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カナダの歴史と政治コミュのイギリスと日本の首相がカナダよりよく代わる理由

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 イギリスのキア・スターマー首相は6月22日、辞任を表明した。これでイギリスは、ここ10年間で7人目の首相を迎えることになった。
 デビッド・キャメロン首相は2016年、意に反しEU離脱させられることになり辞任した。テリーザ・メイ首相は、EU離脱の条件について自党の合意を得られなかったため、2019年政権を投げ出した。ボリス・ジョンソン首相は、コロナ流行時にスキャンダルが相次いで発覚し、2022年に辞任した。リズ・トラス首相は、財政的裏付けを欠いた大胆な積極財政で「トラス・ショック」をひき起こし、2022年に辞任した。リシ・スナク首相は、2024年総選挙に大敗して辞任した。

 カナダの政治は、イギリスのものを模倣し極めてよく似ているのに、なぜイギリス(と日本)の首相はカナダより頻繁に代わるのだろうか。ハーパー首相の広報を務めたアンドリュー・マクドゥーガル氏は、スターマー氏が総選挙で圧勝できたのは、国民を納得させる壮大なビジョンがあったからではなかったと指摘する。
「スターマーが選挙に勝てたのは、彼が保守党ではなかったからだ。」
「彼は総選挙の早期実施の計画を聞いて、具体的な計画もなしにダウニング街10番地(の首相官邸)に飛び込み、今日の惨事を迎えた。」

 カナダでは主要政党は、定期的に全党員による党首の信任投票を実施するが、それは党首が首相にならなかった場合のみだ。2015年には改革法が成立したので、両院議員で構成される幹部会で改革法を採択すれば、党首選を強制できる。だがこの規定が適用されたのは、2022年のエリン・オトゥール党首(保守党)だけで、彼は即時辞任した。
 連邦議会に議席を持つ党で、党員による信任投票で不信任されたのは、2016年のトム・マルケア党首(新民主党)しか思いつかない。2021年には緑の党のアナミー・ポール党首が、総選挙での不振と自身の落選のため、辞意を表明したにもかかわらず、1か月経っても辞任しなかったため、党首の信任投票が始まってしまい、急遽辞任する騒動を起こしている。
 トルドー前首相は政権末期には不人気だったが、自由党は改革法を採択していなかったし、総選挙に敗北もしていないので信任投票もできず、辞めさせる方法がなかった。彼が党首では総選挙惨敗は必至の状況で、党内でのクーデターの動きを見て、彼は2025年1月ようやく辞意表明した。

 ダルハウジー大学で政治学を教えるロリ・ターンブル教授は、イギリスでは政党ブランドは党首のパーソナリティより重視されると指摘した。
「イギリスでは、保守党員や労働党員であることは非常に根深い伝統であり、強力な指導者であっても党のブランドを超え独自のブランドを築き上げた人を、私は見たことがない。」
 イギリス下院の総数は650で、労働党は403議席ある。これは、カナダ下院の総数343より多い。首相は人事などを利用し、これらの議員たちを統制する必要がある。

 日本でも、過半数を大きく上回り300議席を超えた過大与党が、小泉内閣・鳩山内閣・安倍内閣・高市内閣などで成立したが、議員の数が多くなるとポストをもらえない人が多くなり、膨大な数の不満分子を抱え、造反や分裂を警戒しなければならなくなる。
 日本の自民党においては、派閥は候補の擁立、選挙資金の支給、新人議員の教育などを行い、総裁選は派閥単位で戦うという慣行がある。小選挙区制に変わってから、党の候補は選挙区あたり一人に変わったにもかかわらず、議員たちは党首−幹事長の中央執行部より、派閥に忠誠を誓い、権力の源泉は執行部ではなく派閥にあるという世界でも稀な構造になっている。日本の首相が短期間で代わりやすいのは、派閥が伝統的に数個あり、単独で過半数を制することがなく、主流派を形成し総裁を擁する派閥が、頃合いを見て別の主流の派閥に政権を禅譲する慣行や、衆参両院で選挙がありその両方に勝つことを義務づけられているのが理由だ。

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