するかは正確にはわかりません。日本にはない発音です。
ついでに小野坂さんの名前はフランスでは「トノサカ」と言わなければ通じません。「TON ONOSAKA」がそうなったのでしょう。
外国語の日本語表記は、文字から入るか耳にした音から入るかで結構差が出ます。
「ダロー」も「セロ」もそう聞こえると言うことで、文字だけみれば「ダリル(Daryl)」とか「シリル(Cyril)」になります。
「サキ」も、たぶん「サックス」と言われたのを、「サキ」と聞き取ったのだと思います。
子音の連続や子音で終る言葉は日本人が苦手なものですから。
Saxophoneを「サクソフォン」でなく「サキソフォン」という人がいるように、有り得ることだと思います。


(個人的な印象では、関西方面の年輩の方で、エックスをエッキス、デックをデッキと発音する人が多いと感じますがどんなものでしょう)
1877年イギリスで出版されたエドウィン・サック著『スライト・オブ・ハンド』では5種類に限定しています。
1. パーム・プロパー(クラシック・パームのこと)
2. フィンガー・パーム
3. サム・パーム
4. タイトルなし(サム・パームの変形でコインを複数枚パームする)
5. リバース・パーム(バック・フィンガー・クリップのこと)
 著者のサックは「他の奇抜な方法もあるが、奇術においてはそれほど有効ではない」と断定し、上記のみ記述しています。
エドウィン・サック(Edwin Sachs ?~1910)
 英国のアマチュア・マジシャン。日本ではサキと読むのが通例。本業はスポーツライター。クレマ著『シークレットアウト(Cremer’s The Secret Out)』でマジックを学んだ。
スライト・オブ・ハンド(Sleight of Hand)
1. 両手の指先を使った技に限定する手法や演目のこと。15世紀からこの言葉は使われ、スコットの本(1584年)にも出てくる。レジャードメインやプレスティディジタシオンと同義語。日本ではスライハンドという。
2. エドウィン・サック唯一にして最高のマジック著書。『モダン・マジック』と並ぶ名著。これもまたフランスの文献を大いに参考にしている。1877年に初版、第二版は大幅に加筆され1885年に出版。第三版は1900年。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

クラシックマジック研究 更新情報

クラシックマジック研究のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。