印象的な一文(短い引用)
"The sleights described herein are not ends in themselves, but means to an end — the creation of mystery and entertainment." (本書で解説する技法は、それ自体が目的ではなく、神秘と楽しさを生み出すための手段である。)
Part 2 翻訳(FLOURISHES)
フラリッシュ カード大道芸人が演技に機知と輝きを添えるのはフラリッシュの用い方による。フラリッシュは曲芸師が一時の小悪魔的仕掛けに香りを添える香辛料のようなものであり、器用さと想像力を示す魅力的で優雅な即興の所作である。本当の魔術師は単にパックの中の失われたカードを探し出すだけで満足しない。その場でカードの表面をはじけば、どこからともなく失われたカードが現れる。あるいは皮肉たっぷりに、自分の手さばきが普通のデックであることを示すためにカードを滑らかにリボン状に弾き飛ばす。あるいは軽い手つきでカードを完全に対称の美しいファンに広げる。あるいはパック上を手でなぞりながら、必要なカードを空中から悠々と摘み取るのである。
Part 2 翻訳(FLOURISHES:インターロック・プロダクション)
フラリッシュ カード曲芸師が演技に機知と輝きを添えるのはフラリッシュを用いるためである。フラリッシュは曲芸師が一時的な小悪魔的手品に香辛料を振りかけるようなものであり、熟練と想像力を示す魅力的で優雅な即興の所作である。真のネクロマンサーは単に山の中の失われたカードを探し出すだけでは満足せず、その表面を弾けばどこからともなく失せ物のカードが現れる。あるいは皮肉めいて、自分の山が普通であることを示すためにカードを滑らかにリボン状に弾いてみせる。あるいは軽い手つきでカードを完璧に対称なファンに広げる。あるいはパックの上を手でなぞるだけで、必要なカードを空中からさっと摘み取る。
インターロック・プロダクション この非常に効果的なフラリッシュは約二十年前、当時アメリカのヴォードヴィルで活躍していたカードの名手クリフ・グリーン氏によって導入された。この妙技は、表と裏のパーム(back and front palm)の亜種と言えるもので、(乱用されがちなあのフラリッシュとは異なり)やり過ぎられていないため、これを習得した者にはなおさら価値がある。本稿で初めて詳述するこれらの動きは難しくはないが、完璧なタイミングを要する。
第3版(1950年)巻頭謝辞・謝罪文 抜粋(原文英語)
“My most grateful thanks are due to Mr. George Stark, editor of the ‘Stars of Magic’ series, for his invaluable assistance in bringing this new edition to press. I would also express my sincere apologies to Mr. Dai Vernon, whose methods and material appear throughout this volume without proper acknowledgment in the first edition. The omission was not due to lack of appreciation, but to the unavoidable difficulties of compiling so vast a work by correspondence alone. I deeply regret any offence caused, and trust that the additions and corrections herein will prove sufficiently to compensate for the earlier oversight.”
— Jean Hugard, Preface to the Third Edition, Expert Card Technique (1950)