<ロシア軍とウクライナ軍の戦い2025 第6回>
軍事衝突から3年、米国のトランプ大統領の強いリーダーシップの下、ウクライナはアメリカの停戦案に合意する。その背景は、戦闘能力を維持できないからである。一方で戦力に余力のあるロシア側も、欧米からの経済制裁に伴い、軍事作戦の出口を探っていた。トランプ大統領にさらなる経済制裁を打ち出され、プーチン大統領も前向きに検討に入った。今回はロシアの戦術や過去の戦後の帰還兵問題、ウクライナ軍が使用する武器についても解説した。ロシアと西側諸国、それぞれの立場を探っていく。
前回第5回 3月14日付 戦時下のロシア経済 G7外相会合開幕
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989583516&owner_id=32437106
目次
・第1章 戦闘の様子
・第2章 戦後 ロシアの帰還兵問題
・第3章 停戦へ向けて一歩踏み出す
・第4章 ロシアの人海戦術
・第5章 停戦へのプロセス 強気のロシア
第1章 戦闘の様子
国土防衛に向けて、一体感を深めていたウクライナ軍は、すでに消耗仕切っていた。後の停戦交渉にて、領土交換の切り札に使う目論見があったクルスク州から引き上げざるを得なかった。仲介国のアメリカが、両国に現状を突きつけたうえで、停戦ラインを探っていく。
ウクライナは、兵力不足を補うかのように、今なおドローン攻撃を繰り出す。ロシア国防省は3月14日、首都モスクワで13日夜から14日朝にかけて、ウクライナの無人機4機を撃墜したと発表した。死傷者は出ていない模様である。タス通信によると、無人機の破片によるものとみられる損傷が、モスクワ市中心部キエフスカヤ駅近くの住宅の屋根で見つかった。モスクワ中心部の被害は、過去に確認されていない。ウクライナは、停戦に応じるようにメッセージの意味合いをこめていた。
ウクライナの西隣のポーランドは、ロシア軍が優勢と報じられるたびに、危機意識が強くなる。同国のドゥダ大統領は、米国に対して、ロシアの軍事侵攻の抑止力として、核兵器を移送するように要求した。ドゥダ大統領は3月13日、英紙フィナンシャル・タイムズ誌にて、トランプ大統領の特使ケロッグ氏にも、核武装について議論したと、述べた。先日仏マクロン大統領が提案した核の傘を広げる防衛政策にも賛同している。
詳細 ドゥダ大統領の核武装について Reuters 2025年3月14日午前12時45分付
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GCJGKUJMYVKQXD2PZWYLURKJYU-2025-03-13/
アメリカのトランプ大統領は3月14日、選挙戦で公約に掲げたロシア軍とウクライナ軍の戦闘終結の可能性が「非常に近い」と手ごたえを口にした。自身のSNSで思いを書き込んだ。前線で不利に立たされているウクライナ軍について、ロシアのプーチン大統領に命を救うように強く要請した。そのきっかけは、ロシア領を越境攻撃したウクライナ軍への処罰感情が強く働いているからである。プーチン大統領は3月12日に、クルスク州入りした際、捕縛したウクライナ軍をテロリストとして扱うと宣していた。原則交戦国の兵士は、ジュネーブ条約に対象になり、虐待や強制労働は禁じられている。もちろん、交戦国の兵士が、武器を持たない市民を攻撃すれば、自国の法に則って裁ける。戦時中は、命をかけて戦う兵士の精神面は不安定になり、民間人か武装兵か、見分けがつきづらい。PTSDに悩まされる帰還兵も少なくない。戦後は、円滑なサポートが求められている。
写真=ロシア国防相が2025年3月13日に公開したスジャをパトロールする兵士
第2章 戦後 ロシアの帰還兵問題
プーチン大統領は、帰還兵の行方については神経を尖らせている。これまでは、プロバガンダによって、国民を統制していた。新たに帰還兵が、戦場での出来事を流布することにより、人海戦術を繰り出した政府に市民から批判の声が上がる。特別軍事作戦から1年を境に、言論統制に向けて、手を打っていた。2023年頃から表向きに帰還兵の社会復帰をサポートする公共施設を立ち上げた。実際は帰還兵を統制下に置く目論見が見える。歴史を振り返ると、1980年にソ連は共産主義者の保護を名目に、アフガニスタンへ軍事侵攻した。ゴルバチョフ書記局長の下、ペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)により、言論統制が緩和した。他国への不干渉のスタイルから、89年にはアフガニスタンから撤兵した。当時派遣された兵士達をアフガンツィという。
写真=1989年時 アフガニスタンから撤兵するソ連軍 掲載元 笹川保険財団より
https://news.ntv.co.jp/category/international/f19dfd85f3944dc3ba30baf002f777e2
アフガンツィが、帰還後に起こした社会問題については当時の政府も伏せていた。振り変えると、1960年代から1970年代まで長期に跨ったアメリカ軍のベトナム戦争の介入により、帰還兵のPTSDが深刻化した。理性が利かず、犯罪をする、または不安に駆られて自殺をする、引きこもり状態になるなど、社会復帰も間々ならなかった。最も戦地の負傷により、障害を負った兵士には、生涯にわたるサポートが必要である。先代のエリツィン大統領の下で、首相経験のあるロシア大統領府第1副長官のセルゲイ・キリエンコ氏は、2024年7月に帰還兵のサポート体制について言及した。政府内の会議にて、独自の見解を踏まえて、支援策を提案したのである。犯罪者になるケースを想定し、治安の悪化が危惧される。連日大きな事件が報じられると、治安維持のために警官の配置やその後の捜査にも人員を割く。犯罪が多くなれば、市民は政府に不満の矛先を向ける。「戦後帰還兵が、最大の政治的社会的リスク要因になる」と分析結果をまとめた。
反プーチン派として、アメリカに亡命しているロシア人のシカゴ大学で教鞭を執るコンスタンチン・ソニン氏は、警鐘をならした。彼は軍に関する虚偽情報を流布した罪で、本国ロシアから逮捕状を請求されていた。今は交戦国のウクライナへ武器供与をしたアメリカから批判を展開している。アフガンツィと比べると、ウクライナからの帰還兵は10倍も多い。治安の悪化や労働力不足に直面する。刑務所の囚人からも兵隊として動員する戦術も、法を損ねたと悲観した。怨恨による殺人ならいざしらず、自らの利欲によりお金目当てで人の命を奪う「強盗殺人犯」でも、兵役任務を終えて、無事に帰還すれば、無罪放免となる。つまり更生不十分な犯罪者が野放しになることを意味する。また戦地にいけば、刑が免除されるとの意識から、犯罪への抑止力低下にもつながりかねない。治安維持には、今待ったなしの状態と言っても良い。ただし、アフガンツィの例から、多くの褒章を与えることにより、政府は手名づけようとしている。ロシアの独立系民間調査機関クロニクルズが、2024年9月に行った調査によれば、兵士の37%が報酬目当て(最大3万5000ドルの前払い金)で志願している。市民としての義務を理由に挙げた兵士は24%に過ぎなかった。帰還兵のPTS問題は消えないにせよ、十分な褒章を受け取り、生涯の仕事や生活が保障されれば、政府に忠誠を誓いようになる。2025年2月中旬のことだった。TBSが、シベリアの一つの都市で、帰還兵の就職説明会を取材した。40人余りが参加している。中には、戦地での負傷により、元の職種に就くことが出来なくなった方もいた。足の先を失い車椅子姿の男性は、生活への適応が難かったと、率直に語った。(砲撃などの)恐怖は消えることはく、不安に苛まれるという。参加した企業側は、帰還兵を円滑に社会復帰させるためにサポートする義務を感じている。2022年2月24日に、特別軍事作戦が始まって以降、ロシア軍の推定死傷者は50万人に上る。侵攻後に帰還兵が政府に歯向かい、事件を起こす事態に備えて、政府は「英雄」と称え、国営企業で特別な地位を与えると表明していた。政府は公表を控えているものの、帰還兵が犯した国内での殺人事件は増加しているという。先述したように、戦地での任務と引き換えに、恩赦を受けた凶悪犯による、事件も確認されている。ロシア語の独立系メディア「メドゥーサ」は、2023年10月24日付けで、政府が国営メディアに対して、「帰還兵による事件」との報道を禁止するように命令したという。その理由は、一般の人々への帰還兵の差別意識が広がるからである。政府の命令が出るまで、一部メディアは、一般市民の関心を引くべく、帰還兵が犯した事件の手口や生い立ちなどを探っていた。確かに全国的に帰還兵の事件が相次いで報じられるたびに、一般の人々の間でも、特別軍事作戦に対して否定的な見方が広がる。政府がメディアへ、帰還兵の差別を禁じて以降、公になっていない。2025年2月時点、帰還兵による殺人事件の被害者は推定240人とみられている。ウクライナへの特別軍事作戦終了後、政府はその代償を負うことになった。
詳細 帰還兵問題 News Week 2025年3月11日(火)19時31分付
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/03/540951_5.php
写真=シベリアの一都市での帰還兵向けの就職説明会 詳細記事 掲載元 TBS NEWS DIG 2025年2月25日14時41分付
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1751045?display=1
第3章 停戦へ向けて一歩踏み出す
3月13日、ウィトコフ中東担当特使のモスクワでの滞在時の様子が明らかになった。ロシア国営メディアによると、プーチン大統領と会談したウィトコフ氏は、滞在わずか13時間、翌14日未明に出国している。トランプ大統領は、報告を聞いたのか、「非常に建設的だった」と評価していた。なお、ベラルーシのルカシェンコ大統領同席の下、記者会見に望んだプーチン大統領は、30日間の停戦案を事実上拒否する。新たに仲介を担うアメリカに、ロシアの安全保障上不十分との認識から、詳細な協議を要求していた。ロシアの脅威といえば、東方拡大するNATOである。ウクライナのNATO加盟断念、軍縮を突きつけてくることにより、一方的に併合した東部4州を自国領土として安全に保てる。今後新たな展開へと進んでいく。
詳細 トランプ大統領の発言 NHK NEWS WEB 2025年3月15日午前7時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250315/k10014750581000.html
カナダのシャルルボアで3月12日から14日迄3日間の日程で開かれたG7外相会合では、最終日出席した外相らによる共同声明が採択された。ロシアとパイプ役を担う米国のルビオ国務長官も賛同して、ウクライナの領土保全を支持すると、出席者は足並みをそろえた。台湾侵攻の可能性が懸念される中国に対しては、厳しい姿勢で望む。文言には、一部の融和的な表現が削除された。改めて台湾の主権を尊重する。議長を務めたカナダのメラニー・ジョリー外相は、記者団を前に、3日間の会合を総括した。「われわれはウクライナや中東といったさまざまな問題に関し話し合う会合を開いてきたが、その目的はG7の強い結束を維持することだった」と語った。
なおパレスチナ問題については、イスラエルに肩を持つアメリカの顔色をうかがい、恒久的なテーマの二国共存については文言から省いた。公開された文章は以下の通りである。「パレスチナ自治区ガザへの人道支援の再開と恒久的な停戦への支持を再確認したほか、イスラエル・パレスチナ紛争の交渉による解決を通じて、双方の正当なニーズと希望を満たし、中東の包括的な平和、安定、繁栄を促進する、パレスチナの人々にとっての政治的展望の必要性を強調した」
G7の外相の間で、ウクライナの主権の一体性については共通の考えを示していた。パレスチナ問題については、それぞれ異なる認識から、最終文言の調整には時間がかかったとみられる。先進国が一体となり、世界の安全保障や経済についても取り掛かっていく。
詳細 G7外相会合総括 Reuters 2025年3月15日午前2時59分
https://jp.reuters.com/world/ukraine/QM3KIOGC3JJVVBF2OMCZVESAFY-2025-03-14/
G7外相会合の議長国を勤めたカナダは、首相の座が代わった。3月14日に、60歳の誕生日を2日後に控えたマイク・カーニー氏が就任した。カナダ銀行とイングランド銀行を含め、2つの中央銀行の総裁を務めた実績から、経済政策を代われて、抜擢されたといえる。トランプ氏に25%の関税を課せられたことを受けて、アメリカの51番目の州にならないと、主体性を強調した。首相として初の外遊先をフランスとイギリスを予定していることを明かし、いずれトランプ大統領との会談に臨む構えを示した。
写真=3月14日に首都オタワで就任演説するカーニー氏 掲載元 BBC NEWS 2025年3月15日付
https://www.bbc.com/japanese/articles/cd7e0y48nvvo
ロシア軍は、クルスク州から撤退をするウクライナ軍を追撃する。形成を大きく変えたのは、ロシア軍のルビコン先進無人技術センターの精鋭ドローン(無人機)部隊である。2月23〜24日ごろ、ロシア西部クルスク州のスジャを実効支配したウクライナ軍守備隊を支える主要補給線に対する攻撃を激化させ、甚大な損害を与え始めた。ウクライナ軍の戦闘機の前後、側面から同時攻撃を行い、ごく短期間にウクライナ側の百車両以上を撃破したという。ロシア側の高度なドローン戦術を受けて、ウクライナの部隊は夜の闇にまぎれて逃げ出した。重装備品を放置したことにより、ロシア軍の手に渡った。
西欧から供与された武器もロシア軍に鹵獲された。アメリカのジョー・バイデン政権の下、2023年に重量約63t、乗員4人のM1エイブラムス戦車、合計31両を受け取った。分厚い装甲を備え、精度の高い120mm滑腔砲で武装したM1は、ウクライナ陸軍第47独立機械化旅団の1個大隊に配備された。同旅団はウクライナ南部や東部、ロシア西部で2年近くほぼ休みなく戦ってきた精鋭部隊である。クルスク州にも持ち込まれ、窮地に陥った今、兵士の命を優先して、乗り捨てた可能性が高い。第47機械化旅団が使用したM1は、これまでに少なくとも10両が撃破されるか鹵獲されるかして、損傷・遺棄分を含めた損害は19両にのぼる。失った戦闘車両分を、幸いにもオーストラリア軍が補ってくれる見通しが立った。近くオーストラリア軍から余剰になった49両のM1が届く見込みである。 ウクライナ軍は3月10日時点で、クルスク州で車両や大砲などの重装備を500点強失った。ロシア軍の損失数はさらに多く、推計600点とはいえ、国内で兵器の生産体制は整っている。日本の軍事アナリストによると、ロシア側は少なくとも1年程度は現在の戦闘能力を維持できるという。余力のあるプーチン大統領は、停戦に向けて、ウクライナ軍に厳しい条件を突きつけてくるとみられる。仲介国のアメリカが、ウクライナの身にも立ち、妥協点を探っていく。
写真=米国製M1エイブラムス戦車(M2M_PL / Shutterstock.com)詳細 ウクライナ軍の戦闘車両について Forbes 2025年3月15日午前9時
https://forbesjapan.com/articles/detail/77823
第4章 ロシアの人海戦術
アメリカ国防省によると、3月15日にルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相が、電話会談したと報告した。初めに、アメリカが、紅海を航行する船舶を取り締まるイエメンの親イラン武装組織フーシー派の軍事施設への攻撃について説明した。イスラエルへの軍事物資を載せたアメリカの船舶が攻撃を受けたことにより、被害意識を訴えたとみられている。ラブロフ外相は、武力行使の正当性を認めず、即時停止を求めた。後にロシア外務省が3月16日に明らかにした。二人の高官は、2024年2月18日サウジアラビアのリヤドにて、直接対面していた。新たに停戦に向けて協議していく方向を共有した。
写真=ルビオ国務長官(左側)とラブログ外相(右側)掲載元 詳細 TBS NEWS DIG 2025年3月16日11時51分付
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/1792296?display=1
西欧諸国は、一致団結して、ロシアに停戦に応じるように要求する。ウクライナの主体性を尊重し、力による国土の変更を認めてはならないと、仲介国のアメリカに訴えた。3月15日、スターマー首相は、25カ国が参加するオンライン会合にて、停戦後を見据えて協議した。ウクライナのゼレンスキー大統領他、NATOのルッテ事務総長も参加している。停戦後の監視に当たる、有志連合についても議題に上った。トランプ大統領が停戦仲介に動き出して以降、有志連合の参加を検討中とする国も少なくない。また近いうちに停戦交渉のテーブルに付くとみられるプーチン大統領の言動を黙って見守るのではなく、一致団結して働きかけていく必要性についても共有した。
スターマー首相は、会議を通してあげた成果を3項目上げた。一つ目は、ウクライナへの支援強化、2つ目は有志連合を通じたあらゆる合意を自分たちで守る準備をすること。3つ目はロシアへの圧力の維持である。後に英政府は3月17日付けで、有志連合は30カ国に上ると表明した。英仏を中心に目安として1万の兵隊を派遣する。
詳細 スターマー首相が主催したオンライン会合 掲載元 UKRINFORM 2025年3月16日午前5時28分付
https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3970988-ying-guo-zhu-cuinoonrain-you-zhi-lian-he-shou-nao-hui-he-kai-cuisutama-ying-shou-xiang-luno-shi-jian-jiagiwo-pi-pan.html
ロシア軍は、兵士を捨て駒に使う人海戦術、または民間人を省みない安く生産できる「無誘導弾」を使っているとみられている。3月7日、ウクライナ東部ドネツク州ドブロピリャのロシア軍の攻撃では、現場から見つかった兵器の残骸から、使用した兵器が特定された。「イスカンデルM弾道ミサイル」、「トルナードS多連装ロケット」、「ゲラン2自爆無人機(シャヘド136)」の3つの存在が明らかになった。ゼレンスキー大統領は、一連の兵器を使った攻撃により、民間人が30人以上負傷し、11人死亡と発表した。なおロシア軍のイスカンデルM弾道ミサイルやトルナードS多連装ロケットは、クラスター弾を搭載できる。クラスター弾とは、容器の中から、次々と子弾が飛び出していく仕組みである。広範囲に被害を及ぼすことから、街中での使用は、ジュネーブ条約において禁じられた。2008年12月3日に、クラスター弾の使用を禁止した「オスロ条約」が発行された。対人地雷を禁止するオタワ条約と同様、クラスター爆弾の生産、貯蔵、使用、移譲を違法とする。
写真=オスロ条約の主な加盟国と非加盟国 掲載元 THE SANKEI NEWS 2025年7月16日18時37分
https://www.sankei.com/article/20230716-PPNFMVVCINIOTAEA2DRKBCWINI/
犠牲者本人と取り巻く家族を対象にした支援を締約国の義務として明文化した。2023年3月1日時点で日本を含めて、111の国と地域が署名している。なおアメリカとロシアは批准していない。バルト3国とポーランドの国防省は3月18日付け、共同声明にてオタワ条約からの離脱を発表した。ロシアからの防衛のため、必要な処置を取れる様にするためと、理由を説明している。国境沿いに地雷を設置すれば、緩衝地帯として機能する。4カ国は防衛には一段と力を入れている。
詳細 地雷廃絶キャンペーン
https://www.jcbl-ngo.org/database/clustermunitions/ccm/
現場からの報告によると、ロシア側は最初の砲撃により、建物にダメージを与えた。現地の消防局が救助へ発動した際、2度目の攻撃にて、クラスター弾を使ったとみられる。映像を分析したウクライナ当局は、立て続けのロシアの砲撃から、意図的に民間人を狙ったと非難した。ロシア軍の言い分としては、ウクライナ兵士が立てこもっていたために、砲撃を加えた。隠れていた兵隊が損壊した建物から外へ出る。四方八方に逃げる兵士をめがけて、2度目の砲撃の際、クラスター弾を使うと、一網打尽に出来る。軍事侵攻から3年を経て、度々クラスター弾を打ち込んできたものの、その理由を明らかにしていない。ハマス掃討を掲げるイスラエルの軍事作戦のように、ウクライナ兵の潜伏先を突き止めれば、見境なく攻撃を加えているとみられている。
詳細 ロシア軍の3月7日の攻撃 掲載元 2025年3月10日0時01分付
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1c39e75e890cd9ef73de4c19894a0e619dad2aad
第5章 停戦へのプロセス 強気のロシア
日本時間3月18日(火)アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談を行った。プーチン大統領は、宥和姿勢をとり、クルスク州から撤退するウクライナ軍の捕虜について、命は助けると名言していた。3月13日に、自らクルスク州入りした際、テロリストとして捕虜を裁くと、処罰感情を露にしていた。トランプ大統領との間の争点は、一方的住民投票の手続きを踏んで併合した東部4州の帰属権、もう一つはザポリージャ原発の管理権である。
電話会議は、2時間以上に及んだと明かされた。事前に予想されていたとおり、ウクライナが呑んだアメリカの30日間の停戦案を、ロシア側は事実状拒否した。ロシア側は、停戦への条件について、ウクライナのNATO加盟拒否、西側の軍事援助や情報提供停止、ウクライナの軍縮を上げている。また2022年2月24日の軍事侵攻当初から乗っ取ったザポリージャ原発を保護する目的で、エネルギー施設と黒海周辺での部分停戦には応じた。新たに仲介国のアメリカとの宥和へ向けて、アイスホッケーの国際試合開催でまとまった。
トランプ大統領は、「建設的な議論だった」と感想を述べているものの、西側諸国からは、全く進展していないとの見方が強い。
詳細 電話会議 BBC NEWS 2025年3月19日付
https://www.bbc.com/japanese/articles/czx72e5rr49o
トランプ大統領は、口にした通りのことを考えているとはいいがたい。戦況の行方からロシアが簡単に停戦を受け入れないことを念頭に置きながら、会議を進めていったとみられている。
19日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、フィンランドの首都ヘルシンキにて、同国のストゥブ大統領との共同記者会見の席で、自らの考えを表明した。「ウクライナのレッドラインは、国家の独立と主権を失わないことだ」と仲介国のアメリカに向って訴えた。捕虜の全員の帰還、遺体の返還も求めていく姿勢も強調する。なおフィンランドには、2024年4月3日に「安全保障協定」を結んで以来、11ヵ月半ぶり2度目の訪問である。民間防衛システムとシェルターの建設についての知識を共有したと明かした。戦後も見据えて、ロシアとの防衛についても協力していくと、連携を深めた。
写真=ゼレンスキー大統領とストゥブ大統領 掲載元 VOCO 2025年3月20日午前10時18分 出展:ゼレンスキー氏のXより
早速ゼレンスキー大統領は、3月19日にトランプ大統領と電話協議にのぞんだ。時間は1時間に及んだという。後にゼレンスキー大統領は、「アメリカのリーダーシップの下で、今年中に永続的な平和を実現できる」と自身のSNSで心境を語った。トランプ大統領とは、ロシア軍が掌握するザポリージャ原発についても争点になったと報告した。停止中の原発が全面稼動するまで少なくとも2年の歳月を要する。エネルギーやインフラ施設、黒海への部分停戦には、ウクライナも受諾した。ロシアが、ウクライナの同様の施設を砲撃した場合、反撃することになると、トランプ大統領に話したという。
詳細 トランプ大統領とゼレンスキー大統領の電話会談 BBC NEWS JAPAN 2025年3月20日付
https://www.bbc.com/japanese/articles/cx20v3w795vo
確かにウクライナは戦闘を続けることに限界を感じ、アメリカが策定した30日間の停戦に応じざるを得ない。支配された領土は、外交を続けることで、返還を迫る方針を示した。一方ロシア側も、今回の特別軍事作戦の終了時期を探っていた。余力がある状況から東部4州完全制覇を目論んでいるとみられている。3年1ヶ月に及ぶ両国の戦いは、少しずつ出口が見え始めている。
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