立原道造記念館でやっている『立原道造の世界�掘戮函¬鐇姑�術館でやっている『武部本一郎展』を見てきました。
弥生美術館は、竹久夢二美術館と併設されているので、竹久夢二も見てきたので、結果、１日に３館回ると言う・・・。結構疲れた(^_^;)。
３館共通鑑賞券を、新聞屋さんから貰ったのです。新聞屋さん。いつも有難う〜。
立原道造記念館は、今まで気にはなっていたのですが、行ったコトがなく、今回行けて嬉しかったです。
弥生美術館は、私が美術館の中で、１番行っている美術館。華宵の絵が常設してあるのも、高畠華宵フリークの私には堪らんです。
さて、まずは、立原道造の世界から。
立原さんは詩人です。ソネットも書きます。24歳で亡くなってしまうのです。早すぎる人生ですよね・・・。
“恋をすると人は、皆詩人になる”とは良く言いますが、立原さんもやはりご多分に漏れずそうだったようだ（尤も、立原さんは、それが本職になってしまうが）。
同級生の妹の久子さんに片思い。
“久子短歌”という久子さんへの想いを綴った詩は、こっ恥ずかしくなるほど甘くメランコリック。
“久子の声のなでらかさ
（アイスクリームの味のなでらかさ）”
なんて書いてある。うわぁ〜・・・やっぱり詩人やねぇ〜。
立原さんの字は、神経質そうな細かい字だった。
手記の展示が中心だったのですが、パステル画も飾ってありました。（立原さんは絵も描きます）
『Ｈ子の肖像』。つぶらな瞳の少女・・・。Ｈ子とは、つまり、片想いの相手の久子さんですよね。
『トランプとＨ子』という作品もありました。
手記は手紙などの展示もありました。
地方に行った時の手紙に
“はつらつと遊ぶ子ら。あまり声が大きいので少し迷惑だった”
と書いてあり、ちょっと笑ってしまった。立原氏には確かにあまり溌剌としたイメージはない(^_^;)。どちらかと言えば、メランコリックで内省的。だから、うるさく感じたのかなぁ〜。
中には
“あの日のあなたに似てた子がゐて（僕を）さみしくする”
などという文章も・・・。
あなた＝久子ちゃんね。
その後、「キミは誰を見ても、久子さんに見えるんだね」と友人に冷やかされた・・・という記述もあった。
何か、ちょっと可愛い（笑）。
1933年の創作ノート。
繊細そうな細かい字で、夢の覚書などが書いてある。
リルケ、ランボオ、ボオドレエル、ポオなどの名前が書いてあるらしい。作家の堀辰雄氏の影響で、内外の作品を読むようになったようだ。
立原氏の蔵書も展示してありました。
あと、机や身の回りの品々の展示も。チェストが飾ってあって、その中に綺麗なグラスが２つ収められていました。
詩人なので、作品の展示もあります。
『夏秋表』
冒頭の
“私はふたつのさびしい蟲のいのちと交感を持った。”という一文が印象的です。
“私はひとつの花を誹謗しよう”とか、あぁ、詩人の言葉だなぁ〜と。
好きな詩を一つ紹介。
蛾
霧のなかには古い心が住む
うっとりと夜の灯をともすな
灯のそばにおとぎ話がやって来る
おとぎ話は黒い蛾である
あぁ・・・なんとメランコリアな・・・。そして少し怖い。
私は甘酸っぱい気持ちになって館を後にしました。ポストカードも３点購入。
次は弥生美術館に移って、武部本一郎展を鑑賞。
武部本一郎氏。皆様のイメージだと、やはりＳＦ小説の表紙絵、挿絵画家というイメージでしょうか。私は、ポプラ社のルパンやホームズの本を子供の時読んでいたので、その表紙の絵のイメージが強いです。
必ず、“絵・武部本一郎”と書いてあったから。
武部氏は、父、祖父ともに画家なんですね。つまり、武部氏は、親の跡を継いだ・・・というコトになるのか・・・。父、祖父は日本画家だそうです。本人も挿絵ではなく、絵画も描いたそうです。
原画も沢山飾ってあって嬉しかったですが、それ以上の圧巻は、本の数。まぁ、あるはあるは、良くぞここまで集めたな！弥生美術館！！ＳＦ小説から、ポプラ社の偉人伝、シートン動物記から、前述のルパンやホームズ、江戸川乱歩シリーズまで・・・もうあるはあるは。
全部、武部氏が表紙絵を描いたモノです。
ホームズは原画も飾ってありました。
男性が立つ横のカーテンに謎の人物が・・・。ミステリアスな雰囲気は、武部氏の絵柄にあっています。
武部氏は、外国人を描くのが上手いのですが、妹さんがＧＨＱの通訳をしていたらしく、進駐軍の肖像画なども描いていたから・・・らしいです。
曽我物語の美少年２人も麗しいですが、『ニーベルンゲン』のジークフリートの、ややマッチョな恰好良さに惚れました。
中島梓蔵になっていた。中島梓さんって、栗本薫さんのコトよね。そうか、栗本さんが持っているんだ〜。
初期の頃の紙芝居の作品も展示していました。（武部さんは、最初紙芝居の絵を描いていた）
あと、吃驚したのは金の星社の『ガラスのうさぎ』（戦争の話ね）の挿絵（表紙絵も）も武部さんだったのね！！！
本当に幅広い作品をやっているのねぇ〜。
２階にはＳＦ挿絵画家としての作品が多くありました。
レムリアンシリーズのエキゾチックな美女が良いなぁ〜。
なかなか充実した展示でした。
華宵の常設は、南国趣味の絵と夏の絵だった。紗の着物の美女達が迎えてくれて嬉しかったわ♪
夢二美術館では『デザイナー・夢二の世界展』をやっています。
封筒のデザインが可愛い。
30日までやっていますので（立原道造も同じです）、ご興味のある方は行ってみて下さい。
画像。絵は武部氏のモノです。
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