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コメント(300)
インターステラー
アメリカ／2014年／169分／ＳＦ
監督：クリストファー・ノーラン
出演：マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケイン、マット・デイモン
買ってからかなり放っておいてやっとこ鑑賞。上映時間が長いと途中までで寝てしまったり中断したり。ノーラン監督なのでハズレは無いだろうと感じていたが実際は期待値が高過ぎたが、まぁ飽きさせない程度に観る者を引き込むテクは備えている。言ってみればノーラン版「2001年宇宙の旅」だが、そこまで高尚かつ難解でもない。現在の学術考察最先端の理論で構築された時間と空間の学説を映像で表現。ま、イメージの域を出るわけも無く、ブラックホールの表現は以外にチープ。惑星地表の映像も地球上のどこか的で、この手の表現は想像力フル回転で構築されていた昔の映画の方がSFチックにも思える。が、ある程度の情報が蔓延している現在に置いては突飛な想像より、事らの方がストーリー的にもすんなり受け入れられるということだろう。「2001年〜」でもそうだが、ラストの話の締め方がフワっとイメージショットの様な観念的な映像にに出てしまうところに煮えきらないところがある。「なるほど、そうなんだ」と合点が行くつくりに話も映像も出来てたら良かったんだけど。
簡単に言ってしまうと、「浦島太郎」なんだけど
アメリカ／2014年／169分／ＳＦ
監督：クリストファー・ノーラン
出演：マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケイン、マット・デイモン
買ってからかなり放っておいてやっとこ鑑賞。上映時間が長いと途中までで寝てしまったり中断したり。ノーラン監督なのでハズレは無いだろうと感じていたが実際は期待値が高過ぎたが、まぁ飽きさせない程度に観る者を引き込むテクは備えている。言ってみればノーラン版「2001年宇宙の旅」だが、そこまで高尚かつ難解でもない。現在の学術考察最先端の理論で構築された時間と空間の学説を映像で表現。ま、イメージの域を出るわけも無く、ブラックホールの表現は以外にチープ。惑星地表の映像も地球上のどこか的で、この手の表現は想像力フル回転で構築されていた昔の映画の方がSFチックにも思える。が、ある程度の情報が蔓延している現在に置いては突飛な想像より、事らの方がストーリー的にもすんなり受け入れられるということだろう。「2001年〜」でもそうだが、ラストの話の締め方がフワっとイメージショットの様な観念的な映像にに出てしまうところに煮えきらないところがある。「なるほど、そうなんだ」と合点が行くつくりに話も映像も出来てたら良かったんだけど。
簡単に言ってしまうと、「浦島太郎」なんだけど
『母と暮せば』
松竹／2015年／130分
監督：山田洋次
出演：吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信
遅ればせながら、山田監督の新作をDVDにて鑑賞できた。家族をテーマに撮り続けて来た作品群の中で、その集大成とも言える本作は兼ねがねプライベートでも口にしている「反核」を主軸に置いた親子の話と待った。主演の吉永もまた、「反核」の朗読会をライフワークとしていて、本作への思いもひとしおだろう。決して声だかに「反戦」「反核」のメッセージを登場人物に語らせる事はしない。市井の名も無い家族の小さな出来事の中にある幸福感を断ち切る不幸な歴史を冷静に見つめる目こそが、メッセージなのだ。
作品冒頭に原爆が投下され、一瞬にして生活していた全てが蒸発した。その映像表現に度肝を抜かれる。トレーラーでもこのシークエンスは紹介されてるので言わせてもらうが、格爆発の光と熱量で机の上のインク瓶が溶け、直後全てが吹き飛ぶ。二宮扮する息子浩二が一瞬にして蒸発したことを観客は体感するのだ。
こんな激しい核の非道に対する表現があっただろうか。
一瞬の静寂は戦後数年の時間経過を意味し、亡霊となった浩二と母親伸子の柔いもない平和で平穏な会話が綴られて行く。
そして、、、
核で死んだ僕たちは、生き残った人には僕たちの分も幸せになって暮らしてほしいんだ。。本作のメッセージである。
松竹／2015年／130分
監督：山田洋次
出演：吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信
遅ればせながら、山田監督の新作をDVDにて鑑賞できた。家族をテーマに撮り続けて来た作品群の中で、その集大成とも言える本作は兼ねがねプライベートでも口にしている「反核」を主軸に置いた親子の話と待った。主演の吉永もまた、「反核」の朗読会をライフワークとしていて、本作への思いもひとしおだろう。決して声だかに「反戦」「反核」のメッセージを登場人物に語らせる事はしない。市井の名も無い家族の小さな出来事の中にある幸福感を断ち切る不幸な歴史を冷静に見つめる目こそが、メッセージなのだ。
作品冒頭に原爆が投下され、一瞬にして生活していた全てが蒸発した。その映像表現に度肝を抜かれる。トレーラーでもこのシークエンスは紹介されてるので言わせてもらうが、格爆発の光と熱量で机の上のインク瓶が溶け、直後全てが吹き飛ぶ。二宮扮する息子浩二が一瞬にして蒸発したことを観客は体感するのだ。
こんな激しい核の非道に対する表現があっただろうか。
一瞬の静寂は戦後数年の時間経過を意味し、亡霊となった浩二と母親伸子の柔いもない平和で平穏な会話が綴られて行く。
そして、、、
核で死んだ僕たちは、生き残った人には僕たちの分も幸せになって暮らしてほしいんだ。。本作のメッセージである。
ＧＳワンダーランド
2008年/100分／コメディ
監督：本田隆一
出演：栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、武田真治、杉本哲太、岸部一徳
ふと中古で手にしたジャケ買いの１作。1960年代末期のグラフィティものというか、懐かしのGSブームの舞台裏コメディー。いきなり冒頭から1968年の空気観と色調にタイムスリップし、「三丁目の夕日」ほどウェッティさもなく、ドライというほど乾いた笑いでもない。話の中心の駆け上がりバンドや当時の芸能界の空気もあながちはずれていない。登場人物のキャラクターと役者もうまくマッチして、あの68年から69年、そして70年代へ時代がうねりの様な変化して行く時代のなかの青春像は懐かしくも愛おしい。。
うれしい拾いものだった。
2008年/100分／コメディ
監督：本田隆一
出演：栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、武田真治、杉本哲太、岸部一徳
ふと中古で手にしたジャケ買いの１作。1960年代末期のグラフィティものというか、懐かしのGSブームの舞台裏コメディー。いきなり冒頭から1968年の空気観と色調にタイムスリップし、「三丁目の夕日」ほどウェッティさもなく、ドライというほど乾いた笑いでもない。話の中心の駆け上がりバンドや当時の芸能界の空気もあながちはずれていない。登場人物のキャラクターと役者もうまくマッチして、あの68年から69年、そして70年代へ時代がうねりの様な変化して行く時代のなかの青春像は懐かしくも愛おしい。。
うれしい拾いものだった。
家族はつらいよ
2016年／108分／松竹
監督：山田洋次／脚本：山田洋次、平松恵美子
出演：橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン、笑福亭鶴瓶
のっけの昭和喜劇映画テイストのタイトルアートが本作の色合いを決定づけている。山田監督と近年親交深い横尾忠則氏の仕事とか。
前々作の『東京家族』に間髪入れず製作され登場俳優や家族構成はそのまま、だが違う家族の話問う事らしいので、１作またいで遅らせての公開。自分に危機的問題が降り掛かって来たところに娘夫婦が落語「厩火事」よろしく皿を壊した壊さないの喧嘩で「離婚」を軽く口にしている。そんなことより俺の方が大変なんだという自己中おやじ橋爪功。
「東京家族」「家族はつらいよ」で得たニューカマーに林家正蔵をあげたい。彼のキャラクターが作品のいい箸休めとなっていて、今後の俳優業にいい仕事を残す様な気がしてならない。家族会議でも嫁婿と姑の口論となるが、言いたい事をポンと口に出してしまいお互い正面から大声で言い合えるのは、「とらや」でのそれと同じであり、腹に物事を秘めない関係が出来てるからこそ。たぶん数日後には苦笑いでもして何事もなかったように通り過ぎている事だろう。
一言で言うと、山田の映画出発点がコメディーであり、松竹伝統のホームドラマの延長線上にあった「男はつらいよ」などの自分総括のような作品の位置づけかなとも。ひとつ気になっていたのは、当初橋爪功の役は菅原文太に決まっていたのが降板になったわけで、本作「家族はつらいよ」でもこのおとうさんを演っていたのかと思うと、イメージがつかめない。「東京家族」でのお父さんは文太さんには笠智衆さんの雰囲気も無いわけではないが、この「家族はつらいよ」のホームドラマ的お父さんはやっぱり橋爪功で良かった様な気もする。
観る以前は「東京家族」のアンサー映画化とも予想してたが、別物になっていた。のだが、二度、見返すとやはり「東京物語」時代の夫婦像と平成の夫婦像を通して形態は多少違えども、人の心の普遍性を描きたかったのかなとも思える。。。
また見返すと新しい発見がありそう。。
2016年／108分／松竹
監督：山田洋次／脚本：山田洋次、平松恵美子
出演：橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン、笑福亭鶴瓶
のっけの昭和喜劇映画テイストのタイトルアートが本作の色合いを決定づけている。山田監督と近年親交深い横尾忠則氏の仕事とか。
前々作の『東京家族』に間髪入れず製作され登場俳優や家族構成はそのまま、だが違う家族の話問う事らしいので、１作またいで遅らせての公開。自分に危機的問題が降り掛かって来たところに娘夫婦が落語「厩火事」よろしく皿を壊した壊さないの喧嘩で「離婚」を軽く口にしている。そんなことより俺の方が大変なんだという自己中おやじ橋爪功。
「東京家族」「家族はつらいよ」で得たニューカマーに林家正蔵をあげたい。彼のキャラクターが作品のいい箸休めとなっていて、今後の俳優業にいい仕事を残す様な気がしてならない。家族会議でも嫁婿と姑の口論となるが、言いたい事をポンと口に出してしまいお互い正面から大声で言い合えるのは、「とらや」でのそれと同じであり、腹に物事を秘めない関係が出来てるからこそ。たぶん数日後には苦笑いでもして何事もなかったように通り過ぎている事だろう。
一言で言うと、山田の映画出発点がコメディーであり、松竹伝統のホームドラマの延長線上にあった「男はつらいよ」などの自分総括のような作品の位置づけかなとも。ひとつ気になっていたのは、当初橋爪功の役は菅原文太に決まっていたのが降板になったわけで、本作「家族はつらいよ」でもこのおとうさんを演っていたのかと思うと、イメージがつかめない。「東京家族」でのお父さんは文太さんには笠智衆さんの雰囲気も無いわけではないが、この「家族はつらいよ」のホームドラマ的お父さんはやっぱり橋爪功で良かった様な気もする。
観る以前は「東京家族」のアンサー映画化とも予想してたが、別物になっていた。のだが、二度、見返すとやはり「東京物語」時代の夫婦像と平成の夫婦像を通して形態は多少違えども、人の心の普遍性を描きたかったのかなとも思える。。。
また見返すと新しい発見がありそう。。
「桜田門外ノ変」
2010年・137分・東映
監督：佐藤純彌／原作：吉村昭
出演：大沢たかお、長谷川京子、柄本明、渡辺裕之、本田博太郎
「柘榴坂の仇討」
2014年・119分・松竹
監督：松節朗／原作：浅田次郎
出演：中井貴一、阿部寛、広末涼子。高嶋政宏、藤竜也、中村吉右衛門
6年前に我が街（水戸）の全面バックアップというより水戸市主導で作られた「桜田門外ノ変」は江戸城前で井伊大老を襲った水戸藩士が逃走、苦悩の日を綴った作品だったが、「柘榴坂の仇討」は襲われた護衛についていた彦根藩士の苦悩を描く、双方の視点から見る事が出来面白かった。この時代はスクリーン中のファンタジーとして観て来た時代劇が、現代の我々の住む時代とグラデーションで地続きである事が実感としてみる事が出来るのも面白い。歴史の出来事ではなく、つい百数十年前のリアルな事件であった事、人を斬るというテロ行為が、時代劇のチャンバラではなく、現代のテロ事件にも通じるものを観る事が出来る。桜田門の騒動があってもなくても、時代は明治へと移り変わって行った事にはちがいない。双方に儀があって時代に翻弄され苦悩する浪士は、見方を変えれば現代のそれにも通じる。子どもも頃、西部劇や時代劇ってあまり面白く感じていなかったのはあの時代の言葉遣いが難しすぎることもあったが、最近好んで観るようになったのはなにより、人の心の機微がわかるようになって来たからも知れない。「柘榴坂」のラストは救いがあった。。
2010年・137分・東映
監督：佐藤純彌／原作：吉村昭
出演：大沢たかお、長谷川京子、柄本明、渡辺裕之、本田博太郎
「柘榴坂の仇討」
2014年・119分・松竹
監督：松節朗／原作：浅田次郎
出演：中井貴一、阿部寛、広末涼子。高嶋政宏、藤竜也、中村吉右衛門
6年前に我が街（水戸）の全面バックアップというより水戸市主導で作られた「桜田門外ノ変」は江戸城前で井伊大老を襲った水戸藩士が逃走、苦悩の日を綴った作品だったが、「柘榴坂の仇討」は襲われた護衛についていた彦根藩士の苦悩を描く、双方の視点から見る事が出来面白かった。この時代はスクリーン中のファンタジーとして観て来た時代劇が、現代の我々の住む時代とグラデーションで地続きである事が実感としてみる事が出来るのも面白い。歴史の出来事ではなく、つい百数十年前のリアルな事件であった事、人を斬るというテロ行為が、時代劇のチャンバラではなく、現代のテロ事件にも通じるものを観る事が出来る。桜田門の騒動があってもなくても、時代は明治へと移り変わって行った事にはちがいない。双方に儀があって時代に翻弄され苦悩する浪士は、見方を変えれば現代のそれにも通じる。子どもも頃、西部劇や時代劇ってあまり面白く感じていなかったのはあの時代の言葉遣いが難しすぎることもあったが、最近好んで観るようになったのはなにより、人の心の機微がわかるようになって来たからも知れない。「柘榴坂」のラストは救いがあった。。
「海月姫」（くらげひめ）
2014年・26分・アスミック・エース
監督：川村泰祐 原作：東村アキコ
出演：能年玲奈、菅田将暉、長谷川博己 、池脇千鶴、篠原ともえ
「ホットロード」
2014年・119分・松竹・
監督：三木孝浩 原作：紡木たく
出演：能年玲奈、登坂広臣、鈴木亮平、太田莉菜
「あまちゃん」以降ブレイクしそこなった能年玲奈。ここ最近やっとっこ始動開始か、アニメ「この世界の片隅に」でのん名義での声優出演が評価されて再ブレイクなるか、どうか。というところで、この主演作２作を見比べる機会を得た。
「あまちゃん」以降鳴り物入りで製作された割には、作品的には薄い評価だったようにおもう。なにより作品のトーンが暗過ぎて盛り上がらずラスト近くの山場となるはずの出来事もサラっと通り過ぎてエンディングへ。能年の女優としての力量と可能性を使い切れていない演出側の失敗。その後にッ制作された（本作をしらなかった）「海月姫」はうってかわってオタクの世界。「あまちゃん」の能年に近く、前半のオタクの生活ぶりなどたのしい。が、こちらも後半の山場となる噺の決着がベタなTVドラマレベルで映画としての観た満足度が低い。能年の所有力はここでも充分可能性を見せているが、彼女はこのラインがいいのかなとも。基本的に彼女自身がオタク資質なのかも。。
冴えないブサイクから、イケ女まで作り用で変化できる女有力に今後期待したい。。
2014年・26分・アスミック・エース
監督：川村泰祐 原作：東村アキコ
出演：能年玲奈、菅田将暉、長谷川博己 、池脇千鶴、篠原ともえ
「ホットロード」
2014年・119分・松竹・
監督：三木孝浩 原作：紡木たく
出演：能年玲奈、登坂広臣、鈴木亮平、太田莉菜
「あまちゃん」以降ブレイクしそこなった能年玲奈。ここ最近やっとっこ始動開始か、アニメ「この世界の片隅に」でのん名義での声優出演が評価されて再ブレイクなるか、どうか。というところで、この主演作２作を見比べる機会を得た。
「あまちゃん」以降鳴り物入りで製作された割には、作品的には薄い評価だったようにおもう。なにより作品のトーンが暗過ぎて盛り上がらずラスト近くの山場となるはずの出来事もサラっと通り過ぎてエンディングへ。能年の女優としての力量と可能性を使い切れていない演出側の失敗。その後にッ制作された（本作をしらなかった）「海月姫」はうってかわってオタクの世界。「あまちゃん」の能年に近く、前半のオタクの生活ぶりなどたのしい。が、こちらも後半の山場となる噺の決着がベタなTVドラマレベルで映画としての観た満足度が低い。能年の所有力はここでも充分可能性を見せているが、彼女はこのラインがいいのかなとも。基本的に彼女自身がオタク資質なのかも。。
冴えないブサイクから、イケ女まで作り用で変化できる女有力に今後期待したい。。
娚の一生
2014年・119分・ショウゲート
監督：廣木隆一／原作：西炯子
出演：榮倉奈々、豊川悦司、安藤サクラ、根岸季衣
タイトルとポスター写真からくるイメージで、もっとネッチリとした作品かとおもってたら、以外や爽やかと言ってもいいくらいの家族ドラマだった。「余命１ヶ月の花嫁」の監督らしいがそちらは未見。榮倉奈々の大人のドラマを初めて見たような気がする。将来を諦めたアラサー女子ともう熟年の独身男の同居生活の始まりには、きっかけはあるものの若干の無理はある。けど、深読みをすれば人との繋がりを拒んできた男にも、「人目惚れ」があったのかと。孤独を感じてきた女性と、孤独を運命のように受け止めてきた男との出会いが、変化をもたらした。原作は漫画のようだげ、ちゃんと文芸作になっているように思う。豊川悦司の役どころもハマり役。a
2014年・119分・ショウゲート
監督：廣木隆一／原作：西炯子
出演：榮倉奈々、豊川悦司、安藤サクラ、根岸季衣
タイトルとポスター写真からくるイメージで、もっとネッチリとした作品かとおもってたら、以外や爽やかと言ってもいいくらいの家族ドラマだった。「余命１ヶ月の花嫁」の監督らしいがそちらは未見。榮倉奈々の大人のドラマを初めて見たような気がする。将来を諦めたアラサー女子ともう熟年の独身男の同居生活の始まりには、きっかけはあるものの若干の無理はある。けど、深読みをすれば人との繋がりを拒んできた男にも、「人目惚れ」があったのかと。孤独を感じてきた女性と、孤独を運命のように受け止めてきた男との出会いが、変化をもたらした。原作は漫画のようだげ、ちゃんと文芸作になっているように思う。豊川悦司の役どころもハマり役。a
マックィーンの絶対の危機（ピンチ）
原題：THE BLOB
マックィーンの人喰いアメーバの恐怖（ビデオタイトル）
ＳＦ人喰いアメーバの恐怖（ＴＶ放映タイトル）
アメリカ 1958年制作 上映時間；82分
監督：アーヴィン・ショーテス・イヤワース・Ｊｒ
出演：スティーヴ・マックィーン
むか〜し、TVで観た「人喰いアメーバの恐怖」というSFパニック映画。S マックィーンが出演していたのでしっかり観たが内容はチープながらなかなかオモシロく観られた。これがマックィーン初主演ということだったけど、高校生役には老けすぎなカンジも（笑）。昨日偶然DVDで手に入り再見する事ができた、80年代にリメイクもされていたが、こちらのオリジナル版の方が趣がある。高校生のカップルが偶然隕石とともに飛来した未知の生命体との遭遇で田舎町がパニックになる一夜もの。コンパクトに事件が解決するのも次代観がゆるせる所以。土曜の深夜に映画館でデートで観るのはもってこいの作品だ。
原題：THE BLOB
マックィーンの人喰いアメーバの恐怖（ビデオタイトル）
ＳＦ人喰いアメーバの恐怖（ＴＶ放映タイトル）
アメリカ 1958年制作 上映時間；82分
監督：アーヴィン・ショーテス・イヤワース・Ｊｒ
出演：スティーヴ・マックィーン
むか〜し、TVで観た「人喰いアメーバの恐怖」というSFパニック映画。S マックィーンが出演していたのでしっかり観たが内容はチープながらなかなかオモシロく観られた。これがマックィーン初主演ということだったけど、高校生役には老けすぎなカンジも（笑）。昨日偶然DVDで手に入り再見する事ができた、80年代にリメイクもされていたが、こちらのオリジナル版の方が趣がある。高校生のカップルが偶然隕石とともに飛来した未知の生命体との遭遇で田舎町がパニックになる一夜もの。コンパクトに事件が解決するのも次代観がゆるせる所以。土曜の深夜に映画館でデートで観るのはもってこいの作品だ。
家族はつらいよ２
2017年 113分
脚本：山田洋次／平松恵美子
監督：山田洋次
出演：橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優
DVD化されたのでやっと視聴。全作のコメディーの延長線上で続編、更には3も作られると聞くので「どうしたものか」という懸念もあったけど、やはり山田節じゃ死んでいなかった。全作のコメディー調でドタバタと家の中をかき回す周造だが、彼の高校時代の美を持ち崩した友人が登場するあたりから、現在の日本の抱える社会問題に高齢の家族を抱える問題とがクロスして、山田洋次のメッセージが語られいくこととなる。「この国は死ぬまで働けというのか」周造の吐いた言葉は山田の強いメセージだ。
2017年 113分
脚本：山田洋次／平松恵美子
監督：山田洋次
出演：橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優
DVD化されたのでやっと視聴。全作のコメディーの延長線上で続編、更には3も作られると聞くので「どうしたものか」という懸念もあったけど、やはり山田節じゃ死んでいなかった。全作のコメディー調でドタバタと家の中をかき回す周造だが、彼の高校時代の美を持ち崩した友人が登場するあたりから、現在の日本の抱える社会問題に高齢の家族を抱える問題とがクロスして、山田洋次のメッセージが語られいくこととなる。「この国は死ぬまで働けというのか」周造の吐いた言葉は山田の強いメセージだ。
太秦ライムライト
2013年、104分
脚本：大野裕之／監督：落合賢
出演：福本清三、福本清三、田久子、松方弘樹、本田博太郎
今年の元日に BSで黒沢作品と一緒に放映された「太秦ライムライト」を録画でやっとこ観られた。一言で言ってしまえば、シリアス版「蒲田行進曲」の体。ヤスに福本さん、銀ちゃんに松方弘樹は東映の「仁義無き戦い」などの極道もので若い時から共演してきた両名には虚構の役以上のリアルな世界で、ドキュメントに近いかも知れない。TVに押され映画の時代劇が斜陽と成り下がった現在、時代劇大部屋役者は単なるエキストラの身分でしかない。そんな仕出し役者の悲哀を福本自身の今と重ねたドラマとなってる。映画に憧れ役者の道に入った女の子が師と仰いだ福本を乗り超えていくあたりは、どことなくチャップリンの「ライムライト」にも通じる、タイトルの所以か。小品ながら心に残る。。
2013年、104分
脚本：大野裕之／監督：落合賢
出演：福本清三、福本清三、田久子、松方弘樹、本田博太郎
今年の元日に BSで黒沢作品と一緒に放映された「太秦ライムライト」を録画でやっとこ観られた。一言で言ってしまえば、シリアス版「蒲田行進曲」の体。ヤスに福本さん、銀ちゃんに松方弘樹は東映の「仁義無き戦い」などの極道もので若い時から共演してきた両名には虚構の役以上のリアルな世界で、ドキュメントに近いかも知れない。TVに押され映画の時代劇が斜陽と成り下がった現在、時代劇大部屋役者は単なるエキストラの身分でしかない。そんな仕出し役者の悲哀を福本自身の今と重ねたドラマとなってる。映画に憧れ役者の道に入った女の子が師と仰いだ福本を乗り超えていくあたりは、どことなくチャップリンの「ライムライト」にも通じる、タイトルの所以か。小品ながら心に残る。。
妻よ薔薇のように （家族はつらいよ III）
2018年、123分、(松竹)／脚本：山田洋次、平松恵美子／監督：山田洋次
出演：橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優
やっと遅ればせながらDVDにて鑑賞。昔から山田洋次が提唱してきた女性地位問題をテーマに平田家悲喜こもごものホームコメディで、基本的には前２作の流れを踏襲。随所に「男はつらいよ」で登場してたコメディシチュエーションや使い回しギャグがセルフオマージュとして散りばめられ、隠れミッキーならぬ隠れ寅さんも画面の隅にチラリ。林家正蔵がタコ社長に見えたり、橋爪、西村が寅さん的人物像に寄せたり、平田家ファミリーがとらや一家の誰かに割り当てられている。唯一蒼井優の賢い嫁が出来過ぎな感じが逆に浮いてしまってる感が残念な気もするが、話を進める進行役としては妻夫木、蒼井は「さくら、博」としての要となるのだろう。話は単純明快で事のきっかけともかく、よくある「夫婦げんか」の顛末記。
これはこれでホームコメディーとしてありだとは思うが、ひと昔前の山田だったら、ラストにもう一つ胸が熱くなるような高揚感あるラストを用意できたのではないかと思える。山田洋次、枯れたか。。。
2018年、123分、(松竹)／脚本：山田洋次、平松恵美子／監督：山田洋次
出演：橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優
やっと遅ればせながらDVDにて鑑賞。昔から山田洋次が提唱してきた女性地位問題をテーマに平田家悲喜こもごものホームコメディで、基本的には前２作の流れを踏襲。随所に「男はつらいよ」で登場してたコメディシチュエーションや使い回しギャグがセルフオマージュとして散りばめられ、隠れミッキーならぬ隠れ寅さんも画面の隅にチラリ。林家正蔵がタコ社長に見えたり、橋爪、西村が寅さん的人物像に寄せたり、平田家ファミリーがとらや一家の誰かに割り当てられている。唯一蒼井優の賢い嫁が出来過ぎな感じが逆に浮いてしまってる感が残念な気もするが、話を進める進行役としては妻夫木、蒼井は「さくら、博」としての要となるのだろう。話は単純明快で事のきっかけともかく、よくある「夫婦げんか」の顛末記。
これはこれでホームコメディーとしてありだとは思うが、ひと昔前の山田だったら、ラストにもう一つ胸が熱くなるような高揚感あるラストを用意できたのではないかと思える。山田洋次、枯れたか。。。
間も無くNHK-BSプレミアムで「遥かなる山の呼び声」のリメイクドラマは放映される。
BSプレミ 2018/11/24(土)「遙かなる山の呼び声 (SPドラマ 90分)
脚本：山田洋次 坂口理子 監督：朝原雄三
この映画のラストシーンの作りは、これぞ山田演出の真骨頂。映画通にはベタすぎると毛嫌いする向きもいるが、本作はこのシーンの為に健さんと倍賞千恵子の北海道の厳しい酪農農家の生活を丹念に描き上げているわけで、このラストのカタルシスで一気に心が洗われる。何度見ても健さんの涙が美しい。そして列車の中でのラストシーで本作とその感動を二分する双璧がハナ肇の「懐かしい風来坊」。ここでもマドンナは倍賞千恵子。ぜひ「懐かしい風来坊」をご覧あれ。
BSプレミ 2018/11/24(土)「遙かなる山の呼び声 (SPドラマ 90分)
脚本：山田洋次 坂口理子 監督：朝原雄三
この映画のラストシーンの作りは、これぞ山田演出の真骨頂。映画通にはベタすぎると毛嫌いする向きもいるが、本作はこのシーンの為に健さんと倍賞千恵子の北海道の厳しい酪農農家の生活を丹念に描き上げているわけで、このラストのカタルシスで一気に心が洗われる。何度見ても健さんの涙が美しい。そして列車の中でのラストシーで本作とその感動を二分する双璧がハナ肇の「懐かしい風来坊」。ここでもマドンナは倍賞千恵子。ぜひ「懐かしい風来坊」をご覧あれ。
イエロー・ハンカチーフ
2008年／アメリカ／96分
監督：ウダヤン・プラサッド
出演：ウィリアム・ハート、マリア・ベロ、エディ・レッドメイン、クリステン・スチュワート、
なかなか観る機会を逸していた「幸福の黄色いハンカチ」のアメリカ版リメイク作品。
昨日DVDが手に入った。もともとアメリカのフォークソングが原案で、ヒットしてた頃実はシングルレコードも買って持ってたくらい好きな曲でした。それを山田洋次が映画にするためアメリカから映画化権を取得して「〜黄色いハンカチ」が誕生。それをアメリカが映画にリメイクしたいと松竹から映画化の版権を買う。なんとも面白い構図だ。原案は歌な訳で、本当は刑期を終えた囚人ではなくこのシチュエーションは山田の創作だし、黄色はそのままだがハンカチではなくリボン。アメリカでは、戦地から戻った兵士などを迎える時、家の前に黄色いリボンを掲げ歓待するのは山田の映画以前に当たり前に周知されていた。しかし山田の作ったストーリーが結果的に原作となって、本家アメリカがハンカチーフに変更になってるのが面白い。ヒューマンストリーテラーとしての山田洋次がアメリカで認められたわけだ。
2008年／アメリカ／96分
監督：ウダヤン・プラサッド
出演：ウィリアム・ハート、マリア・ベロ、エディ・レッドメイン、クリステン・スチュワート、
なかなか観る機会を逸していた「幸福の黄色いハンカチ」のアメリカ版リメイク作品。
昨日DVDが手に入った。もともとアメリカのフォークソングが原案で、ヒットしてた頃実はシングルレコードも買って持ってたくらい好きな曲でした。それを山田洋次が映画にするためアメリカから映画化権を取得して「〜黄色いハンカチ」が誕生。それをアメリカが映画にリメイクしたいと松竹から映画化の版権を買う。なんとも面白い構図だ。原案は歌な訳で、本当は刑期を終えた囚人ではなくこのシチュエーションは山田の創作だし、黄色はそのままだがハンカチではなくリボン。アメリカでは、戦地から戻った兵士などを迎える時、家の前に黄色いリボンを掲げ歓待するのは山田の映画以前に当たり前に周知されていた。しかし山田の作ったストーリーが結果的に原作となって、本家アメリカがハンカチーフに変更になってるのが面白い。ヒューマンストリーテラーとしての山田洋次がアメリカで認められたわけだ。
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