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【小説作ろうの会】コミュのsajikiの小説「出だしだけ」

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勢いで小説の出だしだけ書きました。続きがどうなるか神のみぞしるのです。

コメント(1)

 掌につつまれた銃をあたまに向けてぶっ放したくなる衝動と戦うのに必死だった。なぜ神は俺に試練を与える?乗りこえたとき何かが訪れるとでも?たしかに二日酔いに打ち勝ったとき、頭の隅々まで冴えわたったような気になる。それで?もちろんもう一度酒屋へいくだけだ。人間に必要なのは救いなんかじゃない。ただ首の上でえらそうに説教たれるこうべが不必要なだけだ。
 掌の銃は俺から徐々に体温を奪い、大気へと熱を放射しつづけている。高校で覚えた知識の大半はくさっていったが原理的なことは意外とわすれないものだ。
 人は食うために生きるのか、大半のエネルギーを無駄にのこして糞をたれることにどれほどの意味がある?たしかにメシはうまい。ラーメンのスープと麺が口の中に同時に流れ込んでくるあの恍惚。フライドチキンの繊維を断ち切るときの食感。高菜入りチャーハンの高菜を噛み砕いたときあふれだすうまみ。それらはすべて現実であり、たしかに感じていると断言できるもののひとつだ。
 それだけじゃ足りない。それだけじゃ足りないんだ。
 俺はあの神と呼ばれる暴力的な説得を受け入れるべきなのかもしれない。いきる意味は神が与えてくれる、なんとすばらしきせかい。聖地と呼ばれるエルサレムが実に暴力的な街だとは信じられないくらいだ。
 冷えていった掌がだんだんとぬくもりを取り戻していく。俺の思考とは裏腹に俺自身は積極的に命を求める。
 「痛むるものには酒を」その言葉に従えば、あと数時間は生きることに積極的になれるだろう。絶望的な目覚めとひきかえに。
 銃で自殺するときヘェラチオの達人のようにくわえ込まなければならない。銃口を耳の上あたりに向けて撃つとまれに失敗するときがある。銃弾が頭皮と頭蓋骨の間を滑り込み、脳に致命的なダメージを与えることなく、貫通する場合があるからだ。カートコベインのやり方が正解だ。彼もキリストも若くして死ぬことで、伝説となることができた。そうでもないか。ブッダは80まで生き、弟子にその死を惜しまれつつしんでいった。いい人生だ。心のそこからうらやましい。いいか、よく聞け。自分の仏性を信じろ。そうだ。その手の中にあるやっかいなものを机の上におくんだ。お前に自分の命を断つ勇気などない。現にこれまで自分が生きるために様々な人間を蹴落としていっただろう。少々蹴落とされる側になったからといって被害者ぶるな。お前はこれまで奪っていった命のためにも、これからも他の命を奪っていくんだ。
 銃からマガジンを引き抜き、弾倉から銃弾をとりだす。とりだした銃弾をもういちどマガジンにいれ、引き出しにしまう。無用心だが、秘密の隠し場所にしまうと必要なとき困るから仕方がない。

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