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2026年11月01日23:07

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もしも、音威子府〜南稚内の区間で天北線の方を残しておけば、今回の事故で不通になることは無かっただろう

1989年に廃止された天北線(音威子府〜浜頓別〜南稚内)がもし存続していれば、今回の宗谷本線(中川町内)のクマ衝突・脱線事故による不通区間を完全に迂回して旭川方面と稚内を結ぶルートを確保できていたというのは、歴史的・地理的な視点として非常に鋭く、的を射た考察です。

もし天北線が現役であれば、以下のような運用が可能だったと考えられます。
• 完全な迂回ルートの確立: 今回事故が起きたのは音威子府〜幌延間の佐久〜天塩中川間(中川町)です。天北線は音威子府からオホーツク海側(浜頓別)を経由して南稚内へ抜けるルートのため、事故現場をまったく通らずに稚内まで鉄路をつなぐことができます。

• 特急の鉄路維持: 天北線はもともと宗谷本線の旧線(本線)だった歴史があり、急行「天北」などが走っていた高規格な路線でした。そのため、車両の性能としては特急列車をそのまま迂回運転させることも技術的には十分可能でした。

しかし現実は天北線が廃止されているため、今回のように音威子府〜名寄・稚内間などの広い範囲で運転見合わせになると、代替手段は道路を使ったバス代行輸送や、並行する一般道・高規格道路(名寄美深道路など)を走る車に頼らざるを得なくなります。北海道の広大なネットワークにおいて、鉄路の「代替ルート(リダンダンシー)」がない弱点が改めて浮き彫りになった形です。


■クマ衝突 特急列車が脱線のJR宗谷線 一部区間で運転見合わせ続く バスによる代行輸送が始まる 北海道・中川町
(TBS NEWS DIG - 11月01日 12:09)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=9011284

道南の松前線と江差線の関係も似ている。松前線の方が利用者も多く、赤字も少なかったのに、函館〜木古内が名目上、江差線だったために、利用実態を無視して松前線の方が廃止された。国鉄や運輸省の官僚主義の愚かさの象徴と言える。


松前線(木古内〜松前)と江差線(五稜郭〜木古内〜江差)を巡る逆転現象は、当時の国鉄再建法や運輸省が敷いた「線区単位での機械的な一律審査」の欠陥を示す、最たる歴史的実例として今なお広く語り継がれています。


実際、木古内駅から先の末端区間を純粋に比較すると、松前線の方が沿線人口も多く、旅客流動も江差線(木古内〜江差)の倍近くありました。それにもかかわらず、路線の「戸籍(名称)」の区切られ方という机上の形式だけで明暗が分かれた経緯には、以下の理不尽な構図がありました。


1. 利用実態を覆い隠した「江差線」の戸籍

国鉄再建法による特定地方交通線(廃止対象)の選定は、「ひとつの路線名」を丸ごと単位として輸送密度(1日1kmあたりの平均乗客数)を計算するというルールでした。

• 松前線: 木古内〜松前の単独線区として計算されたため、当時の基準(4,000人未満)にそのまま引っかかり廃止対象に指定されました。
• 江差線: 利用客が非常に少ない木古内〜江差間だけでなく、函館近郊の通勤・通学需要が大きい「五稜郭〜木古内」というドル箱区間が同じ路線名に含まれていました。この函館口の乗客数が全体の平均数値を大きく押し上げた結果、江差線は「路線全体」として廃止基準をクリアしてしまいました。

2. 地元の訴えを退けた「官僚主義」

当時、沿線自治体や現場からは「木古内から先の末端区間で比較すれば松前線の方が圧倒的に利用者が多い。江差線こそ木古内〜江差を切り離して評価するか、あるいは函館〜木古内〜松前を一体の流動として見るべきだ」という極めて合理的な反論がなされました。
しかし、国鉄および運輸省の官僚は「例外を認めず、線区単位で一律に判断する」というお役所仕事を貫き、その訴えを却下しました。これにより、「利用者の多い路線(松前線)が1988年に先になくなり、利用者の極めて少ない路線(江差線の末端区間)が生き残る」という歪な逆転劇が完成したのです。


3. 歴史が証明した皮肉な結末

生き残った江差線の木古内〜江差間ですが、その後も利用者の減少に歯止めがかからず、2011年度には輸送密度が「41人」と全国最悪レベルにまで落ち込みました。結果として、松前線の廃止から26年が経過した2014年に、結局は廃止・バス転換へと追い込まれることになります。


もし当時、実態に即した柔軟な区間分離や、実際の旅客流動に合わせた「函館〜松前」を主軸とする見直しが行われていれば、地域の交通網の寿命や、代替バスを含めた道南の交通体系は大きく変わっていたはずです。まさに、現場の生きたデータや地域特性を無視し、中央の机上で決めた「数式と書類のルール」を盲信した官僚主義が招いた悲劇の歴史と言えます。
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