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 「右脳苦界」コミュの★★★右脳苦界サイドストーリー    (お花はん作)

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お花師匠、コメント欄に埋もれていては勿体無い珠玉の小説を勝手にトピ立てさせていただきました。ぺこり m(__)m
続編の希望やんや、腹よじれて、笑いがとまらず泣きながら読ませていただいてます。
是非、続続続編をお願いいたしますわぁん。nora




チャペル右脳苦界サイドストーリー   (2007/10/31 投下)
「11月の神隠し」



桃里はため息をついていた。
チェックメイトは目前である。
目前ではあるが、
その最後の数手が浮かばない。


桃里は見習いとはいえ仙人である。
検索の術は随分上達したと思う。
最近では、
思いもよらないページを呼び出して見せるだけでな

く、
強烈親父ギャグをかまして酷暑の夏を瞬殺してみせ

たりして、
拍手喝采のウケや座布団を獲得していた。
熱烈なファンも持っていると思う。
コアではあるが。
まぁそれはいいのだ。
今必要なのはインスピレーションであって、
マニアックな生物ネタではない。

問題は締め切りである。

「詰めが甘い」
桃里は自分で言ってへこんだ。

「何をそんなに肩落してるのよー、桃ちゃん♪」
脳天気な声がカウンターの向こうから降ってきた。
「ほらほら、冷めないうちにどうぞ〜」

「じゅんたろさん、
なんでそんなに元気なんですか。
っていうかこれ、カロリー多すぎですよ」
桃里は見てるだけで血糖値を上げそうな、
いかにもおいしそうな料理を前にして、
「バー睡蓮」の女将を恨めしげに睨んだ、


人外魔境の右脳苦界も、
ランチタイムである。
しかし「バー睡蓮」は暇そうだった。
締め切り前だから、
みんな忙しいのかも知れない。
いや、忙しそうなフリしてるだけだったりして。

「あらあら、思い詰めた顔しちゃって〜(^^♪
そんな時はテングタケかしらね〜。
カロリー低そうだし〜(^^♪」

じゅんたろうは本気か冗談か、
今ひとつ判断がつかない笑顔で、
どこから出したのか毒々しい赤いキノコを嬉しげに

振り回し、
な〜んちゃって〜♪
と、
舌を出した。

桃里はさりげなく自分の皿の上に、
未提出兼題の紙をそっとかぶせて、
飛散したと思われる胞子から、
自分の皿を守った。

じゅんたろうは厠組の仲間である。
だが油断は出来無い。


(つづく)



人が見ていないことを確認して(^^;こそこそ連続投下…。
(2007/10/31 )

じゅんたろうの後にはあの、
クロラッパ組がついているみたいなのである。
あそこの大親分は試食大好きと聞いている。
いつついでの試食につきあわされるか知れたもので

はない。
油断は禁物だ。

思えばこの春も、
つい勢いにのせられて、
苦界に大発生した季節はずれのツバキンで、
マイムマイムを踊ってしまった。

あの時、
苦界に山と積まれた
ツバキキンカクチャワンタケは、
日頃鍛えたじゅんたろうの豪腕ならではの産物だっ

たと桃里は思う。

幻覚系変異キノコがいくつか
紛れ込んでいたように思ったが、
誰も気にしていなかった。
分類は大事だが、
ここではノリの方がもっと大事なのである。

いかにも細かそうな人に限って、
悪ノリが大好きだったりするのだ。
ハマウツボの着ぐるみを着こんだ人物が、
嬉しげに手を振りながら、
脳裏をよぎっていった。
いけない。
記憶が混乱している。桃里は頭を振った。

じゅんたろうの顔色が変った気がして、
桃里は顔を上げた。
じゅんたろうの視線の先を辿ると、
皿の上で未提出の兼題がヒラヒラしていた。

もしかして、
じゅんたろさんも仲間なのだろうか。

「あたしはhoragaiカレンダーを使うわっ!」
突然じゅんたろうが雄叫びを上げた。

「桃ちゃんもそうしなよ、ねっねっねーっ」

今にもカウンターを乗り越えて迫ってきそうな勢い

で、
ねっねっねーっを繰り返すじゅんたろうに、
涙目になりそうな桃里を感じた。

さっきから握りしめたままになってる
赤いキノコが気になって仕方無い。
アレから何か、
イケナイものが出てはいないだろうか。

桃里は抜けそうになっている腰を、
某所で稼いだ座布団を掴んで必死に耐えた。

桃里は仙人とはいえ見習いである。
ちょっと意気地が無い。
お師匠様を探し出して、
何とかして下さい〜〜とすがりたい所ではあるが、
相手は仮アップを駆使して、
川や林やなにやら怪しいズブズブの深みに
あっという間に身を隠してしまう
百戦錬磨のツワモノ逃亡者なのである。

「歩く植物図鑑」なお師匠様には、
どこまでもついていきたい桃里も、
「歩くカメムシ図鑑」や、
「歩く変形菌図鑑」辺りになると、
ちょっと怪しい。
「歩く虫瘤図鑑」辺りになると、
ギャーと叫んで涙目を隠せない。
虫瘤でも虫部屋でも「中にいる人」はやっぱり苦手

である。
だって、女の子だもん。

桃里はここまで考えて、
迷走する右脳にブレーキをかけると、
ぐっと歯を食いしばった。

仙人は、
こんな事で怯んではいけないのだ。
いけ、いくのだ桃里よ。
いってあの栄光の★を勝ち取れ。

桃里は懐から杖を取り出し、
呪文を唱えた。

「あれれれれ11月は神隠しーー!!」



苦界を冷たい風が吹き抜けていった。
11月はちゃんと隠れてくれただろうか。
桃里はほんのちょっと自信が無い。

だって桃里は見習い仙人なんだもん…。


(終わり)


ごめんなさい、ごめんなさい。
今日のお昼当たりから妄想が暴走してしまいました。
あぁ、ぶたないで、ぶたないでぇ〜っ
(ノ;★\バキ★\バキ

コメント(9)

クリップ2000字枠にかかりそうなので続編はコメント欄に入れました。

今更と思いつつ…こそこそ、
スミマセンスミマセンしりーず第二弾投下
(ノ;★\バキ。 (2007/11/21)

■右脳苦界脱線SS
「サマンサと麻姑仙人」



西洋カボチャ騒ぎの夜が明けると…。
果たして11月はちゃんと来ていた。


あうっ、11月の神様のバカ。

桃里はへこんでいた。
ちょっとだけど頑張ったのに。

いや、待て桃里よ。
桃里はふと頭を上げた。

11月が隠れていては、
12月だって来にくかろう。
12月が来なければ、
クリスマスだって来ないに違いない。
他教の祭りがどうなろうと、
仙人の知った事では無いのだが、
全国のお子様の夢まで奪ってしまうのは、
いかにも冷や汗ものである。
あ、危なかった。

11月の神様、
ちゃんと来てくれて有り難う。
バカなんて言ってごめんなさい。

桃里は深々と頭を垂れた。



「あ〜、見つけた〜」
きゃぁきゃぁと言う声がして、
桃里は顔を上げた。


いかにも魔女らしい長いマント姿が、
「バー睡蓮」の扉を開けて入って来た。

キラキラした金髪が肩の所で
外側に向かってはねている。
寝癖などでは無い。
11月の兼題スタイルである。

「ま、魔女様、やりますね。
山姥スタイルはもうなさらないんですか」

「あははは、狸さんのリクエストだったので、
頑張りました〜」
まじょまじょはニコニコしながら、
マントをつまんで持ち上げ、
その下に山姥の作務衣をちらりと覗かせると、
本当は「魔女宅」スタイルがしてみたかったんですけどね〜、
と、頭をぽりぽり掻いた。

まじょまじょはジブリオタである。
「魔女宅」とは、
「魔女の宅急便」を短く縮めた
オタク呼称であった。

桃里はちょっと怯んだ。

桃里も相当マニアックではあるのだが、
専門オタさんに提供出来る様なオタネタを
持っているかというと、
ちょっと自信が無い。

だ、
誰かいないかしら。
辺りを見渡す。

「バー睡蓮」は今日も暇である。
暇すぎるのがいけないのか
単にキノコの季節だからなのか、
女将のじゅんたろうの姿も見えない。


どこからか
ぐふっ(喀血)。
という声が聞こえ、
バス停の脇で吐血しているマンジュシャゲの背中を
楽しそうにさすっている人物が、
脳裏をよぎっていったが、
頭を振って見なかった事にした。

桃里は見習いではあるが仙人である。
蘚苔類だって地衣類だって、
いつかはみんな友達
なのである。
こんな事でへこたれてはいられないのだ。

「見てましたよ〜、杖、出してましたね〜」
明るい声が、
桃里をてづるもづるな思考沼から引き上げた。
うふふふふ、と、笑いながら、
まじょまじょはマントから杖を取り出し、
「神隠し〜」と唱えた。

「ひぃ〜、勘弁して下さい」

桃里は耳まで真っ赤になりながら、
まじょまじょの手から杖をひったくった、

(続く)
■サマンサと麻姑仙人(つづき)



「こ、これが有名な、
魔女の杖ですかぁ〜?」

いかにもわざとらしい大声で、
話題転換を図った桃里に、
なんでですか〜、
面白かったのに〜、
と、まじょまじょはブツブツ言いながら、
それでも桃里が掲げた杖を大事そうに受け取ると、

「本当はダイアゴン横町の
オリバンダーの奴が欲しいんですけど、
テロが怖くて買いに行けないんですよ〜」
と、悲しげに首を振った。

ダイアゴン横町はロンドン郊外のどこかにあるという魔法使いの専門店街、
そこに店を構えるオリバンダー老人の杖は、
世界屈指の名品だと言われる…、
まじょまじょは
ハリポタオタでもあった。

「ざ、材質は何ですか」
ハリポタを途中までしか読んでいない桃里は、
再び窮地に追い込まれる自分を感じた。

「樫ですよ。樫の木モックの樫〜。
芯は七尾です〜」

山姥村のアニータが、

“モックモック〜、樫の木モック〜♪”

と、
楽しそうに歌い出した時、
マントがゆらりと持ち上がり、
その下から現れた複数のふさふさしたものが、
リズムに併せてばさりばさりと音を立てても、
桃里は泣かなかった。

桃里は見習いとはいえ仙人である。
こんな事はなれっこさ。
びっくりしすぎて、
声が出ないだけかも知れないけど。
か、神様、
お師匠様、
何か別の話題を〜。

桃里は目の前で右に左に揺れている立派すぎるふさふさの本数を、
数えないで済む様にしっかり目を瞑り、
必死に考えた。

「へ、へぇ〜、
魔女様の杖はカシなんですかぁ」

桃里はちょっぴり声をうわずらせながら、
さりげなく懐に手を突っ込んで、
自分の杖を引っ張り出した。


「仙人の杖はアカザが一般的…」

らしいんですよ〜

と、
言いかけて、
桃里は言葉を無くした。

まじまじと見つめた自分のそれは、
ちょっと短すぎる気がした。
仙人杖は大体、
二尺三寸前後では無かったか。

桃里は眉を寄せた。
確か麻姑仙人由来の品だと聞いていたが、
形もちょっと変である。

仙人杖の杖先は尖っていて、
握り手の所が「孫悟空のキントウン」みたいな形に
曲がってはいなかっただろうか…。

桃里が手にしている、
明らかに竹製であると思われるそれは、
小さな手の形をしていた。

麻姑仙人と、

…手?

マ、マゴノテ?

…マゴノテー!?


※マゴノテ/参照HP
http://www.eonet.ne.jp/~pilehead/osaka_word/text/honbunmaka.htm


苦界を赤い夕日が染めていた。

桃里は見習い仙人である。
毎日が修行の連続だ。
だがしかし、
作者のこの仕打ちはちょっとムゴイと、
涙目で思うのだった。


(終わり)

あぁ、またやっちゃった(^^;。
これは11月の神隠しのすぐ後に書いて、
桃里さんに送りつけてた奴を、
ちょこっと手直しした物です(^^;。

でも、
バースイレン窮乏で山駆けしてるじゅんたろさんに、
狸汁の材料にされそうになって大ピンチワシャーさんとか、
右脳苦界サトイモ群落のばくち打ちそのばしさんとか、
noraさんの使い魔アンコウの魔の手じゃなくて足鰭から、なんとかトビを助けようとしているカヤさんだとかとかを登場させられたらもっと楽しか…イテテッ(--;★\バキ。
ス、スミマセンm(_ _;m。
ぎゃっはっはっはっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何度読んでも爆笑わーい(嬉しい顔)

noraさん ありがとうです〜〜
脱線スレにコメント入れていいのかなーと、
なやんでいたら、ぎょぎょーっ。


あ、明日の夕日見てしまう
(;;;;★\バキ
noraさんナイスです。UPありがとうございますハート

やったねお花さま、続編もUPできるね。こそおっと。
桃里は仙人だけど、そろそろ脇役がいいなあハート達(複数ハート)
目がハート きゃ〜〜〜きゃ〜〜〜(爆笑)

これ、プリントアウトしてもいい〜exclamation & question


ハリポタなんかより ずうっと面白いシィ〜〜手(チョキ)
流杏さまいらっしゃいませ、お座布団をどーぞ。ハート

三ツ星バー睡蓮内、常設図書「右脳苦界サイドストーリー」
爆笑連載中です。またごゆっくりお立ち寄りくださいませ。
お待ちして居ります。・・・板前見習い補佐?nora

>やったねお花さま、続編もUPできるね。こそおっと。

もうこそおっとはダメです(笑)。
のんびりと気の向くままに、続編お願いいたしますね。^^


苦界マネージャーnora、次の作家のスカウトも狙ってます地球うきゃ湯のみ
>noraさんナイスです。UPありがとうございます

やったねお花さま、続編もUPできるね。こそおっと。
桃里は仙人だけど、そろそろ脇役がいいなあ

す、すまぬ、桃里さんよ。
実は理系脳みそには、
主役決定権なぞという高級機能は
付いて無いのだよ。
これはきっと、
右脳シグナルセンシング…由来は多分桃ちゃん菌
(--;★\バキ。

しかし何かまた、
イケナイものに憑依されたら
コソコソやりましょう(^^;。

皆様(ふ、ふふっ、る、流杏さんまで…汗)、
愉しんで下さって有り難う(笑)。

そ、それから
noraさん管理人様、
いつもトピ荒らしてばかりでごめんなさーい。
m(_ _;★\バキ。
(^^;。

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