mixiユーザー(id:1250074)

2026年11月04日16:13

34 view

魔法の言葉

その日 私は付き合っている彼とバスに乗っていた。

20歳くらいだったかな?

何年前なんだ。 20歳だったら44年前だ。

どこに行ったかは覚えていない。

その頃、ディスコにハマっていたから
一緒に行こうとしていたのかもしれない。

車内の椅子が空いていなくて通路に立っていたような記憶がある。


そして、ある男の人が
何かとても嫌なことを言って、嫌な態度を取ってバスを降りて行った。

何を言ったのかももう全然覚えていない。

けれども すごい嫌な雰囲気になったのだけは覚えている。

ずどーーん と 暗闇に落とされたような嫌な気分。


その時、彼が言った。

「きっと なんか嫌なことがあったんやで。」


そしたら
あれあれ?

今までの嫌な気持ちが すーーっ と
消えていった。

まるで魔法のようだった。

彼は魔法の言葉を知っていた。


その彼はその後まもなく 
事故で亡くなった。

残された私は、その悲しみから立ち直るのに
2〜3年かかっただろうか。

もう最近はあまり彼のことも思い出さなくなっていた。

でも

「なんか 嫌な事があったんやで」
という彼の言葉は、
事あるごとに私の胸中に現れて、
いつも私を救ってくれる。


「好きなように生きたらええで。
 倒れそうになったら僕が支えたげるから。」
そういえばそんなこと、言ってたっけ。

この世からいなくなっても
ちゃんと後ろにいて、私を守ってくれていたんだね。

もう私はこんな歳になったよ。

今度はこの言葉を他の誰かにあげられたらいいな。

「きっと なんか嫌なことがあったんやで」
5 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年11月
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

最近の日記

もっと見る