頂きありがとうございます
』でしたよ
昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第段となりました。
このｼﾘｰｽﾞも随分と増えたもんやなぁとｼﾐｼﾞﾐ〜と思います。
毎回、調子にのってすみません
m(_ _)m
なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある
【実体験】一人暮らし
http://
を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。
もちろん、強制ではないので悪しからず。
文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。
《湿った音》
あれは確か……染井吉野が散り始めた頃だったと思う。
仕事から帰宅して、食事もお風呂も終わった私は、ｿﾌｧｰの部屋でﾏｯﾀﾘと借りたてのDVDを鑑賞しようか、買いたての漫画でも読みながら時間を潰そうかｳﾀﾞｳﾀﾞと悩んでいた。
まずは一服。
そう思って、一度ｿﾌｧｰから立ち上がる。
そして、台所で珈琲をいれて私はﾍﾞﾗﾝﾀﾞに向かった。
珈琲を飲みながら煙草を吹かす一時。
『至福だぁ〜』なんて親父臭いことをﾎﾟﾂﾘと漏らしながら、夜空を仰いでみる。
……やっぱり田舎だなぁ(笑)
雲一つない夜空に、青白い半月に、満天の星ときたもんや。
気分よく一服を終えて、私はもう一度台所で珈琲を入れる。
今日は漫画にしよう。
そう思いながらｿﾌｧｰに深く座り、用意しておいた漫画を手に取る。
『暫く邪魔せんといてや〜』
誰に言うわけでもなく独り言のようにﾎﾟﾂﾘと呟く。
『ﾊﾟｷｯ
』
家鳴りさんからの返事よし。
無言状態で読書開始。
それからどのくらい時間がたったろう？
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
今まで静寂が支配していた空間に、水滴が滴り落ちるような音がする。
水道からか？
蛇口の栓がゆるかったかな？
そう思いながら、漫画に栞を挟んで台所に向かう。
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
あれ？特に異常なし。
じゃあ、お風呂か？
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
おや？こっちも異常なし。
洗面台は、なんともないしなぁ
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
おかしいなぁ……この音の根源は何処やねん。
そう思って、あちこち探しているうちに水音が止んだ。
なんやねん、一体
音はすれども姿が見えず。
そうこう思い当たるところをｳﾛﾁｮﾛしつつ、色々と考えているうちに時間を無駄にしてしまった。
買った漫画が……全部読めなかった。
まぁ、明日休みだし後で読めばいいか。
冷めた珈琲を飲みほして、悶々とする頭を一瞬でﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞに切り替えた私は、ﾏｸﾞｶｯﾌﾟを台所で洗ってｿﾌｧｰの部屋を片付けた後、さっさと布団を敷いて夢の中に旅立つことにした。
それから数日後。
あの水音の事なんて綺麗ｻｯﾊﾟﾘ忘れ去っていた私は、その正体を垣間見ることになる。
その時、私は夢の中にいた。
どんな夢を見ていたのかは覚えていないけど、何故か耳障りな音を感じて意識が夢の狭間から現実へと浮上する。
『…ﾋﾞﾁｬ…』
やたらに耳につくような音だった。
『…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
あぁ、そう言えば数日前にもこんな音がしてたなぁ〜なんて、まだまだ完全に意識が浮上していない状態で思っていた。
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾞﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
水滴が滴り落ちるような音の合間に、なんだか粘っこいような音が混じる。
その音を聞いた瞬間、目を閉じたまま眉間にｼﾜが寄るのが自分でもわかった。
なんやねん、一体？
そう思いながらも、重い瞼をうっすらと開けて周りを確認してみる
室内はまだ暗い。
眠ってから、そんなに時間は経っていないのかもしれないなぁ。
頭がﾎﾞ〜ｯとする。
『ﾋﾞﾁｬｯ…ｽﾞﾙｯ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
明らかに水滴ではない音だよなぁ……これ。
てか『ｽﾞﾙｯ』ってなんやねん、『ｽﾞﾙｯ』って。
粘っこくて湿っぽいものを引き摺るような、そんな音だと思った。
気持ち悪いなぁ……。
寝惚けた頭で、そんなことを考えていると音が止んだ。
これで安眠できる。
そう安心して、もう一度夢の中に行こうと瞼を閉じた。
『ﾎﾞﾄｯ』
寝ている私の頭の先。
丁度、枕元に天井から何かが落ちた音と振動を感じて、思わず閉じた目を見開く。
『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りが響いたと同時に、体が『ｶﾞﾁｯ』っと固まった。
……またかよ。
仰向けで固定された状態で、金縛りになるんは何度目だったっけ？
なんて呑気に過去の事を思い出してみる私がいる。
『…ｽﾞﾙｯ…』
そんな音と共に、枕を挟むような感じで誰かが両手をつく。
誰が？
そうﾅﾁｭﾗﾙに思った瞬間だった。
ぼやけた天井しかなかった私の視界に黒い塊が入り込んできて『ﾋｯ』と小さく息を飲む。
………あんた誰よ？
一番最初に思ったことがこれでした。
眼鏡がない私の視界に、逆さまの顔が見える。
ﾜｶﾒみたいにｳｪｰﾌﾞがかかったずぶ濡れの髪。
真っ白で生気の欠片もない濡れた肌。
紫にくすんだ半開きの唇。
真っ白に濁った二つの瞳。
全く見覚えのない顔のﾄﾞｱｯﾌﾟがそこにいた。
『………』
お互いにﾉｰﾘｱｸｼｮﾝで見つめ合うこと暫し。
『ﾐｼｯ…ﾊﾟｷｯ』
天井から音が響いて、ｿｲﾂが私を覗き込んでいる体制のまま上を見た。
『ﾊﾟｷｯﾐｼｯ……ﾊﾞﾝｯ』
それと同時に天井が鳴り、続いて壁を叩くような音が押し入れの部屋に響く。
今まで天井を見ていたｿｲﾂが、ﾁﾗｯと私に視線を移した。
『………』
取り敢えずﾉｰﾘｱｸｼｮﾝをｷｰﾌﾟ。
暫く微妙な空気が漂う中、ｿｲﾂは私に視線を合わせたまま、おもむろに体を起こすと深い溜め息を吐いて霧のように消えた。
布団の中で呆然としながら無反応でいる私を余所に、家鳴りさんが『ﾊﾟｷﾊﾟｷ』と天井で騒いでいる。
元気なようで何よりですね。
そう思いながらも、ゆっくりと布団から起き上がってみた。
何だかよく分からないけど、すんごく疲れたような気がする。
そして、思わず一言。
『結局、何がしたかったんやろ？ｱｲﾂ』
まぁ、夢でも見たと言うことで私は今起きたことは気にしない方向で。
一人でそう自己完結をした後、私は寝た。
あちらさんの考えていることは、私には正直よく分からん。
このｼﾘｰｽﾞも随分と増えたもんやなぁとｼﾐｼﾞﾐ〜と思います。
毎回、調子にのってすみません
m(_ _)m
なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある
【実体験】一人暮らし
http://
を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。
もちろん、強制ではないので悪しからず。
文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。
《湿った音》
あれは確か……染井吉野が散り始めた頃だったと思う。
仕事から帰宅して、食事もお風呂も終わった私は、ｿﾌｧｰの部屋でﾏｯﾀﾘと借りたてのDVDを鑑賞しようか、買いたての漫画でも読みながら時間を潰そうかｳﾀﾞｳﾀﾞと悩んでいた。
まずは一服。
そう思って、一度ｿﾌｧｰから立ち上がる。
そして、台所で珈琲をいれて私はﾍﾞﾗﾝﾀﾞに向かった。
珈琲を飲みながら煙草を吹かす一時。
『至福だぁ〜』なんて親父臭いことをﾎﾟﾂﾘと漏らしながら、夜空を仰いでみる。
……やっぱり田舎だなぁ(笑)
雲一つない夜空に、青白い半月に、満天の星ときたもんや。
気分よく一服を終えて、私はもう一度台所で珈琲を入れる。
今日は漫画にしよう。
そう思いながらｿﾌｧｰに深く座り、用意しておいた漫画を手に取る。
『暫く邪魔せんといてや〜』
誰に言うわけでもなく独り言のようにﾎﾟﾂﾘと呟く。
『ﾊﾟｷｯ
』 家鳴りさんからの返事よし。
無言状態で読書開始。
それからどのくらい時間がたったろう？
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
今まで静寂が支配していた空間に、水滴が滴り落ちるような音がする。
水道からか？
蛇口の栓がゆるかったかな？
そう思いながら、漫画に栞を挟んで台所に向かう。
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
あれ？特に異常なし。
じゃあ、お風呂か？
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
おや？こっちも異常なし。
洗面台は、なんともないしなぁ
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
おかしいなぁ……この音の根源は何処やねん。
そう思って、あちこち探しているうちに水音が止んだ。
なんやねん、一体
音はすれども姿が見えず。
そうこう思い当たるところをｳﾛﾁｮﾛしつつ、色々と考えているうちに時間を無駄にしてしまった。
買った漫画が……全部読めなかった。
まぁ、明日休みだし後で読めばいいか。
冷めた珈琲を飲みほして、悶々とする頭を一瞬でﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞに切り替えた私は、ﾏｸﾞｶｯﾌﾟを台所で洗ってｿﾌｧｰの部屋を片付けた後、さっさと布団を敷いて夢の中に旅立つことにした。
それから数日後。
あの水音の事なんて綺麗ｻｯﾊﾟﾘ忘れ去っていた私は、その正体を垣間見ることになる。
その時、私は夢の中にいた。
どんな夢を見ていたのかは覚えていないけど、何故か耳障りな音を感じて意識が夢の狭間から現実へと浮上する。
『…ﾋﾞﾁｬ…』
やたらに耳につくような音だった。
『…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
あぁ、そう言えば数日前にもこんな音がしてたなぁ〜なんて、まだまだ完全に意識が浮上していない状態で思っていた。
『ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾞﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
水滴が滴り落ちるような音の合間に、なんだか粘っこいような音が混じる。
その音を聞いた瞬間、目を閉じたまま眉間にｼﾜが寄るのが自分でもわかった。
なんやねん、一体？
そう思いながらも、重い瞼をうっすらと開けて周りを確認してみる
室内はまだ暗い。
眠ってから、そんなに時間は経っていないのかもしれないなぁ。
頭がﾎﾞ〜ｯとする。
『ﾋﾞﾁｬｯ…ｽﾞﾙｯ…ﾋﾟﾁｬ…ﾋﾟﾁｬ…』
明らかに水滴ではない音だよなぁ……これ。
てか『ｽﾞﾙｯ』ってなんやねん、『ｽﾞﾙｯ』って。
粘っこくて湿っぽいものを引き摺るような、そんな音だと思った。
気持ち悪いなぁ……。
寝惚けた頭で、そんなことを考えていると音が止んだ。
これで安眠できる。
そう安心して、もう一度夢の中に行こうと瞼を閉じた。
『ﾎﾞﾄｯ
』 寝ている私の頭の先。
丁度、枕元に天井から何かが落ちた音と振動を感じて、思わず閉じた目を見開く。
『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りが響いたと同時に、体が『ｶﾞﾁｯ
』っと固まった。 ……またかよ。
仰向けで固定された状態で、金縛りになるんは何度目だったっけ？
なんて呑気に過去の事を思い出してみる私がいる。
『…ｽﾞﾙｯ…』
そんな音と共に、枕を挟むような感じで誰かが両手をつく。
誰が？
そうﾅﾁｭﾗﾙに思った瞬間だった。
ぼやけた天井しかなかった私の視界に黒い塊が入り込んできて『ﾋｯ』と小さく息を飲む。
………あんた誰よ？
一番最初に思ったことがこれでした。
眼鏡がない私の視界に、逆さまの顔が見える。
ﾜｶﾒみたいにｳｪｰﾌﾞがかかったずぶ濡れの髪。
真っ白で生気の欠片もない濡れた肌。
紫にくすんだ半開きの唇。
真っ白に濁った二つの瞳。
全く見覚えのない顔のﾄﾞｱｯﾌﾟがそこにいた。
『………』
お互いにﾉｰﾘｱｸｼｮﾝで見つめ合うこと暫し。
『ﾐｼｯ
…ﾊﾟｷｯ』 天井から音が響いて、ｿｲﾂが私を覗き込んでいる体制のまま上を見た。
『ﾊﾟｷｯ
ﾐｼｯ……ﾊﾞﾝｯ』 それと同時に天井が鳴り、続いて壁を叩くような音が押し入れの部屋に響く。
今まで天井を見ていたｿｲﾂが、ﾁﾗｯと私に視線を移した。
『………』
取り敢えずﾉｰﾘｱｸｼｮﾝをｷｰﾌﾟ。
暫く微妙な空気が漂う中、ｿｲﾂは私に視線を合わせたまま、おもむろに体を起こすと深い溜め息を吐いて霧のように消えた。
布団の中で呆然としながら無反応でいる私を余所に、家鳴りさんが『ﾊﾟｷﾊﾟｷ』と天井で騒いでいる。
元気なようで何よりですね。
そう思いながらも、ゆっくりと布団から起き上がってみた。
何だかよく分からないけど、すんごく疲れたような気がする。
そして、思わず一言。
『結局、何がしたかったんやろ？ｱｲﾂ』
まぁ、夢でも見たと言うことで私は今起きたことは気にしない方向で。
一人でそう自己完結をした後、私は寝た。
あちらさんの考えていることは、私には正直よく分からん。
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