ゴスペルハウスコミュの「一匹の羊・一枚の銀貨のたとえ」2022.04.03

ゴスペルハウスメッセージ 2022.04.03
「一匹の羊・一枚の銀貨のたとえ」ルカ15:1-10

1 さて、取税人たちや罪人たちがみな、話を聞こうとしてイエスの近くにやって来た。
2 すると、パリサイ人たち、律法学者たちが、「この人は罪人たちを受け入れて、一緒に食事をしている」と文句を言った。
3 そこでイエスは、彼らにこのようなたとえを話された。
4 「あなたがたのうちのだれかが羊を百匹持っていて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。
5 見つけたら、喜んで羊を肩に担ぎ、
6 家に戻って、友だちや近所の人たちを呼び集め、『一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うでしょう。
7 あなたがたに言います。それと同じように、一人の罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人のためよりも、大きな喜びが天にあるのです。
8 また、ドラクマ銀貨を十枚持っている女の人が、その一枚をなくしたら、明かりをつけ、家を掃いて、見つけるまで注意深く捜さないでしょうか。
9 見つけたら、女友だちや近所の女たちを呼び集めて、『一緒に喜んでください。なくしたドラクマ銀貨を見つけましたから』と言うでしょう。
10 あなたがたに言います。それと同じように、一人の罪人が悔い改めるなら、神の御使いたちの前には喜びがあるのです。」

今週の聖書箇所は、「一匹の羊・一枚の銀貨のたとえ」です。
イエスさまがたとえを語るきっかけになったのは、パリサイ人や律法学者たちの文句（皮肉）です。
「この人は罪人たちを受け入れて、一緒に食事をしている」（２節）
彼らは、皮肉を言ったつもりだったのですが、罪人を受け入れてともに食事をするという、イエスさまの本質を言い表しています。
敵対しているからこそ、いつも気にして監視しているからこそ、彼らは気がついたのでしょうね。

さて、羊は、視力があまり良くなく、弱い動物です。
なので、群れていなければ、そして羊飼いに守られていなければ、肉食動物に簡単に襲われてしまいます。
視力が悪いのに、バラバラにならずに群れで移動できるのは、前の羊のお尻を見てついて行くことと、隣の羊との距離を適正に保つことによって、可能になります。
小魚（イワシなど）の大群が、ぶつからずに一つの大きな群れになって泳ぐことと同じ理屈です。
ですから、一旦躓いてしまうと、一旦群れから離れてしまうと、自力で戻ることが困難になります。

銀貨十枚は、一セット（一組）になって価値がある物だったという人もいます。
なぜ組になるのかというと、持ち主がそのように居場所を決めたからです。
しかし、地震などの揺れがあれば、また、なにかがぶつかれば、銀貨は転がっていってしまいます。
コロコロと転がった銀貨は、もちろん自力で戻ることはできません。

今日の２つのたとえばなしは、同じことを表しています。
第一に、羊にも銀貨にも、持ち主がいるということです。
そして、持ち主が定めた、本来いるべき場所・本来あるべき場所があります。
羊飼いは、すべての羊に、それぞれの名前をつけて世話します。
また、お金には、必ず持ち主があり、持ち主の名義があるのです。

第二に、それらが何らかの理由で失われ、持ち主が一生懸命に捜します。
見つかるまで、全力で捜すのです。

第三に、見つけたら、本来あるべき場所に取り戻し、大いに喜ぶのです。

持ち主は、神様を示しています。
一匹の羊・一枚も銀貨は、そこからはぐれてしまった人です。
なにかの理由があって、神様を信じられなくなった人です。
なにかがあって、自分が神様よりも偉くなってしまった人です。
また、自分の価値がないように卑下してしまった人です。
神様は、その人を見捨てることなく、一生懸命に全力で捜します。
それは、その人を本来あるべき場所に、本来あるべき価値に、戻すためです。
そして、その人が、それは、あなた自身のことですが、戻ってくることを大喜びするのです。
そのために、イエスさまを十字架につけたのです。
神様のひとり子のいのちを差し出すほどに、あなたは愛されているのです。

九十九匹の羊は、九枚の銀貨は、大喜びする持ち主（神様）とともに、喜べばいいのです。
でも、九十九匹よりも、九枚よりも、一匹・一枚に対して大きな喜びがあると聞くと、なんだか損した気分になります。
野に残された九十九匹の羊、置かれたままの九枚の銀貨は、屈託なく喜ぶのは、難しいかも知れません。

しかし、あなたは羊なのです。
しかし、あなたは銀貨なのです。
なにかあったら、はぐれることがあるのです。
なにかの拍子に、あるべき場所を失うことがあるのです。
たとえ神様を信じていたって、揺れることがあるのです。
あなたは羊で、あなたは銀貨なのですから。
人は、もろく、弱く、ずるい存在なのです。

その一匹のあなたのために、その一枚のあなたのために、十字架のイエスさまの愛が必要なのです。

もうすぐイースターです。
あなたのための十字架を、あなたのための復活を、待ち望みましょう、喜びましょう。