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2025年09月10日12:18

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緊迫化する中東情勢(14)第2章と第3章 パレスチナの国家承認が相次ぐ ガザ地区で悪化する人道状況 ジャーナリストの死 イエメンから奮戦する親イラン組織フーシー派 

緊迫化する中東情勢第14回は、全4章のうち3回にわけて公開する予定である。2回目は、第2章と第3章、悪化する人道状況や西欧諸国を中心に相次ぐパレスチナの国家承認への動きを追っていく。

 前回 第13回 2025年7月22日付 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990382384&owner_id=32437106


<緊迫化する中東情勢(14)ガザ地区で悪化する人道状況 ジャーナリストの死 イエメンから奮戦する親イラン組織フーシー派>

 第1章 2025年9月8日公開  イエメンから奮戦する親イラン武装組織フーシー派
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990672681&owner_id=32437106

      第2章 停戦交渉頓挫 新たな物資の補給方法

 イスラエルとハマスの間接交渉は、カタールの首都ドーハで行われていた。物資の搬入をめぐり、ハマス側は国連を含めて第3の機関が入ることを要求していた。イスラエル側は応じなかったとみられる。7月24日にハマス側が仲介国に修正案を出したことを受けて、イスラエル側は、交渉を放棄し、代表団は帰国へと向う。7月25日に戦時内閣の指揮をとるベンヤミン・ネタニアフ首相は、「アメリカとともにハマスの統治を終わらせる代替案を検討している」と声明を出した。仲介に当たっていた米国のウィトコフ大使も24日付で代表団と共に帰国の途についた。

 ガザの人道状況が悪化すれば、ますます国際批判を浴びる。同25日にイスラエルのメディアは、自国と国交のあるUAEとヨルダンが、支援物資を上空から投下する案を許可したと報じた。トランプ米大統領も支援拡大に理解している。

 詳細 交渉決裂 支援物資投下について NHK NEWS WEB 2025年7月26日午前8時27分付 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250726/k10014874881000.html

 早速7月27日に、ヨルダンとUAEの合同チームが、3回に分けて、25トンの物資を投下した。同日WHOが、ガザ地区の子供を中心に栄養不良に陥っていることを受けて、「憂慮すべき水準」に達し、「危険な傾向を辿っている」と声明を出していた。合わせて、IDF(イスラエル国防軍)側も、一時的に戦闘を停止し、物資の投下を見守った。なお同日ラファ検問所を通じて、エジプトからの物資を載せたトラックがガザ地区に入り、直接必要な物資や食料を届けた。合わせて、IDFは、国連の車列のための援助ルートを設けると明らかにする。ドーハでの停戦交渉が中止されたことを受けて、国際的な制裁を交わすため、態度を一時的に軟化させた。

 27日に国連のトム・フレッシャー事務次長は、ロイター通信のインタビューに応じた。100台分の援助物資が、検問所で集積され、間もなくガザ地区に搬入されると、語った。

 写真=ガザへ投下される物資 出展:EPA 掲載元 詳細記事 BBC NEWS JAPAN 2025年7月28日付 https://www.bbc.com/japanese/articles/c8x5e8eqd2go
フォト

 IDFも、ガザ地区の住民へ援助物資を送る。27日、小麦粉、砂糖、缶詰などの入った援助パック7箱を空中投下したと明らかにした。一方では人道的配慮を示しているものの、現地では変わらずに兵士による一般市民への発砲事件が起こっている。

医療関係者の話によると、ガザ中部では援助物資の輸送ルート付近で、IDFの兵士による銃撃により、9人が死亡、54人が負傷した。26日には、イスラエル軍が軍事作戦を停止するとした時刻の1時間後に住宅地への空爆もあった。
ガザの情報筋はBBCに対し、現地の情報を如実に語った。ガザ中部のサラ・アル・ディン通り沿いにあるネツァリム回廊で、多くの民間人が国連の援助車列を待ち望んでいた。突如銃声が聞こえ、9人が被害を受けた。犠牲者はヌセイラトにあるアル・アウダ病院へ搬送されたと、病院の関係者が明かしている。

                          <以上のBBCの記事終わり>

 空中投下については、自分達の身に差し迫った危険はない。地上部隊に派遣された兵士は、食料を求めて殺到する人々に、ハマスが紛れ込んでいると、猜疑心を抱き、発砲したくなる。あくまでもIDFは、「警護射撃」にとどまったと主張するものの、犠牲者が出ている以上、住民に銃口を向けた事実は覆せない。国際的にも信用を無くしている。

 

第3章 パレスチナを国家承認する動きが活発化する。

 
国連の方も将来のガザ地区の統治方法について議題に上っている。7月29日に、米ニューヨークの国連本部にて、イスラエルとパレスチナの2国共存を目指す国際会合が開かれた。フランスとサウジアラビアが共同議長を務める。スンニー派の盟主を名乗るサウジアラビアはファイサル外相が出席した。将来のガザの復興について提言する。フランス、日本を含む15カ国とEU、アラブ連盟の2つの機関が作成した「共同宣言」へ支持を訴えた。第79回国連総会は9月上旬に会期末を迎える。ニューヨーク宣言は、原稿用紙で7ページに渡り、二国共存の道程を描いている。ガザでの戦闘終結をさせたうえで、ガザ地区の統治権をハマスが破棄するように求める内容だった。国際機関が協力して、ガザ地区とヨルダン川西岸地域をパレスチナ人による統治を認めるのである。

{下記 第2章参考日記より }つまり、1993年9月13日に採択された「オスロ合意」にたち返るのである。合意内容に従えば、1994年から5年間、二つの地区は、パレスチナ人の政府によって統治されるはずだたった。隣接するイスラエルの敵対組織が起こすテロ活動の防止を務め、平和裏に解決が盛り込まれていた。実際ユダヤ人に敵愾心を抱くアラブ人は数多い。1996年頃からハマスによるテロ活動が続き、治安維持には失敗した。結局5年目を迎える1999年で持って、パレスチナ人による暫定統治期限は終了したのである。

 詳細 国連の会合について 時事通信 2025年07月30日09時17分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025073000258&g=int

 西欧諸国もガザでの悲惨な現状を目の当たりにして、パレスチナ人に同情を寄せる。フランスのマクロン大統領は7月24日時点で、9月上旬の会期末までパレスチナを国家承認すると表明した。既に春先からパレスチナの主権を認める立場を示していた。追随するようにカナダのカーニ首相も30日に、国家承認する意向を明らかにする。将来のパレスチナについて、ハマスを抜きにして、民衆による選挙を実施することが望ましいとした。G7において、イギリスも条件付で国家承認する立場を表明している。

 3カ国は、ハマスに統治権を与えることは認めていない。イスラエルとの共存を目指して、オスロ合意の締結に関わり、ヨルダン川西岸を統治するPLOのような穏健的な政党が台頭することを望んでいる。イスラエルと同盟国の米国は、国家承認に反論した。「ハマスへの褒美だ」と最大限の言葉で非難した。

 カナダのカーニ首相は、人道危機を救おうとする意思を明確に示す。「市民の苦しみが深刻化し、平和と安全、人間の尊厳を支える国際的な協調行動に一刻の猶予も許されない」と断固たる口調で述べた。

 カナダは、7月29日に、パレスチナの国家承認の前向きな西側15カ国の外相による共同声明に加わっていた。未承認のオーストラリアやニュージーランドも名を連ねていた。改めてパレスチナへの連帯の輪が広がっている。

 写真=カーニ首相 2025年4月26日 オンタリオ州ウィンザーにて 撮影者:八田浩輔 掲載元 詳細記事 毎日新聞 2025/7/31 17:17
https://mainichi.jp/articles/20250731/k00/00m/030/184000c
フォト

 7月31日に、フィンランドのストゥブ大統領も承認へ前向きな姿勢を示した。{下記 第3章 関連日記を参照}

同国は、国防について大統領は一定の権限があるものの、概ね議会によって決められる。2023年4月2日に行われた国会議員選挙(定数:200)にて、48議席を獲得して、第一党になった中道右派の国民連合党を率いるオルポ党首が、首相を勤めている。パレスチナの国家承認について、第2党の極右フィン人党とキリスト教民主同盟は、反対の立場を明確にしていた。オルポ首相は、2国家解決の支持を表明したものの、国家承認についての名言は避けた。フィンランドは、議会に決定権が委ねられている以上、ストゥブ大統領の考えが通るわけではない。今後議会を代表する首相と大統領が協議を重ねていくとみられている。

詳細 フィンランドのパレスチナの国家承認について AFP BB NEWS 2025年8月2日
https://www.afpbb.com/articles/-/3591739

詳細 2023年4月2日に行われたフィンランドの国会議員選挙について ビジネス短信 2023年4月4日より https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/04/55b1bbc47dcff948.html


写真=ストゥブ大統領 2025年6月25日オランダのハーグにて 出展:ロイター通信
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写真=オルポ首相 2025年4月1日首都ヘルシンキにて 出展:EPA通信
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日本は、イスラエルの同盟国であるアメリカの顔色をうかがい、パレスチナの国家承認には意欲的ではなかった。2025年7月末時点で国連加盟193か国中承認は147カ国に上る。中東に影響力を行使してきたアメリカは、仲介国として、ガザの人道状況改善に務めている。8月1日、トランプ政権から派遣されたウィトコフ中東担当特使は、SNSにて、ガザ地区を視察したと投稿した。現地に5時間以上滞在し、支援機関のメンバーと面会した様子を画像にて公開している。

写真=ウィトコフ中東担当特使(右側)の視察様子 出展:本人のXアカウントより 詳細記事 NHK NEWS WEB 2025年8月2日午前6時28分付
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250802/k10014882701000.html
フォト

ウィトコフ氏は、直接足を運び、現地の窮状を知ることにより、食糧や医療物資の支援を働きかけたい、との思いを綴った。トランプ大統領自身も、アメリカのニュースサイト、アクシオスの電話取材に応じた。アメリカの停戦交渉の仲介メンバーがドーハから帰国した中、ガザ地区での人道状況の悪化が懸念される中、危機感を募らせていたのである。「われわれは人々が生きるのを助けたい。人々に食べ物を届けたい。これはずっと前に実現されるべきことだった」と心中を吐露した。

                          <NHK 詳細記事終わり>


イギリスでは、ガザの民間人へ救いの手を差し伸べている。英紙サンデー・タイムズは3日、英政府が、パレスチナのガザ地区で重い傷病を抱える子供最大300人の受け入れ準備を進めていると報じた。大規模衝突以降、NGOが窓口になっていたものの、今回政府が率先して、打ち出した。傷病を抱えた子供計約5000人のうち、欧州ではスペインやイタリア、アイルランドなどが計約200人を受け入れている。

 詳細 ガザの子供の受け入れ 読売オンライン 2025年8月5日午前0時40分
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250804-OYT1T50131/

イギリスは、表向きにガザへの停戦の働きかけを行い、傷病者の無償治療を提供した。人道的に配慮しているとはいえ、ウクライナに侵攻するロシア軍のように、イスラエルの非難は最小限にとどまった。少しずつガザへの連帯の輪が広がり、IDFへ圧力をかけつづけている。


 関連日記

第2章関連日記 オスロ合意について

・2024年7月30日付  第1章 オスロ合意により、和平プロセスが始まる
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988097546&owner_id=32437106

 第3章関連日記 フィンランドのストゥブ大統領について 

2025年3月22日付 ロシア軍とウクライナ軍の戦い2025(6)第3章 カナダのカーニー首相就任 第5章 ゼレンスキー大統領との会談模様 
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989633337&owner_id=32437106
 



___________ 第4章へ向けてのメモ書き________________

速報!現地時間9月9日午後4時ごろ、カタールの首都ドーハの住宅街にて、爆発事件があった。イスラエルが、ハマスの幹部の滞在先を狙って、ピンポイントでドローン攻撃をしたとみられている。

■カタール・ドーハの住宅街で爆発 イスラエルが攻撃
(TRAICY - 09月09日 23:20)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=157&from=diary&id=8469733
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