とにかく怖い話。コミュの【実体験】一人暮らしpart[25]

最初に……

ここ数週間、体験談を編集中のみ携帯がﾌﾘｰｽﾞ&ﾌﾞﾗｯｸｱｳﾄすると言う事態が発生しまして

理由は定かではありませんが、日常的な電波障害に見舞われたため、少しばかり期間を置かせて頂きました。

新作の投稿が遅くなってしまい申し訳ありません
m(_ _)m

では、本題。

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第25段となりました。

このｼﾘｰｽﾞも随分と増えたもんやなぁ……。

自分自身で過去を振り替えると、こんなにあちらさんとご縁があるのかとｼﾐｼﾞﾐ。

何故だろう、要らないご縁ばかりが増えていく
(　´∀｀)ﾊﾊ…

なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある

【実体験】一人暮らし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65026318&comment_count=96&comm_id=1154462

を、読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。

もちろん、強制ではないので悪しからず。

そして、今回の投稿は長くなりそうなので、読みやすくするためにｺﾒﾝﾄを使いますがご了承下さい。

更に、文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。



《破戒僧の戯れ》



１週間ぶりに、おっさんの姿を見たような気がする。

仕事から帰宅して、駐車場から自分の部屋に向かう途中、私の部屋の玄関のﾄﾞｱの前に佇む後ろ姿を、ﾎﾞﾝﾔﾘと眺めながらそう思った。

そんな所で何やってんねん。

片手にはﾋﾞﾆｰﾙ袋をぶら下げて、ﾄﾞｱの前から退く気配のない後ろ姿に、小さく溜め息が漏れる。

おっさんの姿を認識した時点で歩みを止めて立ち止まっていた足を静かに前に踏み出すと、今まで動く気配のなかった後ろ姿が微かに揺らいで、ゆっくりと背後を振り返るのが分かった。

『あぁ、お帰り』

私の姿を見るなり口許をﾆﾔﾘと歪めて、気だるそうに言いながら、我が家の玄関に背を向けると、自然と正面から見下ろされる形になる。

『えっと……ただいま？』

『何で“ただいま”に疑問符がつくんだよ？』

仁王立ちｽﾀｲﾙで眉間に皺が寄ると、やたらと迫力があるんだよなぁ……このおっさん。

ﾎﾞﾔ〜と、そんなことを思いながら見上げていると、更に眉間の皺が濃くなった。

『いや、うん、特に意味はないんやけどね……何となく疑問符をつけてみた』

『意味はないのかよ、なんだそりゃ』

『どうでもいいやんか。それより何してんねん、こんなところで』

『何してるもなにも、お前を待ってたに決まってんだろうが。ほれ、土産だ』

呆れているような口調で、そう言いながら、手にぶら下げていたﾋﾞﾆｰﾙ袋を私の目の前に差し出す。
『てか、わざわざﾄﾞｱの前で待ってなくてもいいやん。仕事で居ないの分かってたんなら明日にするとかさ』

『そんな気分だったんだよ』

『どんな気分やねん』

今度は、私が呆れながら苦笑いを浮かべる。

『さぁな、俺にもわからん』

笑顔で即答ですか

ちょっとは悩もうよ。

そんなやり取りをしつつ、差し出されているﾋﾞﾆｰﾙ袋をﾏｼﾞﾏｼﾞと眺めてみた。

お土産って言われても、何だか受け取りづらい。

変なもんやったら嫌やし←ここ重要

『昔馴染みと一緒に、北海道に行くはめになってな。今回はやたらと長丁場だったから、気分転換に温泉と観光を堪能してきたぞ』

安心して受けとれと言わんばかりに『観光』を強調して話始めたけど……。

あえて『昔馴染みさん』と何をしていたのか、どうして『長丁場』になったんかはｽﾙｰする方向で(笑)

『旭動物園』のﾛｺﾞが入った包装用紙が、ﾋﾞﾆｰﾙ袋ごしにうっすらと見える。

見る限り長方形の物体みたいやから、きっとお菓子かなんかやろうなぁ。

温泉はともかくとして、おっさんが動物園で気分転換だなんて……ｱｶﾝ、似合わねぇ。

浮きまくってたんやろうなぁと思っているのが、顔に出ていたらしい。

おっさんの表情があからさまに歪んだので、思わず苦笑いを浮かべてしまった。

『お土産ありがと』

そう返して、差し出されたﾋﾞﾆｰﾙ袋を素直に受け取ると満足そうに口許が緩んだので、取り敢えずよしとしよう。

それから暫く、廊下の照明の下で外階段に腰掛けながら何となく世間話をしていた。

時間帯が夜なだけに、もちろん声を押さえて。

ここまでは、ﾉﾎﾎﾝとしたﾋﾄｺﾏだった。

『ﾊﾞﾀﾝ』

2階から扉を閉める音がした。

かなり大きな音だったので、思わず私の肩が跳ねる。

荒い足音をたてながら、ｺﾝｸﾘｰﾄ製の廊下を階段に向かって歩いてくる何者かの気配を感じながら、すんごく嫌な予感がした。

ｱｶﾝ、なんか殺気が半端ない

『くの字』になっているｺﾝｸﾘｰﾄ製の外階段を荒い足音が降りてくる。

途端に『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りがして、ついでとでも言うようにこめかみに鈍痛が走った。

踊り場で止まる足音。

背中に突き刺さる視線。

階段に座って固まっている私は、いつの間にか立ち上がって正面に立っていたおっさんを、引きつった顔で見上げていた……ような気がする。

『なんだぁ……騒がしいやつだな』

ﾆﾔﾘと意地の悪い笑みを浮かべて、おっさんはそう言い放った。

『えっ？』

背後の人は、知り合いですか？

その言葉に固まっていた体から力が抜けたけど、呆然とする私。

ゆっくりと背後を振り返りながら、恐る恐る踊り場を見上げると、そこには知らないお兄さんが、これでもかって位に無表情でおっさんを見下ろしていました。

『えっと？』

ﾎﾝﾏに人間ですか？

しかも、お兄さんの背後に何かいるし。

ねぇ、ﾎﾝﾏに人間ですか？

おっさんより年下で、見た目も爽やかな筈なのに、何だか……纏う空気が尋常じゃないくらい真っ黒なんやけど

うん、今のは見なかったことにしよう
(*´д｀*)

頭痛も、耳鳴りも、感じた空気も全部気のせいだ。

きっと、疲れてるんだ、私。

ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞに自己暗示をかけると、ゆっくり立ち上がっておっさんの隣に私は並んだ。

それと同時に、踊り場にいたお兄さんが階段を降りてくる。

よく分からない『赤黒い霞の塊』のようなﾓﾉと一緒に。

ﾊｯｷﾘ言って怖いんやけど、いろんな意味で。

『お客さん……いたんかい』

ﾆﾔﾆﾔするおっさんに冷たい視線をむけながら、半ば呆れたように聞いてみた。

『ああ忘れてた(笑)』

さらっと言うな、本人を目の前にして。

ほら、お兄さんの顔が歪んだやんか

『土産渡すのに、どんだけかかってんだよ』

私の存在は眼中にないのか、見た目にそぐわない地を這うような低い声色で、おっさんにそんな言葉を吐き捨てる。



↓ｺﾒﾝﾄに続く↓