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湯本高校野球部を追うコミュの相原の教え

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 湯本が新人戦のいわき支部大会で優勝した。このチームの主力である2年生は、外部コーチをしていた相原登司輔が手塩にかけた選手たちで、そのプレースタイルには、相原イズムが色濃く反映されている。
 1年前、監督の清水は試行錯誤の末に1年生(現在の2年生)を相原に委ねた。夏、期待されながら3回戦で田村に3−5と敗れたあと、清水は新チームをスタートさせるにあたってA、Bチーム制をとった。最初は戦力別だったが、最終的に1、2年生を分けた。練習試合では最初の試合を2年生が戦い、2戦目は1年生。相原は、学校近くの「もくべぇ」で昼食を早く切り上げて、シートノックをするのが日課になった。
 相原の指導は徹底していた。できるだけ多くの選手に出場機会を与え、試合で明らかになった課題は、練習で徹底的に是正した。「フライを捕るときグラブは横」「外野から内野に送球するときには基本的にワンバウンド」「つねに先の塁の意識を持つこと」…。そして2年後の夏を見据え、それぞれの身体能力を基準にして、将来のチームビジョンを頭に描いた。
 相原の怒号がグラウンドに響き渡ったことがある。頼まれてやっているような態度の、熱が入らない選手たちに渇を入れたのだ。「野球は自分の意思でやっているんじゃないのか。だれもやってくれ、なんて頼んじゃいない。やりたくないんならやめてしまえ」。子どもたちが震え上がった。
 うまいふりをする子、道具に敬意を払わない子、眉毛を剃る子などを厳しく指導した。「一生懸命、真剣に野球と向き合わないと、ここぞというときに野球の神様が微笑んでくれない」というのが、理由だった。練習試合の相手の選び方もそうで、基準は「学べるチーム」。それは、上手い下手、強い弱いではなく、野球に対する取り組みや態度を最優先した。

 新人戦のいわき支部大会決勝。今年のチームの強さが9回裏に出た。エースが思うような投球ができず9回表に4−4の同点に追いつかれた。そしてだれもが「延長か。平工に勢いがある」と思った。
 しかしその裏、芳賀がヒットで出た。1死後に大井川がセーフティー気味のバントで芳賀を2塁に進め、代打の大川原が初球のストレートを叩いて右前ヒット、サヨナラとなった。「積極的に。気持ちで負けない」。相原の教えが生かされた瞬間だった。

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