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社長三国志馬鹿一代☆出張版コミュのこっそり、新作♪  悪魔の千本ノック!!

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  毎回、鬼みたいに書くことがあるんで、日記更新しまくって迷惑をかけることがあるので、たまにこっち限定で載せる話もいろいろ載せておきます。



  読んだ方はテキトーに感想なり、よろしく。

コメント(4)




  「斬馬剣」



  武器屋に入った彼が見たのは、まるで人間の大人ぐらいの刀身の大刀だった。
  なかなかの業物だな。
  だが、これほどの大きさ、重量になると並のものでは扱えまい。
  馬の上から、相手の鎧武者を打ち殺すことを想定して鍛えられた大剣。
  自分が使うことはおそらくない。
  彼は自身の力量をそれほど卑下はしなかったが、この剣を使用するに要するであろう膂力を己が身に付けていないことも理解していた。
  こういう代物を使ってくる相手もいずれは出て来るかもしれんな。
  堂々とした体躯の戦士ならば、軽々と使いこなせるかもしれぬ。
  その威力は強大無比。
  だが、その反面使い手を選ぶし、長時間使えるものなどではない。
  「さすがにこれは無理だな」
  手に取ろうものなら、よろめいてしまうだろう。
  武器は遊び半分で触れていいものではないが、そういった思いをあらためて胸に刻んだ。
  もし、このような代物を使う使い手が目の前に現れたら、俺は戦えるだろうか?
  背筋に冷たいものが走るのを、振り払い、彼はその場を後にした。




           了


  



  「氷の剣」




   旅の中、愛用の剣の刃こぼれが激しく使い物にならないと判断した彼女は都会の武器屋を覗いてみることにした。
   戦士でもあるが、その前に女でもある。
   強く、それでいて美しいものが欲しい。
   漆色の蛇のような髪を撫で下ろしながら、店の中に入り込んだ彼女は店内に陳列されている武器たちに目を通した。
   どこにでも置いてあるような、銅の剣や、鋼鉄の剣などもそうだが、それ以外にも高価なものがあった。
   真っ赤な蛇のような刀身の剣は炎で鍛えた魔剣だった。
   ちょっといいかも。
   と思ったが、炎系統の剣は扱いが大変のような気がした。
   それに、暑苦しいイメージがあった。
   妙齢の女性である彼女としては、オシャレなものが欲しいな、と思った。
   武器を買いに来たはずが、髪飾りやイヤリングばかり買っているうちに、財布の中から紙幣が何枚かなくなったことに気付き、彼女は苦笑した。
  「せっかく来たから、って調子に乗ってたら駄目ね。 後は、剣を一振りぐらいね」
  何本か見て、なかなか気に入ったものが見つからないなと思った彼女の目に飛び込んできたのは一振りの純白の剣だった。
  真っ白な鞘は真珠のような輝きをしている。 剣の柄には祈りを捧げるような表情で瞳を閉じた、女神のような少女が彫られていた。
  「素敵ね」
  若い女性の冒険家が、その装備品を多少見た目で選ぶように、彼女もそういった例から漏れなかった。
  手に取ってみる。
  長さは、脇差ぐらいの長さ、重さもそう重くはない。 長旅でも荷物にならないことは間違いなかった。
  抜いてみる。
  横に添えられていた説明書に目を通す。
  高位の魔術師たちが精魂込めて練成した氷魔石を鍛えて、それにさらに外側から凍気を撃ち込んで鍛えた、業物だった。
  だが、そんなことよりも彼女が気に入ったのは、デザインしたのが有名な芸術家だったことだ。
  これを買えば、少しは・・・。
  あきらかに戦闘とは関係もない妄想を膨らませながら、彼女はしばし、自らの財布と相談することに、した。




        了




   「老将の剛弓」

  

   やることもなく時間を持て余すのも癪だったので、書斎の整理を終えると、なじみの武器屋にでも行ってみることにした。
   別に買いたいものがあるわけでもないが、眺めていると何か浮かぶかもしれない。
   そんな気で店内をぶらぶらと見るともなく眺める。
   平日なのに、客は結構入っているようだった。
   若い夫婦風の冒険者が、すべての装備を同じに統一して購入したりしているのに多少の羨ましさを感じる。
   もし、恋人がいれば、ああいうふうに笑えたかもしれないな。
   叶わぬであろう夢を夢想しようとした私を呼び覚ましたのは、一個の弓だった。
  「大きいな」
   女子供ではもちろん、大人の男でも扱えるかどうかわからないぐらい大きい、剛弓と呼んでさしつかえないようなものがそこにあった。
   古の武人が使ったものだろうか。
   かなり古い年代のものだろうが、手入れがいいせいか、さして古いもののように思えなかった。
   おそらく、まだ使えるのだろう。
   「いいものだな」
   「わかりますか?」
   店内を徘徊していた中年の店員が私の独り言に反応し、目の前に現れた。
   「さすがにこれほどのものになると並のものでは扱えまいが」
   引っ張るのも困難に見えた。
   「さぞや名のある猛将が使ったのだろうな」
   堂々たる巨躯の武将が、怒号を挙げながら馬上から弓引く光景が浮かんだ。
   「実は、この弓の使い手は老人だったそうです」
   「老人?」
   弱々しく、老いさばらえた姿とこの弓と居丈夫ぶりが結びつかず、私は首をかしげた。
   「遥か彼方故に伝承は薄れてますが、この弓の使い手は『老いてますます盛ん』と豪語するような猛将だったそうです」

   老人でさえ、このような弓を引くというのか。
   そう思うと、ひ弱なこの肉体を恥ずかしく思った。
   「さすがにこれほどの弓を引くのは無理かもしれんが」
   「ふふふ。 実はこれは売り物ではないのです」
   「なるほどな、これほどのものなら、売り物にしてようと誰も扱えないだろうしな」
   「ですよね。 だからこそ、もしこの弓を弾けるほどの豪傑が現れたなら、差し上げてかまわないと支配人から言われています」
   さすが、尚武の国だ。
   こういうものを扱おうという志ぐらいは、この胸に秘めていてもいいのかもしれない・・・。




              了



    「武曲/舞」

  

   目の前に現れた戦士の一撃をかわした、彼は背後に冷気を感じた。
   最前、敵手が振り下ろした太刀筋が虚空に線を描く度に、冷気の飛沫がこちらに飛来する。
   最少の動作でそれらを捌き、体勢を立て直した彼は青眼の構えで相手の動きを見極めんとした。
   覆面をしているせいか、性別まではわからないが、どちらかというと小柄な体型をしているように見えた。 一撃必殺というよりも、手数で来る。
  そう見取った彼は、突撃してきた相手の一撃を真横に転倒しながら、回避した。
  突き、払い、突き。
  流麗な三段攻撃。
  素早さで言うなら、一流と呼ぶに相応しいだろう。
  防戦しながら、反撃の刻を待っているが、下手に欲を出せば、大怪我ぐらいではすまないだろう。
  ほとんどの攻撃を、どちらかというと軽い代わりに手数を多く出来るものにしているかわりに隙らしい隙が見出せない状況。 気付いたら、追い詰められている。
  熟練の戦士なのだろう。
  こちらが何か下手を打てば、その時にこそ最大の剣を繰り出すであろうことは容易に想像出来た。
  白い風が足元から湧き出たような錯覚があった。
  「!?」
  咄嗟に反応出来なければ、手首ごと剣を奪われていたかもしれない。
  浅く斬られた手の甲から、どろっと血が零れた。
  幸いにして、毒が塗られていないことは血の味でわかった。
  
  強敵だな。

  久々の強敵に、彼は油断や甘さを捨てねばならないことをひどく思い知らされた・・・・・・。







            了
  

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