日記ロワイアルコミュのいい漢字。やな漢字。

日本で現在使われている常用漢字は約2100文字。
異体字や略字をカウントするのかどうかにもよると思いますが、日本で作られた漢字なども含めると約５万文字余の漢字が存在していると言われています。

そんな漢字の中には、色々と面白いものが沢山あります。

■日本一長い読み方の漢字選手権

①砉

読み：ほねとかわとがはなれるおと（13文字）

表現が恐ろしい上に、一文字で物凄く欲張ってます。
普通に書くと『骨と皮とが離れる音』となるところが、この一文字だけで全て事足りてしまいます。

悪者『金の隠し場所を喋らないとお前の相棒はもっと辛い目に遭うぜ…』

A『くっ！卑怯だぞ！』

B『絶対に喋るな！俺はどうなっても構わない！』

悪者『ふふふ…そんな強がりを言っていられるのも今のうちだぜ』

A『や、やめろ！』

悪者『ほら…どうだ聞こえるか？こいつの砉が…』

B『ぐあぁぁぁぁぁぁ！』

なんだろう……緊迫感が伝わらない上に、凄く味気ない。

そして同じく１３文字で首位タイの漢字がこちら。

②裋

読み：まつりのそなえもののかざり（13文字）

祭りの供え物でもなく、供え物の飾りでもなく、祭りの供え物の飾り。
祭りだから供え物するぜ！という行為自体そこまで頻度が高くない(※あくまでも個人の感想です)のに、その供え物に飾りを付けちゃうなんてもう死ぬまでそんな機会に恵まれないんじゃねぇの？ってくらいピンポイント感満載。
そんなピンポイント感満載なのに漢字が存在しているなんて感動すら覚える。いや嘘。感動なんて覚えない。

『おーい、母さん。そこに置いてある裋を取っておくれ』

文字で見ると簡潔で良いのかもしれませんが、実際に声に出す場合は『まつりのそなえもののかざり』って言わなくちゃいけない訳で、そうなると面倒臭いから『かざり』とか『供え物のアレ』的な言い回しを使うと思うんですよね。
便利っちゃあ便利な漢字かもしれませんが、僕の人生において『祭りの供え物の飾り』が含まれる文章を書く事は無いと思うので使わない。

まぁそれを言い出すと『骨と皮とが離れる音』も使う予定は無いんだけれど、何が一番言いたいかというと、『骨と皮って…その間に存在している肉の立場も少しは考えてやれよ』って話。

御存知のように漢字には音読みと訓読みが存在しています。
誤解を恐れずに、ざっくり簡単に説明すると、音読みが中国の読み方で訓読みが日本での読み方。

『犬』
音読み：ケン
訓読み：いぬ

『中国から『犬』って文字が入ってきたで』

『その『犬』って何て読むねん』

『どうやら『ケン』って読むらしいで』

『その『ケン』がそもそもなんやねん』

『日本で言うところの『いぬ』の事らしいで』

『ほな『犬』って書いてあったら『いぬ』の事なんやな』

まぁ要は中国から入ってきた漢字の意味を、日本で使われている意味に訳したのが訓読み。

もうお分かりですよね？
上記の二文字の読みは訓読みです。

砉の音読みは『ケキ、キャク、カク、ワク』
これが中国では骨と皮が離れる時の音の擬声語らしいのです。

これを先程の『犬』という漢字の例えに当て嵌めて頂けると分かり易いのではないでしょうか？

『その『ケキ』がそもそもなんやねん』

『日本語でいうところの『骨と皮とが離れる音』らしいで』

『ほな『砉』って書いてあったらベリベリとかバリバリとかそういう意味なんやな』

『いや、ちゃうちゃう。そこは『ほねとかわとがはなれるおと』やで』

『は？なんでやねん』

いや、本当になんでやねん。
『犬』が『いぬ』と読まれる流れから考えると、こんな風に『砉』の訓読みは『バリバリ』とか『ベリベリ』にならないといけないと思いません？

砉＝ほねとかわとがはなれるおと

の理屈で考えると

犬＝わんわんなくどうぶつ

とかになっちゃわないの？そこんとこどうなの？どうでもいいの？そうだね、どうでもいいよね。

上記二文字は日本一長い読みと言われておりますが、厳密に言えば訓読みではなく、漢字が持つ本来の意味の解説という位置付けが正しいのではないかな？と個人的には思います。知らんけど。

そもそも『漢字の解説＝訓読み』が認められるのであれば、下記の漢字の方が読み方は長いんですからね。

③閄

読み：ものかげからきゅうにとびだしてひとをおどろかせるときにはっするこえ（33文字）

もう無茶苦茶じゃないですかｗｗｗ
漢字テストで『読み仮名を書きなさい』なんて出題されても、『先生！解答欄が小さくて書ききれません！』の世界です。

因みに『閄』の音読み、すなわち中国の『物陰から急に飛び出して人を驚かせる時に発する声』はどんなんなのよ？って思いません？

閄＝コク

想像してみて下さいよ。
暗い夜道を歩いていると、物陰から人が急に飛び出してきて貴方に言うんです。

コク。

驚く？ねぇこれで驚く？
物陰から急に飛び出された時点ではドキッとするだろうけど、そこで飛び出す『コク』で一気に萎えません？
ここで中国人が言う訳ですよ、『違うアル違うアル。コクはもっと感情込めて大きな声で言うアルヨ！』ってね。
それに対して僕は『感情込めて大きな声で言えばコクじゃなくても驚くじゃねえか』って思うけど言わないの。黙ってにこにこ頷くだけにしとくの。国際問題に発展すると面倒臭いもんね。それより以前に中国語が喋れないし。

■漢字ツッコミ

④轢

読み：ひく

見たまんまなんですが、『轢』って字は車偏に楽しいって書くんですよね。

『た、大変だ！人を轢いちゃった！』なんて一大事ですよ。相手が死んじゃったりしようもんなら、一生その十字架を背負って生きていかなくちゃいけないくらい一大事。
そんな状況で使うのに、車偏に楽しいなんです。誰がどう考えても楽しくない。

轢＝ドライブ

これなら理解出来ます。楽しいですからね。
なんで楽しくも無いのにこんな字になっちゃったんですかね。

はっ！もしかして…

『いっそ轢き殺して楽にしてやれ』って意味？その『楽』なの？

それなら納得するしかないわ。うん。

⑤鱶

読み：ふか

魚偏に養う。
見るからに『はじめまして！養殖魚です！』って雰囲気を醸し出している漢字なのにフカですよ。要はサメの事ね。

人間でも食べちゃうぜ！なんならコーラのフタも捨ててやるぜ！ってくらいワイルドな魚なのに漢字はすっげー軟弱なのｗｗｗ誰にも養ってもらうんだよｗｗｗあれか？スピルバーグかｗｗｗボクのことジョーズに養ってねってやかましいわｗｗｗｗｗ

⑥騼

読み：ろく

この漢字が表しているのは、野生の馬の事らしいんですよ。

えぇ、分かります。
皆さんも僕と同じ事を考えておられるのでしょう。
じゃあ『せーの』で一緒に言いましょうか。

はい、せーの！

『一緒に並んでいる鹿の立場も考えてやれよ！』

え？違いました？
じゃあ何？もしかして馬と鹿が並んじゃってる部分？そっち？あぁ、そっちね。うん、酷いよね。

⑦鰍

魚偏に秋。
秋の味覚、中でも魚で言えばやっぱりサンマですよね。
魚偏に秋と書いてサンマだなんて、昔の人は上手いこと考えたもんですねぇ。

読み：かじか

お前誰だよ！ｗｗｗ
サンマを差し置いて『秋』の称号貰ってんじゃねーよ！ｗｗｗ

実際の鰍(カジカ)は、なんだかとっても気持ち悪い。 ※写真参照
こんな見た目ですが、秋が旬で鰍の肝は『海のフォアグラ』と呼ばれるほど絶品らしいです。

それでも、それでも秋が旬の魚と言えばサンマでしょうよ。

そもそも『鰍』は中国では『どじょう』の事らしいです。そこもフワッとしてるんならサンマに譲ってやってよ！

ところで、サンマを漢字で書くのは『秋刀魚』が一般的ですけど、一文字で表す漢字もあるんじゃねぇの？って思いません？一文字で書けないとこんなに有名な魚なのに寿司屋の湯呑みに書いてもらえませんもの。

大正時代頃までは『魚偏に祭』と書いてサンマと表現していた事もあるようですが、どうやら現在では『秋刀魚』のみなんですって。

いいじゃん。
湯呑みに登場させる為にも、『魚偏に祭』でサンマって読ませる流れを復活させようぜ！

⑧鰶

読み：このしろ

なんなんだよ！ややこしい！ｗｗｗｗｗ

そもそも『コノシロ』を表す漢字には『鮗』とか『鯯』とか『鱅』とか色々あるんですよ。それなのに『鰶』までサンマから奪うなんて酷い！

きっと純真なサンマを騙してコノシロが無理矢理に奪ったんですよ。
あいつ『え？僕は何もしてませんよ？サンマさんがくれたんです』とか澄ました顔で言うんだろうな。すげー性格悪いわ。間違いなく腹黒だわ。

それにしてもサンマのハラワタって黒くて苦いよね。