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湯本高校野球部を追うコミュの栄冠は君に輝く

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 湯本高校野球部の部員数は63人。県内で7番目に多い。夏の甲子園をめざす福島大会のベンチに入れるのは、スコアラーを入れて21人だから、選手たち、特に最後の大会となる3年生にとって、ベンチに入れるかどうかは大問題といえた。
 監督の清水は夏の大会前になると、ベンチから外れた3年生に1日だけ打撃練習をさせ、2年生チームとの紅白戦を組んで、本番に向かうことにしている。大会前最後の日曜日となった5日も、午前中に紅白戦を行い、近くの金刀比羅神社で必勝祈願の受けて、野球部後援会主催の激励会(内郷・報徳苑)へと移動した。
ベンチ入りは結局、3年生がスコアラーも含めて13人、2年生が6人、1年生は2人だった。激励会では、ベンチ入りメンバーとベンチに入れなかった3年生が大会に向けての決意を述べた。そんななか、さまざまな思いを受け止めた主将の足立が「ベンチ入りできなかった仲間の分まで、悔いのないプレーをしたいと思っています。1日でも長く試合をして、みんなを甲子園に連れて行きたい.
頑張ります」とあいさつした。

 相原は選手1人ひとりの決意表明を聞きながら、昨年12月3日、初めて湯本高校のグラウンドに立ち、投手の基礎トレーニングを始めたときのことを思い出していた。そして7カ月。チームは光洋と磐城をコールドで下す強さを身につけた反面、学法福島や磐城桜が丘にあっさり負けてしまう弱さを見せることもあった。それは勝負に徹しきれない優しさであり、真の競争がないことによる温さといえた。そして、「激励の言葉をお願いします」と司会に促されて壇上に立った。
 まるで円陣を組んでいるときのようにテーブルに座っている子どもたちの顔を見回した相原はまず、「甲子園へ行くのには七試合戦うことになる。みんなその1試合1試合をすべてプラス思考でイメージするように」と言った。
 相原の高校野球人生はまさに、山あり谷ありだった。もう一歩というところまで行きながら甲子園を逃してしまった現役時代。後輩の練習を手伝って甲子園行きをサポートした大学時代。そして監督になってからは、何回も厚い壁に阻まれ続け、やっと双葉高校で甲子園行きをつかみ、大舞台で1勝した。だから夏の怖さをだれよりも知っていた。
「悪いイメージは捨てろ。勝負事は1歩下がると、必ず相手につけ入れられる。だから全員がすべての試合でいいイメージを持って臨み、ベンチもベンチの外も全員が1つになって甲子園出場を勝ち取らなければならない。負けるんじゃないか、エラーするんじゃないかという弱気が1番悪い。すべて勝つ気でいくんだぞ」。そう気合いを入れた。
 さらに会が終わって選手たちが帰ろうとしたとき、相原は「ちょっとみんなを集めろ」と言い、夏の甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」を歌い始めた。歌詞を「ああ♪栄冠は湯本に輝く♪」にして全員で合唱した。ベンチに入る子も入らない子も、全員が湯本高校野球部の誇りを胸に1つになっていた。

 10日、湯本高校ナインは全員、つるつるの5厘刈りで登場した。相原はそこに、ナインの覚悟を見て取った。いわきグリーンスタジアムで行われた開会式での行進も声が出て堂々としていた。そして翌11日の西会津戦を21―0の5回コールド、13日の清陵情報戦を8―1の8回コールドで圧勝した。それはチームが1つになり貪欲に点を取り始めた証だった。甲子園をかけた戦いが始まった。
 

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