wktk
頂きありがとうございます
元気はいいがいつか梁が砕けそうな気が
昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第16段となりました。
このｼﾘｰｽﾞも随分と増えたもんやなぁとｼﾐｼﾞﾐ〜と思います。
毎回、調子にのってすみません
m(_ _)m
なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある
【実体験】一人暮らし
http://
を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。
もちろん、強制ではないので悪しからず。
文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。
《隙間》
ｿﾌｧｰの部屋と押し入れの部屋。
その2つは部屋の誂えが全く違うせいか、私の住み処は統一感と言うものがない……らしい。
まぁ、元々必要最低限のものしか置いてないし、統一感のためだけに余計な出費をするのもなんかなぁと思うところもあったわけで。
んで、その二つの部屋を行き来するためにある襖というか引き戸というか……。
ｿﾌｧｰのある部屋側と押し入れのある部屋で装飾が違うそれを、普段ﾋﾟｯﾁﾘと閉めて使っている。
まぁ、開けっ放しにしておく事もあるんやけどね。
たま〜に、ｸﾛｰｾﾞｯﾄの真ん前に陣取る某少年の電波を受信しちゃうから……『構って〜』という自己主張をﾊﾞｯｻﾘ切り捨てるために、普段は閉めちゃうけど(笑)
あと、右往左往している自己主張の激しい方々の、自己ｱﾋﾟｰﾙを視界に入れるのが非常に面倒臭い。
全体的に『見なかったことにしよう』とｽﾙｰｽｷﾙ発動しても、気になるものは気になるのですよ。
で、そんなある日の午前中、私はｿﾌｧｰのある部屋でDVD鑑賞をしていた。
ｿﾌｧｰの左端に座って、珈琲を飲みながら、まったりゆったりと『ﾎﾗｰ系(某投稿ﾋﾞﾃﾞｵもの)』をﾉﾎﾎ〜ﾝと観ていた。
鑑賞を始めて数分。
私の周りはひっそりと静まり返る。
『…ﾊﾟｷｯ…』
今日の家鳴りさんは、何だか大人しい。
あちらさんでも、やっぱり怖いんやろか(笑)
で、DVDも中盤に入り
『お分かりいただけただろうか？』
と言うﾘﾌﾟﾚｲ前のお決まりのｾﾘﾌをﾅﾚｰﾀｰが言った時だったかな。
『ﾊﾞｷｯ
ﾊﾞｯｷﾝ』
何だか……木材を叩き折るような家鳴りさんの返事が、天井から聞こえる。
激しいなぁ
気合い入ってるんか？
天井の梁は大丈夫だやろか……なんて呑気に思っていたのが悪かったのか、途端に『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りが私の耳に響いてきた。
な、なんだ急に
『ｶﾞﾀｯ』
押し入れのある部屋から音が聞こえる。
『ｶﾞﾀｯ……ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ』
そんな音と共に、二部屋を隔てる襖が少し開いた。
ｽﾞｷｯと痛むこめかみを押さえながら、私は思わずその隙間を凝視する。
何だかﾃﾞｼﾞｬﾌﾞを感じるのは……きっと気のせいだろう。
『ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙ…』
日の光が差し込む押し入れのある部屋から、何かが畳を這いずって襖に向かってくる。
ﾓｱｯとした黒い霞の塊みたいなのが、ﾁﾗﾘと隙間の奥に見えた。
襖を隔てた向こう側の色がくすみ、色褪せたﾌｨﾙﾑの映画を観たときのようにｾﾋﾟｱ色に変わっていく。
ほんの10ｾﾝﾁにみたない隙間の、下の方から私を見上げる二つの瞳。
顔を横にして、畳に右耳をつけたような格好で隙間を覗いているようにも見えるが……物理的にあの位置で体を横たえるのは無理がある。
だって、壁際に箪笥があるもん。
『………』
数秒か、数十秒か分からないけど、私は隙間のそいつと見つめあっていた。
てか、金縛りなのか体が動かん
『……と、いうのだろうか？』
一時停止を押し忘れたﾊﾟｿｺﾝから、次のﾁｬﾌﾟﾀｰに移るであろうﾀｲﾐﾝｸﾞのﾅﾚｰｼｮﾝが耳に届いた。
ちょっまっ
『ｱｶﾝ、ﾘﾌﾟﾚｲ見逃したやん』
隙間のそいつなんてお構いなしに、すかさず視線を反らしﾏｳｽを握ると、私は慌ててｶｰｿﾙを一時停止の位置でｸﾘｯｸした。
そして、数秒後……私は気付く。
あっ、動けた。
と思うと同時に、もう一度隙間に視線を戻す。
……いなくなってるよ(笑)
何だろうね、ちょっとだけ罪悪感が
ﾉﾛﾉﾛとｿﾌｧｰから立ち上がって、一度襖を全開にしてみた。
そこには、いつもと変わらない押し入れのある部屋があるだけだった。
う〜ん……まぁ、いいか。
そう思いながら、私は開け放った襖をﾋﾟｯﾁﾘと閉める。
さっさと気持ちを切り替えて、DVD鑑賞しようっと。
今しがた起きた事を綺麗さっぱりｽﾙｰして、いそいそとｿﾌｧｰに戻る私。
を、急かすように家鳴りさんの『ﾊﾟｷﾊﾟｷ』と言う音が追いかけてくる。
早く続きが観たいのね。
はいはい。
そして、私は少し冷めた珈琲を飲みつつ先ほど見逃したﾘﾌﾟﾚｲまで画面を巻き戻した。
その時、何処からともなく哀れみを帯びた溜め息が聞こえたような気がするけど……きっと気のせいだ(笑)
ﾄﾞﾝﾏｲ、さっきのあちらさん。
このｼﾘｰｽﾞも随分と増えたもんやなぁとｼﾐｼﾞﾐ〜と思います。
毎回、調子にのってすみません
m(_ _)m
なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある
【実体験】一人暮らし
http://
を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。
もちろん、強制ではないので悪しからず。
文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。
《隙間》
ｿﾌｧｰの部屋と押し入れの部屋。
その2つは部屋の誂えが全く違うせいか、私の住み処は統一感と言うものがない……らしい。
まぁ、元々必要最低限のものしか置いてないし、統一感のためだけに余計な出費をするのもなんかなぁと思うところもあったわけで。
んで、その二つの部屋を行き来するためにある襖というか引き戸というか……。
ｿﾌｧｰのある部屋側と押し入れのある部屋で装飾が違うそれを、普段ﾋﾟｯﾁﾘと閉めて使っている。
まぁ、開けっ放しにしておく事もあるんやけどね。
たま〜に、ｸﾛｰｾﾞｯﾄの真ん前に陣取る某少年の電波を受信しちゃうから……『構って〜』という自己主張をﾊﾞｯｻﾘ切り捨てるために、普段は閉めちゃうけど(笑)
あと、右往左往している自己主張の激しい方々の、自己ｱﾋﾟｰﾙを視界に入れるのが非常に面倒臭い。
全体的に『見なかったことにしよう』とｽﾙｰｽｷﾙ発動しても、気になるものは気になるのですよ。
で、そんなある日の午前中、私はｿﾌｧｰのある部屋でDVD鑑賞をしていた。
ｿﾌｧｰの左端に座って、珈琲を飲みながら、まったりゆったりと『ﾎﾗｰ系(某投稿ﾋﾞﾃﾞｵもの)』をﾉﾎﾎ〜ﾝと観ていた。
鑑賞を始めて数分。
私の周りはひっそりと静まり返る。
『…ﾊﾟｷｯ…』
今日の家鳴りさんは、何だか大人しい。
あちらさんでも、やっぱり怖いんやろか(笑)
で、DVDも中盤に入り
『お分かりいただけただろうか？』
と言うﾘﾌﾟﾚｲ前のお決まりのｾﾘﾌをﾅﾚｰﾀｰが言った時だったかな。
『ﾊﾞｷｯ
ﾊﾞｯｷﾝ』 何だか……木材を叩き折るような家鳴りさんの返事が、天井から聞こえる。
激しいなぁ
気合い入ってるんか？
天井の梁は大丈夫だやろか……なんて呑気に思っていたのが悪かったのか、途端に『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りが私の耳に響いてきた。
な、なんだ急に
『ｶﾞﾀｯ
』 押し入れのある部屋から音が聞こえる。
『ｶﾞﾀｯ……ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ
』 そんな音と共に、二部屋を隔てる襖が少し開いた。
ｽﾞｷｯと痛むこめかみを押さえながら、私は思わずその隙間を凝視する。
何だかﾃﾞｼﾞｬﾌﾞを感じるのは……きっと気のせいだろう。
『ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙ…』
日の光が差し込む押し入れのある部屋から、何かが畳を這いずって襖に向かってくる。
ﾓｱｯとした黒い霞の塊みたいなのが、ﾁﾗﾘと隙間の奥に見えた。
襖を隔てた向こう側の色がくすみ、色褪せたﾌｨﾙﾑの映画を観たときのようにｾﾋﾟｱ色に変わっていく。
ほんの10ｾﾝﾁにみたない隙間の、下の方から私を見上げる二つの瞳。
顔を横にして、畳に右耳をつけたような格好で隙間を覗いているようにも見えるが……物理的にあの位置で体を横たえるのは無理がある。
だって、壁際に箪笥があるもん。
『………』
数秒か、数十秒か分からないけど、私は隙間のそいつと見つめあっていた。
てか、金縛りなのか体が動かん
『……と、いうのだろうか？』
一時停止を押し忘れたﾊﾟｿｺﾝから、次のﾁｬﾌﾟﾀｰに移るであろうﾀｲﾐﾝｸﾞのﾅﾚｰｼｮﾝが耳に届いた。
ちょっ
まっ 『ｱｶﾝ、ﾘﾌﾟﾚｲ見逃したやん
』 隙間のそいつなんてお構いなしに、すかさず視線を反らしﾏｳｽを握ると、私は慌ててｶｰｿﾙを一時停止の位置でｸﾘｯｸした。
そして、数秒後……私は気付く。
あっ、動けた。
と思うと同時に、もう一度隙間に視線を戻す。
……いなくなってるよ(笑)
何だろうね、ちょっとだけ罪悪感が
ﾉﾛﾉﾛとｿﾌｧｰから立ち上がって、一度襖を全開にしてみた。
そこには、いつもと変わらない押し入れのある部屋があるだけだった。
う〜ん……まぁ、いいか。
そう思いながら、私は開け放った襖をﾋﾟｯﾁﾘと閉める。
さっさと気持ちを切り替えて、DVD鑑賞しようっと。
今しがた起きた事を綺麗さっぱりｽﾙｰして、いそいそとｿﾌｧｰに戻る私。
を、急かすように家鳴りさんの『ﾊﾟｷﾊﾟｷ』と言う音が追いかけてくる。
早く続きが観たいのね。
はいはい。
そして、私は少し冷めた珈琲を飲みつつ先ほど見逃したﾘﾌﾟﾚｲまで画面を巻き戻した。
その時、何処からともなく哀れみを帯びた溜め息が聞こえたような気がするけど……きっと気のせいだ(笑)
ﾄﾞﾝﾏｲ、さっきのあちらさん。
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