mixiユーザー(id:8306745)

2007年02月05日20:29

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自転車に乗る少年とローキック少女の物語

内容としては、以上。

滝本竜彦『ネガティヴハッピー・チェーンソーエッヂ』を読了。なんて正しい物語だろう。ここにある青春(かっこ笑いとか付けたくなるが、ここにある物はそうとしか名付けられない)は全て正しい。物語の骨子は不死のチェーンソー男と少年少女の戦い、なのだがそれは物語が物語として回転するための触媒でしかない。現実感やリアリティなど目ぇ噛んで死ね、である。極めて全うに少年少女が出会い、日々の積み重ねがあってしあわせになる、そんな物語をきちんと物語るのにチェーンソーが必要な所がユニークでありこの老成した若い作家の持ち味だろう。ここまできちんと周辺の人物(友人の渡辺、担任の数学教師、下宿のお姉さん)の点景的な描写が出来る事は評価に値する。地に足の着いた日常とチェーンソー男の両輪で物語は回転し、少年少女の物語が正しく響くのだ。

うーん、一日も早くこの作家には復帰してもらいたい。
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