ここがヘンだよ　生命保険コミュの実はとっても大きな中途解約のリスク

生命保険の加入にはさまざまなリスクがあり、皆さん契約時には色々頭を悩ませることと思います。

家族が突然病気になったら、不幸が起きたら、保険なのですからこういったリスクは誰もが考えることですが、案外皆さんが気にしていないようで驚かされる点があります。

中途解約のリスクです。（私個人的には生命保険の最大のリスクと思っています）
「大丈夫ですよ。担当者からそういったリスクは聞いていますから」などと安心している方もぜひ耳を傾けてください。そういった方々にぜひ聞いていただきたい内容です。

これはどの保険商品に契約しているのかによって意味合いが大きく異なりますが、まず、定期保険。
これはいつからいつまでという期限付きの契約を結ぶわけですから、支払いを止めます。解約しますというのは、もうこの先保障要りませんよという意味なので、これは単純です。

意味合いが大きいのが貯蓄性の保険です。終身保険、養老保険、学資保険などです。
商品によっても異なりますが、何年間支払い続けたらいくらになって戻ってきますよ。というものです。
保険料の支払いが厳しいです。保障は要りません。でも戻ってくるお金も重要なんです。となるとややこしいことになります。しかもこれが低解約返戻金型と言って、一定期間解約返戻率を低く抑えてある特殊な商品だったり、普通の商品でも加入後間もなくて解約金が余り給っていない時期だったりすると問題はかなり深刻となります。

簡単には解約することなどできないですよね。
「貯蓄よりも確実ですよ」などと勧められて一生懸命支払いを続けてきたものが大きく目減りしてしまうのですから。

このトラブルがここ数年、本当に増えているように感じます。
中途解約には保障が必要なくなった他にも、突然の病気やリストラで保険料が支払えなくなった、ニーズの変化などなど色々なものがありますが、苦渋の選択で解約と言うのも気の毒過ぎるように思います。

この際は解約しなくても「払い済み」という便利な手法もあります。保険料の払い込みを中止するのですが、その時点で貯まっている解約返戻金を一時払い保険料として使って、従来の予定利率を引き継ぎながら新たな保険に切り替える手法です。ただし切り替えた時点で原則的に特約は消滅してしまいます。
この払い済みという手法は案外便利なもので、最初から払い済みにすることを見越して多目の保障を作って、収入が厳しくなってきた頃に計画的に切り替える方なども増えてきています。
以前は「年功序列」などで、将来的に収入アップを見越して保険を設計していたので更新型の定期付終身保険などが人気がありましたが、現在は逆に将来的に保険料を下げていけるように最初から設計しておくのです。時代は変わったものです。

ただ、この「払い済み」と言う機能さえも付いていない商品もあります。おそらくこういった点で保険をチョイスする方は非常に珍しいかと思います。でも生命保険の最大のリスクに直面したときに大きな解決策の一つが最初からないわけですから、選択する基準としてはかなり大きなものです。また、低解約返戻金型の保険ですと、支払い期間中の解約返戻金自体が低く抑えられているので、「払い済み」が使いづらくもあります。

保険は定期保険だけで組んでいれば、保険料も安いですし、中途解約は自己責任と割り切れるのですが、保障と貯蓄が同時に作れる貯蓄性の保険も魅力の高いものです。

考え方としては、30年払いならば30年間しっかりと支払い続けることが可能なのかをしっかりと見極めることです。不安を感じるのであれば、「支払い期間を短くする」「払い済みができる商品を選ぶ」「低解約返戻金型商品は避ける」などが必要かと思います。もしも本当に途中で支払いが続けられなくなったりしたら、それこそ家計に深刻なダメージを与えることになります。

こういった書き方は実際には間違いではありますが、支払いを満期時期まで続けられないと、これまで支払ってきた保険料が無駄になるという類の保険に加入していると、保険という名の長期ローンを組んで、借金を返し続けているような気分になるようです。

生命保険はあなたの一生を守ってくれる商品でもありますが、支払い期間も非常に長いものも多いものです。子供ができたら生命保険を見直す方も多いですが、10年後、子供が大きくなって、15年後、学費負担も増え始めて、そのとき支払いは問題ありませんか？あなたの保険は支払いが難しくなったときに「解約」以外にどういった手法が使えますか？

最近人気の保険商品はこの点を見事に無視しているものが非常に多いように思います。とっても危険と感じます。