日記ロワイアルコミュの地デジ詐欺

「おばあちゃん。このテレビね。来年には映らなくなっちゃうんですよ」

「まだ買ったばっかだけんね」

「いつ買ったの？」

「義男ん大学行く時にお祝いで買ってやったただけーが．テレビは持ってるでばーちゃん使うさ．ってもらっただもんで５年くらい前じゃないかやあ」

「５６年製って書いてあるよ」

「こないだじゃん」

「アナログ放送つーのが終わっちゃうもんでね．今のテレビは全部駄目んなっちゃうんですよお」

「あんだって？」

「アナログ放送」

「はあ？」

「とにかくデジタル放送ってのに変わるんですよお」

「ＢＳなら付いてるで．はあええよ」

「衛星とは．またちょっと違うものでね」

「なんだ．また増えるだかね？」

「・・まあ。そうです」

「チャンネルばっか増えたってしょんないで」

「でもね！水戸黄門とか笑点とか見れなくなっちゃうんですよ？」

「なんで！」

「地デジってのに変えないと見れないんですよお」

「朝ズバもかね？」

「朝ズバも見れなくなっちゃう！おもいっきりテレビも！」

「そりゃ困るねえ」

「このチューナーって言うのを取り付けないと駄目なんですよお」

「それ付けりゃ見れるだかね？」

「見れるよー！歌丸が綺麗に見えるよ！」

「別に歌丸さんは綺麗じゃなくてもいいよ」

「楽太郎が綺麗に見えるよ！」

「いいよ別に」

「氷川きよしが綺麗に見えるよ！」

「お幾ら？それ幾ら！」

「今特別セールしてて２０万のとこ１２万で勉強させてもらってるですよお♪」

「高いだねえ」

「春になったら２０万じゃ付かないよお？」

「だけん高いよお」

「今なら電子辞書もおまけに付いてくるよ！」

「そんなもん貰っても使えんだで」

「それに今日買ってくれればマッサージ椅子もおまけで付けちゃうよ！」

「それは欲しいねえ」

「じゃここに名前と住所書いちゃって！」

「だけん取り付けられんもんでさ」

「工事の人も連れてきてるからっ♪すぐだよ！」

「そーかい？」

「すぐすぐ♪」

「じゃー頼まっかねえ」

「あとハンコもちょーだいね♪」

「はいよお」

「・・・はいっ♪これでよしっと♪おばあちゃんありがとねえ」

「じゃあこれ１２万円だで．数えてね」

「あ～！おばあちゃん！工事費が１６万かかるからさ全部で２８万ね」

「あんたそんな事言ってなかったじゃん」

「あれー？この契約書のここには書いてあよね？」

「・・・あんたら詐欺師だね？」

「人聞きの悪いこと言ってもらっちゃ困るよ！もうこうやって取り付けも終わってるんだから！」

「じゃクーリングオフしてもらおうかね？」

「な何言ってんの？」

「消費者の権利だで」

「ばば馬鹿なこと言い出すんじゃねーよ！」

「当然の権利。まだ一週間以内だよね？」

「もう契約は成立したんだよ！」

「あ。そう？解約に応じないのね？」

「当たり前だ婆ァ！なめんなよ！」

「あらそう？うちはね。ほら見てご。あそこにあたしを心配した東京の息子が監視カメラつけててね。録画もしてるみたいだだよ。全部このやり取り残ってるから声も全部」

「だだだからなななんだ！」

「告発？」

「ちょちょちょっと待ちなさいよ！早まっちゃ駄目駄目！じゃー工事費は半額にサービスしちゃうからさ」

「チューナー取り付けに８万てのも．ずいぶんなボッタクリだね？」

「じゃーわかった！工事費サービスしちゃうから！」

「そのチューナーも原価１万しないよね？」

「なななんで・・」

「あんまふざけてると追い込むよ！あんたら顔われてんだからね！」

「失礼しましたーーー！」

「１２万置いてきなっ！」

「ひいい！はいいい」

「電子辞書！」

「ははあーー！」

「マッサージチェアー！」

「鬼！悪魔！」

「あんだと？」

「きょええー！ごめんなさいいいい！」

「ほーら義男♪またチューナーがタダで手に入ったよお♪」

「ばーちゃん。今度はテレビにしてくれよ。チューナーばっか５台あってもしょうがないよ」

「贅沢言うじゃないよ！」

「ごめんなさい」